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アウトプットを念頭においてインプットする
太平洋の世界を心の中につくる - 海遊館(まとめ1)-
海の中にもぐった気分になれる(交差法で立体視ができます)
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海遊館は太平洋・環太平洋のモデルです。海遊館の「太平洋・環太平洋をめぐる旅」をすることによって、太平洋の世界を心の中につくりだし、心をゆたかにすることができます。
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死ぬまでに行く - 詩歩著『死ぬまでに行きたい! 世界の絶景』-
展示室をめぐって時代をつかむ - 特別展「古代ギリシャ - 時空を越えた旅 -」(2)-
上野公園へ行こう - 浦井正明著『上野公園へ行こう 歴史&アート探検』-
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航空券とホテル予約、旅程管理はエクスペディアが便利
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料理の背後にある世界を想像する - 海外旅行 -
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バスタ新宿がオープンした
大観をしたら、興味のあるところに注目する -『感動の絶景! 空から見た世界遺産』-
写真集をつかって世界各地の世界遺産を大観したら、今度は、興味のある特定の世界遺産に注目すると理解が一段とふかまります。
『感動の絶景! 空から見た世界遺産』(コスミック出版)は多数の世界遺産を紹介していますが、今回は、「フィレンツェ歴史地区」(イタリア/1982年に文化遺産として登録)に注目してみました。
フィレンツェは、イタリア中部のトスカーナ州の州都です。紀元前にエトルリア人が創設、13〜16世紀ごろには、経済や政治面でフィレンツェを支配したメディチ家のもとでルネサンス開花の中心都市となりました。
そのころの建造物は今でものこっていて「街全体が美術館」といわれています。代表的なものは、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂やパラッツォ・ヴェッキオなどです。フィレンツェ出身の建築家 ブルネッレスキ(1377-1446)が設計した、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の二重構造の円蓋(クーポラ)はルネサンス建築の代表とされます。ボッティチェリやレオナルド=ダ=ヴィンチなどの作品は、かつてはトスカーナ大公国の行政庁舎であったウフィツィ美術館に収蔵されています。
『感動の絶景! 空から見た世界遺産』(コスミック出版)は多数の世界遺産を紹介していますが、今回は、「フィレンツェ歴史地区」(イタリア/1982年に文化遺産として登録)に注目してみました。
フィレンツェは、イタリア中部のトスカーナ州の州都です。紀元前にエトルリア人が創設、13〜16世紀ごろには、経済や政治面でフィレンツェを支配したメディチ家のもとでルネサンス開花の中心都市となりました。
そのころの建造物は今でものこっていて「街全体が美術館」といわれています。代表的なものは、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂やパラッツォ・ヴェッキオなどです。フィレンツェ出身の建築家 ブルネッレスキ(1377-1446)が設計した、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の二重構造の円蓋(クーポラ)はルネサンス建築の代表とされます。ボッティチェリやレオナルド=ダ=ヴィンチなどの作品は、かつてはトスカーナ大公国の行政庁舎であったウフィツィ美術館に収蔵されています。
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「ルネサンス様式」はヨーロッパ建築のなかでも特に重要な建築様式です。ルネッサンスとは再生という意味であり、古代ギリシャやローマなどを模範とした15〜16世紀の様式です。幾何学図形を基調としたバランスのとれた造形が特徴です。
ヨーロッパの建築様式にはこのほかに、「ビザンツ様式」「ロマネスク様式」「ゴシック様式」「バロック様式」「ロココ様式」などがあります。
「ビザンツ様式」は、アナトリア半島(現在のトルコ)を中心としたビザンツ帝国でさかえた様式で、6世紀ごろに最盛期をむかえました。
「ロマネスク様式」のロマネスクとは「ローマ風」という意味であり、バリシカという形式を発展させた様式で10世紀ごろにさかえました。
「ゴシック様式」のゴシックとは「ゴート風」という意味で、高い天井と色鮮やかなステンドグラスが「神は光なり」という世界観をあらわしています。12〜15世紀にさかえました。
「バロック様式」のバロックとは「ゆがんだ真珠」といった意味であり、16世紀末〜18世紀中頃にかけてさかえました。過剰な装飾や凹凸の強調などを特徴とします。
「ロココ様式」はバロック様式の延長線上にある、軽快で優美な室内装飾が特徴の様式です。
このようにヨーロッパの建築様式は、ギリシャ・ローマ時代の古典様式を基礎とし、「ビザンツ」→「ロマネスク」→「ゴシック」→「ルネサンス」→「バロック」→「ロココ」という順序で展開してきました。
このようなヨーロッパの建築様式の基本と歴史をあらかじめ知っておけばヨーロッパに関する理解が一段とふかまり、世界遺産の写真集を見るときに、あるいはヨーロッパ旅行をするときにたのしみが倍増するでしょう。建築様式を知ることは重要なポイントです。
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このように写真集を見て世界各地の世界遺産を大観したら、つぎの段階としてひとつの世界遺産に注目してみる、あるいは特定の課題を設定してみると理解が急にふかまります。そして第3段階目に感想を書きだすなり旅行計画をたてるようにします。
▼ グーグルマップ:フィレンツェ
図 大観をしたら注目する
▼ グーグルマップ:フィレンツェ
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人類の歴史を並列的にとらえる - 富井義夫写真集『人類への讃歌』-
鳥瞰写真をつかってイメージ訓練をする -『感動の絶景! 空から見た世界遺産』-
本のページをイメージとしてインプットし記銘する
▼ 引用文献
『感動の絶景! 空から見た世界遺産』コスミック出版、2015年12月10日
感動の絶景! 空から見た世界遺産 (COSMIC MOOK)
世界遺産検定事務局著『くわしく学ぶ世界遺産300 世界遺産検定2級公式テキスト』マイナビ、2013年12月25日
登録基準に注目して世界遺産を理解する
世界遺産の「登録基準」に注目するとそれぞれの世界遺産をよりふかく理解できます。
地球環境問題にとりくんだり地球の保全をすすめていくうえで「世界遺産」について理解することはとても重要なことです。2015年7月現在、世界遺産の登録件数は1031件、163の国と地域に世界遺産が存在しています。日本では15件が登録されています。
世界遺産において特に重要なのが「登録基準」です。これを知ることによって世界遺産の理解が一層ふかまります。登録基準は以下の10項目です。
文化遺産(ⅰ)人類の創造的資質を示す傑作(KW:傑作)(ⅱ)文化交流を証明する(KW:文化交流)(ⅲ)文明や時代の証拠を示す(KW:時代の証拠)(ⅳ)建築技術や科学技術の発展を証明する(KW:建築・科学技術)(ⅴ)独自の伝統集落や、人類と環境の交流を示す(KW:環境との交流)(ⅵ)歴史上の出来事や伝統・宗教・芸術と関連する(KW:歴史・伝統)自然遺産(ⅶ)自然美や景観美、独特な自然現象を示す(KW:自然美)(ⅷ)地球の歴史の主要段階を証明する(KW:地球史)(ⅸ)動植物の進化や発展の過程、独自の生態系を示す(KW:進化と生態系)(ⅹ)絶滅危惧種の生息域で、生物多様性を示す(KW:生物多様性)※ KW:キーワード
上記の(ⅰ)〜(ⅵ)のいずれかの基準で登録されると「文化遺産」に、(ⅶ)〜(ⅹ)のいずれかで登録されると「自然遺産」に、両方の登録基準にまたがるものは「複合遺産」になります。
国内外をとわず、それぞれの世界遺産に接したときに、どの登録基準によって世界遺産に登録されたのかを知ると、その世界遺産の性格を端的にとらえることができ、またそれを保全していくために何に力を入れているのか、あるいはや問題点や課題がわかりります。
たとえば日本の世界遺産のひとつである「富士山 - 信仰の対象と芸術の源泉 -」の登録基準はつぎの2項目です。
(ⅲ)文明や時代の証拠を示す
(ⅵ)歴史上の出来事や伝統・宗教・芸術と関連する
つまり富士山は文化遺産として登録されたのであり、自然遺産でも複合遺産でもありません。本来なら複合遺産として登録されるべきだったおもいますが、自然遺産としての条件をみたさなかたのでしょう。問題・課題がうきぼりになってきます。
世界遺産は、情報量が非常に多くてとらえにくいといった感じがしますが、登録基準に注目することによっていろいろなことがわかってきます。
世界遺産には、保全活動などを実際にすすめていくという能動的・実学的側面があります(注)。この点が、従来の地理や歴史の勉強とはことなりおもしろいところです。
▼ 注
地球を知る - 富井義夫写真集『世界遺産 地球への讃歌』-
地球について知るための有効な方法のひとつとして世界遺産に親しむというやり方があります。そのためには世界遺産の写真集をまずは見るのが一番です。
写真集『世界遺産 地球への讃歌』(写真工房)は世界遺産の写真集として非常にすぐれています。著者(写真家)の富井義夫さんは25年間にわたって世界遺産を撮りつづけている「世界遺産フォト」の第一人者であり、今回は、膨大な彼の作品のなかから究極のベストショットを選択、地球が奏でる圧倒的な光景を集大成しました。
目 次アメリカ(クルアーニーの巨大氷河ーカナダ&アメリカ合衆国/恐竜たちが眠るバッドランドーカナダ ほか)中東・アフリカ(グレート・リフト・バレーーケニア/アフリカの最高峰キリマンジャロータンザニア ほか)アジア(屋久島ー日本/流氷が着岸する知床半島ー日本 ほか)ヨーロッパ・オセアニア(異彩を放つメテオラの奇景ーギリシャ/ユングフラウースイス ほか)
掲載されているサイト(世界自然遺産)は世界各地の50か所、わたしたちが知らなかった地球の表情の数々におどろかされます。
富井さんは世界遺産をライフワークとし、これまでに海外取材歴206回、117の国と地域を旅し、歴訪した世界遺産サイトは447カ所にものぼるそうです(2012年11月現在)。
それぞれの写真には簡潔な解説と地図もついているので理解をさらにふかめたり、実際に旅行をしたりするときにも役立ちます。手元においておいてくりかえし見直す価値のある立派な写真集です。
世界遺産の写真集でしたら富井さんの写真集を第一におすすめします。
▼ 関連写真集
旅行記を書く - 轡田隆史著『10年たっても色褪せない旅の書き方』-
旅行記を書くということは、旅行の体験をとりまとめてアウトプットすることです。アウトプットすることによって情報処理は完結します。
轡田隆史著『10年たっても色褪せない旅の書き方』(PHP新書)(注)は、旅行記を書いて「自分らしい旅」を実現させることを提案しています。
目 次第1章 観光客から「旅行家」にヘンシンする法第2章 「自分らしい旅」の演出&観察法第3章 「いい文章」のマネをする技術第4章 「最初の1行」を書きはじめる技術第5章 他人に読んでもらえる文章の「基本」
著者の轡田隆史さんはいいます。
「書く」という行為を前提にして初めて、「自分らしい旅」は可能となる。うまい下手なんて関係ない。まず観察し、考え、書いてみよう。
旅行記を書くときにはさまざまな出来事を総花的に羅列するのではなく、感動したところを集中的に書いた方がよいです。
そのためには旅行にでかける前から「ネライ」をさだめておくようにします。ネライをさだめた文章はいきいきとしてきます。仮に団体旅行であってもそのネライに意識を集中して観察すれば、ほかの人びととは一味ちがった旅をしたことになるでしょう。
すると「観光客」ではなく「旅行家」の旅を自由な気分でたのしんだことになり、「観光客」から「旅行家」への変身も可能になります。
そのためには旅行にでかける前から「ネライ」をさだめておくようにします。ネライをさだめた文章はいきいきとしてきます。仮に団体旅行であってもそのネライに意識を集中して観察すれば、ほかの人びととは一味ちがった旅をしたことになるでしょう。
すると「観光客」ではなく「旅行家」の旅を自由な気分でたのしんだことになり、「観光客」から「旅行家」への変身も可能になります。
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旅の感想文はみんな同じようなものになりがちですから、読んでもらうためにはできるだけ具体的に書かなければなりません。たとえば旅先で出会った人も店も食べ物も、名前を大切にあつかって具体的に描きます。これは紀行文の基本です。地名を効果的にもちいるのも旅の文章の醍醐味です。歴史にまつわる事実を書きこめば観光客の文章が旅行家の文章に変わります。
旅先では、スケッチを描いたりや余白に走り書き(メモ)をしておくと、紀行文を書くときの記憶の助けになります。帰国してから「記録」と「記憶」をたのしみながら旅行記が書けます。
また決まり文句はなるべく避けた方がよいです。決まり文句はとても便利なようですが、昔からもちいられてきた表現をおもいついた瞬間、自分自身による現場での観察が放棄されてしまいます。決まり文句はなかなかやっかいな存在です。「美しい言葉」「難しい言葉」をさがすよりも「当たり前」の見聞に心をうごかされる旅の方がおもしろいです。
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旅行からかえってきたら写真を見ながら誰もが旅を回想するとおもいます。しかし旅行での貴重な体験を文章にして書き出している人は意外に少ないかもしれません。
そこで旅行にでかける前の計画段階から「今回は、旅行記を書くぞ!」とつよく意識してみます。すると現地に行ってからの観察力は格段につよまります。ためしてみてください。そもそも観察とは自分の外の世界を意識することです。
そして帰宅したら見たこと感動したことを書き出してみます。文章にして書き出すことは情報処理でいうとアウトプットするということであり、情報処理はアウトプットまでやって完結します(下図)。現代では、ブログやフェイスブックといったツールがあるのでアウトプットはやりやすいとおもいます。
アウトプットをしないと情報の流れはおこらず、情報は心の中で対流してしまいます。
図 アウトプットまですると情報処理は完結する
アウトプットをしないと情報の流れはおこらず、情報は心の中で対流してしまいます。
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旅行は計画するところからはじまります。計画は第1の旅です。そして現地をあるくことは第2の旅、旅行記を書くことは第3の旅であるといってもよいでしょう。こうして旅行は3回たのしめます。
書くことを前提にして、みずら計画し、自分らしい旅をし、感動を書き出す。ここに、「書くように旅をする」という旅の醍醐味があります。
書くことを前提にして、みずら計画し、自分らしい旅をし、感動を書き出す。ここに、「書くように旅をする」という旅の醍醐味があります。
▼ 注
轡田隆史著『10年たっても色褪せない旅の書き方』 (PHP新書) PHP研究所、2014年12月16日
10年たっても色褪せない旅の書き方 (PHP新書)
10年たっても色褪せない旅の書き方 (PHP新書)
立体視をして目と脳を同時にきたえる - シンガポール国際空港 バタフライガーデン -
ステレオ写真をつかって立体視をすると目と脳を同時にきたえることができます。
下の写真はいずれも平行法で立体視ができます。シンガポール・チャンギ国際空港のターミナル3にあるバタフライガーデン(Butterfly Garden)で撮影しました。
立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 - >>
画像が立体的に見えるときには次の2つの機能がはたらきます。
(1)目線を適切に調節して写真を見る(インプット)
(2)脳にとどいた情報が脳で処理される(プロセシング)
目線の調節と脳での情報処理という2つの機能によって画像がうかびあがって見えます。したがって立体視をくりかえすことによって目の訓練と脳の訓練を同時におこなうことができ、目と脳が同時にきたえられます。
下の写真はいずれも平行法で立体視ができます。シンガポール・チャンギ国際空港のターミナル3にあるバタフライガーデン(Butterfly Garden)で撮影しました。
立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 - >>
画像が立体的に見えるときには次の2つの機能がはたらきます。
(1)目線を適切に調節して写真を見る(インプット)
(2)脳にとどいた情報が脳で処理される(プロセシング)
目線の調節と脳での情報処理という2つの機能によって画像がうかびあがって見えます。したがって立体視をくりかえすことによって目の訓練と脳の訓練を同時におこなうことができ、目と脳が同時にきたえられます。
シンガポール・チャンギ国際空港、ターミナル3、バタフライガーデン(入口)
たくさんの蝶がパイナップルの蜜をすっていた
トラフタテハ
キエリウツボ(ウツボカズラ属の食虫植物の一種)
蝶ではありませんが2階で栽培されていました。
シンガポール・チャンギ国際空港のターミナル3の「バタフライガーデン」(Butterfly Garden)ではたくさんの蝶がとびまわっています。
この国際空港は非常によくできた空港で、バタフライガーデン以外にもたくさんのエンターテイメント施設があって待ち時間をもてあますことはありません。
空港についたら、各ターミナルにおいてある日本語や英語などでかれた小冊子「空港とトランスファーガイド」をまず手に入れます。この冊子に、空港での滞在時間に応じたさまざまなたのしみ方が紹介してあります。とても遊び心にあふれた空港でおもしろいです。シンガポールを旅するときはもちろんのこと、乗り継ぎでたちよったらあちこち見てまわるとよいでしょう。
まじめ一辺倒でなく、こうしたゆとりやしゃれ気を日本人もまなばなければなりません。
生物多様性の減少をくいとめる -『生物多様性』(ニュートン別冊)-
生物多様性の危機がつづいています。エコツアーに参加して生物多様性の危機について知るとともに、外来種のもちこみを根絶するなどして、生物多様性の減少をくいとめなければなりません。
ニュートン別冊『生物多様性』(ニュートンプレス)は、生物多様性の歴史と現状、その危機についてイラストを使ってわかりやすく解説しています。
目 次1 生物多様性とは何か?2 生態系の多様性3 失われゆく生物の多様性4 データでみる生物多様性 〜ミレニアム生態系評価〜5 データでみる生物多様性 〜生物多様性条約目標達成状況〜
現在、絶滅危惧種をもっとも多くふくむ生物グループは両生類であり、もっとも急速に絶滅がすすんでいるグループはサンゴです。保全活動を早急にすすめなければなりません。
日本では、沖縄本島北部に位置するヤンバルの森が非常にあぶない状況です。また小笠原諸島では、独自に進化した生物たちが姿を消しつつあります。ニホンカワウソ、ツシマヤマネコ、イリオモテヤマネコなども絶滅しようとしています。イヌワシにも危機がせまります。日本ですでに絶滅した種は、哺乳類4種、鳥類14種、汽水・淡水魚類4種、合計22種におよびます。
南米のアマゾンでは、開発・焼畑農業により森林が急速に減少しており大問題になっています。
世界中の島々では、外来種が在来種を減少させ、生物多様性がいちじるしく低下しています。
*
このような状況をかんがみ、個人でもできることとしてはたとえば次のようなことがあります。
- エコツアーに参加して生物多様性の危機を知る。
- 外来種を持ちこんだり捨てたりしない。
- 省エネにとりくむ。
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生物多様性とは、生物種の多様性、種内の遺伝的多様性、生態系の多様性のことをさします。生態系とは、そこに生息するあらゆる生物と生物、それらをとりまく環境が、密接な関係をきずいてなりたっているシステムのことです。すべての生物は生態系のなかでくらしています。
そして地球が人類に提供している資源、自然からの恵みをまとめて「生態系サービス」とよびます。木材や農作物、家畜、魚介類、水、洪水や気候の調整、観光資源など、さまざまな恩恵をわたしたち人間は生態系からうけています。
しかし現代の人間は、生態系が供給できる供給量の範囲をこえてより多くの生態系サービスを利用してしているのが現状です。
一方で、土地の開発など人間の活動によっても生態系は破壊されています。
生態系の過剰な利用と、過剰な開発が自然環境を破壊してさまざまな生物の生存を危機においやり、生物多様性を減少させているのです。生物種の数の減少あるいは生物多様性の減少は環境破壊の指標です。
*
このような自然環境の破壊、生物多様性の減少は〈インプット→プロセシング→アウトプット〉のモデルでとらえなおすことができます(下図)。
図 インプットとアウトプットが過剰になった
生態系サービスとは、自然環境から人間社会への物質やエネルギーなどのインプットです。一方の開発とは、人間社会から自然観環境への作用(土地の改変や不要な物質の排出など)でありアウトプットです。
インプットとアウトプットの両者が過剰になり、自然環境を圧迫して自然環境を破壊しているのです。人間社会と自然環境とのバランスはあきらかにくずれました。地球は有限の空間ですから、過剰にインプットし過剰にアウトプットすればバランスがくずれるのは当然です。もう限界にきています。
▼ 追記
〈インプット→プロセシング→アウトプット〉システムは個人レベルでもおこっていますが、人類あるいは地球レベルでもおこっています。
〈インプット→プロセシング→アウトプット〉システムは個人レベルでもおこっていますが、人類あるいは地球レベルでもおこっています。
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絶景から一歩ふみこむ -『地球科学を知る厳選33の絶景』(ニュートン別冊)-
生物多様性の減少をくいとめる -『生物多様性』(ニュートン別冊)-
歴史的・時間的に生命をとらえなおす -『生命の誕生と進化の38億年』(ニュートン別冊)-
立体視をして眼力をきたえる - やんばる亜熱帯園 -
▼ 関連参考書籍
絶景から一歩ふみこむ -『地球科学を知る厳選33の絶景』(ニュートン別冊)-
近年は絶景ブームになっています。絶景をみたらさらに一歩ふみこんで、地球の成り立ちや歴史にもおもいをはせると絶景の印象が一層ふかまります。
『地球科学を知る厳選33の絶景』(ニュートンプレス)は世界の33カ所の絶景を紹介した写真集です。地球46億年の壮大ないとなみを写真でたどることができます。
目 次
1 歴史の章 激動の46億年
2 地の章 大陸移動が生みだす風景
3 火の章 マグマがつくる新たな大地
4 水の章 水・氷・生命の風景
5 風の章 風化と乾燥地の風景
「1 歴史の章」では、地球史46億年を写真でたどります。マグマオーシャンから始まり、生命誕生、全球凍結、超大陸の出現、大絶滅など激動の歴史がありました。
「2 地の章」では、大陸移動が生みだした壮大な風景をみることができます。大山脈や褶曲、地溝や男装、湖などの絶景がひろがります。
「3 火の章」では、火山の噴火とマグマの活動についてみることができます。火山の噴火、溶岩、マグマの巨大化石など地球のエネルギーを感じることができます。
「4 水の章」では、水と氷の世界をみることができます。水と氷がつくりだした地形はダイナミックです。また水があふれるさわやかな景観にはいやされます。
「5 風の章」では、一転して荒涼とした風景がひろがります。自然にできたとはおもえない絶景に出会えます。これは自然の "彫刻" でしょうか。
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絶景ブームが近年おこっている背景には、多くの人々にとって、ただの風景を見るだけではあきたらなくなってきたということがあります。絶景写真集をみて絶景を旅する。絶景をもとめる人が増えました。
本書の絶景写真を理屈ぬきでまずはながめてみるのがよいでしょう。そして興味が生じた絶景についてはその成り立ちや歴史についての解説を読んでみます。本書は写真集としても、地球科学の入門書としてもたのしめる一冊です。"地球史への旅" の入り口としてもつかえます。
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絶景から一歩ふみこむ -『地球科学を知る厳選33の絶景』(ニュートン別冊)-
生物多様性の減少をくいとめる -『生物多様性』(ニュートン別冊)-
歴史的・時間的に生命をとらえなおす -『生命の誕生と進化の38億年』(ニュートン別冊)-
▼ 関連参考書籍
噴火は繰り返すことを知る -『富士山』(ニュートンプレス)-
『富士山』(ニュートンプレス)は、富士山の噴火史を知るツアーガイドを掲載しています。富士山の噴火の仕組みと歴史について理解がふかまります。普通の観光とはちがう旅をたのしむことができます。アクセス方法も記載されています
1. 西湖コウモリ穴最大規模の溶岩洞窟が見られます。2. 本栖湖の溶岩富士山の山麓には巨大な湖がもともとありましたが、噴火にともなう溶岩流により、本栖湖・精進湖・西湖に現在はわかれています。3. 白糸の滝古富士火山時代の泥流と新富士火山による溶岩流の境目からわきでる水による滝です。4. 御中道富士山中腹の森林限界線にそった小道です。5. 水ヶ塚公園富士山中腹で噴火した宝永山と宝永火口がよく見えます。6. 宝永火口の岩脈マグマが、岩の割れ目にそって地下でかたまった岩脈を見ることができます。7. 山頂火口の虎岩富士山の山頂火口の中にある奇岩です。平安時代からあります。8. 御庭・奥庭昔の火口を見ることができます。9. 夏狩湧水群「平成の水百選」にもえらばれた湧水による滝です。10. 河口湖の溶岩およそ1万年前に起きた噴火によるふるい溶岩を見ることができます。
でかけるときには気象庁の噴火警戒・予報を事前にチェックしてください。
気象庁 噴火警戒・予報 >>*
富士山は、ここ10万年で現在の大きさまでに成長しました。体積にして約500立方キロメートルの溶岩を放出してきました。これは琵琶湖の貯水量のおよそ20個分です。
富士山は、つぎの3枚のプレートがかさなりあっている世界でも非常にめずらしい大きな変動地域に位置しています。
- 北アメリカプレート
- ユーラシアプレート
- フィリピン海プレート
富士山の下にしずみこんでいるフィリピン海プレートは、富士山の下では東西に裂けたような状態になっていて、そこからマグマが大量に上昇してくると想像されています。
富士山の地域は、地球のエネルギーが極端に集中している場所です。世界最大級の "パワースポット" とよんでもよいでしょう。このような場所に存在する大きなエネルギーは、うつくしい絶景をうみだすと同時に大きな災害も発生させます。うつくしさと脅威とは表裏一体になっています。そもそも "パワー" にはそのような二面性があるのでしょう。
▼ 引用文献
『富士山』ニュートンプレス、2015年10月20日
Newton 富士山: 10万年の噴火史が刻まれた奇跡の独立峰
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富士山の大噴火にそなえる(1) -『富士山大噴火』(ニュートンプレス)-
富士山の大噴火にそなえる(2) -『富士山』(ニュートンプレス)-
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沖縄 - 関連記事まとめ(リンク)-
海洋博公園(正面の島は伊江島)
今回の沖縄旅行では海洋博公園をおもに見ました。
海洋博公園
立体視をして視覚系の情報処理能力を高める - 海洋博公園 熱帯ドリームセンター(2)-亜熱帯植物の多様性をみる - 沖縄・海洋博公園 熱帯・亜熱帯都市緑化植物園 -
海洋博公園のかえり道に「やんばる亜熱帯園」と「フルーツらんど」にたちよりました。
立体視をして眼力をきたえる - やんばる亜熱帯園 -
立体視をして「心の窓」をひらく - OKINAWA フルーツらんど -
那覇では首里城跡を見ました。
世界遺産を旅して想像をふくらませる - 沖縄・首里城 -
沖縄・海洋博公園へは、那覇空港でレンタカーをかりるか、あるいは「やんばる急行バス」で行くのが便利です。
立体視をして「心の窓」をひらく - OKINAWA フルーツらんど -
那覇では首里城跡を見ました。
世界遺産を旅して想像をふくらませる - 沖縄・首里城 -
沖縄・海洋博公園へは、那覇空港でレンタカーをかりるか、あるいは「やんばる急行バス」で行くのが便利です。
やんばる急行バス >>
海洋博公園は、国営ということもあってか実によくできた公園です。本土とはちがう亜熱帯の世界を十分にたのしむことができます。わたしは今回は時間がなくて2泊しかできませんでしたが、できれば4〜5日は滞在したいところです。
海洋博公園 >>
海洋博公園 >>
課題をきめて撮影する - 上田晃司著『写真がもっと上手くなる デジタル一眼撮影テクニック事典 101 』-
自分としては何をどのように撮影したいのか。課題を決めて写真を撮るときにデジタル一眼レフカメラがとても役立ちます。
上田晃司著『写真がもっと上手くなる デジタル一眼撮影テクニック事典 101』(インプレス)は、デジタル一眼レフカメラをつかった撮影テクニックの基本を解説しています。101 すべての項目について、実写をしめして説明しているのでとてもわかりやすく、掲載されている写真を見ているだけでもたのしめます。
上田晃司著『写真がもっと上手くなる デジタル一眼撮影テクニック事典 101』(インプレス)は、デジタル一眼レフカメラをつかった撮影テクニックの基本を解説しています。101 すべての項目について、実写をしめして説明しているのでとてもわかりやすく、掲載されている写真を見ているだけでもたのしめます。
一眼レフの購入を検討している人にとっては一眼で何ができるのか、コンパクトデジタルカメラとの違いなどがよくわかります。一眼レフをすでにつかっている人にとっては、本書をつかって練習することよって撮影テクニックを何歩も前進させることできます。
目 次1 絞り・ボケ2 シャッタースピード3 光4 色温度・色調5 レンズ6 構図
本書は事典形式の解説になっていますので、101の項目について自分の興味のあるところから順不同で読むことができます。
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デジタル一眼レフの特徴のひとつはボケのある写真が撮れるところにあります。コンパクトデジタルカメラではボケを出すのはむずかしいですが一眼レフなら容易です。
ボケの効果により奥行きを表現することができ、結果として写真を立体的にみせることができます。平面的な写真にくらべて立体的にみえる写真の方がインパクトが大きいことは誰の目にもあきらかです。
ボケをだすためには絞りをコントロールする必要があります。光の量やピントのあう範囲を調節しているのが絞りとよばれる機構です。
*
もうひとつの特徴はレンズ交換ができることとです。レンズ交換はデジタル一眼の醍醐味です。これができるだけでカメラを一生たのしみつづけることができます。次のような交換レンズがあります。
- 望遠レンズ:遠くのものを大きくうつせる。
- 標準レンズ:スナップむき。その時その場の瞬間をとらえる。
- マクロレンズ:花や昆虫などをうつす。
自分は何を撮りたいのかを明確にするとよいです。膨大な数の交換レンズがありますから目的に応じたレンズがかならず見つかります。レンズは低価格なものから高価なものまで様々ですが、低価格なものの中にも非常にすぐれたレンズがあり、かならずしもお金をかけなくてもレンズ交換のたのしみを味わうことができます。
自分のイメージにあったレンズをえらびだしていけば肉眼をこえた大きな世界がひろがってきます。カメラの世界は奥深いです。
*
本書は実用書なので、作例を参考にしながら実践的に練習してみるとようでしょう。タブレットなどにダウンロードして撮影現場にもっていき、本書を見ながら実際に撮影をためしてみるとおもしろいとおもいます。
▼ 引用文献
上田晃司著『写真がもっと上手くなる デジタル一眼撮影テクニック事典 101 』インプレス、2012年3月9日
写真がもっと上手くなる デジタル一眼 撮影テクニック事典101 写真がもっと上手くなる101シリーズ
写真がもっと上手くなる デジタル一眼 撮影テクニック事典101 写真がもっと上手くなる101シリーズ
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世界遺産を旅して想像をふくらませる - 沖縄・首里城 -
世界遺産のガイドブックや写真集を見たら、興味が生じた所には実際に行って見ると、いろいろな想像がふくらんできておもしろいです。
沖縄の世界遺産といえば首里城跡(注1)です。「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の一部としてユネスコの世界遺産に登録されています。1945年の沖縄戦で建築物はすべて焼失しましたが、現在は大部分が再建されています。
首里城は、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の一部としてユネスコの世界遺産に登録されています。
琉球王国は、15〜19世紀にかけて、日本や明・東南アジアなどとの中継貿易地としてさかえました。当時の日本文化とは大きくことなる国際色ゆたかな独自の文化をもっていました。グスクとは城砦のことであり、首里城はその中で最大のものでした。
わたしは世界遺産に興味があるので、世界遺産のガイドブックや写真集を常日頃から見ていますが、やはり、書籍で見るのと実際に行ってみるのとは大ちがいです。概要や大局を書籍でつかんだら、行けるところには行ってみた方がよいのはあきらかです。
実際に行ってみると理解がふかまるだけでなくさまざまなイメージがわいてきます。わたしは勝手な想像をしてみました。
非常にとおい将来、沖縄が日本国から独立し、台湾が中国から独立し、沖台連合をつくり、それに日本とフィリピンなどがくわって西太平洋諸島自由連合ができるとよいのではないかなどと。
かつての沖縄は海洋貿易の拠点として大いにさかえました。拠点を中心にして独自の海洋世界がひろがっていました。中国が大陸の国である一方、こちらは海洋の国々です。大陸の中国、海洋の諸島連合という図式です。わたしたち日本人は海洋の視点をもう一度 見直すべきです。海洋連合の復活に活路があるとおもっています。
それはともかく、沖縄の地理的・空間的な位置が非常に重要なことはたしかです。
書籍で見ているだけでなく、実際に行ってみて、そして自由に想像をふくらませるのは実にたのしいことです(下図)。旅の楽しみ方のひとつです。
▼ 注1
首里城公園
▼ 注2
首里城跡で世界遺産の登録対象になっているのは城壁と建物の基壇である地下遺構です。
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沖縄の世界遺産といえば首里城跡(注1)です。「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の一部としてユネスコの世界遺産に登録されています。1945年の沖縄戦で建築物はすべて焼失しましたが、現在は大部分が再建されています。
瑞泉門(ずいせんもん)
石段途中の右手に泉があり、龍の口から水がわきでていることから龍樋(りゅうひ)とよばれます。王宮の飲み水としてつかわれていました。石段の上には瑞泉門があり、留意の水が瑞泉(りっぱなめでたい泉の意)とたたえられたことにことにその名が由来します。
龍樋(りゅうひ)
御庭(うなー)と正殿(せいでん)
御庭は、元旦の儀式などの重要な祭事や、中国からの使者をむかえる儀式をはじめとした外交上の儀礼などがおこなわれた場所です。しかれているタイルは磚(せん)という煉瓦で、色ちがいの列は儀式の時に諸官が位の順にならぶための目印でした。中央の道は「浮道」(うきみち)といい、国王や冊封使(中国からの使節)などのかぎられた人のみがとおることができました。正殿は、国王の政務やさまざまな儀式がおこなわれた建物です。正面の石段の両脇には「大龍柱」と呼ばれる龍の彫刻があります。
御差床(うさすか)
国王がすわった玉座です。背後の障子戸をひらくと、国王専用の階段(おちょくい)が奥にあり、国王は、その階段をつかって2階から出御しました。左右の柱には龍がえがかれ、そのまわりには雲が配色されています。
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首里城は、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」の一部としてユネスコの世界遺産に登録されています。
琉球王国は、15〜19世紀にかけて、日本や明・東南アジアなどとの中継貿易地としてさかえました。当時の日本文化とは大きくことなる国際色ゆたかな独自の文化をもっていました。グスクとは城砦のことであり、首里城はその中で最大のものでした。
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わたしは世界遺産に興味があるので、世界遺産のガイドブックや写真集を常日頃から見ていますが、やはり、書籍で見るのと実際に行ってみるのとは大ちがいです。概要や大局を書籍でつかんだら、行けるところには行ってみた方がよいのはあきらかです。
実際に行ってみると理解がふかまるだけでなくさまざまなイメージがわいてきます。わたしは勝手な想像をしてみました。
非常にとおい将来、沖縄が日本国から独立し、台湾が中国から独立し、沖台連合をつくり、それに日本とフィリピンなどがくわって西太平洋諸島自由連合ができるとよいのではないかなどと。
かつての沖縄は海洋貿易の拠点として大いにさかえました。拠点を中心にして独自の海洋世界がひろがっていました。中国が大陸の国である一方、こちらは海洋の国々です。大陸の中国、海洋の諸島連合という図式です。わたしたち日本人は海洋の視点をもう一度 見直すべきです。海洋連合の復活に活路があるとおもっています。
それはともかく、沖縄の地理的・空間的な位置が非常に重要なことはたしかです。
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書籍で見ているだけでなく、実際に行ってみて、そして自由に想像をふくらませるのは実にたのしいことです(下図)。旅の楽しみ方のひとつです。
図 旅をたのしむ3段階
▼ 注1
首里城公園
▼ 注2
首里城跡で世界遺産の登録対象になっているのは城壁と建物の基壇である地下遺構です。
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