発想法 - 情報処理と問題解決 -

情報処理・学習・旅行・取材・立体視・環境保全・防災減災・問題解決などの方法をとりあげます

タグ:旅行法

旅先や取材先での体験のひとまとまりを圧縮・統合してメモを書きだし、体験のファイルをつくり記憶するとよいです。

昨日のブログ記事で、情報を圧縮・統合してファイル名をつけることをのべました。

情報を圧縮・統合してファイル名をつける >>


この方法は、旅先・取材先などでメモをとるときに応用できます。
 
メモをとるとはどういうことでしょうか。メモとは、見たり聞いたり味わったりしたこと(インプットした情報)の中で特に重要だと感じた情報についてキーワードなどを書きだして記録することです。つまりメモをとるとはアウトプットをするということです(図1)。

 
160113 メモ
図1 インプット→プロセシングの結果を
アウトプットしてメモを書きだす


見たり聞いたりしたことの全体を体験とよぶならば、メモは、体験のひとまとまりをうまく圧縮・統合したものの方がよいです。キーワードやキャッチフレーズなどをつかった適切なメモは、メモを見ただけで、体験のひとまとまりをすぐにイメージとしておもいおこすことができます。

旅先や取材先でメモをとるときには、現場での行動の区切りなどをうまくとらえて、体験のひとまとまり(ひとかたまり)を意識しイメージすることがポイントです。

こうして体験のひとまとまりに適切なメモをつけるとメモはその体験の見出しになり、それは情報の一単位になって一種の ”ファイル" としてあつかえます。メモは "ファイル名" です。メモを書きだすと同時にファイルができるというわけです(図2)。
 

160113 体験ファイル
図2 体験とメモとがセットになってファイルができる
(体験は情報の本体、メモはファイル名である)


ファイルを図2では球でモデル化しています。そしてこのファイルは、自分の心(意識)の中に記憶という形で保存されます。




たとえば旅先のある1日に10個のメモを書きだしたとしましょう。するとそれは10個のファイル名をつくったことになります。10個のメモは10個のファイル名であり、10個のファイルができたことになります。

そしてそれぞれのメモ(ファイル名)を見れば、そのメモがしめす体験のひとまとまりをイメージとして想起できるわけです(注)。これは、コンピューター・ファイルにおいて、ファイル名をダブルクリックあるいはタップして情報の本体を閲覧することと似ています。

  • 体験を圧縮・統合してメモを書きだす。
  • メモを見て体験を想起する。

単なるメモであってもこのようなことをちょっと意識するだけでそれは情報処理の訓練になります。メモをとるその瞬間に情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)はおこっているのです。たったひとつのメモにも情報処理やファイルの原理がふくまれています。メモはバカにできません。




このような体験のファイルは、コンピューターのファイル・システムと類似しています。コンピューターではストレージにファイルを保存しますが、わたしたち人間は心の中に記憶し保持します。

いずれにしても情報のアウトプットによりファイルができ、ファイルは情報の本体と表面構造とから構成され、ファイルは保存されるという仕組みを理解してつかっていくとよいでしょう。



▼ 注:メモのつかいかたの例
メモ(ファイル名)を見ながら体験を想起して文章を書いたり、複数のファイルを編成、統合しながら文章化をすすめるといったつかいかたがあります。

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自然環境と人々との間のやりとりによって独自の生活様式さらに独自の文化が生みだされました。人々は独自の文化を介して自然環境に適応し、また自然環境を利用して生きてきました。

『気候帯でみる! 自然環境〈4〉冷帯・高山気候』(少年写真新聞社)の後半では高山気候をとりあつかっています。


目 次
高山気候の気候区分
高山気候の植物
高山気候の動物
高山気候の農業
鉱山気候の都市
 エクアドル キトのくらし
 中国・チベット自治区 ラサのくらし


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高山気候は、標高の高い地域に特有のすずしい気候です(注1)。気温は、標高が100m高くなるごとに0.6〜0.7℃さがります。

気温が低くなると水蒸気量も減るため、標高が高くなるにつれて高山地域では降水量が少なくなる傾向があります。また水蒸気や空気中のちりが少ないので晴れた日には、地表にとどく太陽光(日射)が強く、多くの紫外線がふりそそぎます。

標高が高くなるにつれて気圧が低く酸素が少なくなるので普通の人が高所にいくと高山病になります。


■ 高山気候の植物
高山気候の植物には垂直分布が見られるのが特徴です。

たとえばネパールのヒマラヤ山脈では標高が上がるにつれて次の分布が見られます。

落葉広葉樹林→照葉樹林→針葉樹林→(森林限界)→低木林や草地

エクアドルのアンデス山脈では次の分布が見られます。

熱帯雨林→常緑樹林→雲霧林→(森林限界)→低木と草地→イネ科を中心とした草原


森林限界より上には、きびしい環境に適応した非常に特徴的な高山植物が生えています。
  • ヒマラヤ山脈:メコノプシス・ホリドゥラ(ヒマラヤの青いケシ)、レウム・ノビレ(セイタカ・ダイオウ)など
  • アンデス山脈:プヤ・ライモンディなど
  • ヨーロッパ・アルプス:セイヨウウスユキソウ(エーデルワイス)、アルペン・ローゼ(アルプスのバラ)など


■ 高山気候の動物
気象条件がきびしく餌が少ない高山気候の地域では動物の数はかぎられていますが次のような動物が生息しています。
  • ヒマラヤ山脈:ユキヒョウ、アネハズルなど
  • アンデス山脈:ビクーニャ、アンデスコンドルなど
  • その他の高山地域:オジロライチョウ、ナキウサギ、シロイワヤギ、アイベックスなど


■ 高山地域の農業
夏もすずしい高山気候では独特の農業が発達しました。
  • アンデス高地の段々畑(アンデネスとよばれる):それぞれの標高(気温)にあわせて家畜(リャマやアルパカ)の飼育、トマト・カボチャ・トウモロコシ・トウガラシなどの栽培がおこなわれています。
  • エチオピアの農業:コーヒー、テフ(エチオピア原産のイネ科の穀物)、トウモロコシ、ソルガム、ゴマなどを栽培しています。ウシやヒツジやヤギなどの牧畜もおこなわれています。
  • チベット高原の農業:オオムギ(ハダカムギ)やコムギなどの栽培がおこなわれています。ヤクやヒツジの牧畜もおこなわれています。ヤクは「高原の舟」ともよばれ荷物の運搬に利用されるほか、その肉や乳は食料に、皮や骨・角は衣服や住居に、ふんは燃料にされるなど無駄なく利用されます。


■ 高山気候の都市

次の都市が紹介されています。
  • エクアドル、キト
  • 中国・チベット自治区、ラサ

キトは、赤道直下に位置するにもかかわらず標高が2800mをこえるので温暖でしのぎやすい気候です。さまざまな種類のトウモロコシが食べられています。ジャガイモやタマネギなどを牛乳と一緒に煮込んだ「ロクロ」が代表的な料理です。クイ(テンジクネズミの一種)やウサギの肉は貴重なタンパク源です。

ラサは、標高が約3700mであり、乾燥した気候です。「1日のうちに四季がある」といわれるほど昼と夜の気温差が大きいです。

ラサでくらしているのはチベト族です。丈の長い襟を前でななめにあわせて着る「袍」(ほう)とよばれる上着を着ています。袍の上から腰帯をまき、女性はその上からエプロンのような前掛けを身につけます。太陽からのつよい紫外線をさけるためにフエルトや毛皮の帽子をかぶることもあります。

チベット族の主食は「ツァンパ」です。オオムギ(ハダカムギ)のつぶをいって粉にしたものに水や茶をくわえて手で練って作ります。また、茶葉にヤクのバターと塩をくわえてつくる「バター茶」を飲む習慣があります。その他、コムギからつくる「トゥクパ」「モモ」、ヤク肉、ヤクチーズなども独自の食べ物です。




以上のように高山地域でくらす人々は、独自の農牧業・料理・衣服などつまり独自の生活様式を発達させて自然環境(高山気候)に適応し、一方で自然環境をたくみに利用して生きていました(下図)。


160107 高山
図 高山地域のモデル


自然環境から人々への作用・流れはインプット、その反対の人々から自然環境への作用・流れはアウトプットであり、インプットとアウトプットの間にはプロセシングがあります。人が生きるということは〈インプット→プロセシング→アウトプット〉をくりかえすことにほかなりません。

こうして、自然環境と人々との間のやりとりにって独自の生活様式が発達してきました。独自の生活様式はその地域や民族の独自の文化とよびかえてもよいでしょう。人々は、独自の文化を介して自然環境に適応し、また自然環境を利用して生きてきたのです。文化には、自然環境と人々とを介在する役割が本質的にあるとかんがえられます。モデルであらわすと上図のようになります。このようなモデルをもつことにより、一見複雑に見えるその地域の民族・文化・自然環境を統合的に整理し端的に理解することができます。

たとえば外国旅行に出かけて地元の料理を食べたりするときに、上記のモデルを意識してみるとあらたな発見がきっとあるにちがいありません。



▼ 引用文献
こどもくらぶ著・高橋日出男監修『気候帯でみる! 自然環境〈4〉冷帯・高山気候』少年写真新聞社、2013年2月22日
気候帯でみる!自然環境〈4〉冷帯・高山気候 (気候帯でみる! 自然環境)

▼ 注1
ケッペンの気候区分には高山気候はありませんでしたが、アメリカの気候学者トレワーサによって標高が影響する特徴的な気候として高山気候がしめされました。このため、ケッペンの気候区分と高山気候とは分布が重複する地域があります。

▼ 関連記事
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〈インプット→プロセシング→アウトプット〉のモデルをえがくと冷帯地域の様子を端的にとらえることができます。『気候帯でみる! 自然環境〈4〉冷帯・高山気候』(少年写真新聞社)の前半では冷帯気候についてとりあつかっています。

冷帯は、1年のなかの気温差が大きく、冬の寒さがきびしい地域です。ケッペンの気候区分では、「もっともあたたかい月の平均気温が10℃以上、もっともさむい月の平均気温がマイナス3℃未満」とされています。より寒冷な気候である寒帯よりもややあたたかい気候であることから「亜寒帯」とよばれることもあります。

北緯40度以上の地域に集中し、ロシアやカナダは国土の大部分、日本では北海道が冷帯にふくまれます。


目 次
冷帯の気候区分
冷帯の気象災害
冷帯の植物
冷帯の動物
冷帯の産業
冷帯の都市
 日本 札幌のくらし
 ロシア イルクーツクのくらし


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■ 冷帯の気候区分
冷帯は降水量の季節変化によって次の2つの気候に区分されます。
  • 冷帯湿潤気候:あまり量は多くはないものの1年を通して降水があります。
  • 冷帯冬季少雨気候:夏に雨が多く、冬は雨・雪の量が少なく乾燥します。


■ 気温の年較差
1年のうちのもっともあたたかい月(最暖月)の平均気温と、もっとも寒い月(最寒月)の平均気温の差(年較差)が大きく、熱帯の年較差は2〜5℃ほどであるのに対し、冷帯では30℃以上になる地域があります。


■ 冷帯の気象災害
次のような気象災害があります。
  • 吹雪
  • なだれ
  • 雪解け水による災害(土石流など)


■ 冷帯の植物
「タイガ」とよばれる針葉樹林が特徴的です。代表的な針葉樹としてはエゾマツやモミがあります。


■ 冷帯の動物
  • 冬眠をする哺乳類:クマ型冬眠、ヤマネ型冬眠、シマリス型冬眠
  • 針葉樹林の動物:キンメフクロウ、ホシガラス、アメリカテン、ユキウサギ、ヘラジカ(ムース)、アムールトラ、カワヒメマス、その他


■ 冷帯の産業
  • 土壌と農業:チェルノーゼム(ロシア語で黒い土)やプレーリー土の地域では春小麦の生産がさかんです。
  • 林業:針葉樹林(タイガ)がひろがるカナダやロシアでは、エゾマツ・カラマツ・トウヒ・ドドマツなどの木材を輸出したり、木材加工・製紙業がさかんです。
  • 酪農:ウシやヒツジ・ヤギなどを飼育して乳やチーズ・バターなどの乳製品を生産する農業がいとなまれています。
  • 狩猟:農業や酪農ができない地域では伝統的に狩猟がおこなわれてきました。


■ 冷帯の都市と人々のくらし
以下が紹介されています。 
  • 日本、札幌
  • ロシア、イルクーツク
イルクーツクは、シベリア南部に位置するバイカル湖ちかくの都市です。セントラル・ヒーティングがそなわった集合住宅に多くの人々が住んでいます。ながく寒い冬にそなえて次のような保存食をつくっています。
  • バイカル湖に生息する魚、オーリムのくんせい
  • 野菜やキノコの酢漬け
  • ジャム
  • ヴァレニエ(果物の砂糖煮)




以上のように、冷帯地域でくらす人々は、その地域独自の自然環境(冷帯気候)をいかして独自の産業を発達させてきました(下図)。

 
160106 冷帯
図 冷帯地域のモデル
 

ひとつの地域は、このような〈インプット→プロセシング→アウトプット〉システムにそもそもなっています。

このような〈インプット→プロセシング→アウトプット〉の視点をもつと、地理学的な単なる記載をのりこえて、その地域を動的にとらえることができます。

  • 人々は何をインプットしているのか?(食料、物質、エネルギー、情報・・・。気象災害のような不利益なインプットもあります。)
  • 人々は何をプロセシングしているのか?(保存食をつくる、食料を消化する、エネルギーをつかう・・・)
  • 人々は何をアウトプットしているのか?(不要な物質、開拓、開発、自然破壊、情報発信・・・)

たとえば外国を旅行したときにこうした問題意識をもって旅先の地域をじっくり見てみると、自分や自分たちが〈インプット→プロセシング→アウトプット〉をおこなうときに参考になるよい事例が見つかるかもしれません。



▼ 引用文献
こどもくらぶ著・高橋日出男監修『気候帯でみる! 自然環境〈4〉冷帯・高山気候』少年写真新聞社、2013年2月22日
気候帯でみる!自然環境〈4〉冷帯・高山気候 (気候帯でみる! 自然環境)




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測定物に接触せず簡単に温度が測定できる温度計です


モデルをえがくと温帯地域の様子を端的に理解することができます。

『気候帯でみる! 自然環境〈3〉温帯』(少年写真新聞社)は『気候でみる! 自然環境』シリーズの第3巻です(注1)。温帯地域には、日本やヨーロッパやアメリカ合衆国などがふくまれます。日本やヨーロッパやアメリカをほかの気候帯と比較しつつ気候の観点からとらえなおしてみるとあらたな発見がありおもしろいとおもいます。

温帯は冬の寒さがそれほどきびしくなく、1年を通じてすごしやすい気候です。ケッペンの気候区分では、「もっとも寒い月の平均気温がマイナス3℃以上で18℃未満」のところとされています。四季のような季節の変化がみられるのも特徴です。


目 次
温帯の気候区分
温帯の気象災害

温帯の植物
温帯の動物

温帯の農業1 混合農業
温帯の農業2 園芸農業
温帯の農業3 さまざまな農業
温帯の牧畜

温帯の都市
 イタリア メッシナのくらし
 ベトナム ハノイのくらし
 日本 名古屋のくらし
 イギリス ロンドンのくらし


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■ 気温や降水量の特徴によって4つに区分されます。
  • 地中海性気候:夏は乾燥し、冬に雨が多く降ります。
  • 温暖冬季少雨気候(温帯夏雨気候):夏は気温が高くなり雨が多く降ります。冬は寒さはそれほどきびしくなく乾燥します。
  • 温暖湿潤気候:1年のうち、最暖月の平均気温と最寒月の平均気温の差(年較差)が大きいのが特徴です。夏には気温が高くなり、雨が多くなります。日本の大部分はここに属ます。
  • 西岸海洋性気候:夏はすずしく、冬の寒さはそれほどきびしくありません。1年を通じて適度に雨が降ります。


■ 温帯の気象災害には次のようなものがあります。
  • 熱帯低気圧
  • 温帯低気圧
  • 竜巻
  • 熱波
  • 寒波


■ 温帯には2種類の樹木があります。
  • 常緑樹:1年中葉をつけています。
  • 落葉樹:秋から冬にかけて葉を落とします。
常緑樹のなかで、夏の乾燥にたえられるように葉が小さく分厚い樹木を「硬葉樹」といいます(オリーブやコルクガシなど)。常緑樹のなかで、日光を照りかえすような光沢が葉にある樹木を「照葉樹」といいます(シイ、カシ、ツバキなど)。

また葉の特徴にって「広葉樹」と「針葉樹」があります。


■ 温帯の動物として次が紹介されています。
  • 哺乳類
  • わたり鳥

温帯の動物は、季節にあわせた変化やいとなみに特徴があります。


■ 温帯の農業には次ようなものがあります。
  • 混合農業:農作物の栽培と牧畜とをくみあわせています。
  • 園芸農業:大都市の近郊で、野菜や果物や花などを栽培しています。
  • 地中海式農業:夏には、乾燥にたえられる果物などを栽培し、雨が多くなる冬にはコムギの栽培や、ヤギやヒツジの牧畜をおこないます。夏の代表的にあ農作物は、レモンやオレンジ、オリーブやブドウなどです。
  • 東アジアの農業:おなじ農作物を1年で2回収穫する「二期作」をおこなう地域が多いですが、日本では、1年でおなじ種類を1回収穫する「単作」やちがう農作物を収穫する「二毛作」もおこなわれています。

■ 温帯の一部では牧畜がおこなわれてきました。
  • 企業的牧畜:規模大きく、家畜の肉や毛を売ることを目的として行われる牧畜です。
  • 酪農:ウシやヒツジ・ヤギなどを飼って乳や乳製品生産する牧畜です。

■ 温帯の都市とそこでの人々のくらしについて紹介しています。
  • イタリア、メッシナのくらし
  • ベトナム、ハノイのくらし
  • 日本、名古屋のくらし
  • イギリス、ロンドンのくらし
たとえばベトナムのハノイの気候は温暖冬季少雨気候であり、稲作(二期作〜三期作)がさかんにおこなわれています。米はご飯としてだけでなく、「フォー」や「ブン」とよばれる麺にしてもよく食べられています。また米粉の生地をうすくのばした「バインチャン」(ライスペーパー)は、ベトナム風春巻「ゴイクン」(生春巻)などにつかわれます。



以上のように温帯の地域には大きな都市が多数あり、その周辺には耕作地がひろがって混合農業や園芸農業がおこなわれています。人々は、温帯の自然環境(温帯の気候)に適応しながら農業を発展させてくらしてきました。ここにも、自然環境から人々への作用(インプット)と人々から自然環境への作用(アウトプット)がみられます(下図)。

160106 温帯
図 温帯地域のモデル


このようなインプットとアウトプットとの相互作用によって、自然環境をたくみに利用しながら人々は農業を発展させてきたのであり、このようなことがその地域の独自な生活様式さらに独自な文化を生みだしてきたといえるでしょう。

本書で紹介されている人々のくらしとその地域の気候とをセットにして統合的にとらえる視点をもつとあらたな発見があっておもしろいとおもいます。



▼ 引用文献
こどもくらぶ著・高橋日出男監修『気候帯でみる! 自然環境〈3〉温帯』少年写真新聞社、2013年1月22日
気候帯でみる!自然環境〈3〉温帯 (気候帯でみる! 自然環境)

▼ 注1
『気候でみる! 自然環境』シリーズは、『熱帯』『乾燥帯』『温帯』『冷帯・高山気候』『寒帯』の全5巻からなっています。






モデルをえがくと熱帯地域の様子を端的に理解することができます。

『気候帯でみる! 自然環境〈1〉熱帯』(少年写真新聞社)は『気候でみる! 自然環境』シリーズの第1巻です(注1)。植物園の温室などで熱帯植物を観察したり、動物園で熱帯の動物を見たり、あるいは熱帯地方を旅行したりするときに本書の内容を予備知識としてもっているとたのしみが倍増します。子供むけの本ですが大人が見てもおもしろいです。


目 次
熱帯の気候区分
熱帯の気象災害

熱帯の植物1 熱帯雨林
熱帯の植物2 サバナ

熱帯の動物1 熱帯雨林気候
熱帯の動物2 サバナ気候

熱帯の農業1 焼畑農業
熱帯の農業2 稲作
熱帯の農業3 プランテーション農業

熱帯の都市1 ブラジル マナウスのくらし
熱帯の都市2 バングラデシュ ダッカのくらし
熱帯の都市3 タンザニア ダルエスサラームのくらし
熱帯の都市4 オーストラリア ダーウィンのくらし
 

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気候とは、毎年くりかえす天気の特徴のことをいいます。さまざまな気候の特徴をもった地域が世界各地に存在し、おおまかにいくつかの「気候帯」にわけられています。もっともひろくつかわれているのはドイツ人の気候学者であるケッペンが考案した気候区分であり、生えている植物(とくに樹木)の種類に注目し、気温と降水量をもとにして、「熱帯」「乾燥帯」「温帯」「冷帯」「寒帯」の5つの気候帯にわけられています。




熱帯は、赤道付近に集中して分布します。1年を通じて気温の高い地域であり、ケッペンの気候区分では「もっともさむい月の平均気温が18℃以上」とされています。


■ 熱帯気候は次の2つにさらに区分されます。
  • 熱帯雨林気候:1年を通じて大量の雨がふります。
  • サバナ気候(注2):雨季と乾季とがはっきりわかれています。


■ 熱帯の気象災害としては次があります。
  • 洪水
  • 干ばつ
  • 熱帯低気圧・台風・ハリケーン・サイクロン


■ 熱帯の動植物としては次のようなものが紹介されています。

 熱帯雨林気候
  • 超高木層:鳥や虫が多い
  • 高木層:オラウータン、コモンリスザル、ナマケモノ、コアリクイ、ジャガー
  • 地表層:アグーチ、ラッパチョウ、カピバラ
 これらは高さによって棲み分けています。

 サバナ気候
  • キリン、ジェレヌク、イボイノシシ、ゾウ、シマウマ、クロサイ、ダチョウ
  • ライオン
 99%は草食動物です。別の植物を食べたり、おなじ植物の別の部分を食べて、食べ分けています。


■ 熱帯の農業には次の形態があります。
  • 焼畑農業(注3)
  • 稲作
  • プランテーション農業
 プランテーション農業とは、ひろい農地で一種類の農作物だけを大量に生産する農業のことです。サトウキビ・コーヒー・カカオ・天然ゴム・バナナなどが栽培されています。


■ 熱帯の都市とそこでの人々のくらしについて紹介しています。
  • ブラジル、マナウスの人々のくらし
  • バングラデシュ、ダッカの人々のくらし
  • タンザニア、ダルエスサラームの人々のくらし
  • オーストラリア、ダーウィンの人々のくらし
 たとえばタンザニアのラルエスサラームでは、トウモロコシやキャッサバの粉を水でこねてつくる「ウガリ」という料理が主食として食べられています。おもなおかずとなるのは野菜の入ったトマト味のスープである「ムチュジ」です。




以上のように熱帯地域は実に多様な世界になっていますが、次のモデル(模式図)で端的にあらわすことができます(下図)。

160104 熱帯
図 熱帯地域のモデル


熱帯地域には、マナウス・ダッカ・ダルエスサラーム・ダーウィン、そのた多数の都市が存在し、そこではたくさんの人々が自然環境(熱帯気候)に適応しながらくらしています。都市の周辺には耕作地がひろがり、焼畑農業・稲作・プランテーション農業などがおこなわれています。これらの農業は、熱帯の自然環境(熱帯気候)をたくみに利用していとなまれています。

このような自然環境と人々とのあいだには相互作用があり、自然環境から人々への作用は「インプット」、人々から自然環境への作用は「アウトプット」とよぶことができます。

インプットにより、食料やその他の物質・エネルギーあるいは情報が自然環境から人々のなかへ入ってきます。いわゆる「自然のめぐみ」といわれるものです。しかし不利益なインプットもあります。気象災害がそれです。不利益なインプットは人々のくらしを破壊します。

他方のアウトプットでは、人々は不要になった物質を外部に排出したり、あらたに耕作地を開拓したりして自然環境に作用をあたえています。近年、焼畑農業やプランテーション農業が大規模になり自然環境が破壊されています。これはアウトプットが巨大化し強力になって調和がくずれたことにほかなりません。




熱帯地域は多様な世界であり一見複雑そうに見えますが、このようなモデルをえがくことによってこの地方のさまざまな情報を統一的にとらえることができます。

モデルは、多様な情報を統合し全体の見通しをよくするためにとても役立ちます。



▼ 引用文献
こどもくらぶ著・高橋日出男監修『気候帯でみる! 自然環境〈1〉熱帯』少年写真新聞社、2012年11月22日
気候帯でみる!自然環境〈1〉熱帯 (気候帯でみる! 自然環境)

▼ 注1
『気候でみる! 自然環境』シリーズは、『熱帯』『乾燥帯』『温帯』『冷帯・高山気候』『寒帯』の全5巻からなっています。

▼ 注2
サバナ気候はサバンナ気候とよばれることもあります。

▼ 注3
焼畑農業とは、森の一部を燃やし、あとにのこった灰を肥料などにしておこなう農業です。熱帯の土地はもともと酸性度が高く、農作物をそだてるには適していませんが、焼畑をすると灰が土を中和させまた肥料にもなるためイモ類や穀類やバナナなどがそだつようになります。熱によって、害虫や病原菌をへらす効果もあります。焼畑農業は、数年間おこなうと雑草が増えたり土がやせたりして農作物がそだちにくくなるので別の土地に移動します。これを繰り返して10〜20年後にふたたび元の土地にもどってきます。しかし近年は、人口増加などにより焼畑農業を短期間でくりかえすようになり森が破壊されています。


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その土地の凸凹(地形)を知るとその地域の歴史や人々の生活が見えてきます。

『地形のヒミツが見えてくる体感!東京凸凹地図』(技術評論社)は東京の凸凹(地形)を陰影図と写真をつかって紹介しています。大変わかりやすく、散歩や散策のガイドとしてもっていたい1冊です。


目 次
1章 凸凹体感!
2章 水と先人の知恵
3章 山地と台地
4章 東京の真ん中
5章 崖と丘陵
6章 びっくり地形
7章 東京から少し離れて


NHKの「ブラタモリ」の影響もあってかこのような凸凹地図(地形図)が最近注目されています。建造物におおわれて今ではわかりにくくなっている東京の地形ですが、本書を見ればあらためて地形とその役割をとらえなおすことができます。わたしは上野界隈によく出かけますがこのあたりの凸凹も本書を見れば一目瞭然であり、そういうことだったのかと納得できました。


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地形は、地域の歴史と住民の生活の舞台です。地形はすでに決まっています。先人たちはその地形をいかにたくみに利用してきたか。そしてわたしたちは地形をどう活用し、どのようにその上をあるいていけばよいか。興味がつきません。

本書は、地形的特徴にくわえて歴史や文化的エピソードの解説もしていて、地図を見るだけでなく読んでもたのしめます。また地震・津波・液状化といった自然災害への対策も盛り込んであるほか、地図マニア必見の測量方法や地図制作の仕方についても解説してあります。自然史的な見方にくわえて歴史・文化的な見方、技術的な見方もわかります。


▼ 引用文献
東京地図研究社編著『地形のヒミツが見えてくる体感!東京凸凹地図』技術評論社、2014年5月
地形のヒミツが見えてくる 体感! 東京凸凹地図 (ビジュアルはてなマップ)


▼ 関連記事
歴史の流れを地形でとらえる 〜『地形から読み解く日本の歴史』〜
地形をみて歴史の謎をよみとく - 竹村公太郎著『日本史の謎は「地形」で解ける』(1)-
現場をあるいて地形を観察する - 竹村公太郎著『日本史の謎は「地形」で解ける(文明・文化篇)』-
地形図を読む - 山岡光治著『地形図を読む技術』-
身近な地形を認識する


▼ 関連書籍


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外国を旅行して、その国について手っ取り早く知りたいとおもったらその国の鳥瞰図をみるとよいです。

わたしは先日、ネパール・ヒマラヤのフィールドワークに出かけたときに下の鳥瞰図を買いました。


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ネパール・ヒマラヤ地域の重要な場所をピックアップし、クローズアップしてえがいています。手前にはガンジス平原がひろがり、中ほどにはネパールの首都カトマンドゥが位置し、背後にはヒマラヤ山脈がそびえています。

これは、Google Earth (航空写真や衛星写真)とはちがう図です。情報を評価し、重要な情報を選択し、本質をえがきだしているのが特色です。

外国の旅行先で、その国について手っ取りばやく知りたいとおもったらこのような鳥瞰図をさがすとよいです。

あるいは地図でもよいです。ジャーナリストの池上彰さんはその国で発行されたその国の地図を取材先の国で買うようにしているそうです。

その国で発行された地図は、その国の人が強調したいことを強調してえがいています。日本で発行されたものとはかなりちがう場合が多いです。

地図も鳥瞰のために役立ちます。


▼ 関連記事
世界地図をつかって国際問題を理解する - 池上彰著『国際問題がわかる! 世界地図の読み方』-



海外旅行では、クレジットカードとともに海外プリペイドカードをつかうと便利です。海外プリペイドカードとしてはキャッシュパスポートをおすすめします。
 
キャッシュパスポート >>


■ 7つの通貨が1枚のカードでつかえる

最近、キャッシュパスポートはマルチカレンシーカードに移行して一層つかいやすくなりました。マルチカレンシーカードとは、1枚のカードにいくつもの通貨をチャージできるカードです。複数の国に渡航する場合でも1枚のカードをつかいまわせるのでとても便利です。

たとえば指定され口座に円を入金すると米ドルに両替されて米ドルがチャージされます。あるいは別の指定された口座に円を入金するとユーロに両替されてユーロをチャージしておくこともできます。日本円・米ドル・ユーロ・英ポンド・豪ドル・NZドル・カナダドルの7つの通貨がつかえます。


■ 円高のときに入金する

キャッシュパスポートの特徴は入金したときのレートが適用されることです。つまり、その通貨のレートのよいときを見計らって入金・両替して貯めておけるのです。これは大きなメリットです。たとえば円高ドル安になったときに、円で入金してドルに両替してドルを貯めておくことができます。〈円高のときに入金〉これが賢い使い方です。

円をそのままチャージしておくこともできます。その場合は、外国の現地で現地通貨を引き出すときに現地通貨に両替され、そのときのレートが適用されます。

インターネットにアクセスできればインターネットバンキングを利用してどこからでも入金・チャージすることができます。
 



■ ATM で現地通貨を引き出す
キャッシュパスポートをつかえば、Master Card のマークのある ATM ならどこでも現地通貨が引き出せます。銀行や両替所をさがしてならんだりする必要はありません。キャッシュカードを日本でつかうのとおなじくらいの手軽さで 現地通貨が引き出せます。外国での機械の操作はわたしも最初は不安でしたがやってみたら簡単でした。日本語表示ができる ATM もふえています。開発途上国でも観光地には ATM が今では大抵あります(注)。 

これで高額な現金を持ちあるかなくてすみます。〈手元には必要なお金だけを持つ〉これは海外旅行の鉄則です。カードを万が一ぬすまれた場合でも被害を最小限にくいとめることができます。


■ 入金した範囲でつかう
あらかじめ入金した金額の範囲内でしかつかえないためつかいすぎの心配がありません。この点はクレジットカードとはちがいます。キャッシュパスポートの管理画面(マイページ)では、残高表示が外貨なので現地であといくらつかえるかをすぐに把握できます。

オプショナルツアーに現地で参加するなどの高額な支払いが必要になった場合にはクレジットカードをつかえばよいでしょう。


■ ショッピングにもつかえる
世界210以上の国や地域にある MasterCard 加盟店でもクレジットカードのようにつかえます。


■ スペアカードもあるので安心

スペアカードがあるのも安心です。万が一カードを紛失しても、不正利用を止めたうえでスペアカードをつかいつづけることができます。本カードとスペアカードとではカード番号と暗証番号がちがいますのであらかじめ注意してください。


■ 家族が入金することもできる

事前に委任状の登録をすませておけば、日本にいるご家族から現地にいるあなたのカードにチャージすることもできます。銀行からの海外送金にくらべてはるかに簡単です。現金が必要になった際やまとまったお金が必要なときも安心です。海外留学のためにも便利です。


トラベラーズチェックが発行されなくなったこともあり、キャッシュパスポートは海外旅行に必須のアイテムといってもよいでしょう。






▼ 注
開発途上国などでは、あらかじめチャージしておいた円がその日のレートで現地通貨に両替されて ATM からでてきます。



〈1.概観 → 2.行動 → 3.回想〉という3段階をふむことにより、旅行は3回たのしむことができます。


1.世界を概観し旅を構想する
 
たとえば『はじめて学ぶ世界遺産100』(マイナビ)という本をつかって全世界の主要な世界遺産をまずは概観してみます。世界遺産は観光地としても重要であり旅行先の候補地になりえます。この本は、世界遺産検定の公式テキストだけあって情報が正確かつ緻密であり、とても参考になります(注1)。

世界遺産を概観したら旅行先を決めます。世界を概観あるいは地球を大観してから特定の地域を選択するというのがポイントです。また見たいこと聞きたいこと調べたいことなどをおもいついたら箇条書きで書き出しておきます。



2.旅の日程をくみ行動する
 
旅の行き先を決めたら、旅の日程をくみ、同時に航空券やホテルなどの手配をします。

この段階では、行き先の地域の『地球の歩き方』が役立つでしょう。『はじめて学ぶ世界遺産100』は旅行ガイドブックではないので、アクセス方法やホテル、グルメ情報などはでていません。『地球の歩き方』はできれば電子書籍版を購入して現地に持っていくとよいです。
 
『地球の歩き方』 >>

あとは現地に行って旅そのものをたのしみます。移動・行動しながら、気がついたことはメモをとっておくとよいです。スケッチをしたり写真撮影もします。



3.旅を回想して旅行記を書く
 
旅行からかえってきたら旅を回想しながらとりまとめをおこないます(注2)。具体的には旅行記を書き、写真とともにブログやフェイスブックや旅行サイトなどにアップするようにします。旅の感想とともに、旅先の風土や物・人・文化・歴史などなどにも意識をくばります。『世界遺産100』の全体的状況のなかで、どのような価値や存在意義をその地域はもっていたでしょうか。




以上のような3段階をふむことによって、旅行は3回たのしめます(図1)。第1段階では概観し大局を見ます。第2段階ではローカルに行動します。第3段階では回想し旅行記を書きます。

151222 旅行
図1 旅は3回たのしむ


各段階の内部において、情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)がくりかえされることになります。このようにして(1)全体を見て、(2)部分を見ると、(3)今まで以上に全体が見えてきます。

このような3段階は仕事や問題解決のモデルとしてもつかえます。課題をめぐるアプローチの仕方に〈大局→局所→本質〉という変化があることに注目するとよいでしょう(図2)。

151222 大局
図2 問題解決のアプローチ


▼ 注1
世界遺産検定事務局著『はじめて学ぶ世界遺産100』マイナビ、2013年12月21日
はじめて学ぶ世界遺産100 世界遺産検定3級公式テキスト

▼ 中級者むけ
『はじめて学ぶ世界遺産100』ではものたりないと感じる方には下記をおすすめします。こちらには300の世界遺産がでています。
▼ 注2
ひぐちあきら著・朝倉めぐみ絵『旅の記録 楽しい残し方』毎日新聞社、2006年8月10日
旅の記録 楽しい残し方

▼ 関連記事
世界遺産を旅する -『はじめて学ぶ世界遺産100』-
電子書籍版『地球の歩き方』をもちあるく
旅の体験をアウトプットする - ひぐちあきら著『旅の記録 楽しい残し方』-


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地球全史のなかでそれぞれの出来事をとらえると出来事の意義がわかってきます。

地球史は「冥王代→太古代→原生代→顕生代」という時代区分になっていて、それぞれの年代はつぎのようになっています。
 
顕生代:5億4200万年前〜現在
原生代:25億年前〜5億4200万年前
太古代:40億年前〜25億年前
冥王代:46億年前〜40億年前

顕生代は、情報量が非常に多いのでさらにこまかく区分されています。それは後でみていけばよいでしょう。


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■ 冥王代:46億年前〜40億年前
  • 46億年前に、無数の微惑星が衝突・集合して地球は形成されました。(写真2)
  • 天体の衝突によって地球の表面にはクレーターがたくさんできました。(写真6)

■ 太古代:40億年前〜25億年前
  • 地球最古の化石は34.5億年前の地層から発見されました。その化石は最古の生命の痕跡のひとつとされています。(写真14、15)
  • 27億年前のシアノバクテリアは、酸素のとぼしかった海に大量の酸素を供給しました。(写真19)

■ 原生代:25億年前〜5億4200万年前
  • アフリカ大陸とその周辺では小大陸同士の衝突が3回あり、次第に大きな大陸が成長しました。(写真26)
  • 5.7億年前にエディアカラ動物群が出現しました。エディアカラ動物群は軟体部からのみなり、かたい殻や骨格がなく平べったいものが多かったです。(写真33、34)

■ 顕生代:5億4200万年前〜現在
  • 顕生代になると、生物種の多様化が急激にすすみました。「カンブリア爆発」とよばれます。カナダのバージェス頁岩はそのことをあきらかにした重要な地層です。(写真36、37、38)
  • 南アフリカには350万年前の人類化石遺跡があります。またタンザニア・オルドバイ峡谷(200万年前)で、猿人アウストラロピテクス・ボイセイと原人ホモ・ハビリスの化石が発見されています。現代は人類の時代です。(写真79、80)



46億年前に、宇宙の物質があつまって地球が形成されて冥王代がはじまりました。太古代になると生物が誕生しました。原生代には大陸の成長と移動がおこりました。顕生代になると生物は一気に多様化し、最終的には人類が出現してきまた。

このような地球全史において、最初の生物がどのようにして誕生したのかはまだわかっていません。また注目すべきは、顕生代はじめの「カンブリア爆発」、そして人類の出現です。人類の人口は現在 約70億人、ひとつの種がこれほどまでに繁栄?した時代は今までにはありませんでした。地球は今、人類の時代になっています。


地球に記録されたさまざまな痕跡から地球の全歴史をまなぶことは、一方で、地球全史をふまえてそれぞれの出来事の意義をとらえなおすことにもなります。それぞれの出来事の意義はそれ自体で単独に決まるのではなく、全体状況や背景のなかこそ決まってくるものです。

たとえばローマの古代遺跡をただ見ているだけだと何もわからなかったことが、世界史を勉強し、世界史のなかで(世界史を背景にして)遺跡をとらえなおしてみると、世界史におけるローマの位置づけができ、その価値や意義がわかってきます。これと同じことです。

今後たとえば、世界自然遺産を見たり旅したりするときに、地球全史をふまえてそれぞれの自然をとらえれば、それらの価値や意義がわかって見方が非常にふかまってくることでしょう。


151221 地球全史
図 地球全史のなかでそれぞれの自然をとらえると、価値や意義がわかってくる

 

▼ 引用文献
白尾元理(写真)・清川昌一(解説) 『地球全史 写真が語る46億年の奇跡』岩波書店、2012年1月27日
地球全史――写真が語る46億年の奇跡 

▼ 参考記事
時間スケールを変えて歴史を見る 〜『地球全史スーパー年表』〜
鳥瞰映像と実体験をくみあわせて理解をふかめる 〜後藤和久著『Google Earth でみる地球の歴史』〜
哺乳類の進化と絶滅をまなぶ -太古の哺乳類展-
イメージでとらえ、言葉をつかって確認する - 松井孝典(文)・柏木佐和子(絵)『親子で読もう 地球の歴史』-
進化における生命の大躍進をみる - 特別展「生命大躍進」(1)-
地球史を旅する -『地球全史 写真が語る46億年の奇跡』岩波書店(1)-

▼ 関連記事
進化における生命の大躍進をみる -「生命大躍進」(1)-(2015年12月)
生命進化の物語がはじまる -「生命大躍進」(2)-(2016年6月)
眼をつかって情報をとりこむ -「生命大躍進」(3)-(2016年6月)
空白領域に進出する -「生命大躍進」(4)-(2016年6月)
眼と手をつかいこなす -「生命大躍進」(5)-(2016年6月)
段階的に発展する -「生命大躍進」(6)-(2016年6月)
眼をつかいこなして多種多量な情報をうけとる -「生命大躍進」(7)-(2016年8月)
眼でみて認知し、行動して確認する -「生命大躍進」(8)-(2016年8月)
手をつかいこなしてアウトプットする -「生命大躍進」(9)-(2016年8月)
情報処理能力を高め、空白領域にチャレンジする -「生命大躍進」(まとめ&リンク)-(2016年8月)

 

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ハワイ・ワイキキ水族館(入口)


ステレオ写真をつかって立体視をしてみると自分の意識の中で情報処理がおこっていることを自覚することができます。

交差法(クロス法)で下の写真はいずれも立体視ができます(注1)。ハワイのワイキキ水族館(Waikiki Aquarium)で撮影しました(注2)。



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Cat’s Eye Coral (Caulastrea furcata)



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Potato Chip Coral (Pavona cactus)



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Chambered Nautilus



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Commerson’s frogfish (Antennarius commerson)



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Hawaiian Monk Seal


ステレオ写真を見るとき、左右の目にはそれぞれ独立に光がはいってきます(光がインプットされます)。そしてわたしたちの意識の中でそれら2系統の情報が処理・融合されて一つの立体画像(3D画像)になります。この立体画像は、さわろうとおもって手をだしてみてもさわることはできません。つまり立体画像は実体としては存在せず、いわばバーチャルです。

ところでステレオ写真をつかって立体視をしていないときでもわたしたちは左右の目で光をうけて外界を見ています。するとわたしたちが普通に見ている外界(視覚世界)も情報処理によって生じた立体画像であるとかんがえられないでしょうか。

ステレオ写真をつかった立体視は見るとはどういことかを自覚できる恰好な手段にもなっています。

151126 立体視
図 左右の目に独立にはいってきた光は
プロセシングにより一つの立体画像となる




ワイキキ水族館はワイキキビーチからあるいていけます。ホノルル動物園のそばです。比較的ちいさな水族館ですがハワイ大学が管理しており学術的にみて立派な水族館になっています。日本語の音声ガイドの機器を受け付けでかしてくれるので、ガイドを聞きながら海の生物をじっくり観察し理解をふかめることができます。

ハワイ固有種で絶滅の危機に瀕しているハワイアンモンクシール(Hawaiian Monk Seal)というアザラシも間近で見ることができます。建物の外のプールにいました。



▼ 注1:交差法(クロス法)をつかった立体視のやり方は下記サイトをご覧ください。

▼ 注2:ワイキキ水族館




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DVD をつかって想像力をつよめる訓練をする - DVD『トラベラーズ イングリッシュ 1 ハワイ編』-
立体視をして見る力をきたえる - ハワイ・オワフ島フォスター植物園 -
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見る仕組みを知る - 藤田一郎著『「見る」とはどういうことか』-
3D世界を知覚する仕組みを知る - 藤田一郎著『脳がつくる3D世界 立体視のなぞとしくみ』-
色がまざって見える - 特別展「新印象派 光と色のドラマ」-


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海遊館(入口)

水族館に行くと非日常の異空間を体験することができ、自分の意識を刺激することができます。

大阪にある海遊館(かいゆうかん、注)は世界最大級の水族館であり、巨大水槽といくつもの展示水槽で環太平洋の海を再現しています。「リング・オブ・ファイア」(環太平洋火山帯)と「リング・オブ・ライフ」(環太平洋生命帯)をコンセプトにしているのが特徴です。

館内にはいってみるとエスカレーターで8階までまずあがり、そのご回廊型の通路を順次くだっていきます。各水槽(各展示)をめぐりながら螺旋状におりていくと地上から深海へと到達できるという仕組みです。 

水槽は、太平洋を模した巨大な「太平洋」水槽を中心にして14の展示水槽が周囲に配置され、環太平洋の地理関係を再現しています。
 

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ラッコ


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アオリイカ


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タカアシガニ


海遊館はこれまでの水族館の印象を劇的に変えた水族館であり、規模が大きいだけでなく年間来場者数も非常に多く、日本で3位以内に入るそうです。

海遊館をあるきながら、表面的な日常世界から薄暗い深層へと次第にくだって行くと原始的な不思議な雰囲気を味わうことがでます。また何よりも見慣れない生物たちがわたしたちをおどろかせ、わたしたちの意識を刺激して理屈ではあらわせない独特の感動がもたらされます。ここでいう意識とは情報処理の場といいかえてもよいです。

非日常的な異空間を手軽に体験して意識を刺激できる場所として海遊館はおすめです(下図)。

151126 刺激
図 水族館で刺激をうける


▼ 注

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シドニー王立植物園の南東入口(Art Gallery Road からの入口、注1


ステレオ写真をつかって立体視の訓練をすると集中力をつよめることができます。

下のステレオ写真はいずれも平行法(注2)で立体視ができます。オーストラリアのシドニー王立植物園(Royal Botanic Gardens, Sydney)で撮影しました。立体視が一旦できたとおもったら、しばらく集中してじっと見つめているとさらにくっきりと見えてきます。是非トライしてみてください。


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Symphytum officinale (Comfrey)



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Symphytum officinale (Comfrey)



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Digitalis (Foxglove 'Little Foxy')



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Jasminum nitidum



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Carpobrotus acinaciformis



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Canna indica



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Jacaranda mimosifolia (Jacaranda)



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Jacaranda mimosifolia (Jacaranda)



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Brachychiton rupestris (Queensland Bottle Tree)





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シドニー王立植物園(池の奥にはカフェがある)


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芝生の広場には現代アート作品がならぶ


シドニーの王立植物園はとてもよくできた公園です。植物を見る以外にも、池のほとりを散歩する、海風にあたって気分をかえる、ベンチで読書にふける、カフェやレストランでランチをたのしむなど、優雅なひと時をすごすことができます。芝生の広場には現代アート作品がならんでいて子供たちが自由にあそんでいます。

ちかくにはホテルもたくさんあります。わたしは、The Sydney Boulevard Hotel(注3)に泊まって植物園に連日かよい撮影をたのしみました。ホテルの部屋はハーバービュー(シドニー湾と植物園が見える部屋)にし、なるべく高層階を予約するとよいです。


▼ 注1
南東のゲートは Woolloomooloo Gate とよばれています。重厚な雰囲気です。ちかくには州立美術館があります。

▼ 注2:平行法(パラレル法)をつかった立体視のやり方は下記サイトをご覧ください。

▼ 注3:The Sydney Boulevard Hotel


▼ シドニー王立植物園
The Royal Botanic Gardens & Domain Trust - Sydney

▼ 関連記事
立体視をして画像処理能力をきたえる - シドニー王立植物園(1)-
立体視をして視覚的知能を活性化させる - シドニー王立植物園(2)-
立体視をして観察力をつよめる - シドニー王立植物園(3)-


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 アップルストア銀座のイベント


iPhone のカメラをつかうとシャッターチャンスをのがすことなくその時その場を撮影できます。

アップルストア銀座のイベント「iPhoneのカメラ機能が切り拓く可能性」(2015年10月31日)に参加しました。

このイベントでは、映像作家の岩元康訓さんと水中カメラマンの石川肇さんによるトークショーの形で、iPhone をつかって両氏が実際に撮影した作品を見ながら iPhone のカメラとしての魅力と可能性をさぐりました。

iPhone の最大の特色はチャンスにつよいことです。従来の撮影では重装備が必要でした。また特殊な機材がいりました。それに対して iPhone による撮影は軽装備なのでどこにでももっていけます。せまいところにもはいっていけます。カヌーにとりつけて撮影することもできます。


会場で紹介された映像は本当にうつくしかったです。プロがつかえるレベルまで iPhone のカメラの性能が向上していることがよくわかりました。iPhone は写真や映像のもつ可能性をどんどんひろげています。コンパクトデジタルカメラはもはやいらないのではないでしょうか。

わたしは一眼レフもつかっていますが、撮りたいときにポケットからサッととりだしてその時その場ですぐに撮影できる iPhone は手放せません。iPhone があればシャッターチャンスを逸しないですみます。

ただしイベントでも紹介されていましたが撮影の幅をひろげるためにはフォトレンズ(補助レンズ)もつかったほうがよいです。


こちらのレンズは、ワイドレンズ、魚眼レンズ、マクロレンズ(接写用レンズ)です。



こちらのレンズはウルトラワイドレンズ(超広角:画角約155°)と望遠レンズ(iPhone のほぼ2倍)です。

レンズにはいろいろな種類があるので用途に応じてつかいわけるとよいでしょう。

上記のどちらのレンズも、バックカメラおよびフロントカメラの両方で使用できます。同梱のレンズホルダーをつかえばもちはこびも便利です。

ただし iPhone ケースやカバーをつけたままだとレンズを装着できず、また保護フィルムと干渉する場合がありますので注意してください。



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シドニー王立植物園


ステレオ写真をつかって立体視の訓練をくりかえしていると観察力をつよめることができます。

下のステレオ写真はいずれも交差法(注1)で立体視ができます。オーストラリアのシドニー王立植物園(Royal Botanic Gardens, Sydney)で撮影しました。是非トライしてみてください。


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Golden Wattle (Acacia pycnantha) (注1)



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Acalypha wilkesiana (Fijian Fire Plant, Beefsteak Plant)



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Rose 'Cathedral City' (Rosa)



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Dragon's-blood Tree (Dracaena draco)



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Dragon's-blood Tree (Dracaena draco)



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Rhododendron lyi



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Camellia chekiangoleosa



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Hemerocallis



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Bougainvillea



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Bromeliads



公園突端のミセス・マックォーリーズ・ポイントにいくと、シドニー・オペラハウスとハーバーブリッジをファーム湾のむこうに一度にのぞむことができます(下の写真)。ここは、19世紀初頭の総督婦人ミセス=マックォーリーお気に入りの場所であり、彼女のために岩でつくったミセス・マックォーリーズ・チェアが今でものこっています。

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▼ 注1:交差法(クロス法)をつかった立体視のやり方は下記サイトをご覧ください。

▼ 注2
Golden Wattle (Acacia pycnantha) はオーストラリアの国花。

▼ シドニー王立植物園
The Royal Botanic Gardens & Domain Trust - Sydney

▼ ミセス・マックォーリーズ・チェアの位置


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立体視をして集中力をつよめる - シドニー王立植物園(4)-


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日本地質学会・構造地質部会編『日本の地質構造100選』(朝倉書店)は、日本国内の重要な露頭(岩石や地層が地表に露出している部分)のカラー写真集です。くわしい解説と正確な地図もでているので調査旅行ガイドとして有用です。

目 次
第1章 断層
第2章 活断層
第3章 断層岩
第4章 褶曲
第5章 小構造
第6章 メランジュなど

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地質構造は、きわめてゆっくりした大地の運動により数百万年から数千年かけて岩石が変形して形成されます。本書をみていると悠久の時のながれを感じることができます。

地学ファンや理科教師とくに地質学に興味のある人にとっては必見の書です。

本書の写真をみて興味のある露頭をみつけたら、そこに実際に行ってみるとよいでしょう。露頭の場所が地図上にしめされているので確実にたどりつけます。地学の旅をたのしむためのすぐれた案内書です。


▼ 引用文献
日本地質学会・構造地質部会編『日本の地質構造100選』朝倉書店、2012年5月20日
日本の地質構造100選



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シドニー王立植物園


立体視の訓練をすることにより「視覚的知能」を活性化させることができます。

「視覚的知能」とは、「目にまつわる能力を高めて生ずる従来に十分に働いていなかった知能」のことです(注1)。立体視の訓練は、言語や聴覚を経由しないので視覚にかかわる領域だけを高度に活性化することができ、「視覚的知能」を活性化させると情報処理能力の全般をアップさせることができます

下のステレオ写真はいずれも平行法(注2)で立体視ができます。オーストラリアのシドニー王立植物園(Royal Botanic Gardens, Sydney)で撮影しました。むずかしい写真も若干ありますが是非トライしてみてください。



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Queen Palm (Syagrus romanzoffiana


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Bangalow Palm / Piccabeen Palm (Archontophoenix cunninghamiana)


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Dwarf Date Palm (Phoenix roebelenii)


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Begonia 'Dragon Wing'


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Begonia
 

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Begonia jairi


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Begonia sanguinea


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Begonia sp. u054


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Aloe 'Saturn'


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Aloe 'Saturn'


シドニー王立植物園はファーム湾に面している一方で大きな池もあり、水の風景もうつくしいです。広大な空間のなかで草木と水と空がみごとに調和していて、都会の “オアシス”、市民のいこいの場になっています。



▼ 注1:引用文献
栗田昌裕著『 眼力を高めるパワード・アイ』健学社、2003年11月25日
眼力を高めるパワード・アイ 

▼ 注2:平行法(パラレル法)をつかった立体視のやり方は下記サイトをご覧ください。

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立体視をして画像処理能力をきたえる - シドニー王立植物園(1)-
立体視をして視覚的知能を活性化させる - シドニー王立植物園(2)-
立体視をして観察力をつよめる - シドニー王立植物園(3)-
立体視をして集中力をつよめる - シドニー王立植物園(4)-

▼ シドニー王立植物園
The Royal Botanic Gardens & Domain Trust - Sydney





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ハワイ・ビショップ博物館 (The Bernice Pauahi Bishop Museum)


ハワイ・ビショップ博物館は、ポリネシアとハワイを中心に太平洋地域の自然と文化について展示・解説している博物館です。モバイル音声ガイドをつかうとくわしく理解することができます。

この博物館は、200万点をこえるコレクションをもつハワイ最大の博物館であり、ハワイアン・ホールをまわれば、ポリネシア人がハワイを発見して移住してきたころからハワイ王朝までの歴史をたどることができます。またパシフィック・ホールでは太平洋諸島を含むオセアニア全体を展望することができます。サイエンス・アドベンチャーセンターでは溶岩(玄武岩)の溶融実験が見られます。

ハワイについてもっと知りたくなったら是非おとずれたい博物館です。


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ハワイアンホール


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Kaneikokala(平行法で立体視ができます)

人の顔のようにもみえますが、人工的に彫られたものではなく、自然のままの状態で神をあらわすものとされています。



この博物館では、モバイル・オーディオ・ガイド(音声ガイド)が利用でき、館内のフリーWi-Fiをつかって自分のスマートフォンでアクセスすれば各展示の解説を日本語できくことができます。あるいは日本語のテキストで解説をよむこともできます。

日本では大型博物館では、専用機器をつかった音声ガイドが普及しつつありますが、中小の博物館ではまだ普及していないのが現状です。ビショップ博物館のようなスマートフォンをつかったガイドであれば専用機器がいらず、コストパフォーマンスにすぐれるので、日本の博物館でも積極的に導入すべきだとおもいます。


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モバイル音声ガイドの案内板



▼ 平行法(パラレル法)をつかった立体視のやり方は下記サイトをご覧ください。


▼ ビショップ博物館
ハワイ ナビ
ビショップ博物館を楽しむ5つのポイント





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外国旅行をして、自国からはなれて自国をとらえなおすと自国が全体的にみえてきます。

わたしは、環境保全活動のためにネパールに一時期くらしていたことがあり、いまでも毎年かよっています。

そこで気がついたことのひとつに、ネパール人やネパールで長年くらしている外国人がネパール全体のことについては意外にわかっていないということがあります。

ネパールでくらしている人々は、自分のくらしているエリアのことはとてもよく知っていますが、たとえば首都でくらしている人々はネパール山岳地帯のことはほとんど知りません。「え、こんなことも知らないの?」とおもうことがよくあります。

しかしご本人は、ネパールで長年くらしているのだからネパールのことはすべてわかっていると誤解をしています。その場所にどっぷりつかってしまうと身のまわりのことしかわからなくなり、自分のせまいエリアのことは知っていても全体像はみえていません。

これは、日本でくらしている日本人が日本のことに関して知らないことが意外に多い、わかっていないことが結構あるということとおなじです。

このような状況を改善するための簡単な方法は外国旅行をすることです。自分がくらしている国を一旦はなれてみるとおのずと全体的に自国をとらえなおすことができます。対象の中にいるとみえないことが対象の外にでて、とおくからはなれてみるとみえてきます。これは、概説書をよんだりウェブサイトをみたりすればすむという話ではありません。

対象からはなれて、自分と対象との距離が大きくなればなるほど全体像が容易にみえてきます。対象への意識のくばりかたがそれまでとはちがってきます。とくに努力をしなくても意識の場が自然に大きくなります。物理的・空間的な実際の距離は自分の意識の場と連動しています(注)。

あるいは何か問題が発生したら、その場所やその集団・組織から一旦はなれてみると問題をとりまく全体状況が自然にみえて、問題解決のヒントがえられることがあります。

海外旅行をしてみる効果は想像以上に大きいです。まるごと全体的・総合的にとらえなおすことは問題の解決につながります。


▼ 注
意識の場とは情報処理の場といってもよいです。



英語のリスニング訓練をくりかえせば、英語による情報インプットの能力を高めることができます。

『ハイディ矢野のネイティブの発音・リスニングが絶対身につく本』は、ただしい英語の音声を聞き取り、ただしい発音を練習するための CD 教材です。

“What are you doing” は「ワルユードゥーイン」

のようにきこえます。日本語の「ラ・リ・ル・レ・ロ」が活躍するとのことです。

まずは、テキストを見ないで(目を閉じて)CD の音声を聞いてみます。テキストは見ないのが訓練のポイントです。つまり視覚を遮断し聴覚の訓練に集中します。

ただし最初のうちは何を言っているのかわからないことが多いとおもいますので、そのときにはテキストをひらいてしっかり確認します。しかし慣れてきたらテキストはなるべく見ないようにします。

本書には130の法則がでていて、それらを60回くりかえして聞くように指導しています。CD は2枚ついていてすべて聞くのに約150分かかります。

CD では、ネイティブの発音以外にハイディが日本語で説明をくわえています。この日本語の説明は2〜3回きけば理解できるとおもいます。日本語による説明が理解できたら、それらはスキップして英語の部分のみを聞くようにすれば時間は大幅に短縮されるので、60回の反復はそれほど大変なことではありません。


英語圏で海外旅行をしているときには英語をつかわなければなりませんが、こちらからのメッセージは意外に相手につたわるものです。買い物のときやレストランでは何とかなります。英単語をならべるだけでもよい場合が多いです。

しかしたとえば博物館などでガイドツアーに参加したときなどは、相手が何を言っているのかわからないことがよくあります。せっかく行ったのですからしっかり理解できた方がよいにきまっています。リスニング能力はとても大事です。

情報のインプットが英語からもできるようになれば情報処理の世界は格段にひろがります。


リスニングとは聴覚をつかうことであり、それは耳をつかった情報のインプットにほかなりません。耳からのインプットをきたえるためには目からのインプットにはたよらない訓練法が有効です(図)。

151024 目を閉じてリスニング


本書の CD をつかえば、英語のインプット訓練を効果的におこなうことができ英語の音声に慣れることができます。これは理屈ではなくて練習です。


▼ 引用文献
ハイディ矢野著『ハイディ矢野のネイティブの発音・リスニングが絶対身につく本』[CD2枚付き] ダイヤモンド社、2002年10月4日
ハイディ矢野のネイティブの発音・リスニングが絶対身につく本 [CD2枚付き]


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