発想法 - 情報処理と問題解決 -

情報処理・学習・旅行・取材・立体視・環境保全・防災減災・問題解決などの方法をとりあげます

タグ:旅行法

海外旅行の入門書です。これから海外旅行をたのしもうとする方におすすめします。

旅の準備、空港、簡単な英会話、機内、ホテル、観光、食事、買い物、帰国まで、基本がひととおり説明されています。

海外旅行にいくと、これまでの経験や過去の固定観念から自由になれます。わたしたちは、知らず知らずのうちに、みずからの活動範囲を決めてしまっているものです。

海外旅行にでかけて、自分の「土俵」を脱出すれば、あたらしい視点が生まれ、あたらしい心の場をつくることができるとおもいます。

東京郊外にある御岳山の登山地図です。御岳山およびその周辺にもおもしろい登山ルートがあります。わたしは、御岳山から奥多摩駅あるいは五日市駅まであるいたことがあります。ケーブルカーが山腹まではしっていますから、初心者でも十分たのしめます。

山をあるくときには、地図をみながら、自分のいる空間をイメージするとよいです。特に、垂直方向(高さ)の感覚をつかむようにします。

あるきながら三次元空間をイメージし、また、帰宅後にもイメージします。そのときに、このシンプルな地図を手がかりにすることができます。必要最小限の情報だけがでていて、よけいな情報がでていないので、イメージトレーニングのために有用です。

スマートフォンにこの地図をダウンロードしてから、出かけるとよいでしょう。 

なお、楽天 Kobo の場合は、パソコンでも見ることができます。
楽天 Kobo >>

Amazon Kindle の日本のアカウントの場合は、まだ、パソコンには対応していないようです。

梅棹忠夫著作集『知の技術』(梅棹忠夫著作集第11巻)には、岩波新書の『知的生産の技術』のほかに、「「知的生産の技術」の前後」、「知的生産の展開」、「フィールドでの知の技術」がおさめられています。

『知的生産の技術』のあとに、梅棹さんが、ワープロ、パソコン、口述筆記という、現代にも通じる知的生産の技術にとりくんだことが記録されています。

口述筆記については、梅棹さんが はからずも視力をうしなったために、周囲の人々に協力してもらって はじめたところ、原稿執筆や本の出版の速度がそれ以前よりもとても速くなったということです。

口述筆記は、今日では、スマートフォンをつかえばできるので、かなり多くの人々がとりくむようになりました。たとえば、講演録などをつくるときに、講演そのもは会場で録音して、オフィスにもどってその録音をあらためて聞きながら、今度は、文字におこすために、スマートフォンにむかってできるだけ正確にしゃべる、という方法がよくもちいられているようです(アップルストアの話)。

また、「フィールドでの知の技術」では、探検とは何かについてくわしくかたるとともに、特に、旅行やフィールドワークさきでの写真撮影についてページをさいています。写真は、現場での貴重な記録であり、つかいかた次第では非常に大きな効果を生みだすことになります。

本書をよんで、知的生産は、それ単独で効果をあげるというものではなく、旅行やフィールドワークとむすびついたときに大きな成果が生みだされるということがよくわかりました。

『しんぷる登山地図 高尾山』(Kindle版、PHP研究所、2014/11/21)は、東京郊外の高尾山の観光地図です。本当に必要な情報のみをあらわした、きわめてシンプルな地図です。登山ルートや所要時間の目安、トイレや食事処などの情報がでています。

わたしは、高尾山に何回か行ったことがありましたが、この地図をみて、自分があるいた道を再確認することができました。

情報量が非常に多い現代において、このようなシンプルなガイドはかえって役立ちます。

この地図をみればあきらかなように、高尾山には、登山ルート、散策ルートがたくさん用意されています。行きと帰りとでルートを変え、ループをえがくように行動して、高尾山の3次元空間を心のなかにインプットするとよいでしょう。同時に、自分のいる場所を地図で確認すれば、地図を読む訓練にもなります。

よけいな情報がなくシンプルなだけあって、かえってつかいがってがあるとおもいます。高尾山に行く方は、事前に、スマートフォンにダウンロードしておくとよいです。
 

水にまつわる世界遺産を紹介した写真集です。瀑布・海洋・湖沼・大河そして水をいかした文化遺産など、きらめく水辺のうつくしい景色・絶景をたのしむことができます。見ているだけでさわやかな気分になれます。

水がつくりだす流れや波や音にはゆらぎがあります。ゆらぎには、わたしたちをリラックスさせる効果があります。きまりきったものばかり見ているとわたしたちはくつろぐことはできません。


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グレートバリアリーフ(オーストラリア)



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カゼルタの18世紀の王宮と公園(イタリア)


写真とともに地図もでていますので、写真を見ながら同時に場所も確認するとよいでしょう。

かつておとずれた場所があれば、写真を見ながらそのときの自分をおもいだすようにします。記憶を想起するというよりも、そのときの自分がどうすごしたのか、自分自身をイメージしてみるのです。あわせて、どのような感動をしたか、どのようなことをおもいついたかなどをおもいおこします。つまり体験を想起するのです。

また、写真を見て気にいった風景があれば、是非、そこをおとずれて実際に体験をふかめたいものです。海外旅行では、広範囲をひろくあさく移動するよりも、ある地域をきめて、最低でもそこに3〜4日滞在して、その地域の体験をふかめた方がよいです。 

その地域になれるまでに通常3〜4日はかかるものです。なれてくると急に風景の見え方がかわってきて味わいがふかまります。 ひろくあさい行動をするよりも、異空間でのみずからの体験をふかめる努力をした方がよいとおもいます。



▼ 文献
『名景 世界遺産 水辺編』パイ インターナショナル、2014年7月8日
 名景 世界遺産 水辺編


▼ 関連ブログ
水の造形美から音を「想像」する - 山種美術館「水の音 - 広重から千住博まで -」展 -
 

NGOカルナリ協力会の前代表で千葉県の高校の校長先生だった白石さんがおもしろい話をしてくれました。

ネパール・ヒマラヤ北西部の山村僻地の村に高校生をつれていってホームステイをしています。このたった2週間のスタディーツアーで高校生たちは大きく変化し成長します。学校のなかで3年間いくら勉強をおしえても絶対にできないことが、たったの2週間でできるのです。この事実に皆さんも気がついてください。

異空間をおとずれる旅行は人生を変えます。一ヵ所にどどまっていてはいけません。デスクワークばかりしているのもよくありません。旅には大きな意味と効果があります。

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東京ステーションギャラリー。東京駅の中にある。正面1階が入り口。


東京ステーションギャラリーで開催されている企画展「ディスカバー、ディスカバー・ジャパン 「遠く」へ行きたい」を先日みました。会期は2014年11月9日までです。

ディスカバー、ディスカバー・ジャパン 「遠く」へ行きたい >

日本万国博覧会が終了した翌月の1970年10月、日本国有鉄道は、大々的なキャンペーン「ディスカバー・ジャパン」を開始しました。「美しい日本と私」をテーマに人の心によびかけようとする手法、そしてわかい女性をターゲットにしたファッショナブルなデザインは、国鉄にとっても、またこの時代においても大きな転換をしめすものでした。

本展は、当時のポスター約100枚を中心に、多数の資料を通じてこのキャンペーンをふりかえっています。

もっとも印象的だったのは当時のテレビコマーシャルの再演です。YouTube(下の動画)でも視聴することができます。
 


ディスカバージャパ〜ン ディスカバージャパ〜ン
みーちある町に〜 みーちある村に〜
あなたはー見つける〜 たのしい旅を〜
ディスカバージャパ〜ン 
たびーにゆこぉ たびーにゆこぉ
たーのしー旅に〜
だーれかと だれかと とおくへ〜
ディスカバージャパ〜ン 
旅は あたらしい発見の連続
国鉄の5084ヵ所の駅が あなたのディスカバーの旅をお待ちしています


1970年代の日本、本当になつかしいです。高度経済成長のまっただなか、所得は2倍3倍とふくらみ、人々に余裕がでてきました。そこで「鉄道旅行をしてみよう」となったわけです。鉄道旅行は当時の人々にとっては もっともシンボリックな遊びになりました。

日本は、1960年代、70年代、80年代と、高度経済成長を基盤にして大繁栄したように見えます。

しかしその後おおきく失速してしまいました。今日では、お金から心へという価値観の転換をせまられています。この間の日本の変化は劇的なものでした。

1980年代、わたしも、時刻表を片手に日本国内の鉄道旅行をくりかえしました。

しかしそのご90年代に入り、海外旅行をするようになってからは、日本よりも外国の方がおもしろくなってしまい、旅行といえば海外旅行となりました。海外旅行の方が安くつき、誰でも手軽に海外に行けるようになりました。時代は変わりました。

今回の企画展は回顧展です。1970年代は本当になつかしく、当時のコマーシャルをくりかえし視聴してしまいました。当時にはもう絶対にもどることはできません。

わすれていたかのようにおもわれていた過去の鉄道旅行が鮮明によみがえってきました。情報は、おもいだしてこそ意味があります。

全国の鉄道路線図を想起の引き金として利用し、かつて旅行をした場所や時期をおもいだします。場所や時期がおもいだせたら、そこでみた風景や聞いた話など体験をおもいだします。鉄道旅行の全体を場所でとらえるようにし、体験を再確認して強化し、その後の人生でくわわった味わいをそれに加味し、情報をリメイクします。そしてもう一回地図を見て、それぞれの場所にその情報を格納しなおします

こうして、なつかしく記憶をおもいおこして、当時を再発見し、当時をとらえなおし、記憶をリメイクしました。


▼ 参考文献
栗田昌裕著『記憶力がいままでの10倍よくなる法』三笠書房、2002年5月
SRS記憶法には「想起法」(Recall method)と「研磨法」(Jewel method)という方法があります。参考にしてみてください。
 

『NHK 100語でスタート!英会話』(DVD+BOOK)の第2弾、オーストラリア編です。

本書で紹介している「100語」は、英会話でもっともよくでてくる重要な100のキーワードを、「コーパス」の結果をふまえて厳選したものです。「コーパス」とは、英語の使用データをコンピューターに大量にたくわえた言語資料のことであり、この100のキーワードを記憶することによって、英会話の約70%をしめる語彙が身につき、英会話の土台をしっかり構築できます。本書をつかって「あらたな100語の旅路へ」出発してみましょう。

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100のキーワードは以下のとおりです。〔〕内は、各場面(スキット)を想起するためのヒントです。

01 have (1) 〔マイクがホテルに到着する。〕
02 say 〔電話を切ったエドに、妻のサラが話しかける。〕
03 get (1) 〔マイクとエドは散歩しながら話している。〕
04 make (1) 〔エドがツアーガイドになる。〕
05 do (1) 〔ワインを飲みながら話している。〕
06 do (2) 〔トラムに乗ろうとしている。〕
07 will 〔マーケットに行く。〕
08 would 〔エドの家で食事をとる。〕
09 go (1) 〔食事が終わってくつろぐ。〕
10 go (1) 〔レストランでメニューをながめる。〕
11 come (1) 〔ビールを飲みながら話している。〕
12 come (1) 〔メルボルン博物館にやってくる。〕
13 be (1) 〔アボリジニの作品を見る。〕
14 be (1) 〔上司に見つかったらヤバイぞ!〕
15 what 〔かくれているエドのところにマイクとサラがやってくる。〕
16 which 〔ジュースを飲みながらあるいている。〕
17 see (1) 〔教会のなかを見学する。〕
18 see (2) 〔ショップでサラは帽子をえらぶ。〕
19 look (1) 〔トリムカーレストランでメニューを見る。〕
20 look (2) 〔料理がはこばれる。〕
21 know 〔ヤラヴァレーをおとずれる。〕
22 think 〔ワインテイスティングをする。〕
23 seem 〔ジラリンガにやってくる。〕
24 feel 〔コアラにミルクをやる。〕
25 want (1) 〔エドの家にて明日の出発について話している。〕
26 want (2) 〔サラにおねがいをしている。〕

27 like (1) 〔タスマニアのホバートに到着する。〕
28 like (2) 〔ガイドブックを手にしている。〕
29 can 〔ショッピングをしている。〕
30 could 〔ぬいぐるみを買う。〕
31 who 〔釣りをしている。〕
32 when (1) 〔エドは帰りたがっている。〕
33 take (1) 〔羊毛刈りをする。〕
34 take (2) 〔ユーカリの木を見る。〕
35 give 〔草原をあるきながら話している。〕
36 bring 〔バーベキューが焼ける。〕
37 tell (1) 〔野生動物公園にやってくる。〕
38 tell (2) 〔タスマニアデビルを見ている。〕
39 ask (1) 〔カンガルーに話しかける。〕
40 ask (2) 〔ウォンバットを抱いている。〕
41 talk 〔写真を撮っている。〕
42 speak 〔自転車に乗る。〕
43 hear 〔ホバートにもどってくる。〕
44 listen 〔音楽テープをわたす。〕

45 should 〔マイクは、日本の伊豆にやってきた。〕
46 must 〔マイクはケンジと出会う。〕
47 may 〔食堂にやってくる。〕
48 might 〔旅館に到着する。〕
49 find (1) 〔露天風呂に入る。〕
50 find (2) 〔日本食を食べる。〕
51 mean 〔金山に来る。〕
52 put (1) 〔神社に来る。〕
53 use 〔散歩中に飲物を買う。〕
54 work 〔仕事について話している。〕
55 have (2) 〔ケンジのアパートにやってくる。〕
56 get (2) 〔ベッドについて心配する。〕
57 leave (1) 〔ケンジの部屋で明日の予定について話している。〕
58 leave (2) 〔書き置きを読む。〕
59 keep (1) 〔マイクはカバンをぬすまれたと勘違いする。〕
60 keep (2) 〔マイクはエイミーを追いかける。〕
61 need 〔マイクはエイミーに電話をかける。〕
62 try 〔ランチの約束をする。〕
63 call 〔マイクとケンジはバーで話している。〕
64 turn 〔レストランでエイミーと再会する。〕
65 believe 〔再会をよろこぶ。〕
66 become 〔レストランのテーブルで話している。〕
67 run 〔誤解が解ける。〕
68 help 〔ケンジはマイクに感謝する。〕
69 and/so/but 〔メアリーがエドに電話をかける。〕
70 if 〔マイクが日本に行ったことをメアリーは知らなかった。〕
71 hold 〔エドがマイクに電話をする。〕
72 hope 〔マイクは、オーストラリアへむけて出発する。〕

73 when (2) 〔オーストラリアでマイクはエドと再会する。〕
74 as 〔メアリーが泊まっているホテルにマイクとエドはやってくる。〕
75 pay 〔マイクはお金を持っていない。〕
76 buy 〔マイクとエドはメアリーの話をしている。〕
77 that 〔メアリーはダイアンに電話をする。〕
78 that/which 〔メアリーとダイアンは再開する。〕
79 move 〔スイミング・ラグーンに来る。〕
80 follow 〔マイクは落ち込んでいる。〕
81 begin 〔乗馬をする。〕
82 start 〔ブーメランを投げる。〕
83 stop 〔サーフィンをする。〕
84 happen 〔メアリーの写真を見せる。〕

85 make (2) 〔モートン島にやってくる。〕
86 let 〔砂すべりに挑戦する。〕
87 suppose 〔イルカの餌付けに挑戦する。〕
88 wonder 〔メアリーとダイアンが話をしている。〕
89 remember 〔マイクとエドはケアンズに車でむかっている。〕
90 forget 〔昼食をわすれる。〕
91 show 〔メアリーとダイアンは熱帯雨林にやってくる。〕
92 watch 〔マイクとエドも熱帯雨林にやってくる。〕
93 write 〔マイクがメアリーに手紙を書いている。〕
94 meet 〔メアリーとマイクが再会して抱き合う。〕
95 break 〔写真を見せている。〕
96 set 〔レストランに行く。〕
97 change 〔ホテルのプールサイドでくつろぐ。〕
98 put (2) 〔旅行について話をしている。〕
99 pick 〔グリーン島の浜辺ですごす。〕
100 mind 〔マイクが船に乗りおくれる。〕



■ DVDをくりかえし視聴する

DVDをくりかえし視聴しながら、視聴覚体験を心のなかにしっかりインプットします。

聞きとれないところ、意味のわからないところについてはテキストをじっくりみ見て確認し、記憶します。



■ マイクがおとずれた場所を地図で確認する

マイクは、オーストラリアの、メルボルン(Melbourne)、ヤラヴァレー(Yarra valley)、ジラリンガ(Jirrahlinga)、タスマニア(Tasmania)、ゴールドコースト(Gold Coast)、ケアンズ(Cairns)、モートン島(Moreton Island)、グリーン島(Green Island)、また日本の伊豆、東京をおとずれました。

これらの位置を地図上で確認し記憶しておきます。地図は、記憶を定着させるためのもっとも基礎的な基盤です。

マイクがおとずれた場所を地図上でつないで大局をとらえると、 ストーリーがつくりだす空間(範囲)がとらえられ、全体が小さく見えてきて情報がとりあつかいやすくなります。

また、世界地図や地球儀でオーストラリアを見るたびに本書をおもいだし、その内容をつかうことができるようになります。情報が、オーストラリアの大地につながれているといった感じです。



■ 100の場面(スキット)を想起する

上記の 01〜100までのキーワードと想起のためのヒントを順番にみて、各場面(スキット)をイメージ(動画)として想起します。どこまで正確におもいだせるでしょうか。

それぞれの場面(スキット)は、キーワードが上部構造、スキットの動画が下部構造であるととらえることができます。

141013 キーワードと動画

図1 各場面(スキット)は、上部構造であるキーワード、下部構造である動画からなる


イメージがよくおもいだせない場面(スキット)についてはDVDを再度みて確認し記憶しなおします。

イメージがしっかり想起できるようになったら、話されていた英会話も記憶し、想起してみます。スキットの会話すべてを記憶する時間がないようでしたら、キーワードがふくまれている一文(例文)を記憶し想起できるようにします。

ポイントは、イメージを、言語の記憶のベースとしてつかうことです。イメージは記憶の基盤になります。



■ 100個のファイルを完成させる

図1において、上部構造のキーワードはラベル(標識)、下部構造は視聴覚体験あるいは情報の本体であり、これは1個のファイル(情報のひとまとまり)ととらえなおすことができます。

140927 ラベルと情報の本体380px

図2 ファイルの構造


キーワードはその場面を圧縮したラベル(標識)である一方、場面を想起するための引き金(手段)です。

キーワードと例文を想起しつかえるようになるためには、見通しのよいファイルをつくることが必要です

そのためには、各場面を的確にインプットして、下部構造をしっかり構築するようにします。

また、出来事がおこっているひとつの空間を意識し、スキットをひとまとまりとしてとらえるセンスをみがきます。場面のひとまとまりとは、視聴覚体験のひとまとまりであり情報のひとまとまりです。ひとまとまりをはっきりさせるためには、前の場面から次の場面に転換するときの境界をしっかり確認するようにします。境界を明確にとらえることが肝要です。

また、DVDをたのしみながら見て、よい感情とともに記憶し想起すると学習効果は格段に高くなります。その意味では、最初の教材えらびも大事です。オーストラリアに興味があって是非いってみたい、あるいは行ったことがあるというのでしたら効果は非常に高くなるにちがいありません。DVD教材はほかの国のものもありますので自分にあった教材を検討するとよいでしょう。

こうして、視聴覚体験をファイルとして完成させ、見通しがよいファイルができると、ある場面がひとまとまりとして瞬時におもいだせるようになります。想起ができるということはキーワードがつかえるようになるということです。



■ つらなったファイルをイメージする

DVDで見られるストーリーは、このような100個のファイルがつらなってできたものです。ファイルがつらなっていることをイメージしてください。すると心のなかで体験が整理され、ファイルの見通しはさらによくなり、記憶が保持されるようになります。


141013 つらなったファイル

図3 ファイルがつながっているイメージ



■ ファイルを成長させる

このようにして100個のファィルをつくり、これらをストーリーにそってつなげておけば、ファイルが核になって英会話力をさらにのばしていくことができます。100個のファイルとこれらのつらなりはひとつの体系であり、もやや断片のよせあつめではありません。

そして、キーワードをくりかえしつかえばつかうほどファイルは強固なものになります。このようなファイルの体系は生き物のようにはたらいて成長していきます。



■ 海外旅行でファイル作成を実践する

上記の方法は海外旅行にそのまま応用できます。

旅行をしながら、それぞれの場面を意識し、場面のひとまとまりごとに一個のキーワードあるいはキャッチフレーズをあたえてノートに書きだしていきます。キーワードやキャッチフレーズはラベルであり、ラベルを書く作業はアウトプットですから、1回かきだすごとに情報処理を1回することになります。

そして、ひとつの情報処理をすると同時に1個のファイルが形成されることになります。

1回の旅行で、できれば100個のファイルをつくるとよいですが、100という個数にこだわる必要はありません。数がすくなくてもしっかりとしたファイルをつくることが大切です。

こうして、体験のひとまとまりを意識して、体験をファイルにし、体験ファイルを集積していけば、それは自分独自のつかえるデータバンクになります。



▼ 引用文献
投野由紀夫著『NHK 100語でスタート!英会話 オーストラリア編』(DVD+BOOK)日本放送出版協会、2005年10月25日
NHK100語でスタート!英会話 (オーストラリア編) (NHK出版DVD+BOOK)


▼ 参考文献
栗田昌裕著『記憶力がいままでの10倍よくなる法』三笠書房、2002年5月 


▼ 関連ブログ
視聴覚体験とキーワードで情報の玉をつくる 〜 DVD『NHK 100語でスタート!英会話 〜アメリカ編』〜

『はじめての海外旅行 安心おでかけガイド』は、はじめての海外旅行者のためのガイドブックです。旅の計画から帰国までのすべての過程をバランスよく解説しているので、海外旅行のノウハウの全体像をつかむことができます。全体をまず見てしまうことにより安心感がえられます。

目次はつぎのとおりです。

第1章 旅の計画
第2章 旅の準備
第3章 出発から現地到着まで
第4章 現地で困らないための基礎知識
第5章 ホテルライフを楽しむ
第6章 食事を楽しむ
第7章 ショッピングを楽しむ
第8章 フリータイムの過ごし方
第9章 海外旅行のトラブル対処法
第10章 帰国の準備から帰国まで
第11章 海外旅行お役立ち資料集

荷造りのコツ、持ちものチェック表、ホテルのえらび方、旅行かばんのえらび方、良いツアーをえらぶポイント、チェックインから離陸までのながれ、海外ホテルの上手な利用法、おみやげはどうする、エアラインによるサービスのちがい、パスポート申請から取得まで、機内でのすごし方とマナー、海外旅行ベストシーズン表、チップはどうする、パッケージツアーか個人旅行か、一歩すすんだたのしみ方など、お役立ち情報を紹介しています。

海外旅行はあらたな曲面を展開し、道をひらくためにしばしば有効です。何かをもとめる心、追求しようとおもう心は、問題意識をふかめ、人生の価値を何に見いだすかをかんがえる出発点になります。

そして、実際に旅行をして現地を子細にながめていると次が見えてくることがあります。さまざまな情報が一定方向にそろって集積してくるようになれば、具体的な課題を設定して、問題を追求し解決していく過程にエネルギーをそそぐ決心もついてくるでしょう。


▼ 文献
星野愛・中曽根陽子著『はじめての海外旅行 安心おでかけガイド』メイツ出版、2011年7月20日
はじめての海外旅行安心おでかけガイド

『「男はつらいよ」寅さんロケ地ガイド』(講談社)は、映画『男はつらいよ』(全作品)のロケ地、43都道府県の446スポット(+ウィーン)を写真と地図で紹介しているガイドブックです。『男はつらいよ』のロケ地を旅行する際のガイドとして、あるいは、各作品を場所ごとにとらえなおす資料として利用できます。

『男はつらいよ』シリーズは、渥美清主演、山田洋次原作・監督の映画であり、テキ屋稼業を生業とする「フーテンの寅」こと車寅次郎がひきおこす大騒動と恋愛模様を、日本各地のうつくしい風景を背景にしてえがいた人情喜劇でした。



■ 場所ごとに情報を整理する

本書は、「男はつらいよ 寅さん DVD マガジン」(全50巻)のスタッフが、シリーズ全48作のほぼすべてのロケ地を全国津々浦々徹底的に取材して編集したものです。

「男はつらいよ」ファンで、このシリーズをすでにかなりみていて、各ストーリーを知っている人にとっては、寅さんの旅を、地理的・空間的にとらえなおすことができ、とてもおもしろいです。

作品(ストーリー)別ガイドは何冊もありますが、本書は、場所(土地)ごとに情報を整理しているのが特色です。「各エリアへのアクセス情報」も 巻末にでていて、寅さんファンにとっては貴重な一冊になっています。



■ 作品リストをみてストーリーを想起する

本書の12〜14ページには全48作のリストがでています。すでに見たことのある作品があれば、場所やイメージ、ストーリーを、このリストを見ながら想起してみるとおもしろいです。どこまで正確におもいだせるでしょうか。

マドンナが、それぞれの作品の印象的な目印になっていますので、 マドンナが誰であるかを見ればかなり想起できるとおもいます。



■ 寅さんの旅ファイル

これら48作品は、情報処理の観点からはそれぞれがファイルであるととらえることができます。ファイルとは情報のひとまとまりのことです。『男はつらいよ』シリーズは48個のよくできたファイルから構成されているのであり、それらは「寅さんの旅ファイル」とよぶことができます。それぞれの作品番号と題名とマドンナは各ファイルのラベル(標識、目印)であり、ストーリーは情報の本体です。

140926 寅さんの旅ファイル
図 「寅さんの旅ファイル」の構造
各作品はファイルである。作品番号・題名・マドンナはラベル、
ストーリーは情報の本体である。作品番号・題名・マドンナは、
各ストーリーを統合するシンボルであり、他方で、ストーリー
を想起するための引き金あるいはキーになっている。 



■ ファイルを空間的に強化する

すでに知っている作品については、本書を見ることにより、地図上で場所をおさえることができるので、ファイルを空間ファイルとして強固なものにすることができます。つまり、ファイルの下部構造を強化しゆたかにすることができます。

ストーリーのような時間的に流れていく出来事を、地理的・空間的に場所ごとにあらたな観点からとらえなおすことには大きな意味があります。

ストーリーとともに空間的なイメージもできるように訓練するとよいでしょう。

このような空間的なとらえ方は記憶法に通じ、あらたな見方は発想法に通じます。



■ ファイルのライブラリーをつくる

もし「寅さん」ファンでしたら、まだ見ていない作品があれば はやめに見てしまい、シリーズを構成する全48個のファイルをライブラリーとして心のなかにとりこみ保持することをおすすめします。

ファイルのライブラリーは増えれば増えるほど内面世界はゆたかになり、発想もひろがります。

たとえば何か別のことをイメージするときにも、心のなかにとりこんだ空間的なファイルを背景としてつかうことができます。おりにふれてファイルをおもいだして、そのなかでおもいをめぐらせて発想することもできます。

48本の作品は山田洋次監督らがつくったものではありますが、これらを、自分の心のなかにとりこんで、自分のファイル、自分のライブラリーを構築することがポイントです。これは情報活用のひとつの方法です。



▼ 関連記事
寅さんの世界に入りこむ - 葛飾・柴又 -


▼ 参考サイト
男はつらいよ ロケーション(松竹)


参考文献
「男はつらいよ 寅さんDVDマガジン」編集グループ編『男はつらいよ 寅さんロケ地ガイド』講談社、2013年7月18日
本書は、「男はつらいよ」シリーズをすでにかなり見ていて、各ストーリーを知っている人むきのガイドです。


関連書
それぞれの作品について作品ごとにくわしく知りたい人は、たとえば下記の作品別(ストーリー別)ガイドをご覧ください。
 
山田洋次監修 『男はつらいよ 寅さんの歩いた日本』1997年1月1日

『男はつらいよ パーフェクト・ガイド ~寅次郎 全部見せます』 (教養・文化シリーズ) NHK出版、2005年7月30日


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「ラベル法」をつかってファイルをつくっていくと文章化もやりやすくなります。たとえば、日記や旅行記などを書きだすときにはつぎのようにします。


1.「ラベル法」をつかって要点を書きだす

「ラベル法」をつかって要点(ラベル)をノートなどに書きだします。

「ラベル法」の手順はつぎのとおりです。

 取材する → 情報を選択する → 要点を書く
(インプット) →(プロセシング) → (アウトプット)


「要点を書く」ときには情報の本体をしっかり想起しイメージするようにします。原則としては要点は単文でつづるようにします。ここでの情報の本体は、見たり聞いたり感じたり行動したりした体験のすべてです(図1)。体験のひとまとまりを意識することが重要です。
 
141012 要点と体験

図1 体験のひとまとまりをファイルにする


体験のひとまとまり(ファイルの単位)をどのように決めるかは、そのときの課題の重要度と時間のかけかたによります。とても重要な課題で十分な時間をかけて情報処理にとりくむ場合はファイルの単位はこまかくなり、詳細なファイルをたくさんつくることになります。他方、かるい課題であまり時間をかけられない場合は大ざっぱなファイルをいくつかつくることになります。

こうして、要点(ラベル)を順次かきだしながら(アウトプットしながら)ファイルを順次つくっていきます。



2.ファイルは連結している

つぎに、書きだされたラベルを見ながら、いくつものファイルが時系列で連結しているということをイメージします(図2)。
 

140926 ファイルをつなぐ

図2 ファイルは時系列で連結している 



3.体験を想起しながら文章化をすすめる

アウトプットされた単文(ラベル)を順番に見なおし、情報の本体である体験を想起、イメージしながら文章化(言語化)をすすめます。想起を補助するために、 必要に応じて写真や資料などを参照してもよいです。
 
日記や旅行記や行動記録を書きだすことはより大きなアウトプットの行為になっており、ラベルを見て体験を想起することは記憶法や心象法の実践にもなっています。

以上は、ファイルの結合のもっとも簡単なやり方であり、いくつものファイルを統合してアウトプットしいくための基本的な方法です。



4.基本訓練を発展させる
 
このようなことは誰でもよくやっていることですが、経験的にただ漠然とおこなうのではなく、情報処理を意識しながらアウトプットを出していくことが大切です。情報処理の観点からは、ファイルの作成とファイルの結合の仕組みを理解することがとても重要であり、日記や旅行記や行動記録などを書きだすことはそのための基本的な訓練になります。

ファイルの仕組みを理解しておくと、日記や旅行記や行動記録の実践は、 たとえばフィールドワークとか調査・研究、発想などといった、 もっと奥行きのある情報処理に発展させていくことが可能になります。



▼ 関連ブログ
ラベル法をつかってファイルをつくる



『10万円あれば行けちゃう! 世界の絶景100』(行かずには死ねない! あなたの人生を変える場所100)は、10万円あれば行けちゃう世界の絶景ポイント100を紹介しています。非常にうつくしい絶景写真とともに、旅の費用、アクセス、ベストシーズンなどが記載されています。

人生を変えるために「絶景の旅」はとても効果的です。

本書で紹介している絶景は以下の100ヵ所です。

第1章 思い立ったらすぐ行ける隣の国の絶景
 01 阿里山(ありさん)
 02 日月潭(にちげつたん)
 03 陽明山、野柳(ようめいさん、やりゅう)
 04 東西横貫公路、太魯閣峡谷(とうざいおうかんこうろ、たろこきょうこく)
 05 蘇花公路(そかこうろ)
 06 望安島、七美島(わんあんとう、ちーめいとう)
 07 墾丁(けんてぃん)
 08 雪岳山(そらくさん)
 09 済州島(ちぇじゅとう)
 10 紅島、珍島(ほんど、ちんど)
 11 釜山(ぷさん)
 12 内蔵山(ねじゃんさん)
 13 オルホン渓谷
 14 バイカル湖
 15 サハリン
 16 ウラジオストク

第2章 中国の絶景
 17 金山嶺長城、司馬台長城
 18 長春
 19 旅順
 20 長白山
 21 青島
 22 西湖
 23 黄山
 24 長江三峡
 25 武陵源
 26 九寨溝
 27 桂林
 28 張掖丹霞地貌(ちょうえきたんかちぼう)
 29 元陽棚田
 30 大理
 31 玉龍雪山、虎跳峡(ぎょくりゅうせつざん、こちょうきょう)
 32 海南島(はいなんとう)

第3章 東南・南アジアの絶景
 33 タール湖、マヨン山
 34 ハロン湾
 35 アンコールワット
 36 スコータイ遺跡、アユタヤ遺跡
 37 パガン遺跡、インレー湖
 38 キャメロンハイランド
 39 キナバル山
 40 バリ島
 41 ボロブドゥール
 42 ブロモ山
 43 トバ湖
 44 タージマハル
 45 ポカラ
 46 モルディブ
 47 シギリア

第4章 中東・アフリカの絶景
 48 イスタンブール
 49 カッパドキア
 50 イマーム広場
 51 ドバイ
 52 キプロス島
 53 ペトラ
 54 ラモンクレーター、マサダ砦
 55 ギザのピラミッド
 56 サハラ砂漠、チェニス旧市街
 57 シャウエン、フェズ
 58 ナイロビ国立公園

第5章 ヨーロッパの絶景
 59 モンサンミッシェル、パリ
 60 コートダジュール
 61 ポンペイ、カプリ島
 62 ヴェネチア
 63 フィレンツェ
 64 マルタ
 65 アテネ、サントニーニ島
 66 モンセラット、バルセロナ
 67 トレド
 68 アルハンブラ宮殿
 69 シントラ、ロカ岬
 70 コッツウォルズ
 71 ダム、ブリュージュ
 72 アムステルダム
 73 ロマンチック街道
 74 グリンデルワルト、ピラトゥス山
 75 モンブラン
 76 ウィーン
 77 ブダペスト
 78 プラハ
 79 ドゥブロブニク
 80 サンクトペテルブルク

第6章 北アメリカの絶景
 81 ナイアガラの滝
 82 ビクトリア
 83 レーニア山
 84 モントレー、カーメル、タホ湖
 85 ヨセミテ国立公園
 86 グランドキャニオン
 87 マンハッタン
 88 フロリダキーズ
 89 ラニカイビーチ
 90 コッパーキャニオン

第7章 オセアニアの絶景
 91 グレートバリアリーフ
 92 ブルーマウンテンズ
 93 グレートオーシャンロード、フィリップ島
 94 ピナクルズ
 95 ニューカレドニア
 96 ワイタケレ、ロトルア
 97 タヒチ
 98 ママヌザ諸島など
 99 サイパン
 100 ロックアイランド

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玉龍雪山、虎跳峡(ぎょくりゅうせつざん、こちょうきょう)



1. 旅のスタイルを決める - 個人旅行かツアーか -

個人旅行の場合は、航空券とホテルを別々に予約・購入した方が安くなることがあります。2人以上の旅行なら、航空券とホテルがセットになったフリーツアーがねらい目です。

ツアーは原則2人以上の設定なので、個人旅行の場合は往復航空券を個人手配で購入した方が安上がりになります。2人以上の場合は格安ツアーがたくさんあります。

個人旅行の場合は、どの程度のホテルに泊まるかによって予算は大きく変動します。


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張掖丹霞地貌(ちょうえきたんかちぼう)



2. マンネリ化した日常を異空間が打破する

本書で紹介されているような絶景とは、今まで知らなかったおどろきの風景であり、それは日常とはちがう異空間です。

そのような異空間を体験することは、物事の見方を変え、マンネリ化した日常を打破することになり、あらたな味わいを人生にかもしだします



3. 意識の場が拡大する

絶景の異空間は、自分が普段くらしている環境の外にある世界であり、そのような外の世界を知ることによって意識の場はおのずと拡大します

人は普通は、既存の枠組みや身につけた常識のなかで物事をとらえ理解しています。意識の場を拡大することによって、既存の枠組みや常識にとらわれないあらたな発想が可能になります。



4. 外の目で自分を客観的にとらえなおす

絶景旅行によって外の世界に行くことにより、これまで自分が生活してきた日常の空間を外からながめることができます。あらたな視点で客観的に自分をとらえなおすことができるのです。

自分を相対化でき、相対的な存在である自分、変化する自分を見なおすことができ、自分とは何だったのかかんがえることができます。

このような絶景旅行のインパクトにより、心がひらき、人生のあらたな曲面が展開します。何らかの問題を解決するための活路や発想がえられることもあります。旅行先で出会う絶景が絶景であるほど、努力しなくても潜在意識にインパクトがあたえられます。ただの観光旅行ではインパクトは小さいでしょうからおどろきの絶景に接するのがよいです。

わたしは、本書のファイルNo.45で紹介されているポカラに滞在し大きなインパクトをうけました。

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ポカラ


日本国内でじっとしていてさまざまな考察をしているよりも、本書を参考にして外に出て、体をうごかしながら異空間でかんがえた方が実りが大きくなるでしょう。



▼ 文献
小林克己著『10万円あれば行けちゃう! 世界の絶景100』 (PHPビジュアル実用BOOKS)PHP研究所、2014年7月4日
10万円あれば行けちゃう! 世界の絶景100 (PHPビジュアル実用BOOKS)


▼ 関連記事
フィールドワークで異空間を知る 〜川喜田二郎著『鳥葬の国』〜
絶景に接し、絶景を心のなかにとりこむ 〜 詩歩著『死ぬまでに行きたい!世界の絶景 日本編』〜
異空間旅行が人生を変える 
地球の中から地球を見る - 国立科学博物館「シアター36○」- 
絶景を旅して人生を変える 〜 小林克己著『10万円あれば行けちゃう! 世界の絶景100』〜
絶景を旅する 〜 H.I.S.著『世界の絶景さんぽ』〜
常識をはなれて異空間を体験する - 国立新美術館「マグリット展」-


緒方信一郎著『業界のプロが本音で教える 絶対トクする!海外旅行の新常識』は、航空ジャーナリストで旅行作家の著者が、LCCのつかい方を中心に、格安でたのしく旅行ができる方法をアドバイスしていて、とても参考になります。


目次はつぎのとおりです。

第1章 格安航空会社(LCC)という新常識
 〜LCCを使う旅の新しいスタイル
 
第2章 海外航空券の新常識
 〜ここまで下がった正規割引航空券。LCCや格安航空券とのおトクな使い分け
 
第3章 航空券サイトの新常識
 〜航空券サイトを使いこなせば、おトク度はグングン上がる
 
第4章 航空サービスの新常識
 〜タダ&安く快適旅行にアップグレードする方法
 
第5章 ホテルの新常識
 〜海外予約サイトの来襲で相場急落! 高級ホテルは使いやすくなり、新種の格安宿も出現
 
第6章 激安ホテルと激安ツアーの新常識
 〜1泊1000円台のホテルと1万円台のツアーが登場する時代の旅の楽しみ方
 
第7章 空港の新常識
 〜羽田空港の本格国際化で激変する空港の使い分け


役に立つ「新常識」の要点はつぎのとおりです。

2010年は“LCC元年”でした。LCCとは格安航空会社のこと。いわゆる格安航空券よりも、LCCの航空券あるいはツアーがいちばん安くなりました。

大手航空会社の航空券を買うときは正規割引航空券が第一優先です。

航空券は航空券ウェブサイトで買う。

航空券のアップグレードを利用する。

ホテル予約はホテル予約サイトが激安。

激安ツアーはアレンジすれば満足度の高い旅になる。

2010年10月に再国際化された羽田空港を利用する。



以下に、参考になるノウハウをまとめておきます。


1. LCCをつかいこなす

LCCの参入は旅行業界に歴史的転換をもたらしました。海外旅行は一段と手軽で身近になりました。

LCCをつかいこなす鉄則として著者はつぎの3点をあげています。

(1)サイトで情報を「調べる」
(2)荷物はなるべく「持たない」
(3)遅れや空港の遠さを「覚悟する」

「調べる」「持たない」「覚悟する」ということです。

特に「調べる」にあたってはキャンペーンを見のがさないようにします。信じられない激安航空券が発売されることがあります。そのためにはLCCのメルマガに登録しておくとよいです。



2. 周遊旅行をうまくつかう

周遊旅行をすれば、一度の旅行で二度おいしいということになります。たとえば、目的地に行く途中で飛行機をおりて滞在する旅行をストップオーバーといいます。24時間以上の滞在を正確にはこうよびます。

もうひとつは、たとえば、ヨーロッパに行ったときにパリに着いて、チューリッヒから帰国便にのるといった飛行パターンをオープンジョーといいます。

この2つの飛行パターンをつかえばいろいろな周遊旅行をたのしめます。



3. ウェブサイトをつかってお得な航空券にたどりつく

まずは、総合型(ポータル)サイトで相場をチェックします。たとえば、 Yahoo!トラベルトラベルコちゃんで料金の相場をしらべます。

つぎに、航空会社のサイトをしらべます。正規割引料金を確認します。

つぎに、オンライン予約ができる旅行会社のサイトをしらべます。たとえば、JTB海外航空券(トルノス)イーツアー、 WTSのフリーバードDeNAトラベル楽天トラベル 海外航空券など。

また、ANA JAL のマイレージ会員になって、キャンペーン運賃、マイレージ会員むけサービスなどを確認します。おもわぬひろいものをすることがあります。



4. すきな座席をとる

オンラインで座席指定が事前にできる航空会社が増えています。

何度でも座席は変更できますから、航空券予約後も、よりよい席をもとめて座席照会ページでチェックします。

出発の24時間前頃からウェブ・チェックインを乗客が自分でできるようにしている航空会社の場合、座席の移動をするトラベラーが多いので、そのときに、自分の希望の座席があくことがあります。24時間前はねらい目です。



5. ホテルもサイトで予約する

外資系サイトでは、 エクスペディアは高級ホテルの割引料金が出やすいです。ほかに、 ホテルズドットコムAgoda などがあります。

日本のサイトでは、 アップルワールド楽天トラベル 海外ホテルH.I.S. VACATION などがあります。


海外旅行がとても手軽にできる時代になりました。上記を手がかりにして、まずは、相場を知るところからはじめ、自分の気に入った旅行を組みたててみるのがよいでしょう。



▼ 文献
緒方信一郎著『業界のプロが本音で教える 絶対トクする!海外旅行の新常識』 (地球の歩き方BOOKS)ダイヤモンド・ビッグ社、2010年12月17日
業界のプロが本音で教える 絶対トクする!海外旅行の新常識 (地球の歩き方BOOKS)

『世界の旅行記101』は、古今東西の代表的な旅行記101を9章にわけて概説しています。人類がどのように地球を旅行し探検し、地球を認識してきたかをたどることができます。

古今東西、旅行記はとてもたくさんあるので、まず本書を見て、興味を感じる本があったら原書にあたるという方法をとるとよいとおもいます。

以下の旅行記の概要が掲載されています。

I ギリシア・ローマ旅行記
 1 歴史
 2 アナバシス
 3 ガリア戦記
 4 エリュトゥラー海周航記
 5 ギリシア案内記

II 東洋旅行記
 6 インドの不思議
 7 旅路での出来事に関する情報の覚書
 8 モンゴル旅行記
 9 東方見聞録
 10 イブン・バットゥータ旅行記
 11 コンスタンチノープル征服記
 12 東方案内記
 13 東洋遍歴記
 14 朝鮮幽因記
 15 熱河日記
 16 中国訪問使節日記
 17 朝鮮・琉球航海記
 18 ペルシャ放浪記
 19 紫禁城の黄昏

III 大航海時代
 20 ギネ―発見征服誌
 21 航海日誌
 22 ヴァスコ・ダ・ガマのインド航海記
 23 新世界
 24 最初の世界一周航海記
 25 ペルーおよびクスコ地方征服に関する真実の報告
 26 パナマ地峡遠征記
 27 新大陸自然文化史

IV 宗教と旅
 28 仏国記(法顕伝)
 29 大唐西域記
 30 南海寄帰内法伝
 31 入唐求法巡礼日記
 32 行歴抄
 33 日本巡察記
 34 天正遣欧使節記
 35 日本史
 36 東方伝道史

V 探検の時代
 37 世界周航記
 38 太平洋探検
 39 世界周航記
 40 ビーグル号航海記
 41 暗黒大陸
 42 ユア号航海記
 43 世界最悪の旅
 44 西太平洋の遠洋航海者
 45 中央アジア踏査記
 46 さまよえる湖
 47 コン・ティキ号探検記
 48 悲しき熱帯

VI 紀行文学
 49 旅日記
 50 モーツァルトの手紙
 51 フランス紀行
 52 イタリア紀行
 53 ある旅行者の手記
 54 ライン河
 55 赤毛布外遊記
 56 オランダ・ベルギー絵画紀行
 57 アンコール詣で
 58 サハリン島
 59 ジャック・ロンドン放浪記
 60 デルスー・ウザーラ
 61 私のアメリカ発見
 62 アフリカの緑の丘
 63 ソヴィエト旅行記

VII 外国人と日本人
 64 海東諸国記
 65 セーリス日本航海記
 66 海游録
 67 江戸参府旅行日記
 68 江戸参府随行記
 69 ベニョフスキー航海記
 70 江戸参府紀行
 71 ペルリ提督日本遠征記
 72 江戸と北京
 73 日本奥地紀行
 74 日本旅行日記

VIII 日本人の旅行記 - 江戸時代まで
 75 伊勢物語
 76 土佐日記
 77 十六夜日記
 78 韃靼漂流記
 79 東海道名所記
 80 おくのほそ道
 81 東遊雑記
 82 江戸旅日記
 83 北槎聞略
 84 東西遊記
 85 江漢西遊日記
 86 東韃地方紀行
 87 管江真澄遊覧記
 88 秋山紀行
 89 島根のすさみ
 90 蕃談
 91 西游草

IX 日本の旅行記2 - 近代以降
 92 特命全権大使・米欧回覧実記
 93 南嶋探検
 94 赤松則良半生談
 95 チベット旅行記
 96 あめりか物語
 97 満韓ところどころ
 98 三千里
 99 日本アルプス
 100 支那游記
 101 海南小記


人類の旅行史・探検史の全体像を知るうえで貴重な一冊です。特に、その地域に最初の一歩をしるし、あたらしい世界を記述した旅行記はパイオニアワークとして大きな価値があります。

人類は、既知の領域から未知の領域へと旅をする存在であるととらえることもできます。人類は旅行や探検をし、またそれを記述することでみずからの空間をひろげてきました。このような、空間をひろげる歴史を知ることはとても大事なことです


文献:樺山紘一編『世界の旅行記101』新書館、1999年10月5日
世界の旅行記101 (ハンドブック・シリーズ)

『高度1万メートルからの地球絶景』は、日本航空B747型機の機長が眼下の絶景を機内から撮影した国際線別の絶景写真集です。この写真集がおもしろいのは、撮影地点とともに飛行ルートを地図上に明確にしめしていることです。今どこを飛んでいるのだろうと想像しながら、 飛行機にのった気分になって眼下の絶景を連続的にながめる疑似体験ができます。

目次はつぎのとおりです。

カナダ/メキシコ路線
眼下に太古の原風景が広がる

ヨーロッパ路線
ロシア上空から見るシベリアの大地

オセアニア路線
珊瑚礁の海と青の透明さ

北米/北太平洋路線
アラスカ横断飛行は氷河の世界

中国/シルクロード路線
秀峰カラコルムを越える巣らのシルクロード

ハワイ路線
太平洋の青い環礁を越えて

東南アジア路線(1)
熱帯雨林とメコンの大河へ

東南アジア路線(2)
南方の戦跡の島々を飛ぶ

東南アジア路線(3)
世界の屋根ヒマラヤからインドへ

その他の路線
南米/西オーストラリア/南アフリカ


写真はどれもすばらしく、うつくしい地球の素顔を空からの視点でたのしむことができます。

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各国際線のルートにそって絶景が配列されているので、ルートがつくりだす連続的な空間として絶景を見ることができます。それぞれの空間が線でむすばれていてバラバラになっていないので、 ひとつながりの空間の出来事として全体をとらえることができます。空間が線で連結・統合されているといった感じです

このように、空間を線でむすびつけ、時間的・連続的なストーリーのなかですべてを一望することは、空間記憶法や情報の統合作業に通じます。情報処理をすすめるときに、それぞれの空間を連続的にむすびつけて全体像をえがくようにすればよいのです。このような訓練により、これまでとはちがった空間の場をもつことができ、情報処理の場もひろがります。

たとえば Google Earth をつかえばこのようなことがすぐにできます。本書を参考にして、これまでに自分がたどってきた旅のルートを一望してみるとよいでしょう


文献:杉江弘著『高度1万メートルからの地球絶景』講談社、2003年12月16日
高度1万メートルからの地球絶景

海外旅行をたのしみながら英会話を習得する DVD『トラベラーズ イングリッシュ』の第5巻 ニュージーランド南島編です。今回のニュージーランド南島編では、ニュージーランドの非常にうつくしい風景を満喫することができます。 

チャプターリストはつぎのとおりです。

1 ニュージーランド到着、乗り継ぎ
2 トレッキング・ツアーに参加
3 ギブソンバレーのワイナリー
4 バンジージャンプに挑戦
5 ダニーデン〜タイエリ渓谷鉄道
6 ダイアロア岬、野生動物見学ツアー
7 クライストチャーチ


■ 旅のルート

ニュージーランド南島のクライストチャーチ国際空港に到着、国内線に乗り継ぎをしてクィーンズタウンに移動します。

つぎの日、マウント・アスバイヤリング国立公園で往復16キロメートルのルートバーン・トレッキングを体験します。

そのごワイナリーを見学し、バンジー発祥の地でバンジージャンプにも挑戦します。

南島第二の都市ダニーデンへ移動、鉄道の旅でゆたったりとすごし、オタゴ半島でオットセイ・アシカ・ペンギンなどの野生動物を見て感動。

ダニーデンからは、最終目的地、南島最大の都市クライストチャーチまでの旅を堪能します。



■ 視聴覚体験を記憶する

DVDをつかった英会話学習では、つぎのような手順をふむと記憶が定着します。

1.DVDを視聴して情報をインプットする
目と耳をしっかりはたらかせて、映像と音声を心の中にきちんとインプットします。

2.映像(イメージ)を想起する
映像は消して、音声だけを聞いて、映像(イメージ)を連続的におもいだします。アイマスクをするとよいです。どこまで正確に想起できるでしょうか。

3.音声を想起する
今度は、音声を消して、映像だけを見て、音声をおもいだします。耳栓をするとよいです。どこまで正確に想起できるでしょうか。さらに、重要な英単語やフレーズをノートに書きだしてみます(アウトプットしてみます)。



■ ニュージーランドを記憶の場にする

記憶するときには、ニュージーランドの大きな空間を記憶の場(記憶のベース)にして、そのなかに、各シーンや英語のフレーズをむすびつけて記憶するようにします。ニュージーランドの大きな空間のなかに各シーンがうめこまれているとイメージし、ニュージーランドの場を記憶の倉庫としてつかいます。

DVD『トラベラーズイングリッシュ』のシリーズには、ほかにも、オーストラリア編・アメリカ編・イギリス編などもあります。ほかの国でも同様に、その国の大きな場のなかに、それぞれの場面やフレーズをうめこむ(ファイルする)ように記憶していけばよいのです。

そのためには、その国の地図をイメージできるようにしておく必要があります。

140905 ニュージーランド南島 地図
ニュージーランド南島の地図(Googleマップ)


今回の旅では、クライストチャーチ国際空港に着陸後、クィーンズタウンに移動、その後、ダニーデン(ダニーディン)をへて、クライストチャーチにもどったことを地図上でイメージします。



■ 世界地図は、記憶想起のインデックスとしてつかえる

このように、それぞれの国の空間を記憶の場(記憶倉庫)として機能させ、世界地図上でその国を見ることにより、その国の空間にうめこんだ記憶情報を想起できるようにしておきます。

『トラベラーズイングリッシュ』などをつかってこのような記憶法を実践していけば、世界地図は、記憶情報を想起するためのインデックスとしても利用できるようになります。これは一種の空間記憶法です。

そのためには、世界地図あるいは地球儀をよく見なおして、それぞれの国がどこにあるのか、その場所とエリア、訪問した都市の位置をしっかり記憶しておくことが必要です。各国の分布がイメージとしていつでもおもいだせるようにしておきます。地図の記憶は記憶の基礎になります。



■ あたらしい内面空間をつくる

DVDの各シーンを新鮮な目でながめ、視聴覚体験をきちんとインプットし記憶することは、ニュージーランドの空間を心のなかにきざみこむことにもなります。それに感動がともなえばなおよいです。

この視聴覚体験は、あたらしい記憶の空間を心のなかにつくることであり、これにより、あたらしい状況に適応するためのあらたな心の準備や情報処理がはじまります。このような視聴覚体験は、あたらしい心のとびらをひらくことにもなってくるのです。

そしてもっと興味がわいてくれば、ニュージーランドを実際に旅行してみて、今度は、本当の旅の体験をたのしめばよいでしょう。


▼ DVD
トラベラーズ・イングリッシュ 5 ニュージーランド南島編 [ 英語で旅する TRAVELERS ENGLISH 5 New Zealand South Island ] (エキスプレス)


▼ 関連ブログ
DVDをつかって、イメージとともに英語をおぼえる 〜 DVD『トラベラーズ・イングリッシュ 4 オーストラリア編』〜
英会話の学習から海外旅行体験へ 〜DVD『トラベラーズ・イングリッシュ3 -アメリカ西海岸編-』〜

『簡単なのに行かないの? 〜 はじめての海外旅行マニュアル 〜』は、これからはじめて海外旅行をする人のための入門書です。

目次はつぎのとおりです。

第1章 海外旅行を申し込む
第2章 旅行準備
第3章 日本から出発する
第4章 飛行機の中〜到着
第5章 旅行先での過ごし方(観光)
第6章 旅行先での過ごし方(買い物)
第7章 旅行先での過ごし方(治安)
第8章 旅行先での過ごし方(国独自のルール)
第9章 帰路につく
第10章 オススメの街 

はじめて海外旅行をするためのごくごく基本的なノウハウがわかりやすく説明されています。はじめての人が誤解しやすいいくつかの注意点についてものべられています。たとえば、燃油サーチャージ、空港使用税、マイレージ、現地での電源、手荷物検査(液体物持ち込み禁止条件)クレジットカード(スキミングの注意)など。こらからはじめて海外旅行にでかける人はぜひ参考にしてください。

本書は、初心者のための入門マニュアルですので経験者には必要ないとおもいますが、本書を読んでわたしも、はじめて海外旅行をしたときのことをなつかしくおもいだしました。はじめての旅はウィーンとベルリンでした。あれから今日までに約40回の海外渡航を経験することになりましたが、はじめて出かけたときの新鮮な気持ちはいつまでもわすれないようにしたいものです。

海外旅行をすると、自分の行動空間をひろげることができるのは言うまでもないですが、それと同時に、自分の意識の空間(心の空間)もひろげることができます

旅に出ると、自分の外の世界と自分の内の世界の両方を同時に確実にひろげることができます。それはすなわち自分の情報処理の場をひろげることであり、情報処理を深化させることです。新鮮な気持ちでたのしく自分の内外の世界をひろげるために海外旅行はうってつけです。


文献:あーる著『簡単なのに行かないの? 〜 はじめての海外旅行マニュアル 〜』Kindle版、2013年12月1日
簡単なのに行かないの? ~はじめての海外旅行マニュアル~

『NHK 100語でスタート!英会話 〜アメリカ編』(DVD+BOOK)は、2003年にNHKで放映された「100語でスタート!英会話」をDVDとテキストにしたものです。

「100語でスタート!英会話」は、英語コーパス分析の最新の研究成果を利用し、英会話に必要な最重要英単語100を徹底的に攻略する番組で、100のキーワードとそれらと一緒にもちいる単語を使用頻度順にランキングで紹介し、よくつかうボキャブラリーから効率よく学習するという方法を英会話学習にもたらしました。この100語をマスターすれば、日常会話の約70%がカバーでき、もっとも基礎的な英語の骨組みがしっかり身につく仕組みになっています。

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写真 100のキーワード一覧


このDVDでは、1つのスキットにつき1つの英単語が明確にわりあてられて1つのユニットを形成しています(図1)。そのユニットが100個あります。

140901 視聴覚体験とキーワード1

図1 1スキットと1英単語がユニットになっている


DVDを視聴することによって、各スキットについての視聴覚体験がえられます。各スキットにわりあてられた英単語は、それぞれの視聴覚体験のキーワードになります(図2)。 キーワードは視聴覚体験を形にしたものです。

140901 視聴覚体験とキーワード2

図2 英単語は視聴覚体験のキーワードである


これを、情報処理の観点から一般化すると、各スキットは情報の本体であり、キーワードはそのラベル(標識)となります(図3)。ラベル(標識)は、情報を統合する役割をもつと同時に、情報を検索するためのインデックスとしても機能します。

140901 視聴覚体験とキーワード3

図3 情報の本体とラベル


このような体験あるいは情報のひとまとまりを「栗田式記憶法」では「玉」(たま)とよびます(注)。これは、情報がひとまとまりになったファイルをあらわすものです。

「玉」は、上図にみられるように、上部構造と下部構造とからなる二重構造になっています。「玉」の下部構造が情報の本体であることに注意してください。


『NHK 100語でスタート!英会話』は、上図のような情報の「玉」を構築するためにむいたすぐれた教材としておすすめできます。100個の情報の「玉」を心のなかにしっかりつくりだすことにより英会話の基礎をつくることができます。

学習のポイントは、各スキットの視聴覚体験と わりあてられたキーワードをしっかりむすびつけ、それぞれのキーワードのイメージ(DVD映像)を明確に記憶することです。「玉」の下部構造である視聴覚体験を強固にすることが重要です。


上記の方法(ラベル法)は、英語学習をこえてあらゆる情報処理に対して応用が可能です。記憶法・学習法にとどまらず、旅行法や発想法にも発展させることができます。



▼ DVD+BOOK
投野由紀夫著『NHK 100語でスタート!英会話 〜アメリカ編』日本放送出版協会、2004年9月20日


▼ 注
栗田昌裕著『記憶力がいままでの10倍よくなる法』三笠書房、2002年5月
特に、「思い出は「玉」としてイメージせよ」 (136ページ)、「玉を転がすようにする。記憶の内容自体を玉と考えるのです」(143ページ)を参照してください。

航空券を予約・購入するためには、H.I.S.などの旅行会社に行くのもいいですが、最近では、ウェブサイトで比較検討しながら自分で購入することがもできます。

わたしがよくつかっていて、おすすめできるのは次のサイトです。


DeNAトラベルは海外航空券専門サイトで、2都市以上訪問する周遊航空券も簡単に検索できます。スカイスキャナーは日本の国内線も検索できます。

いずれも、格安航空会社(LCC)もきちんとカバーしています。「航空券+ホテル」のセットで購入した方がお得な場合もあります。クレジットカードで決済でき、e-チケットをダウンロードし自分で印刷して空港にもっていけばよいです。

これらのサイトをつかえば、検索条件をいろいろ変えてみて、さまざまな組みあわせを自分で比較しながらためしてみることができます

実際に購入するかどうかにはかかわらず、 模擬的に旅行を想像してみる、シミュレーションすることができ、それだけでもおもしろいです。まずは、検索条件をいろいろ変えてみてシミュレーションをたのしむのがよいでしょう。

そして、そのなかから旅の行き先を見つけだしてください。

詩歩著『死ぬまでに行きたい!世界の絶景 日本編』は、旅行ガイドつき絶景写真集(日本編)です。

息をのむ至極の絶景の数々が紹介されており、アクセスや観光情報・体験談などものっているので、本書をガイドにして実際に旅行をたのしむことができます。

本書は、Facebookページ「 死ぬまでに行きたい!世界の絶景 」から派生し誕生した写真集です。本書には、前著『『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』があり、前著は世界編でしたが、本書は日本編であり、行きたいところに行きやすいので利用価値が高いとおもいます。

本書を見ていると、たとえば、三重県木津呂のUFO地形、岩手県北山崎の断崖絶壁と奇岩、山梨県尾白川渓谷の三段の滝、東京都青ヶ島の二重式カルデラの村など、こんな絶景があったのかと世界がひろがってきます。

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このような絶景を見ていると自然界が実に多様であることがわかります。また、それぞれの自然環境のもとで個性的な文化がはぐくまれることも想像できます。

このような通常とはことなる極端な土地に行くと、努力をしなくても、そこでの体験は強烈なインパクトを生みだし、ふかい印象とともに、一生わすれられない記憶をつくりだします。

そして、絶景旅行によりみずからの体験の幅をひろげることは、ものごとの理解の仕方をふかめます。

絶景に接するということは極端を知ることです。接するだけでなく、その異空間のイメージを心のなかにとりこめば、心の世界もひろがります。心のなかに絶景をインプットし、記憶し、おりおりに想起していけば、心の場が大きくなり、発想もひろがってきます。

是非、本書をたよりに旅に出てください。


▼ 文献
詩歩著『死ぬまでに行きたい!世界の絶景 日本編』三才ブックス、2014年7月11日


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絶景を旅する 〜 H.I.S.著『世界の絶景さんぽ』〜 
場所に情報をむすびつけて記憶する -世界遺産・記憶法- 
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