タグ:観察法
情報を眼でうけとり判断する - 海遊館(2)「アリューシャン列島」-
心のなかのイメージ空間をひろげる - 海遊館(1)「日本の森」-
グラフィックサイエンスマガジン『Newton』2016年8月号
グラフィックサイエンスマガジン『Newton』2016年8月号では、「宇宙の大規模構造」のほかに、「イオンとは何だろうか」「運動の脳科学」「巨大地震の過去を疑え!」などもとりあげていて興味ぶかいです。
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大観したら観察する - 自然教育園(7)-
ミソハギ(平行法で立体視ができます)
日本および朝鮮半島に分布し、湿地や田の畔などにはえます。花としてよくつかわれ、盆花(ボンバナ)、精霊花(ショウリョウバナ)などの名もあります。関心のある領域を大観したら、対象をさだめてそらをじっくり観察すると情報処理が一段とすすみます。
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感覚をつよめ情報処理をすすめる - ニール=ハービソン「I listen to color」-
感覚とは、外界(環境)から情報をインプットする仕組みです。感覚を強化すれば認識力もたかまり情報処理がすすみます。
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現場や現物を自分の目で観察する - 問題解決の方法(5)-
周辺視野を最大限につかう - 東京都薬用植物園(2)-
ハブソウ(マメ科)
江戸時代に毒虫や毒蛇とくにハブにかまれたときの民間薬として導入されたためにこの名前があります。現在は市場にはほとんどなく、健康食品として現在うられている「ハブ茶」は、同属で別種のエビスグサの種子を炒ったもです。(交差法で立体視ができます)
立体視をするときには、周辺視野を最大限につかって周辺や背景もしっかり見て、たくさんの情報を一度にインプットするようにします。
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観察により情報をインプットする - 若冲展(2)-
構造的情報と点的情報の両方をみる - サンシャイン水族館(4)-
図1 サンシャイン水族館の構造(フロアーマップ)
(公式ホームページより引用)
水族館の展示を見るときには、構造的情報と点的情報の両方をみるようにすると、意識の内面への情報のインプットが急速にすすみます。
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対象を意識して、情報をインプットする
対象を意識して、対象に心をくばるとインプットがよくできます。
わたしたちは、カメラをつかって撮影するときには被写体(対象)にレンズをむけて、それに焦点をあわせてシャッターを切ります。そのときには何に焦点をあわせるかをしっかり決めなければピンボケ写真になってしまいます。焦点をあわせるということはその対象を意識するということであり、対象に心をくばるということです。
対象を意識することは何かを見るときには常に必要なことです。カメラで撮影をおこなわない場合でも何かを見るときには対象を意識し、対象に心をくばらなければなりません。
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わたしたちの人間の目には光を通して情報が常にとどいています。ですから特別に意識をしなくても情報はやってくるとおもうかもしれませんが、実際には、意識しないでボーッと見ていただけだと見ていたようで見ていなかったということになり、あとになって何もおもいだせないということがおこります。
目で見るということは、外界にある情報を自分の意識の内面にインプットすることです。そこでカメラで写真を撮影するときのように対象を意識して情報をインプットするとよいです。ボーッと見ていたり意識しないで見ているとクリアーなインプットはおこらず、記憶ものこりません。
このように意識したものがインプットされるということに気がつくことは重要なことです。たとえば旅行や取材にでかけたら、写真を撮らないときでも対象をしっかり意識するようにします。
このように意識したものがインプットされるということに気がつくことは重要なことです。たとえば旅行や取材にでかけたら、写真を撮らないときでも対象をしっかり意識するようにします。
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基本的には、意識したものがインプットされ、意識しなかったものはインプットされないということがおこりますので、結局、自分として何を意識するかということが非常に大きな問題になってきます。何に心をくばればよいのか。
ここで自分がもっている課題あるいは問題意識が決定的に作用します。自分が本当にもとめているものは何なのか? 死ぬまでにとりくみたい分野はどれなのか?
課題が明確になるとよく意識できてよいインプットがおのずとできるようになります。インプットの本質とは意識することであり、心をくばることであるといってよいでしょう。
課題が明確になるとよく意識できてよいインプットがおのずとできるようになります。インプットの本質とは意識することであり、心をくばることであるといってよいでしょう。
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「心ここに在らざれば、視れども見えず、聴けども聞こえず、食らえどもその味を知らず」光を知り、光をつかいこなす -『光の科学』(ニュートンプレス)-
現代は光の時代であるといってもよいでしょう。光を知り、光をつかいこなすことは今後ますます重要になってきます。
『光の科学』(ニュートンプレス)は光の科学の入門書です。イラストレーションと簡単な文章で専門知識がなくても理解できる内容になっています。
目 次1 目に見える光、目に見えない光2 色とは何か3 光の屈折 そのしくみとレンズ4 光の反射 そのしくみとさまざまな鏡5 身近な光の現象 空はなぜ青いのか6 光は「電磁波」だった7 光の速さからみちびかれた相対性理論8 光は「波」でもあり「粒」でもある9 光を利用するテクノロジー
1 目に見える光、目に見えない光
太陽には、目に見えない光もふくまれています。太陽にあたるとあたたかく感じるのは、太陽光にふくまれる赤外線が原因です。また日焼けするのは、太陽光にふくまれる紫外線が原因です。赤外線や紫外線は人間の目には見えません。
2 色とは何か
光そのものには色はついていません。
目は光をうけるセンサーです。光は、レンズの役割を果たす「角膜」と「水晶体」でまずあつめられます。あつめられた光をうけるのが目の奥にある「網膜」です(注)。たとえるならばこれはデジタルカメラのCCDに相当します。網膜で光は信号に変換されて、その信号は神経を通じて脳におくられ、脳はそれを色として認識します。
このように光そのものには色はなく、色は脳でつくられています。
3 光の屈折 そのしくみとレンズ
屈折とは、光が折れ曲がる現象です。レンズは、屈折のしくみを利用したものです。虫眼鏡や望遠鏡は凸レンズをつかって光を屈折させて見るものを拡大する道具です。凹レンズは近視用のメガネにつかわれます。
4 光の反射 そのしくみとさまざまな鏡
鏡はすべての光を反射します。入射した光を1点にあつめるように反射させる鏡が凹面鏡です。世界最大級の望遠鏡は凹面鏡で光をあつめています。その反対に、光りをひろげるように反射させるのが凸面鏡です。カーブミラーは凸面鏡がつかわれています。
5 身近な光の現象 空はなぜ青いのか
水滴による光の屈折で虹ができます。空が青く見えるのは空気分子が光りを散乱するからです。夕日が赤く見えるのは、波長の短い光(青色や紫色)がほとんどとどかなくなり、波長の長い光(赤色)の光だけがとどくからです。
6 光は「電磁波」だった
光は波の性質をもちます。電気と磁気とはたがいに"双子"のような関係であり電気と磁気とがつくる波を電磁波といいます。電磁波がすすむ理論的な速度は秒速約30万キロメートルであり、光のすすむ速度と同じであることから、光は電磁波であるとかんがえられるようになりました。
7 光の速さからみちびかれた相対性理論
アインシュタインは、時間の進み方や空間のなかの長さは観測する人によって変化(伸びちじみする)すると説明しました。
8 光は「波」でもあり「粒」でもある
光を金属の板にあてる実験をおこなうと電子がとびだしてくることがあります。光は粒としての性質ももちます。光は波でもあり、粒でもあるのです。
9 光を利用するテクノロジー
太陽光発電、レーザー光、光通信、光ディスクなど、光は、わたしたちの生活にふかくかかわるようになりました。
*
情報処理の観点から注目すべきことは、光そのものには色はついておらず、色は脳がつくりだしているということです。
脳が色をつくりだしているということはヒト以外の動物でもおなじです。たとえば多くの哺乳類では光をうける網膜の「視物質」がヒトよりも少ないために、ヒトよりも色彩のとぼしい世界を見ています。あるいは魚類や爬虫類・鳥類はヒトには見えない紫外線も見ています。したがってこれらの動物が見ている世界とわたしたちヒトが見ている世界とはことなります。
また植物の葉は、光源からの白色光のうち、緑色の波長の光以外は吸収し、緑色の波長の光を多く反射するので、わたしたちには緑色に見えます。葉そのもが緑色をもっているというわけではありません。
こうして色には実体はなく、ヒト独自の情報処理の結果として色が生じているということがわかってきます。わたしたちの外界は色彩ゆたかな世界であるということではなくて、わたしたちの脳は、ゆたかな色彩をつくりだす情報処理能力をもっているということです。
*
現代は光の時代です。光なくして現代社会はなりたちません。たとえば光通信は世界を劇的に変えました。光通信網は、これまでとはまったくちがうあたらしい世界をつくりだしました。そのほかにも光をつかったテクノロジーがわたしたちの生活の中に浸透してきています。光について知り、光をつかいこなすことはこれからの時代ますます重要になってくるでしょう。
▼ 注
可視光は、網膜の中の視物質の分構造を変えます。これが電気信号となって脳へおくられます。
▼ 引用文献
『光の科学』ニュートンプレス、2012年4月5日
光の科学 (ニュートンムック BASIC SCIENCE ILLUSTRATED)
眼はセンサー、脳はプロセッサー - 「視覚のしくみ」 (Newton 2015年 11 月号) -
眼はセンサー、脳はプロセッサー - 「色覚のしくみ」(Newton 2015年 12 月号)-
見る仕組みを知る - 藤田一郎著『「見る」とはどういうことか』-
3D世界を知覚する仕組みを知る - 藤田一郎著『脳がつくる3D世界 立体視のなぞとしくみ』-
光について理解をふかめる - 国立科学博物館「ヒカリ展」-
光をつかって情報処理をすすめる
眼はセンサー、脳はプロセッサー - 「色覚のしくみ」(Newton 2015年 12 月号)-
左右の眼は光をうけるセンサーであり、脳は色を知覚するプロセッサーです。『Newton』2015年 12 月号では、シリーズ「感覚のふしぎ 第2回」として- 「色覚のしくみ」を掲載しています。
わたしたちの眼に外界からとどいた光は、眼球のレンズ(角膜と水晶体)を屈折しながら透過し、眼球の内部にはりついている「網膜」に到達します。
網膜には、「錐体細胞」(すいたいさいぼう)とよばれる細胞があり、これが色覚のセンサーになっています。錐体細胞は網膜に約600万個あります。
錐体細胞は光を吸収する「視物質」をもち、この視物質に光が吸収されると電気信号が生じます。視物質は、光を吸収する低分子である「レチナール」と細胞内に信号をつたえる機能をもつたんぱく質分子である「オプシン」からできています。
分子構造のちがいにより3種類のオプシンがあり、錐体細胞は次の3種類に分類されます。それぞれに吸収しやすい次のような光の波長があります。
- L錐体細胞:565ナノメートル前後
- M錐体細胞:540ナノメートル前後
- S錐体細胞:430ナノメートル前後
光にはさまざまな波長があり、わたしたちの眼がとらえられる光は約400ナノメートルから約800ナノメートルの範囲です。1ナノとは100万分の1ミリのことです。
*
錐体細胞で生じた電気信号は、基本的には「双極細胞」にまずつたわり、さらに「神経節細胞」へつたわり、神経節細胞が電気信号を脳へおくりだします。
左眼の網膜の鼻側半分からの信号は右脳側へ、右眼の網膜の鼻側半分からの信号は左脳側へ、左眼の耳側半分からの信号は左脳へ、右眼の耳側半分からの信号は右脳へそれぞれおくられます。鼻側半分の信号はクロスして脳内の中継地点である「外側膝状体」(がいそくしつじょうたい)におくられます。この構造を「視交叉」といいます。
そして外側膝状体は一次視覚野へ信号をおくります。一次視覚野から二次視覚野など、ヒトでは少なくとも16種の領域に信号がつたわります。そのうちの四次視覚野やそれより先の領域が色覚の中枢だとかんがえられています。
こうして脳は、電気信号を処理してカラフルな色を知覚します。
*
以上から、わたしたちの眼はセンサー、脳はプロセッサーであることがわかりました。センサーとプロセッサーの連携によりわたしたちは色を知覚していたのです(下図)。
図 左右の眼が光をうけ、脳が色を知覚する
注意点は、光そのものには波長があるだけで色そのものはついていなということです。光の波長が電気信号に変換されて脳におくられて、脳が色をつくりだしているのです。実体は波長(波動)であり、プロセシングにより波長のちがいを色で区別して知覚しているということです。
*
なおメダカ(魚類)・カエル(両生類)・カメ(爬虫類)・カラス(鳥類)などは、ヒトが知覚できない紫外線を知覚することができます。紫外線とは、紫色に感じられる400ナノメートルよりもさらにみじかい波長の光です。
このことから、外界に存在する光はおなじでも色覚のシステムがことなると見える世界はことなってくるということがわかります。この点に気がつくことも重要なことだとおもいます。わたしたちもほかの動物たちも独自のプロセシングの結果として世界を認知しているということです。
▼ 引用文献
「色覚のしくみ」Newton, 2015年12月号, ニュートンプレス, 2015年12月7日発行
Newton(ニュートン) 2015年 12 月号 [雑誌]
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情報処理をすすめるて世界を認知する -『感覚 - 驚異のしくみ』(ニュートン別冊)まとめ -
感覚器をつかって情報をインプットする 〜 岩堀修明著『図解・感覚器の進化』〜
錯視を通して情報処理を自覚する - 杉原厚吉著『錯視図鑑』-
3D世界を知覚する仕組みを知る - 藤田一郎著『脳がつくる3D世界 立体視のなぞとしくみ』-
わたしたち人間は情報処理をする存在であることに気がつく
総合的に丸ごと情報をインプットする
眼はセンサー、脳はプロセッサー - 「視覚のしくみ」 (Newton 2015年 11 月号) -
わたしたちの眼(眼球)は、凸レンズ(角膜、瞳孔と虹彩、水晶体)と網膜とからなっています。
眼にとどいた光は「角膜」にまず入り屈折します。角膜は、白目とつながっているかたいレンズです。
その光はつぎに、白目の内側の層にある「黒目(瞳孔と虹彩)」をとおりぬけます。
そして光は、さらに奥にある「水晶体」に入ります。水晶体は、その厚さを自動的に変えることで眼に入る光の屈折の度合いを変えてピントを調整しています。
さらにその奥には、光(正確には光子)をとらえるセンサーである「網膜」があります。網膜は、眼球のもっとも内側の面にはりつくようにひろがった層です。その層のもっとも奥にある「視細胞」で光子はとらえられます。視細胞の「外節」(がいせつ)という部分には光子を吸収する物質(視物質)があるのです。
光子が視物質にとどくと視物質全体の構造がわずかに変わり、この変化がきっかけとなって視細胞に電圧の変化を生じさせます。その電圧の変化は神経節細胞につたわり、神経節細胞が脳へ電気信号を発信します。
*
電気信号は、脳の後方にある領域「一次視覚野」にまずおくられ処理されます。その後、「二次視覚野」、「三次視覚野」などにおくられます。
*
以上から、わたしたちの視覚系にはつぎの2つの場面があることがわかりました。
(1)左右の眼球が光子をうけて電気信号を発する場面
(2)電気信号を脳が処理する場面
第1の場面はインプット、第2の場面はプロセシングといってもよいでしょう。これが視覚系の情報処理システムです。わたしたちが見ていた世界(3Dイメージ)はこのような2つの場面によって生じていたのです(下図)。
図 光子をうけ、3Dイメージができる
*
本書では、脳がプロセシングをおこなっている証拠として「盲点」について述べています。本書中の図をつかって実際に盲点の実験をすることができます。周辺の信号で盲点を穴埋めする処理が脳でなされているとかんがえられます。
また眼球のレンズをとおってきた光が網膜に到達したときには、虫眼鏡でとおくを見るときとおなじように上下さかさまになっています。それをそのまま知覚するのであれば、世界はさかさまに見えるはずですがそうはなっていないのは、脳が情報処理をしているからです。
以上から眼はセンサー、脳はプロセッサーととらえるとわかりやすいでしょう。
本書に掲載されている電子顕微鏡で見た網膜と視細胞の写真は一見の価値があります。その他のイラストも実にわかりやすいです。視覚系の情報処理に興味のある方におすすめします。
▼ 引用文献
『Newton』(2015年 11 月号)ニュートンプレス、2015年11月7日発行
Newton(ニュートン) 2015年 11 月号 [雑誌]
▼ 引用文献
『Newton』(2015年 11 月号)ニュートンプレス、2015年11月7日発行
Newton(ニュートン) 2015年 11 月号 [雑誌]
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情報処理をすすめるて世界を認知する -『感覚 - 驚異のしくみ』(ニュートン別冊)まとめ -
光をつかって情報処理をすすめる
光をつかった情報処理は、情報処理のなかでもとくに重要な方法だとかんがえられます。
以前、国立科学博物館で「ヒカリ展」が開催され、光の基本についての展示・解説がありました。「光とは何か?」物理学者は光そのものを研究しています。また物理学の本をよむと、光についていろいろなことが書いてあります。
以前、国立科学博物館で「ヒカリ展」が開催され、光の基本についての展示・解説がありました。「光とは何か?」物理学者は光そのものを研究しています。また物理学の本をよむと、光についていろいろなことが書いてあります。
一方で、光をつかうという立場もあってよいとおもいます。その場合には、光そのものの物理学よりも、わたしたち人間の目に光が入ってきてから、どのようにそれが処理されるのかが問題になります。脳科学者などが研究をしています。誰の目にも光は入ってきています。その光にのって大量の情報がわたしたちにとどけられ処理されているのです。
*
わたしたち人間は、聴覚・味覚・臭覚・皮膚感覚などもつかって情報のインプットをおこなっていますが、光をつかった情報のインプットは情報処理のなかでもとくに重要なルートになっているといえるでしょう。
風景を見たり自然を観察したり、あるいは写真集を見たりステレオ写真で立体視をすることはとても重要なことです。
つぎに問題になるのが文字(言語)です。文字は目で見ただけでもわかりますが黙読や音読もできます。視覚でもとらえられるし聴覚でもとらえられるということです。
しかし文字も、上記の光の情報処理のルートにのせて処理しようというのが速読法とよばれる方法の本質なのでしょう。
聴覚(音を処理するルート)では、時系列(1次元)で順番に情報をとりいれて処理しますが、光をつかうと、3次元空間をフルにつかって大量の情報をまるごと一気にとりいれ処理することが可能になります。光のルートをつつかえば大量の文章も迅速に処理できるというわけです。
風景を見たり自然を観察したり、あるいは写真集を見たりステレオ写真で立体視をすることはとても重要なことです。
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つぎに問題になるのが文字(言語)です。文字は目で見ただけでもわかりますが黙読や音読もできます。視覚でもとらえられるし聴覚でもとらえられるということです。
しかし文字も、上記の光の情報処理のルートにのせて処理しようというのが速読法とよばれる方法の本質なのでしょう。
聴覚(音を処理するルート)では、時系列(1次元)で順番に情報をとりいれて処理しますが、光をつかうと、3次元空間をフルにつかって大量の情報をまるごと一気にとりいれ処理することが可能になります。光のルートをつつかえば大量の文章も迅速に処理できるというわけです。
風景や自然や写真を見てさまざまなことが認識できるように、文字も文章も見るだけで、あるいは視覚空間の一部として認識できたらどんなに情報処理はすすむでしょうか。
博物館の空間をつかって学習し記憶する - 国立科学博物館の「ヒカリ展」-
見る仕組みを知る - 藤田一郎著『「見る」とはどういうことか』-
3D世界を知覚する仕組みを知る - 藤田一郎著『脳がつくる3D世界 立体視のなぞとしくみ』-
色がまざって見える - 特別展「新印象派 光と色のドラマ」-
情報処理がおこっていることを立体視をして自覚する - ハワイ・ワイキキ水族館 -
見る仕組みを知る - 藤田一郎著『「見る」とはどういうことか』-
3D世界を知覚する仕組みを知る - 藤田一郎著『脳がつくる3D世界 立体視のなぞとしくみ』-
色がまざって見える - 特別展「新印象派 光と色のドラマ」-
情報処理がおこっていることを立体視をして自覚する - ハワイ・ワイキキ水族館 -
見慣れない生物をみて感受性の鈍化をふせぐ - 上野動物園(1)両生爬虫類館 -
上野動物園 両性爬虫類館(平行法で立体視ができます)
普段 見慣れない生物を見ることは感受性の鈍化をふせぐために有効です。
東京・上野の上野動物園(西園)には両生爬虫類館というめずらしい施設があり、両生類と爬虫類が大集合しています。下記の写真は平行法(注)で立体視ができます。
チュウゴクワニトカゲ(Chinese Crocodile Lizard / Shinisaurus crocodilurus)
ニシアフリカコガタワニ(West African Dwarf Crocodile)
ガラパゴスゾウガメ(Galapagos Tortoise / Geochelone nigra)
アミメニシキヘビ(Reticulated Python)
グリーンイグアナ(Green Iguana)
チョウセンスズガエル(Oriental Fire-bellied Toad / Bombina orientalis)
クサガメ(Reeves' Pond Turtle / Chinemys reevesi)
人間は、あたりまえの日常が毎日つづくと新鮮な気持ちをうしない、あらたな気づきや発見もなくなって感受性がにぶってきます。新鮮なインプットがなくなると情報処理もすすみません。
慢性的な慣れから脱却して感受性の鈍化をふせぐためには普段は見慣れないものを見てみるとよいです。
▼ 上野動物園
公式サイト
両性爬虫類館慢性的な慣れから脱却して感受性の鈍化をふせぐためには普段は見慣れないものを見てみるとよいです。
▼ 上野動物園
公式サイト
▼ 平行法(パラレル法)をつかった立体視のやり方は下記サイトをご覧ください。
ステレオグラムをつかって立体視をする - 平行法(3)-
ステレオ写真をつかって立体視をする - 平行法(4)-
ステレオ写真をつかって立体視をする - 平行法(5)-
ステレオ写真をつかって立体視をする - 平行法(6)-
ステレオ写真をつかって立体視をする - 平行法(4)-
ステレオ写真をつかって立体視をする - 平行法(5)-
ステレオ写真をつかって立体視をする - 平行法(6)-
花の名所と植物園をめぐる -『花の名所と植物園 関東版』(ぴあMOOK)-
『花の名所と植物園 関東版』(ぴあMOOK)は、関東の花の名所と植物園 385 スポットを紹介しています。
目次四季の花めぐり巻頭特集1 関東 花の名所さんぽ巻頭特集2 四季の花スポットコラム 植物園の珍しい植物春の花 春の花カレンダー夏の花 夏の花カレンダー秋・冬の花 秋・冬の花カレンダー早春の花 早春の花カレンダーエリア別インデックス
東京・神奈川・千葉・埼玉・茨城・栃木・群馬・長野・山梨・静岡の「花の名所」385 スポットが掲載されています。見たい、行きたい花の名所が見つかるガイドブックです。一年中つかえる保存版です。
春・夏・秋冬・早春と、それぞれの花の見ごろとなる季節ごとにまとめられてあります。また巻末には、植物園・公園・名所が都県ごとに一覧表示されているため地域から逆引きもできるのもよいです。
植物園は行き当たりばったりでぶらりと出かけるのもよいですが、本書をたよりに植物園におもむけば目的の花に出会うことができます。植物園めぐりの来年の計画をたててみるのもよいかもしれません。
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アウトプットをしようとおもってインプットする
アウトプットをしようとおもってインプットすると、インプットがよくできるだけでなくプロセシングもすすみます。
NHKの美術番組を見ていたら、美術館で絵を見るときの一つの見方として、「どの作品を買おうかとおもいなが見ると見方がとてもふかまる」という方法を提案していました。たとえば「自分のオフィスに書斎に寝室にどの絵をかざろうか」とかんがえながら作品を見ていくのです。もちろん、本物は買えないのでポスターや絵葉書や模写を買うことになるのですが。
人間行為を〈インプット→プロセシング→アウトプット〉ととらえた場合、美術館で絵を見ることはインプットにあたります。どの作品を買うか心のなかで判断することはプロセシングです。すると買うという行動はアウトプットとしてとらえることができます。
アウトプットをしようとおもってインプットをするとインプットがよくできるだけでなく、プロセシングもすすむというわけです。
図 アウトプットをしようとおもってインプットする
*
たとえばどの分野でも昔からよくいわれることに、「他人におしえてみると自分自身の理解がすすむ」ということがあります。「おしえる」というアウプットを想定しながらが勉強(インプット)するとプロセシングがいちじるしくすすみます。
わたしは、インド料理がすきで自分でつくったりもするのでインド料理のレシピ本を先日みていました。このときも、何をつくろうかとおもいながら見ていたので本の内容がとてもよく理解でき記憶にものこりました。しかしほぼ同時に読んだフランス料理の本は興味はあったのですがほとんど記憶にのこりませんでした。なぜならフランス料理はつくろうとはおもっていないからです。
わたしは、インド料理がすきで自分でつくったりもするのでインド料理のレシピ本を先日みていました。このときも、何をつくろうかとおもいながら見ていたので本の内容がとてもよく理解でき記憶にものこりました。しかしほぼ同時に読んだフランス料理の本は興味はあったのですがほとんど記憶にのこりませんでした。なぜならフランス料理はつくろうとはおもっていないからです。
あるいはブログやツイッターやフェイスブックなどにどんな記事を書こうかとおもって情報をインプットしていると、インプットとプロセシングが通常よりもはるかによくすすみます。わたしはこれをつねに実践しています。
あるいはブログやツイッターやフェイスブックなどにどんな写真をアップしようかとかんがえながら撮影をしているとよい写真が撮れるようになります。これなども多くの人々が経験していることです。
以上から、何かを生み出そうアウトプットをしようという意識をはじめからもって見たり聞いたり読んだりすると情報処理は一層すすむということがわかります。
立体視で植物をみて目のつかれをとる - 新宿御苑(2)-
新宿御苑(新宿門)
植物や自然を立体視でみると目のつかれをとることができます。
たとえば本を読むときに中心視野だけをつかってせまい範囲だけに注目しているととても目がつかれてきます。
それに対して植物や自然を見るときには周辺視野ももちいて目の機能を全体的につかうのでつかれません。したがって目がつかれたら植物や自然を見るのがよいです。
下のステレオ写真は交差法(クロス法)で立体視ができます(注)。新宿御苑で先日撮影しました。周辺視野ももちいて上下左右だけでなく遠近もふくめて全体的に丸ごと空間をとらえるようにするとよいです。
ジュウガツザクラ
パンジー
コブクザクラ
ツワブキ
カンツバキ
ビワ
ビワ
バラ
手前中央はコウテイダリア、奥はイチョウ
コウテイダリア
ヒマラヤザクラ
*
新宿御苑も晩秋をむかえていました。晩秋というとさびしさを一般には感じますがどうして、キラリと光る力強い色彩があるではないですか。
新宿御苑はいわゆる植物園ではなく庭園ですが、ゆっくり園内をあるいてみると工夫して植えられたさまざまな植物に出会うことができます。植物の名称表示や解説もしっかりしています。
大都会のなかにある植物公園として、シドニーの王立植物園やシンガポールのシンガポール植物園にもまけない非常に立派な公園だとおもいます。
新宿御苑
▼ 注:交差法(クロス法)をつかった立体視のやり方は下記サイトをご覧ください。
ステレオグラムをつかって立体視をする - 交差法(2)-
ステレオグラムをつかって立体視をする - 交差法(3)-
ステレオ写真をつかって立体視をする - 交差法(4)-
ステレオ写真をつかって立体視をする - 交差法(5)-
ステレオ写真をつかって立体視をする - 交差法(6)-
ステレオグラムをつかって立体視をする - 交差法(3)-
ステレオ写真をつかって立体視をする - 交差法(4)-
ステレオ写真をつかって立体視をする - 交差法(5)-
ステレオ写真をつかって立体視をする - 交差法(6)-
▼ 注1:新宿御苑
新宿御苑へようこそ
環境省 新宿御苑
▼ 関連記事
植物を撮影しながら知的散歩をする 〜『新宿御苑 撮影・散策ガイド』〜
季節を意識して情報をインプットする - 新宿御苑(1)-
立体視で植物をみて目のつかれをとる - 新宿御苑(2)-
▼ 参考文献
栗田昌裕著『 眼力を高めるパワード・アイ』健学社、2003年11月25日
眼力を高めるパワード・アイ
栗田昌裕著『3D 写真で目がどんどん良くなる本 植物編』(王様文庫) 三笠書房、2005年4月
3D写真で目がどんどん良くなる本 植物編 (王様文庫)
3D写真で目がどんどん良くなる本 植物編 (王様文庫)
遠くからみて、近くでみて、離れてみる - 東京都美術館「モネ展」-
東京都美術館
モネの作品を遠くからみて、近くでみて、離れてみると、色彩のうつくしさや視覚のマジックが堪能できます。
東京・上野の東京都美術館でマルモッタン・モネ美術館所蔵「モネ展」が開催されています(注)。
今回の「モネ展」は、パリのマルモッタン・モネ美術館のモネ・コレクションを中心にして約90点を紹介するものでした。印象派の巨匠モネが生涯にわたり手放さなかった作品と、モネが購入したり おくられたりして収集したほかの芸術家の作品、いわばモネのプライベート・コレクションを紹介しているのが特色でした。
いつものようにわたしはすべての作品を一通り見て、ふたたび入り口にもどり、今度は、とくに印象にのこった作品だけをじっくり見るようにしました。
《オランダのチューリップ畑》(1886年)、《ヨーロッパ橋、サン=ラザール駅》(1877年)、《睡蓮》(1903)年・・・
それぞれの作品を遠くからまずながめ、近づいていってそばて見て、そしてふたたび離れて見ると色彩のうつくしさ、透明感、奥行きがくっきりと感じられて本当に不思議です。視覚のマジック、光の情報処理を心からたのしむことができます。
また全体を一通り見おわったうえで印象的な作品に「再会」すると、会場のコレクション全体がつくりだす空間が背景になって、印象的な作品がそのなかに鮮明にうかびあがるような独特の感覚体験がえられます。
*
わたしは朝9時すぎに東京都美術館に到着、約100人の方々がすでに行列をつくっていました。9時30分に開門、比較的余裕をもって見ることができました。遠くからみて、近くでみて、離れてみるためにはある程度 会場がすいていなければなりません。
しかし会場をあとにしようとした約2時間後にはものすごい混雑になっていました。美術展は、午前中のはやい時間か金曜日の夜などがおすすめです。
▼ 注
巡回展(福岡、京都、新潟)▼ 関連記事
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