南アメリカ大陸とアフリカ大陸の海岸線の形が一致する事実から大陸移動説を発想しました。〈仮説法→演繹法→帰納法〉とすすみます。3段階循環モデルにより現象の本質にアプローチします。
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タグ:KJ法
企画展「知的生産のフロンティア」(国立民族学博物館)をみる
点メモ花火(1-2) - 島どりと見だし -
心のなかから情報をアウトプットします。
箇条書きは1次元、放射状メモは2次元、島どりと見だしをいれると3次元になります。
次元がたかいほど情報処理は容易になります。
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「発想法」のつかいかた - 川喜田二郎・山田しぶ『まんがでわかる 発想法 -ひらめきを生む技術-』-
アイデアがうまれます。企画書が書けます。チームワークがすすみます。
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100分 de 名著:三木清『人生論ノート』(NHK Eテレ)
幸福とは各人においてオリジナルなものです。創造的になるためにはアウトプットまでおこなうようにし、ときに決断が必要です。人生は旅です。
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問題意識にもとづいて情報を収集する - 点メモ花火(4)-
課題をあきらかにしてテーマをきめ、問題意識がふかまったら、情報収集をはじめます。
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テーマをきめて問題意識をふかめる - 点メモ花火(3)-
いくつもの課題のなかから中心的な課題つまりテーマを選択し、問題意識をふかめるようにします。
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体験ファイルを活用する - 点メモ花火(2)-
体験ファイルは、体験情報とキーワードからなりたっています。体験ファイルを操作し活用していくことが情報処理の秘訣です。
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課題をアウトプットする - 点メモ花火(1)-
課題をアウトプットする方法のひとつとして、キーワードと関係線をつかう「点メモ花火」があります
。課題を明確にすることはとても重要です。
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しらべる→まとめる→つたえる - NHK・Eテレ「しまった!」-
1. 大観 → 2. 並列 → 3. 統合 - KJ法の「グループ編成」から情報処理の原則をよみとる -
フィールドワーク(現地調査)でえられた多種多量なデータを整理し文章化していく方法として「KJ法」(注)とよばれる方法があります。
今回は、このKJ法のなかのひとつのステップである「グループ編成」に注目し、情報処理の原則をそこからよみとってみたいとおもいます。
KJ法の「グループ編成」はつぎの3つの場面からなります。ここでいうラベルとはデータをラベルに記入したもののことです。
1.ラベル拡げ
2.ラベル集め
3.表札づくり
「ラベル拡げ」とは、データを目の前にすべてひろげて全体をよく見ることです。「ラベル集め」とは似ているデータをあつめてセットにすることです。「表札づくり」とはセットになったデータを要約して単文として書きだすことです。
一方、いわゆる情報処理はつぎの3場面からなりたっています(注2)。
1.インプット
2.プロセシング
3.アウトプット
以上から、「グループ編成」の3場面と情報処理の3場面とは対応させて理解することができます。
1.ラベル拡げ:インプット
2.ラベル集め:プロセシング
3.表札づくり:アウトプット
「ラベル拡げ」では、課題をめぐる状況を大観し、すべてのデータをかたよりなく全体的にまるごとインプットするようにします。
「ラベル集め」では、データを空間的に並列させて、類似性に着目しながらデータを空間的にうごかしていきます。つまり並列処理をするということです。並列とはいいかえると直列ではないということであり、データを、時系列あるいは前後関係では処理しないとうことです。そのためには空間をつかうことが必要になります。
「表札づくり」では、あつまったデータのセットを単文に要約して書きだします。つまりデータを統合します。ここではじめて本格的に言語がつかわれます。「ラベル集め」ではデータを並列させましたが、ここでは一転してデータを直列的に処理します。そもそも言語は、前から後ろにながれていく直列的なもの(時間的なもの)であり、言語は情報を統合する道具として有用です。空間ではなく言語をつかい、情報を順番に処理していきます。
KJ法は、フィールドワークでえられた情報(データ)を文章化するための方法(アウトプットの方法)ですが、「グループ編成」の3場面と情報処理の3場面とのあいだに対応関係がみられることから、心のなかでおこるプロセシングにおいては「ラベル集め」のような並列処理がおこっているのではないかと類推できます。心のなかは直接はみえないのでアウトプットから類推します。
KJ法は、フィールドワークでえられた情報(データ)を文章化するための方法(アウトプットの方法)ですが、「グループ編成」の3場面と情報処理の3場面とのあいだに対応関係がみられることから、心のなかでおこるプロセシングにおいては「ラベル集め」のような並列処理がおこっているのではないかと類推できます。心のなかは直接はみえないのでアウトプットから類推します。
以上から情報処理の場面ごとの原則としてつぎがうかびあがります。
第1場面:大観
第2場面:並列
第3場面:統合
モデル(模式図)であらわすとつぎのようになります。
図 情報処理の3原則
第1場面では特定の物事にとらわれることなく、すべてを全体的にまるごととらえ受けいれます。第2場面では空間をつかいます。第3場面では言語あるいは時間をつかいます。
このように3つの原則を意識して、またつかいわけることによって情報処理あるいは仕事がスムーズにすすむとおもいます。
▼ 注1
川喜田二郎著『発想法』(中公新書)1967年
川喜田二郎著『続・発想法』(中公新書)1970年
川喜田二郎著『KJ法 渾沌をして語らしめる』中央公論新社、1986年
▼ 注2
見ることはインプット、書くことはアウトプットにあたります。本ブログでは、人がおこなう(人が主体になった)情報処理をとりあつかっています。
▼ 追記1
今回は、KJ法について説明するのが目的ではなく、情報処理の原則をあきらかにするのが目的であり、KJ法の「グループ編成」をサンプルとしてつかって情報処理について考察してみました。
▼ 追記2
第3場面でも全体がみえてきますがそれは第1場面とはことなり、正確にいうと第3場面では本質がみえてきます。この場面になると仮説やモデルなどが表現されるようになります。第1場面と第3場面のちがいに気がつくことも重要です。
▼ 追記3
なれてくると、インプット・プロセシング・アウトプットといった物理的なことよりも基本原則を意識することの方が重要になってきます。
カードを操作するようにファイルを操作する - 梅棹忠夫著『知的生産の技術』をとらえなおす(3)-
梅棹忠夫著『知的生産の技術』の第3章「カードのつかいかた」では、カードの記入のしかた、原則、組みかえ操作などについてのべています。
カードは、他人がよんでもわかるように、しっかりと、完全な文章でかくのである。「発見の手帳」についてのべたときに、豆論文を執筆するのだといったが、その原則はカードについてもまったくおなじである。カードはメモではない。そのかわり、豆論文にはかならず「見だし」をつける。カードの上欄にそれをかいておけば、検索に便利である。「見だし」は、豆論文の表題でもよいが、むしろその内容の一行サマリーといったもののほうが、いっそうその目的にかなっているだろう。
一枚のカードにはひとつのことをかく。この原則は、きわめてたいせつである。
このようにカードは、見だし(一行サマリー)と本文とからなっていて、一枚一項目の大原則をもっています。
したがってカードとは、情報(データ)のひとまとまりを記録したものであり、現代の一般的な用語をつかえばそれはファイルのことです。
1個のファイルには1つの見出しがかならずあり、その下部構造としてデータの本体(本文)が存在する構造になっています。コンピューター・ファイルでは、見出しをダブルクリックすることによりデータの本体をひらける仕組みになっています。
大切なことは、わたしたちがファイルをつくるときにはカードをおもいだし、その原則と意義を意識しながらつくることです。
つぎに、カードの操作について説明しています。
操作できるということが、カードの特徴なのである。カードの操作のなかで、いちばん重要なことは、組みかえ操作である。知識と知識とを、いろいろに組みかえてみる。あるいはならべかえてみる。そうするとしばしば、一見なんの関係もないようにみえるカードとカードのあいだに、おもいもかけない関連が存在することに気がつくのである。そのときには、すぎにその発見をカード化しよう。そのうちにまた、おなじ材料からでも、組みかえによって、さらにあたらしい発見がもたらされる。これは、知識の集積作業ではない。それは一種の知的創造作業なのである。カードは、蓄積の装置というよりはむしろ、創造の装置なのだ。
知的創造作業についての重要な原理がのべられています。
わたしは、紙のカードは現在ではつかわなくなりましたが、紙のカードはつかわなくても、ファイルをつくってファイルの操作をしています。
見たり聞いたり体験したことを文章にして記録し、一行サマリーをつくることは、情報処理の観点からいうとアウトプットをするということです。1回のアウトプットにより1個のファイルはつくられ、アウトプットをくりかえせば、ファイルは蓄積されていきます。
そして、多数のファイルを操作してあたらしい組みあわせやグループを編成してあらたな体系をつくっていくことになります。
このファイル操作のためには、今では、コンピューターがつかえます。コンピューターをつかえば、カット&ペーストで入れかえ、組みあわせが自由にできます。
あるいは、ワープロのアウトライン機能をつかって、見だしと本文を表示させたり、本文をたたんで見出しだけを表示させたりして、組みかえやグループ編成をすることができます。
あるいは、Keynote をつかえば、ディスプレイ上でカードを操作するようにならべかえができます。
あるいは、ファイルの見だしを付箋(ポストイット)に書きだして、机のうえにひろげて組みかえやグループ編成をおこなってもよいです。
情報を並列処理する
「編成法」は、ラベルを縦横に空間的にひろげて、すべてのラベルを見るところからはじまります(インプット)。
そしてそれにつづくプロセシングでは、ラベルをうごかしながら似ているラベルをあつめます。
このプロセシングは、情報(ファイル)を並列的に処理することがポイントになっています。つまり、空間的(2次元)にラベル(ファイル)を配置すれば、ラベル(ファイル)を上下左右に自由に移動させることができ、あらたな組みあわせやあらたな結合を生みだすことができます。
これが、時系列のような直列処理(1次元)ですと、情報(ファイル)は前後でむすびついているだけで移動はできず、あらたな組みあわせもつくれません。また、直列処理(1次元)ですと、一旦ある箇所で行きづまるともう先にすすめなくなります。しかし2次元以上ですとそのようなことはありません。
したがって、プロセシングでは空間をつかった方がよく、空間をつかうことにより情報(ファイル)の並列処理ができるのであり、「編成法」はこれを目に見える形でおしえてくれます。このことに気がつくだけでも情報処理は急激にすすむようになります。
次元の観点から見ても、情報処理の場の次元を高めた方が情報処理はすすむことはあきらかです。1次元(時系列、直列)よりも2次元(平面)、2次元よりも3次元(立体空間)を利用した方がよいのです。これは、努力をする以前にそういう場を意識して用意すればよいだけことです。速読法や記憶法の例を見てもあきらかです。
このように、プロセシングの本質は並列処理にあります。
4つ技術をくみあわせて文章をかく
情報処理をして文章を書く技術である「ラベル法」「編成法」「図解法」「作文法」は、単独でもつかえますが、くみあわせてつかうとより効果的です。各技術を整理し一覧するとつぎのようになります。
▼「ラベル法」
▼「作文法」
たとえばつぎのような組みあわせがあります。
「ラベル法」→「編成法」
「ラベル法」→「図解法」
「ラベル法」→「作文法」
「ラベル法」→「編成法」→「図解法」
「ラベル法」→「編成法」→「作文法」
「ラベル法」→「図解法」→「作文法」
「ラベル法」→「編成法」→「図解法」→「作文法」
「ラベル法」はすべての方法の基礎です。
みたりきいたりしてインプットされて情報は、 内面で処理され(プロセシング)、文章としてアウトプットされます。この過程でうまれたアイデアや仮説も文章にしてあらわします。
みたりきいたりしてインプットされて情報は、 内面で処理され(プロセシング)、文章としてアウトプットされます。この過程でうまれたアイデアや仮説も文章にしてあらわします。
編成法から図解法へ - 図解法(展開型)-
情報(ファイル)の類似性に基づいて情報処理をすすめる方法として「編成法」があります。
この「編成法」は「図解法」につなげて図解をつくることができます。
上記の例では、7つのグループに基づいて1枚の図解をつくりました。
「編成法」に基づいて「図解法」をすすめる場合は、ラベルのグループ(ラベルの束)の中身(元ラベル)を細部図解として展開し、図解化する方法があります。グループ(束)それぞれについて細部図解をつくります。
以下にその手順を具体例をつかって説明します。
■ 図解法でつぎの図解をつくくりました。
■ それぞれのラベル(要約ラベル/表札)に「アイウ・・・」と符号をつけます。これを「インデックス」図解とします。それぞれの符号ごとに1枚ずつ細部図解をつくっていきます。
■ さらに、これらの赤色の表札と青色の表札の下にあるラベルを展開し配置します。赤色の表札の下からは元ラベル(黒色ラベル)が出てきました。青色の表札の下からは赤色の表札と元ラベルがでてきました。ここでは、黒色は元ラベル、赤色は1段目の表札(要約ラベル)、青色は2段目の表札、緑色は3段目(最上位)の表札であることに注意してください。
■ 右の赤色の表札をさらに展開します。
■ これで、すべてのラベルが展開・配置されました。ここまでが空間配置です。つぎに、各グループごとに島どりを記入していきます。まず、赤の段(1段目)の島どりをします。
■ もうひとつの赤の段の島どりをします。
■ 青の段(下から2段目)の島どりをします。やや太い線で島どりをします。
■ 緑の段(最上段)の島どりをします。太い線で島どりをします。これで、細部図解「ア」が完成です。
■ つぎに、「イ」については、インデックス図解に元ラベルがそのまま出ていますので細部図解は必要ありません(細部は存在しません)。
■ つぎに、「ウ」のグループ(束)を図解化します。「ウ」のラベルの束をあたらしい用紙の上におきます。
■ 束の中身を展開し配置します。
■ 元ラベルが出てきましたので、これで空間配置はおわりです。島どりをし、細部図解「ウ」を完成させます。
■ つぎに、「エ」のグループ(束)の図解化をします。「エ」のラベル束をあたらしい用紙の上におきます。
■ 束の中身を展開し配置します。
■ 元ラベルが出てきましたので空間配置はおわりです。島どりをし、細部図解「エ」を完成させます。
■ つぎに、「オ」については、インデックス図解に元ラベルがそのまま出ていますので細部図解は必要ありません(細部は存在しません)。
■ つぎに、細部図解「カ」をつくります。「カ」のラベルの束をあたらしい用紙の上におきます。
■ 中身を展開し配置します。
■ 赤色の束の中身を展開し配置します。
■ 島どりをして細部図解を完成させます。
■ 細部図解「キ」をつくります。
これで、細部図解がすべて完成しました。
インデックス図解の符号(アウエカキ)に対応して細部図解が存在します。インデックス図解の符号を見れば、それぞれの細部図解上でさらにくわしい情報を見ることができます。つまり情報検索ができます。これは、グラフィックな検索 システムです。
インデックス図解の下に細部図解が存在する3次元の立体構造をイメージしてください。
ラベルは、ファイル(情報のひとまとまり)の上部構造であり標識です。実際には、ファイルが立体的に構造化されています。3次元の構造になったファイルをイメージしてください。
このような空間的なイメージは、記憶法・作文法・発想法などのさらなる情報処理のために活用できます。作業の途中でおもいついたアイデアや仮説はかならずメモをしておくようにします。
▼ 注
ラベルは、市販のラベル(シール)あるいはポストイットをつかうとよいでしょう。また、OmniGraffle というアプリケーションソフトをつかえば Mac ですべての作業ができます。上記の図解はこのアプリをつかっています。OmniGraffle のつかいかたは後日あらためて解説します。
▼ 参考文献
川喜田二郎著『発想法』(中公新書)中央公論社、1967年6月26日
※ 本ブログでは、現代の情報処理の観点から本書をとらえなおし、すぐにつかえる技術を解説しています。
■ 最初に、「ア」について細部図解をつくります。あたらしい用紙を用意して、その上部にテーマを下記のように書きます。つぎに、「ア」のラベルの束をもってきて用紙の上におきます。
■ さらに、これらの赤色の表札と青色の表札の下にあるラベルを展開し配置します。赤色の表札の下からは元ラベル(黒色ラベル)が出てきました。青色の表札の下からは赤色の表札と元ラベルがでてきました。ここでは、黒色は元ラベル、赤色は1段目の表札(要約ラベル)、青色は2段目の表札、緑色は3段目(最上位)の表札であることに注意してください。
■ 右の赤色の表札をさらに展開します。
■ これで、すべてのラベルが展開・配置されました。ここまでが空間配置です。つぎに、各グループごとに島どりを記入していきます。まず、赤の段(1段目)の島どりをします。
■ もうひとつの赤の段の島どりをします。
■ 青の段(下から2段目)の島どりをします。やや太い線で島どりをします。
■ 緑の段(最上段)の島どりをします。太い線で島どりをします。これで、細部図解「ア」が完成です。
■ つぎに、「イ」については、インデックス図解に元ラベルがそのまま出ていますので細部図解は必要ありません(細部は存在しません)。
■ つぎに、「ウ」のグループ(束)を図解化します。「ウ」のラベルの束をあたらしい用紙の上におきます。
■ 束の中身を展開し配置します。
■ 元ラベルが出てきましたので、これで空間配置はおわりです。島どりをし、細部図解「ウ」を完成させます。
■ つぎに、「エ」のグループ(束)の図解化をします。「エ」のラベル束をあたらしい用紙の上におきます。
■ 束の中身を展開し配置します。
■ 元ラベルが出てきましたので空間配置はおわりです。島どりをし、細部図解「エ」を完成させます。
■ つぎに、「オ」については、インデックス図解に元ラベルがそのまま出ていますので細部図解は必要ありません(細部は存在しません)。
■ つぎに、細部図解「カ」をつくります。「カ」のラベルの束をあたらしい用紙の上におきます。
■ 中身を展開し配置します。
■ 赤色の束の中身を展開し配置します。
■ 島どりをして細部図解を完成させます。
■ 細部図解「キ」をつくります。
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これで、細部図解がすべて完成しました。
インデックス図解の符号(アウエカキ)に対応して細部図解が存在します。インデックス図解の符号を見れば、それぞれの細部図解上でさらにくわしい情報を見ることができます。つまり情報検索ができます。これは、グラフィックな検索 システムです。
インデックス図解の下に細部図解が存在する3次元の立体構造をイメージしてください。
ラベルは、ファイル(情報のひとまとまり)の上部構造であり標識です。実際には、ファイルが立体的に構造化されています。3次元の構造になったファイルをイメージしてください。
このような空間的なイメージは、記憶法・作文法・発想法などのさらなる情報処理のために活用できます。作業の途中でおもいついたアイデアや仮説はかならずメモをしておくようにします。
▼ 注
ラベルは、市販のラベル(シール)あるいはポストイットをつかうとよいでしょう。また、OmniGraffle というアプリケーションソフトをつかえば Mac ですべての作業ができます。上記の図解はこのアプリをつかっています。OmniGraffle のつかいかたは後日あらためて解説します。
▼ 参考文献
川喜田二郎著『発想法』(中公新書)中央公論社、1967年6月26日
※ 本ブログでは、現代の情報処理の観点から本書をとらえなおし、すぐにつかえる技術を解説しています。
グラフィックに情報群をとらえる - 図解法(ラベルを図解化する)-
「ラベル法」あるいは「編成法」によって、何枚かのラベルあるいは表札(要約ラベル)がアウトプットされた場合、それらをさらに処理して図解にする方法があります。
ある情報群が、図解をつくることによってイメージとしてグラフィックにとらえられるようになり、アイデアや仮説が出やすくなり、情報処理を一層すすめることができます。
「図解法」の手順はつぎのとおりです。これも情報処理の過程になっています。
図1 図解法の手順
たとえば、つぎの7枚のラベルあるいは表札(要約ラベル)が用意された例について説明します。テーマは「時代の潮流を洞察する」です。
図2 用意されたラベルの例
アウトプットとしてはこれらを箇条書きにするだけでもよいですが、図解としてアウトプットするとさらにわかりやすくなり、アイデアが出やすくなります。図解は、発想の手段としてつかえます。
図解をつくるためのラベル(あるいは要約ラベル)の総数は7±2枚とします。7は、人間が一度に知覚できる情報の最大数といわれています(マジカルナンバー)。図解では、パッと見てわかりやすいことを最優先にしますので、ラベルの数をしぼりこみます。ラベルの数が10枚以上の場合は「編成法」をつかって枚数を減らしておきます。
1.ラベルを見る
これら(図2)のラベルすべてをしっかり見て、心(意識)のなかにインプットします。
次に、それぞれのラベルに見出しをつけていきます。見出しは、ラベルに記されたメッセージの本質を要約した言葉であり、キャッチフレーズのように人の心をとらえやすい印象的な語句がのぞましいです。新聞の見出しのつけ方が大いに参考になります。
あたらしいラベルを用意し、見出しであることがわかるように赤色で記入し、元のラベルの上にのせていきます。
図3 見出しをつけた例(1)
このようにして、すべてのラベルに見出しをつけます。
2.空間配置する
つぎに、見出しのラベルを空間配置します。ラベルを、さまざまにうごかしながらもっともわかりやすい配置をさがします。つぎの点に留意します。
(1)もっともすわりのよい配置
(2)もっとも多くの関係が表示できる配置
(3)叙述化がしやすい配置
図8 空間配置の例
一般的に人間は、左上から右下に図面を見る傾向にありますから、そのことも考慮して配置するとよいです。
叙述化をしてみた一例はつぎのとおりです。
現代は、解体の時代であり民族紛争の時代です。このようなきびしい時代にもとめられるのは情報処理能力の開発であり、また、それを踏まえた社会格差の是正、女性の社会参画です。そして、ひとりひとりが全人的な生き方を追求し、一方で人類は自然との共生を模索します。
3.図解をつくる
テーマを上部に記入します。関係がつよい見出しラベルの間に関係記号を記入します。関係記号は線あるいは矢印などが一般的です。必要に応じて背景などを記入します。
図解の一例はつぎのとおりです。
図9 図解の例
見出しをつくった元のラベルを表示させてもよいです。
図10 図解の例(元ラベルを表示させたタイプ)
*
以上のように、「図解法」では図解がアウトプットされます。
たとえば、報告書などを書くときには本文とともに図解ものせるとわかりやすくなることがあります。プレゼンテーション(口頭発表)をするときには、パワーポイントやキーノートなどで図解のみをしめし、図解をさしながら口頭で(言語で)説明をするようにします。
あらたにおもいついたアイデアや仮説は図解上にメモしておきます。
▼ 参考文献
川喜田二郎著『発想法』(中公新書)中央公論社、1967年6月26日ファイルを編成して文章をかく
情報処理の方法のひとつとして「編成法」という方法があり、これは、情報群の意味をよみとりながら文章を書くために役にたつ方法です。フィールドワークや実験でえられたデータをひとおとおり記載した後に書く考察のためにもつかえます。
一方、日記・旅行記・行動記録などのように時系列で文章を書きだすときには「編成法」はつかいません。この場合は、時間軸にそってファイルを連結していきます。ファイルとは情報のひとまとまりのことです。
「編成法」の前段階として「ラベル法」を実施します。
そして、「編成法」では、複数のラベルを縦横にならべて、それらを読むことからはじめます。「編成法」の手順はつぎのとおりです。
ここでラベルはファイルの上部構造になっています。ファイルの構造は下図のとおりで、これはファイルを横から見た図(断面図)です(図2)。
図2 ファイルを横から見た図(断面図)
ファイルを上から見た図(平面図)は図3のようになります。
図3 ファイルを上から見た図(平面図)
このようにファイルは球形にモデル化され、その一番上がラベルになっています。
ラベルは、直接みたり さわったりすることができ顕在していますが、その下の情報の本体は記憶として心のなかに存在しています。つまり、ラベルの下には情報の本体が常に潜在しています(図4)。
図4 ラベルは顕在し、情報の本体はその下に潜在している
「編成法」のプロセシングにおいて、似ている「ラベルをあつめる」ときにも、ラベルの下には情報の本体が常に潜在しています。「ラベルをあつめる」とは、実は、ファイルをあつめているのであり、似ているラベルのセット(グループ)をつくることは、ファイルのセット(グループ)をつくっていることになります。
そして「要約する」では、セットになった2〜3枚のラベルを統合・要約して、あたらしい高次元のラベルである「表札」(要約ラベル)をつくります。これは、小さなファイルを統合・編成して、大きなファイルをつくっていることになります。
2個のファイルを1個のファイルに統合した例。
「表札」とは「要約ラベル」のことである。
「表札」とは「要約ラベル」のことである。
こうして、複数のファイルを、類似性に着目して結合・統合してグループを編成していくのが「編成法」です。「編成法」は文章(とくに説明文)を書くためにつかえます。これは、時系列でファイルを連結していく方法よりも高度な方法になります。
ラベル法をつかってファイルをつくる
「ラベル法」は、情報処理のなかではもっとも初歩的・基本的な方法であり、この方法の本質はファイルをつくることにあります。ここで、「ラベル法」についてあらためて整理してみます。
■「ラベル法」の手順
「ラベル法」の手順はつぎのとおりです。
取材する → 情報を選択する → 要点を書く
(インプット) →(プロセシング) → (アウトプット)
「取材する」とは、ある課題にそって情報を収集することであり、見たり聞いたり感じたりして情報を心のなかにとりいれることです。取材の初期段階では、ウェブサイトや書籍でしらべたり、あるいは、写真・メモ・日記・資料などを見なおしたりします。
「情報を選択する」は、ある課題にとりくむにあたって重要な情報を選択することです。情報のひとまとまりを意識することが大切です。
「要点を書く」では、選択した情報のひとまとまりの要点のみを原則として単文(言葉)にします。インプットした情報のすべてを書きだすことは不可能ですし、そのようなことをしても意味はありません。この要点(言葉)が、情報のひとまとまりのラベル(標識、見出し)になります。
■ ファイルの構造
情報のひとまとまりは、上部構造であるラベルと、下部構造である情報の本体とから構成されます。情報の本体は記憶として心のなかに保持されます。そして、この情報のひとまとまりはファイルとよぶことができます。
図 ファイルは、ラベルと情報の本体とから構成される
■ コンピューター・ファイルとの類似
ここで、コンピューター・ファイルとの類似を指摘してみたいとおもいます。コンピューターでも情報(データ)のまとまり(あつまり)はファイルとよびます。それぞれのファイルには「アイコン+ファイル名」がつけられ、「アイコン+ファイル名」をダブルクリックすることにより情報の本体がひらける仕組みになっています。ファイルは、記憶装置に情報を書きこむときの単位になり、 情報の本体は記憶装置に保存されています。
ここで、「アイコン+ファイル名」はラベルに相当します。
これと似たことを人間もやっているのです。コンピューターで記憶装置に書きこむ作業は、人間でいえば記憶するということです。ファイルを検索したり ひらくことは、人間では想起に相当します。
■ アウトプットと同時にファイルができる
このように、情報のひとまとまりにラベルをつけることはファイルをつくる作業になっており、ラベルをつけることにより1個のファイルができたことになります。
「ラベル法」でラベルをつくることは、アウトプットをすることであると同時にファイルをつくる作業にもなっているのです。
ファイルをつくることにより、ラベルを見て想起したり、イメージしたり、編成・編集したりすることができるようになります。つまり情報はつかえるようになります。「ラベル法」は心象法・記憶法・編成法などにも通じています。
以上ように、情報処理の観点からは、ラベルと情報の本体がつくるファイルの構造を理解することがとても重要であり、ファイルをいかにつくり、ファイルをいかに操作し活用していくかが情報処理の基本的な作業になっています。
■ ラベルは、熟語・単語・数字・絵・図でもよい
なお、上記のファイルの仕組みが理解できれば、ラベルは、かならずしも単文でなくてもよいことがわかります。たとえば、熟語・単語・数字・絵・図などであってもかまいません。
「数字イメージファイル」 や「絶景写真100」では数字がラベルになっています。「100語でスタート!英会話」では英単語(キーワード)がラベルになっています。
▼ 関連ブログ
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ファイルを編成して要約をかく
今回は、「編成法」をつかって20件の情報(ファイル)をから要約を書いてみます。
■ ラベルをつくる
まず、「ラベル法」をつかって情報のラベルをつくります。
取材する → 情報を選択する → 単文につづる
今回は、下の20枚のラベルをつくりました。これらは、「時代の潮流を洞察する」というテーマで、わたしがかつて開催した講習会で受講者から取材した情報(データ)のラベルです。
■「編成法」で情報を処理する
つぎに、「編成法」をつかってこれら20件の情報を処理していきます。「編成法」の手順は次のとおりです。
ラベルをよむ → ラベルをあつめる → 要約する
1.ラベルを読む
上の20枚のラベルを3回よみ、大局をつかみます。
2.似ているラベルをあつめる
つぎに、似ているラベルをあつめてセットをつくります。分類するのではなく、相対的にみて似ているラベルをあつめるのがポイントです。あつめるラベルの枚数は2〜3枚を目安とします。一度にたくさんの枚数はあつめません。すべてをセットにするのではなく、セットにならないラベルがのこっていてかまいません。
それぞれのセットについて、あつまったラベルの内容を統合・要約して、あたらしいラベルに書きだします(アウトプットします)。あたらしいラベルを「表札」とよび、「表札」であることがわかるようにするために赤色で記載します。「表札」とは、一番上の表にある札(ラベル)ということです。
図4 セットの内容を統合・要約して、あたらしいラベルに書きだす
図4 セットの内容を統合・要約して、あたらしいラベルに書きだす
4.「編成法」をくりかえす
■ 2段目
「1匹オオカミ」としてのこったラベルについては、それがわかるように右下に赤点をうっておきます。ふたたびラベルをならべ、「ラベルを読む」の第2段目をおこないます。
図5 ふたたび「ラベルをよむ」をおこなう
「ラベルをあつめる」の第2段目をおこないます。
図6 「ラベルをあつめる」第2段目をおこなう
「要約する」の第2段目をおこないます。
図7 セットのうえにあたらしいラベルをかさねる
2段目の 「表札」は青色で書きます。
図8 「要約する」の2段目(青色で記載する)
■ 3段目
3段目の「ラベルをよむ」をおこないます。
図9 3段目の「ラベルをよむ」をおこなう
3段目の「ラベルをあつめる」をおこないます。
図10 3段目の「ラベルをあつめる」
3段目の「要約する」をおこないます。
図11 セットの上にあたらしいラベルをかさねる
3段目の 「表札」は緑色で書きます。
図12 3段目の「要約する」
5.最終的なアウトプット
以上から、下記のように、7つの項目として最終的なアウトプットができました。
以上から、下記のように、7つの項目として最終的なアウトプットができました。
(1) 東西両陣営の冷戦がおわったら、民族間摩擦がたくさん噴出してきた。
(2) 人間らしさの喪失、家庭崩壊、粗さがし、自我の拡大などにより、これまでの社会が解体していくきびしい時代になった。
(3) 自然とそれを生かした伝統文化を劣等視し、自然を支配しようとする欧米文化への迎合が環境問題をひきおこし、自然と共生する文化に転向することがせまられるようになった。
(4) 生活力が旺盛でかせぎまくれる人々のみを厚遇し、弱者を冷遇する日本社会の福祉のあり方を是正しなければならない。
(5) 女性の意欲やエネルギーを社会でどういかすかが問われている。
(6) 二次情報にふりまわされないで、本当に必要なものを見ぬく情報処理能力が必要な時代になった。
(7) 個性を無視した知識ツメコミ教育や、物・金偏重の社会に人々は満足できず、心豊かで全人的バランスのある道をもとめだした。
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上記の「編成法」をつかって20個のファイルを編成・編集し、その結果をアウトプットしました。
「編成法」では、要約のなかにあたらしいアイデア・仮説がでてくることがあります。また、まったくあたらしいアイデアをおもいつくこともあり、その場合は、そのアイデアは別にメモをしておき、あとで活用するようにします。
「編成法」は、考察を書いたりするときにもつかえます。一方で、日記や旅行記・行動記録などを書く場合は、情報(ファイル)は時間軸にそって時系列に書きだせばよいのですから「編成法」はつかいません。
なお、上記の方法は、「発想をうながすKJ法」(注)の一部として元来は開発されましたが、上にしめしたように単独で実践することができます。
▼ 注:参考文献
川喜田二郎著『発想法』(中公新書)1967年6月26日
伝統体の仮説から情報場を階層的にとらえる 〜 川喜田二郎著『野性の復興』〜
川喜田二郎著『野性の復興』は川喜田二郎最後の著書であり、川喜田問題解決学の総集編です。
目次はつぎのとおりです。
序章 漂流する現代を切り拓く1章 「創造性の喪失」が平和の最大の敵2章 「情報化の波」が管理社会を突き崩す3章 問題解決のための「方法」と「技術」4章 生命ある組織作り5章 今こそ必要な「科学的人間学」の確立6章 「文明間・民族間摩擦」を解決する道7章 「晴耕雨創」というライフスタイル8章 野性の復興
要点を引用しておきます。
解体の時代が始まっている。解体の原因は、この世界が、いのちのない諸部品の複雑な組み立てと運動から成り立っていると見る世界観にある。わたしはそれを「力学モデル」、あるいは「機械モデル」の世界観と呼んでみた。デカルトこそが、機械モデルの世界観の元祖なのである。個人よりも大きな単位、たとえば家族・親族集団・村落・学校・企業・国家・民族などもまた、生きていると言える。全人類、全生物界も、またそれぞれ生き物だと言える。つまり、「生命の多重構造」を認める立場がある。ホーリスティックな自然観に共鳴する。生き物の本性は問題解決にこそある。創造的行為とは、現実の問題解決のためにこそある。文明五〇〇〇年(狭くは二五〇〇年)の間、秩序の原理であった権力が、今やガタガタになってきた。それに代わって、情報が秩序の原理になる徴候が、世界中至るところに兆し始めてきた。伝統体の発生のほうが根本原理であり、動植物などの「いわゆる生き物」は、その伝統体の現れの一種と考える。読み書きの能力を英語でリテラシーと言うように、これからの時代には、「情報リテラシー」がきわめて大切だ。加えて、データベースの運用方式を開発することである。情報の循環こそ、いのちを健全化するカギである。自分にとって未知なひと仕事を、自覚的に達成せよ。それには、問題解決学を身につけること、そうして自覚的に達成体験を積み重ねるのがいちばんよい。
以上をふまえ、わたしの考察を以下にくわえてみます。
1. 未知の問題を解決する - 創造的行為 -
本書でのべている創造的行為とは「問題解決」のことであり、特に、未知な問題にとりくみ、それを解決していく過程が創造的な行為であるということです。
その問題解決のためには、「情報リテラシー」と「データベース」が必要であるとのべています。「情報リテラシー」は情報処理能力、「データベース」はデータバンクといいかえてもよいです。情報処理とデータバンクは情報の二本柱です。
したがって、情報処理をくりかえし、データバンクを構築しながら未知の問題(未解決な問題)を解決していくことが創造的行為であるわけです。
2. 情報処理の主体を柔軟にとらえると階層構造がみえてくる
ここで、情報処理をおこなう主体は個人であってもよいですし、組織であっても民族であってもよいです。あるいは、人類全体を主体ととらえることも可能です。1990年代後半以後、人類は、インターネットをつかって巨大な情報処理をおこなう存在になりました。そして、地球全体(全球)は巨大な情報処理の場(情報場)になりました(図)。
図 人類全体を情報処理の主体とみなすこともできる
このように、情報処理をおこなう主体は個人に限定する必要はなく、個人にとらわれることに意味はありません。個人・集団・組織・民族・国家・人類のいずれもを主体としてとらえることが可能であり、柔軟に主体をとらることがもとめられます。このような柔軟な見方により「生命の多重構造」(階層構造)が見えてきます。
3. 主体と環境と情報処理が伝統体を生みだす
そして、主体が、よくできた情報処理を累積しながら問題を解決し、創造の伝統をつくったならば、その主体とそれをとりまく環境がつくりだすひとつの場(情報場)はひとつの「伝統体」となります。
個人・集団・組織・民族・国家などのいずれもが「伝統体」を形成する可能性をもっており、あるいは、人類を主体とみた地球全体(全球)がひとつの「伝統体」になってもよいのです。
4. 伝統体を階層的にとらえなおす
このようにかんがえてくると、主体と環境と情報処理から「伝統体」が生まれるということを、むしろひとつの原理とみなし、その原理が「生命の多重構造」として階層的にあらわれている(顕在化してくる)という見方ができます。
「伝統体」とは生き物のようなものであるというせまい見方ではなく、いわゆる生き物は「伝統体」のひとつのあらわれ、生物も「伝統体」の一種であるという見方です。つまり、「伝統体」は、階層的に、さまざまな姿をもってあわられるという仮説です。ここに発想の逆転があります。
川喜田が最後に提唱したこの「伝統体の仮説」はとても難解であり、理解されない場合が多いですが、上記の文脈がいくらかでも理解のたすけになれば幸いです。
キーワードを再度かきだすとつぎのようになります。
創造、問題解決、情報処理、データバンク、主体、環境、情報場、階層構造、伝統体。
5. 速度と量によりポテンシャルを高める
上記のなかで、情報処理とデータバンクを実践するための注意点はつぎのとおりです。
情報処理は、質の高さよりも処理速度を優先します。すなわち、できるだけ高速で処理することが大切です。質の高さは二の次です。
また、データバンクは、質の高さよりも量を優先します。すなわち、大量に情報を集積します。質の高さは二の次です。
情報の本質は、まず、速度と量であり、これらにより情報場のポテンシャルを高めることができます。このことに注目するとすぐに先にすすむことができます。
▼ 文献
川喜田二郎著『野性の復興 デカルト的合理主義から全人的創造へ』祥伝社、1995年10月10日
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