発想法 - 情報処理と問題解決 -

情報処理・学習・旅行・取材・立体視・環境保全・防災減災・問題解決などの方法をとりあげます

タグ:取材法

博物館のガイドブックで予習をしてから博物館を見学し、帰宅してからガイドブックで復習すると体験的に認識が一気にふかまります。

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産業技術総合研究所・地質標本館


産業技術総合研究所の地質標本館(注)は地球科学に特化しためずらしい博物館です。規模はそれほど大きくはありませんが、地球と固体地球科学の成果について展示を通して比較的短時間で理解をふかめることができます。自然科学的な調査・研究の成果をふまえているために情報が正確で学術的に信頼できるのがよいです。

1階の第1展示室では「地球の歴史」を解説しています。日本列島の地質模型や生物の化石が注目されます。

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 写真1 デスモスチルスの化石(平行法で立体視ができます)

デスモスチルスとは、新生代新第三紀(2303万年前から258万年前の時代)に太平洋沿岸地域に生息していた哺乳類です。

 *

2階へ行くと第2展示室があり「生活と鉱物資源」を解説しています。太平洋の海底地形がおもしろいです。

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写真2 日本付近の地形模型(平行法で立体視ができます)

青色の部分は海溝です。海溝はプレートとプレートの境界であり、ユーラシアプレートの下に太平洋プレートとフィリピン海プレートがしずみこんでいます。

第3展示室では「生活と地質現象」と題して地震や火山活動について解説しています。


1階へおりると第4展示室があり、ここでは岩石・鉱物・化石を分類して展示しています。

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写真3 アンモナイト(平行法で立体視ができます)


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写真4 礫岩(堆積岩の一種)(平行法で立体視ができます)


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写真5 片麻岩(変成岩の一種)(平行法で立体視ができます)


地質標本館は、とてもすぐれたガイドブック(図説)の発行もしています。

地球を概観する -『地球 図説アースサイエンス』- >>

地質標本館にいく前にこのガイドブックで予習をし、そしてここに行って展示物を見学し、帰宅してからガイドブックで復習すると理解は一気にふかまります。第2の段階において、行動しながら体験がふかまるというところがポイントです。 単なる知識のつめこみになりません。

151009 予習見学復習


このようなことはあたりまえのことですが、実際には、よくできたガイドブックとすぐれた展示の両者がそろってこそ効果があがります。いいかげんなガイドブックを読んでいても意味がありませんし、また展示を見ても解説が簡略すぎたり、そもそも解説がほとんどなかったりして、せっかく見に行ったけどもよくわからなかったということはよくあります。

おなじ時間と労力をかけるのなら、よくできたガイドブックとすぐれた展示をさがしだしてそれらを利用した方がよいのです。このようなガイドブックと実見とをくみあわせる、あるいは読書と行動とをくみあわせる方法は問題解決の基本ですし、旅行法にも通じます。

地質標本館のガイドブックは非常によくできていて、これほど真面目で立派なガイドブックをだしている博物館はほかにはほとんどありません。編集者の意気込みが感じられます。すぐれたガイドブックを発行すると博物館は利用価値がたかまります。ほかの博物館も見習うべきでしょう。



▼ 平行法(パラレル法)をつかった立体視のやり方は下記サイトをご覧ください。



感動のあるインプットがあって問題意識をもちつづければプロセシングはおのずとすすみ、アウトプットにむすびつきます。

シンガーソングライター&作家のさだまさしさんが『風に立つライオン』を作曲したときの経緯をかたっています(注)。

アフリカへ出向ででかけていって僻地医療に3年間とりくんだ日本人医師がいました。(さだまさしさんが)二十歳のころにこの医師に長崎で出あい、この人の「アフリカ」はすばらしいなとおもいました。

そしてあの先生のことを歌にしたいなとずっとおもっていました。しかしなかなか歌になりませんでした。

結局15年ぐらいたって1987年に歌ができました。


さださんの話を情報処理の観点から整理すると、日本人医師から話を聞いたということはさださんの意識のなかに情報をインプットしたということです。そして歌にしたいなとずっとおもっていた15年間の期間はプロセシングです。歌をつくる(作曲をするあるいは楽譜を書く)という行為はアウトプットです(図)。さださんの意識の内面では15年をかけて情報処理が徐々にすすんでいったということです。

150921 さだまさし
図 作曲までの情報処理の過程


大なり小なり感動的なインプットがあった場合、自分の意識の内面ではプロセシングがおのずとすすんでいきます。プロセシングには時間がかかるかもしれませんが、感動と問題意識があればアウトプットへといずれ発展していきます。

わたしたちも感動のあるインプットを大切にし、そして問題意識をもちつづけたいものです。


▼ 注:情報源(YouTube)

アップルの iCloud ストレージプラン(ストレージ料金)がいままでよりも安価になり、つかいやすくなりました。お得なのは 50GB と1TB です。たとえば 1TB の料金は、月額 2,400円 から 月額 1,300円 になりました。

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▼ アップル iCloud


130円で 50GB は魅力的なサービスなので利用を検討してみる価値があるとおもいます。

クラウドサービズは Google などもおこなっていて競争が激化してきました。価格がやすくなればクラウド・ユーザーがふえるのはあきらかです。

あらゆるデバイスとデータを統合していくクラウドはこらからの時代になくてはならないサービスです。今後とも注目していきたいとおもいます。


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クラウド時代にそなえる - アップル「写真」アプリ(5)-





情報収集(取材)をしてブログなどに記事を蓄積していくとその後の情報処理のためのポテンシャル(潜在能力)が自然に高まります。

これはたとえばダム湖に水をたくわえるようなことです。ダム湖に水が日々集積していって水量がふえて水位が高くなればポテンシャルも高まり、将来的な放水量が確保されます。いますぐに水をつかわなくても必要なときに必要なだけつかうことができるようになります。水力発電所であれば必要な発電量が確保できます。放水とは、情報処理でいうと将来的なアウトプットにあたります。

したがって湖に水をためるようにブログなどに情報(ファイル)を地道に蓄積していくことが大切です。情報を蓄積していくことはポテンシャルを高めることになり、蓄積量が多い人ほど情報処理のポテンシャルは高くなるといえます。

またこのときの注意点は、ポテンシャルを決めるのは量であって質ではないということです。ダム湖がもつポテンシャルを決めるのは水量であって水質ではありません。情報はまず量をもとめ、そのあとで質をたかめるようにしなければなりません。この量から質への原則をまもることが大事です。

この原則に反して「まずは、質のたかい情報を厳選して」などとかんがえていると先にすすめません。



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取材法をつかって現場をとらえる - 取材法のまとめ -


取材法は情報処理の方法のひとつであり、現場を認識するために役立つ方法です。ある課題をめぐって大局をみたあとに取材法をつかって局所をつかむと、課題に関する本質にアプローチできます。

人がおこなう情報処理の観点から取材法とらえなおすと、情報収集はインプット、記録することはアウトプットにあたります。
150714 取材法
図1 取材法は情報処理の方法のひとつである  
 

■ 問題意識をもって情報処理をすすめる
取材をはじめるにあたって問題意識をあらかじめ鮮明にしておくことはとても重要なことです。

そして取材のかたよりをふせぐためには、関連分野ごとに汎用性のあるキーワードを記憶しておくとよいです。それぞれの分野ごとにそういったものがすでにできているとおもいます。自分の専門外の事柄については、最小限おぼえることによって最大限につかえる骨格となる知識を身につけておきます。


■ 泥くさく現場にくいこむ
取材活動をすすめるにあたっては、どこをどうほっつきあるけばよいか、どのように取材ネットをうてばよいかが問題になります。そのための原則として「探検の5原則」があります。
 
(1)360度の視角から
(2)飛び石伝いに
(3)ハプニングを逸せず
(4)何だか気にかかることを
(5)定性的にとらえよ

取材先に行ったらいきなり取材をしようとするのではなく、現地あるいは現場をブラブラとまずはぶらついてみます。

取材では、課題をめぐり泥くさくくいこみ、個別的に些細な事実を多角的にあつめていくのがよいです。いいかえると概論的理解にはしらないということです。聞き取りをこなう場合には相手に自由にかたってもらうことが一番大切です。

現地のニーズ調査をおこなう場合は、定性的な通常の取材活動をおこなってから、そのあとで必要に応じて質問紙法(アンケート調査)を実施するようにします。


■ その時その場をとらえる
観察したり聞き取ったり体験したことはその時その場でかならずメモをとるようにします。その時その場の記録の基本は「点メモ」とします。点メモとはごく簡単なメモであり、たった一字でも単語でも点々たる書き連ねでもよいです。記号化しても略号をつかってもよいです。

個体や個人を識別し、物事に名前をつけ記録することは観察をするどくする第一歩です。

また取材法は、取材のために特別に時間をとらなくても、毎日の生活や仕事のなかで実践することができます。


■ ブログをつかってアウトプットする
取材の結果を本格的にアウトプットするためにはブログあるいはフェイスブックを利用するとよいです。これによりデータ(情報)の永年保存ができ、またメッセージを他人につたえたり、情報の共有ができるようになります。

ブログをつかって記録していくとデータバンクが自動的に形成されてとても便利です。

データバンクのなかの記事を活用するために、得点主義にたった「多段ピックアップ」法をつかうと価値の高いデータ(情報)を迅速にひろいだすことができます。


■ 問題解決の第2段階目で実践する
取材法は情報処理の方法のひとつであり、これは問題解決の第2段階目でつかうとよいです。

問題解決では、まず第1に課題に関する全体像をつかんで、そのつぎに(第2段階目で)局所に切りこんでいきます。全体あるいは大局を見ないで、いきなり局所に入りこむと迷路にはまりこむ結果となります。まず大局をつかみ、つぎに局所をおさえてこそ問題解決はすすむのであり、そうすることによって課題をめぐる本質にもせまることができます。

150505 大局局所本質
図2 問題解決の3段階 



▼ 参考文献
川喜田二郎著『KJ法 渾沌をして語らしめる』中央公論社、1986年11月20日
KJ法―渾沌をして語らしめる 


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取材法は情報処理の方法のひとつであり、これは問題解決の第2段階目でつかうとよいです。

取材をしたことを、たとえばツイッターやフェイスブックやブログなどにアップロード(アウトプット)すれば情報処理としてはとりあえずは完結します。

しかし、それにとどまらず問題解決などのために取材法を積極的に活用していくとなおよいです。情報処理を無数に累積していくことが問題の解決につながります。

問題解決では、まず第1に課題に関する全体像をつかんで、そのつぎに(第2段階目で)局所に切りこんでいくのがよいです。全体あるいは大局を見ないで、いきなり局所に入りこむと迷路にはまりこむ結果となります。まず大局をつかみ、つぎに局所をおさえてこそ問題解決はすすむのであり、そうすることによって課題をめぐる本質にもせまることができます(図)(注1)。

150505 大局局所本質
図 問題解決の3段階モデル
 

このような問題解決のそれぞれの段階の内部で情報処理がくりかえされるのであり、この問題解決の3段階モデルからいうと取材法は第2段階目でとても役にたちます(注2)。

取材法では、多種多量の個別的データを並列的に処理することになります。そのためにはデータを取材したその時その場の空間をしっかり意識することがポイントになり、具体的には、その時その場の空間を記憶してボール(玉)のようにイメージできるようにするとその後の情報処理がすすみます。

このように取材法は、問題解決の構造のなかに位置づけて実践すると効果が一層あがるでしょう。


▼ 注1
全体を見て、部分を見ると、いままで以上に全体がよく見えてきます。

▼ 注2
最初の第1段階目では、大局をつかむわけですから大観法などが役にたちます。一方、第3段階目では、多種多量なデータを要約・統合することによって本質にせまるのであり、言語による確認と表現がなされます。「KJ法」は第3段階目で役立ちます。

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データバンクのなかの記事を活用するために、得点主義にたった「多段ピックアップ」法をつかうと価値の高いデータ(情報)を迅速にひろいだすことができます。

ブログに記事を書き、データバンクが形成されてくると記事のさらなる活用が可能になります。たとえば、あるテーマについて文章を書く、プレゼンテーションをする、問題解決のために活用するなど。

そのためには、目前の課題のために必要な記事(データあるいは情報)をたくさんの記事のなかから選択しなければなりません。時間・労力・予算などの制約条件のゆるす範囲内で最善の結果をえるようなデータの選択はどのようにすればよいか。

そのために「多段ピックアップ」という方法があります。これはデータを切りすてるのではなく、長所を見つけてひろいあげる方法です。時間的に速いだけでなく質的にみのりの多い結果がえられます。


たとえば約300件の記事があり、ここから約30件の記事を選択するとします。

  • まず、300件の記事の見出しを表示させます。見出しを順次よみながら、「これは価値が高い、ひろいたい」と感じたものに印をつけていきす。最初は200件ぐらいをえらびだします。
  • つぎに、それら印をつけた約200件の見出しだけを見て、さらにひろいたいと感じだものに印を順次つけていき、約100件をえらびだします。
  • つぎに、それら印をつけた約100件の見出しだけを見て、さらにひろいたいと感じだものに印を順次つけていき約50件をひろいあげます。
  • 最後に、本当に価値が高いと感じられたものを約30件ひろいあげます。

そして、これをつかって文章化なり口頭発表などをおこないます。

ひろいあげるときに、「なんだか気にかかる」からひろうようにし、「こういう理由からひろっておくべきだ」というように理づめにならないようにすることが大切です。

この「多段ピックアップ」法は、多数の文献のなかから重点的に精読したいものをえらびだしたい場合などにももちいることができます。情報量が非常に多い時代にあって、自分にとって価値の高い情報をえらびだすための有効な方法です。


そもそも選択の仕方には減点主義得点主義の2つの原理があります。

たとえばここに100件の記事があり、ここから30件の記事を選択することにします。

  • (A)減点主義:100件の記事を読みながら欠陥を見いだし、70件の記事を切りすてます。すると無傷の30件がのこります。
  • (B)得点主義:100件の記事を読みながら、価値が高く活用すべきとおもわれるものを30件ピックアップします。

(A)の減点主義は欠点をさがす姿勢でとりくむやり方であり、学校のペーパーテストや入学試験のようなものです。それに対して(B)の得点主義はよいところを見いだす精神でとりくむのであり、プラス思考の行為を発展させます。

減点主義と得点主義とでは心の姿勢がまったくことなることに注意してください。情報の活用や問題解決という観点からは「多段ピックアップ」のような得点主義(プラス思考)にたった方がうまくいきます


▼ 参考文献
川喜田二郎著『KJ法 渾沌をして語らしめる』中央公論社、1986年11月20日
KJ法―渾沌をして語らしめる 

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取材の結果をブログをつかって記録していくとデータバンクが自動的に形成されてとても便利です。

かつて、データカードに取材の結果を記録していたときは、カードが大量にたまってくると、どうファイルし、保存し、検索し、利用するかという問題が発生していました。そのためにさまざまな工夫をしてデータバンクのシステムをつくっていました。

しかし現代では、ブログやその他のアプリあるいはインターネットが開発されたためにこれらの問題は解消されました。ブログは、データの保存・分類・検索などの機能をかねそろえたデータバンクのシステムとして利用できます。データの共同利用もできます。本当に便利な時代になりました。

したがって、あまりむずかしいことはかんがえずに、本を読んだり、どこかへでかけたり、人に会ったりして取材したことはどんどん記事にしてアップロード(アウトプット)していくのがよいでしょう。

なお、ブログの分類項目やタグクラウド(注)をつくるときには、まず、そのブログ全体の課題(テーマ)を明確にし、そのサブテーマ的なものを大項目主義で分類項目やタグクラウドにするとよいです。課題が不明確なままで、しかもこまかい分類をはじめると迷路にはまりこみ、せっかくのブログの機能がつかいこなせなくなります。


▼ 注
タグクラウド (tag cloud)とは、各記事につけたタグ(目印)をリスト化して表示し、その出現頻度をフォントサイズなどによって視覚的にあらわす仕組みです。

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取材の結果を本格的にアウトプットするためにはブログあるいはフェイスブックを利用するとよいです。これによりデータ(情報)の永年保存ができ、またメッセージを他人につたえたり、情報の共有ができるようになります(注1)。

ブログは「見出し」(タイトル)、「本文」、「日付」などから構成されます。

見出しは一般的には本文を書いてからつけます。日付は自動的にあるいは手動で設定できます。


■ 本文を書く
本文にどれだけの範囲のことをひとまとまりとしてもりこむか、この要領が大切です。通常は、これ以上細分するとわかりにくくなるという1つの主題のことがらを1単位にして記載します。1単位の記事にはかならず1つの主題がつきます。1単位は文章の長短ではありません。

ブログの本文(1記事)は文章でいうと段落あるいは節に相当します。たとえば「点メモ」から単文ができた場合、いくつか単文があつまって段落ができるという文章化の仕組みが参考になります(注2)。 

本文は、20年後の自分が読もうが、誰が読もうが疑問の余地なくひとつの意味にしかとれないように書きます。情報が不確かな場合は「・・・らしい」「・・・かもしれない」などと確からしさの度合いも忠実にしるします。

取材をした場所についても記録しておきます(注3)。地名については、他人が見てもわかるように県名や郡名・市名なども記載します。とくに外国の場合は国名と共に県や郡や地区も書き、できればローマ字表記も付します(注4)。

情報源(データの出所)についても記載します。誰から聞いたのか、あるいは引用資料があれば明記しなければなりません。

このように、本文とあわせて日付・場所・情報源ものこしておくことが必要です。

なお本文の欄には写真や図をはりつけてもよいです。


■ 見出し(タイトル)をつける
見出し(タイトル)は本文を書いてからつけるのが一般的です。

見出しは本文の内容を要約・圧縮したものです。その見出しを見ただけで本文を読まなくてもその内容の察しが瞬時につくように内容を正確に圧縮しなければなりません。そのためには項目的な単語や熟語の単なる羅列よりも、みじかくとも文章的なものの方が中身そのものがわかりやすくなります。

1つの見出しに圧縮できない場合にはどうするか。その場合は内容が1単位になっていないわけですから、2つ以上の記事(本文)に分けなければなりません。1記事に対し1見出しになるように本文を細分する必要があります。


▼ 注1
データ(情報)の永年保存と活用のために、「データカード」あるいは「京大型カード」というものがかつてはつかわれていました。現代ではカードはつかいませんがその原理は今でも有効であり応用が可能です。1枚のカードがブログの1記事になるようにアウトプットをすすめればよいのです。

▼ 注2
「点メモ」をもとにして本文を書く場合は、1つの「点メモ」すなわち1個の「体験の玉」が1記事(本文)になる場合もありますし、いくつかの「点メモ」すなわちいくつかの「体験の玉」があつまって1記事になる場合もあります。そもそも「体験の玉」が情報のひとかたまり(1単位)であったのですから、「体験の玉」がいくつかあつまった場合はより高次元の1単位ができるということになります。この後者の場合は、情報の階層構造が形成されていく第一歩とかんがえてよいです。

▼ 注3
取材をした日とブログに記事をアップロードする日とは一般的にはことなります。取材をしたその日のうちにブログにアップするのは時間的に無理なことが多く、取材をした日から数日〜数週間後、場合によっては数ヵ月後にアップすることもあります。ブログに表示される日付はアップした日に通常はなりますので、実際に取材をした日はカレンダーなどに別途記録しておくようにします。

▼ 注4
データ(情報)を取得した場所をしっかりおぼえて、その空間をおもいだしてイメージできるようにしておくと情報処理のためにとても役立ちます。

▼ 参考文献
川喜田二郎著『KJ法 渾沌をして語らしめる』中央公論社、1986年11月20日
KJ法―渾沌をして語らしめる 

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取材法は、取材のために特別に時間をとらなくても、毎日の生活や仕事のなかで実践することができます。

たとえばつぎのような意見があります。
「取材が重要だとわかっていても、いそがしくてそんなことをしている暇はありませんよ」

今日、時代は情報化へと移行しました。情報処理をすすめるうえで取材活動は大切であり、取材の重要性に目覚めるべきです。

しかし同時につぎの着眼も大切です。すなわち多忙にはたらいている毎日の仕事や生活の場こそ取材の機会を提供する絶好の機会であるということです。つまり、取材のための時間を特別にとらなくても、毎日の生活や仕事そのものから取材ができるわけです。あるいは何らかの事業をすすめながらその事業それ自体から取材をすることができるのです。

このときに「点メモ」が役立ちます。点メモをつかった取材でしたらいつでもどこでも簡単にできます(注1)。

たとえば、スマートフォンのメモアプリと音声文字変換アプリなどをつかって、日付けとともに点メモを記録します。そして週末などの時間のあるときに、それらをみなおしながら文章化をするという方法が推奨できます(注2)。

何でもかんでも記録するというのではなく、基本的には、ハッとしたことだけを記録するようにすればよいでしょう。


▼ 注1
点メモをつけるときには「体験の玉」をイメージすることが大切です。

▼ 注2
点メモをつかった記録法はあくまでも取材の方法であり、その時その場で記録するのがポイントです。夜になってその日一日をふりかえって自分の心の内などを書きしるす日記とはちがう点に留意してください。

▼ 追記
点メモをつかって、毎日の生活や仕事の場で取材をする方法は「アクションリサーチ」とよばれる分野・方法に発展させることができます。

▼ 参考文献
川喜田二郎著『KJ法 渾沌をして語らしめる』中央公論社、1986年11月20日
KJ法―渾沌をして語らしめる 

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点メモは、点・点・点・・・と関連のある事柄が一列のつながりになるように時系列でメモするようにします。そうしておくと文脈的な連想がはたらき、全体を肉づけしておもいだしやすくなり、まとめの記録もつくりやすいです。

点メモが時系列にストーリーをなしてならぶと、連合してあるひろがりをもった領域として想起できるというわけです。情報のひとかたまりあるいは体験の玉(球)がつらなっておもいだせます。

しかし、その時その場でつけた点メモはしばらく時間がたつと、いったい何を意味した記録だったのかわからなくなることがあります。ごく簡単なメモは、長持ちしないことへの恐怖がつきまといます。

またこのような点メモは自分がわかればよいですが、よりすすんだ記録は他人が見てもわかるように記載されていなければなりません。

そこで、点メモをもとにしてメモの清書化(文章化など)をおこない、まとめの記録をつくります。点メモを要領よく時系列につけておけば、すくなくとも一週間以内ならそれらに正確に肉付けをして清書化(文章化)できます。

誰のための清書化かを明確にして、そのユーザーにとって疑問の余地なくひとつの意味にしかとれない明晰な表現をすることが大切です(注)。


▼ 参考文献
川喜田二郎著『KJ法 渾沌をして語らしめる』中央公論社、1986年11月20日
KJ法―渾沌をして語らしめる 

▼ 注
点メモをもとに文章化してアウトプットするための手段として Twitter を利用するのもひとつの方法です。

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観察したり聞き取ったり体験したことはその時その場でかならずメモをとるようにします。

その時その場でとった記録の新鮮さこそデータの生命です。あとでおもいだして書くと鮮度ががたおちになります。取材期間がながいほどこのことが重要になってきます。

その時その場の記録の基本は「点メモ」とします。点メモとはごく簡単なメモであり、たった一字でも単語でも点々たる書き連ねでもよいです。記号化しても略号をつかってもよいです。

何かを見たり聞いたり体験したら、そのひとまとまり(ひとかたまり)をボール(玉)のようにイメージし、その要点をメモするようにします。情報や体験をうまく区切ってひとまとまりの単位をつくるのがポイントです。

150722b 球
図1 情報のひとまとまり(1個玉)に対して
1点の点メモをつける(玉を上からみた図)


点メモとは情報の本体ではなく、情報の本体(体験の玉)にはりつけられた見出しあるいはラベルであることに注目してください(図2)。

150722 点メモとの玉
図2 点メモは、情報の本体(体験の玉)の見出し
あるいはラベル(表面構造)である(玉を横からみた断面図)


このような技術をもちいると、あとで、点メモを見ただけでその時の体験(情報の本体)を瞬時におもいおこすことができます。

点メモの利点はつぎのとおりです。

  • ハッと印象づけられたその時その場でパッと書ける。
  • あるきながらでも電車の中でも机のないところでもかける。
  • 記録をしつつも対象から目をはなさないでいられる。
  • 対象にいっそう注意がむけられる。
  • 観察眼がするどくなる。
  • 相手のいわんとする意味に耳をかたむけられる。
  • 相手の話の腰をおることがない。
  • 突然うかんだアイデアもメモできる。

点メモはつぎの順で練習するとよいです。ハッと気がついたときにすぐ点メモする。これが修業の根本です。

  1. 自分のおもったことを点メモしてみる。
  2. テレビや DVD を見ながら点メモする。
  3. 会議などで他人の発言を点メモする。
  4. 見知らぬ人をたずねて面接をしながら点メモする。
  5. 多忙な応接や活動のなかで点メモする。

点メモをつけたら、あとで時間をとって清書をし、まとめの記録(恒久的な記録)をつくります。記録は、その時その場の記録と恒久的な記録の二段階でおこなうことになります(注)。


▼ 参考文献
川喜田二郎著『KJ法 渾沌をして語らしめる』中央公論社、1986年11月20日
KJ法―渾沌をして語らしめる 

▼ 注
点メモにしろ恒久的な記録にしろ、情報処理の観点からはいずれもアプトプットであることに留意してください。それに対して、情報のひとかたまり(体験の玉)をイメージするのはプロセシングにあたります。

150729 点メモ
図3 体験の玉をイメージするのはプロセシング、
点メモをつけるのはアウトプット


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個体や個人を識別し、物事に名前をつけ記録することは観察をするどくする第一歩です。

たとえば、京都大学を中心とする日本のサル学者たちは、一匹ずつのサルの顔や体つきをおぼえ、一匹ずつに名前(固有名詞)をつけて識別しました。このやり方は「個体識別」とよばれます。

この「個体識別」による観察法によって、それまでの漠然たる集団観察ではなく、一匹ずつについてするどく観察がおこなえるようになり研究が飛躍的にすすました。

個体識別は、たとえばサルの親子関係・家族関係、ボスザルの存在、サルの順位など、サルとサルの間のさまざまな関係をあきらかにしていきました。このような座標軸的知識が個体識別によって形成され、またその座標軸的知識のおかげで、個体識別がますますやりやすくなるという仕組みがありました。

相手が人間の場合でもまったく同様なことができます。取材現場にいったら、現地の人々の顔と名前を徹底的におぼえます。この場合は「個人識別」といった方がよいでしょう。

物や事柄についても同様で、名前とともにそれらをおぼええることがするどい観察にとり大切な第一歩になります。現場の固有名詞をおぼえることはよいデータを得やすくします。現地あるいは現場の人とともにその現場をあるきまわって、片っ端から名前をたずれるのがよいでしょう。その場で正確な名称がわからない場合は、仮の名やニックネームをとりあえずつけておいて、知っている人や専門家などにあとできくようにします。

記録の方法としては、デジタルカメラやスマートフォンをつかって写真あるいばビデオをとっておくとよいです。特にビデオをつかうと、映像をとりながら名前や説明は音声で同時に記録(録音)することができるのであとでわかりやすいです。最近はビデオで簡単に撮影できるようになりましたので記録のためにつかうと便利です。


▼ 参考文献
川喜田二郎著『KJ法 渾沌をして語らしめる』中央公論社、1986年11月20日
KJ法―渾沌をして語らしめる 

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広瀬浩二郎著『触る門には福来たる』は「見えないことで観える」体験記・旅行記です。人間の感覚器官をフルにつかって認識をすることが大事であることをおしえてくれます。

著者の広瀬浩二郎さんはおさないころから弱視で、13歳のときに視力を完全にうしなったそうです。その後、京都大学文学部国史学科、同大学大学院などをへて、現在は、国立民族学博物館の准教授をされています。

わたしは先日、国立民族学博物館を見学していたときに広瀬さんの講演会がたまたまあったので聞きにいき、大きな感銘をうけ、その後、広瀬さんの本をほとんどすべて読んでみました。
 

目 次
究める めざせ座頭市!
歩く 広瀬流「地球の歩き方」
触る よく触り、よく学ぶ
食べる 口は目ほどに…!?
喋る 大風呂敷を広げてみよう
動く 「バリア・フリー」から「フリーバリア」へ


広瀬さんは、視覚以外の感覚を総動員してさまざまな物をそして周囲を世界を認識しています。

情報処理の観点からいうと、感覚とは、人間(あるいは動物)が外界から内面に情報をとりいれることつまりインプットすることであり、感覚器官はそのための道具です。

わたしたち生物は、感覚器官をつかって外部から内面に情報をとりいれ、その信号を処理して物や空間などを認知しています。わたしたちの意識のなかでは不思議なプロセシングがおこっています。

それぞれの感覚は各動作とむすびついていて、それらの対応関係はたとえば次のようになっています。
 
  • 歩く:筋肉感覚、その他
  • 触る:皮膚感覚
  • 食べる:味覚や嗅覚
  • 喋る:聴覚
  • 動く:筋肉感覚、その他

本書をよむと、広瀬さんは、すべての感覚を大きくひらいて、うけとれるあらゆる情報を活用しながら認識をすすめていることがわかります。こうすることによって情報処理がすすみ、直観力もみがかれます。

他方で、わたしたちはどうかというと、学校の知識つめこみ教育の影響もあって、聴覚的な言語を通して情報をとりいれることに極端にかたよりすぎているのが現状です。本来は、あらゆる感覚をつかって情報をとりいれて、それらを総合して認知しなければいけないのに、言語をインプットして理屈でわかったような気になってしまうことに慣れきってはいないでしょうか。

わたしたちは、みずからの情報処理の仕組みをとらえなおし、もっている感覚のすべてを大きくひらく訓練をあらためてしなければならないでしょう(図)。

150720 感覚
 図 感覚をひらく訓練をする
 


▼ 関連記事
インプットを自覚する -「ユニバーサル・ミュージアム ― さわる!“触”の大博覧会」(国立民族学博物館)-

▼ 引用文献
広瀬浩二郎著『触る門には福来たる 座頭市流フィールドワーカーが行く!』岩波書店、2004年6月4日
触る門には福来たる―座頭市流フィールドワーカーが行く!

▼ 広瀬浩二郎さんの著作




取材で聞き取りをこなう場合には相手に自由にかたってもらうことが一番大切です。

聞き取り調査など、取材をするためには他人の協力が必要なケースが実に多いです。したがって取材をめぐる礼儀をこのうえなく大切にしなければなりません。

これを踏まえて、自由にかたってもらうために次のような手順をふむとよいです。

  • あいさつをし自己紹介をします。
  • どんな目的で訪問したのか来意をのべます。
  • 調査項目を図解化したものをあらかじめつくっておき、それをとりだして相手にみせ、何を知りたいのか説明します。視覚的方法をもちいるのがよいです。
  • あとは相手に自由にかったってもらいます。
  • くつろいだ雰囲気をつくります。
  • 調査項目から脱線したようにおもえる話を相手がしてもそのまま話の流れにまかせます。
  • 相手の話によく耳をかたむけ、適切に相槌をうちます。
  • 話しながら連想的に話題が発展するようにします。
  • 質問を時折するのもよいです。
  • 耳をかたむけつつ話の内容をメモします。
  • 話がおわったらお礼をいいます。
  • 「こういうお話しをきかせてもらえる適任の人がほかにもありましたら、ご紹介いただけませんか」とたずねて飛び石伝いに聞き取り調査を展開していくのもよいです。

話題を提供したうえで「自由にかたってください」という方法をとると人間はよろこんでこたえてくれます。自由にかたれるときにはかたりたいという衝動が相手にもちあがります。

情報提供者が自由にはなしたくなるような状況をもうけることが大切です。


▼ 参考文献
川喜田二郎著『KJ法 渾沌をして語らしめる』中央公論社、1986年11月20日
KJ法―渾沌をして語らしめる 

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取材では、課題をめぐり泥くさくくいこみ、個別的に些細な事実を多角的にあつめていくのがよいです。いいかえると概論的理解にはしらないということです。

このような意味では、村などの現地で聞き取り調査をするときには、体系的に解説をしたがる村のインテリよりも、バラバラに経験的知識をのべてくれる子供・女性・老人などの方がインフォーマントとしてすぐれているといえます。

具体的には、現地の人々に質問をする場合「たとえばどういうことがありましたか?」と実例をきくようにします。現在形できくよりも過去形できいた方が実際にあった事実のデータをえやすいです。

そもそも課題(問題解決)にとりくむ場合、その過程には段階があり、最初の段階では大局をみるようにしますが、第2段階目では局所に入りこむようにします。全体あるいは大局を短時間で一気にみる段階・方法と、局所にはいりこみ取材をする段階・方法とはことなります。

取材法は、問題解決の第2段階目で有効な方法であり、これをふまえて問題解決の第3段階(最終段階)では、全体像と個別的データとをくみあわせて本質にせまることになります。

したがって取材では、概論的理解に甘んずることなく、具体的個別的な情報に接近することが大切です。泥くさい個別データの集積こそ、月並みな公式的見解を打破して真相にせまるための糸口を提供することになります。


▼ 参考文献
川喜田二郎著『KJ法 渾沌をして語らしめる』中央公論社、1986年11月20日
KJ法―渾沌をして語らしめる 

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取材のかたよりをふせぐためには、関連分野ごとに汎用性のあるキーワードを記憶しておくと役にたちます。それぞれの分野ごとにそういったものがすでにできているとおもいます。

キーワードは取材先でメモをとるときにも必要になってきます。

またチェックリストを分野ごとに用意しておくことも観察のもれおちをふせぐために役立ちます。

たとえば人間を観察する場合にはつぎのような着眼点を用意しておきます。

 (1)どんな行動か
 (2)どんな状況で
 (3)誰が
 (4)誰を、もしくは何を何に
 (5)何をもちいて
 (6)何のために
 (7)結果はどうだっか

あらかじめ調査項目を図解にしておくのも有効です。大項目主義の大ざっぱなものでかまいません。最初の調査項目はこまかくなりすぎない方がよいです。


▼ 参考文献
川喜田二郎著『KJ法 渾沌をして語らしめる』中央公論社、1986年11月20日
KJ法―渾沌をして語らしめる 

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現地のニーズ調査をおこなう場合は、定性的な通常の取材活動をおこなってから、そのあとで必要に応じて質問紙法(アンケート調査)を実施するようにします。

取材活動の分野には、現地の人々が何を必要としているか、現地のニーズをつかむための調査があります。ボランティア活動などをおこなう前にかならずしなければならない調査です。

このときにも現場にはいったらぶらつきをまずおこない、それから「探検の5原則」にしたがって取材を徐々にすすめていきます。

取材は、現場の人々と雑談をするようなところからはじめるのがよいのであって、無味乾燥な質問紙法をいきなりおこなうのはよくありません。

定性的な取材活動をおこなってその判断の上にたって、必要があれば質問紙法を実施して今度は定量的に処理するのが正攻法です。おもいつきの質問に対して「はい」「いいえ」「その他」などと回答枠を決めて現地の人々にこたえさせても本当のニーズをつかむことはできません。

ニーズ調査をすすめる場合にはとくに留意しなければならない重要な問題です。


▼ 参考文献
川喜田二郎著『KJ法 渾沌をして語らしめる』中央公論社、1986年11月20日
KJ法―渾沌をして語らしめる 

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取材活動をすすめるにあたっては、どこをどうほっつきあるけばよいか、どのように取材ネットをうてばよいかが問題になります。民族地理学者の川喜田二郎はそのための原則として「探検の5原則」(注)をうちだしました。

テーマ(課題)をめぐって以下の原則にしたがって取材をすすめるようにします。これを意識するだけでも取材は確実にすすみます。


(1)360度の視角から
(2)飛び石伝いに
(3)ハプニングを逸せず
(4)何だか気にかかることを
(5)定性的にとらえよ
 

(1)360度の視角から
360度の視角から多角的に取材をせよという原則です。これにしたがって個別的で些細な事実を多角的にあつめるようにします。するとデータに多様性が生じ、その後の判断にあやまりが生じにくくなります。

これに反して、すぐに解決策にはいろうとして「きっとこうだろう」と臆断し、その角度からのみ取材をすると失敗します。

このような観点からは取材の最初の段階では特定の仮説にはとらわれないようにします。仮説にとらわれると視野がせまくなりあらたな素材、意外な発見がえられなくなります。仮説があってもまずはそれにはとらわれずに取材をすすめることが大切です。


(2)飛び石伝いに
自分の身近なところから次第に遠いところへ、計画的に飛び石伝いに取材をしていきます。

すでにもっている情報をおもいだすことからはじめて、つぎに間接情報にあたり、そして現場での直接取材にはいります。現場で取材をしていると「そういうことだったら○○さんに聞いてください」というようにあらたな情報提供者を紹介されることもあります。

こうして取材範囲を徐々にひろげていきます。


(3)ハプニングを逸せず
問題意識をつよくいだいていると意外な情報がたまたまとびこんでくることがよくあります。こういうハプニングを逸しないようにします。ハプニング情報にたすけられることはとても多いです。

人類の大きな発見・発明にハプニングによるものが多いです。

ハプニングを逸しないためには、予定や計画にあまりとらわれすぎないこと、つねに心がひらかれていること、ハプニングで得た情報をすかさずメモすることが大切です。


(4)何だか気にかかることを
役立つかどうかはわからないが、何だか気にかかるという情報はとにかくデータとしてとりこんでおきます。これはハプニングの問題とも関係がふかい原則です。

理屈ではない臭覚にも似た能力が人間にはあり、この能力の方が理性よりもはるかに先行して必要な情報をかぎつけます。わたしたちは本源的には、自分をとりまく全体状況を全体として感じとる能力をもっています。

理由のいかんを問わず何だか気にかかることもかならずメモしておきます。


(5)定性的にとらえよ
取材活動では定性的データをまずはとれという原則です。いいかえると、定量的データを計測するのはあとまわしにせよということです。定性的データとは言葉で記載されるような情報のことであり、定量的データとは数値であらわされる情報のことです。

上記の第1原則から第4原則を実践するためにはまずは定性的でなければなりません。最初から計測にこだわると計測にひっかかるデータ、計測しやすいデータだけをあつめることになりかたよりが生じてしまいます。

実際には、仮説を発想するまえの段階ではおもに定性的でなければならず、その後の仮説を検証する実験の段階では定量的にとらえることが多くなるのです。


▼ 注:引用文献
川喜田二郎著『KJ法 渾沌をして語らしめる』中央公論社、1986年11月20日
KJ法―渾沌をして語らしめる 

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取材先に行ったらいきなり取材をしようとするのではなく、現地あるいは現場をブラブラとまずはぶらついてみるのがよいです。

気のむくままに現場をぶらついて全体的な状況のなかに身をおき、すべての感覚をはたらかせて現場を感じてみます。このぶらつきによって課題をめぐる背景に体験的にふれることができます。

その背景は、その後の取材でえられる情報(データ)を配置し位置づけるための空間としても活用できます。

このようなぶらつきという原体験があってこそ、その後の取材はうわすべりせず地に足がついた活動になります。

これは、文献やウェブサイトをつかって事前に情報収集をしたり、予備調査をして言語や理屈で対象をとらえるのとはまったくことなる行為です。

現場にはいったらまずぶらつきをして全体を感じてみて、それから個々の取材活動にはいるようにするとよいでしょう。


▼ 参考文献
川喜田二郎著『KJ法 渾沌をして語らしめる』中央公論社、1986年
KJ法―渾沌をして語らしめる

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