発想法 - 情報処理と問題解決 -

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カテゴリ: 問題解決


単純明快な世界モデルをつかって、ユーラシア大陸の文明について解説しています。


東と西のあいだ
東の文化・西の文化
文明の生態史観
真文明世界地図 - 比較文明論へのさぐり
生態史観からみた日本
東南アジアの旅から - 文明の生態史観・つづき
アラブ民族の命運
東南アジアのインド
「中洋」の国ぐに
タイからネパールまで - 学問・芸術・宗教
比較宗教論への方法論的おぼえがき


「東南アジアの旅から - 文明の生態史観・つづき」のなかに掲載されている模式図Aとその解説を引用しておきます。

140718a


全旧世界を、横長の長円であらわし、左右の端にちかいところで垂直線をひくと、その外側が第一地域で、その内側が第二地域である。

第一地域の日本と西ヨーロッパは、はるか東西にはなれているにもかかわらず、その両者のたどった歴史の型は、ひじょうによくにている。両者の歴史のなかには、たくさんの平行現象をみとめることができる。

旧世界の生態学的構造をみると、たいへんいちじるしいことは、大陸をななめによこぎって、東北から西南にはしる大乾燥地帯の存在である。

第二地域のなかには、四つの大共同体  — あるいは世界、あるいは文明圏といってもよい — にわかれる。すなわち、(I)中国世界、(II)インド世界、(III)ロシア世界、(IV)地中海・イスラーム世界である。いずれも、巨大帝国とその周辺をとりまく衛星国という構造をもっている。

こんな簡単な図で世界の歴史がわかるのかとおもう人がいるかもしれませんが、これがわかるのです。著者が、ユーラシア大陸を模式図(モデル)としてあらわしてくれたために直観的に理解できるのであり、心のなかの言語領域ではなく視覚領域でとらえることができます。理解の仕組みについて注意する必要があります。このようなモデル(模式図)をおもいつけるのはさすがとしかいいようがありません。

そこで、この世界モデルをまずは記憶して、もっとくわしく知りたい部分があれば、地理書や歴史書にあたればよいです。モデルはつかうものです。こうすれば、大量の情報を目の前にしても臆することなく、情報のジャングルでまようこともありません。
 

■ 仮説の発想と検証
本書で著者は、各論文の前にくわしい解説を付しているので、研究・思考の過程が時系列でとらえられます。

1955年、パキスタンおよびインドを旅行し、比較文明論への目をひらかれました。

1年後(1956年)に「文明の生態史観」を書きました(仮説を発想しました)。

1957年11月〜翌年4月、東南アジアを旅行し、「文明の生態史観」における東南アジアの位置づけをしました。

1961年すえ、東南アジアからインド亜大陸を旅行し、さらにデータをあつめました。

日本に帰国しているときは、研究会で検討したり、資料・文献にあたりました。

以上によると、著者は、1956年に仮説を発想したことになります。

調査(情報収集)には、仮説発想のための調査と、仮説検証のための調査の二種類があります。

仮説発想のためには、課題を明確にし、固定観念にとらわれずに、幅広く情報をあつめます。一方、仮説検証のためには、推論をし、目標を明確にして、仮説を補強するデータをあつめます。仮説を補強するデータがあつまれば仮説の確からしさは高まり、仮説を否定するデータがあつまった場合は仮説を立てなおします。両者で、調査の姿勢は大きくことなり、両者の方法をつかいわけることがポイントです。膨大な情報を相手にするときの方法として参考になります。

ところで、著者の生態学を基礎とした生態史的研究方法は、川喜田二郎がもちいた方法とおなじです。梅棹忠夫と川喜田二郎はともに自然学者・今西錦司の弟子であり、二人とも、京都大学の今西研究グループのメンバーでしたのでそうなったのでしょう。


文献:梅棹忠夫著『文明の生態史観』(中公文庫)中央公論社、1974年9月10日

『素朴と文明』第三部では、現代は漂流していることを指摘し、文明の問題点をあきらかにしたうえで、その解決の鍵は「創造」と「参画」にあることをのべています。

第三部の目次はつぎのとおりです。

第三部 地図と針路
 1 文明の岐路
 2 カギは創造性と参画にある

第三部の要点を書きだしてみます。

現代は漂流しているのである。その現代が荒海を航海するには、まずもって地図を試作しなければならない。

文明はもともと素朴から生まれてきたものだ。それなのに、その文明は素朴を食い殺しつつあり、それによって文明自体が亡ぶ。そういう危惧が多分にあるということである。

私の意味する生態史的パターンでは、高度に洗練された精神文化や社会制度までそれに含めているのである。例えばアジアの前近代的文明においても、これらの文明を文明たらしめている中核には、ぶ厚い伝統をなして流れている「生きる姿勢」の伝統がある。これはまた「創造の姿勢」につながっているのだ。それは、特に高等宗教に象徴化されて現れてくる。

解決の鍵は「創造」にあると思う。

第一段階 渾沌。
第二段階 主客の分離と矛盾葛藤。
第三段階 本然(ほんねん)。
これはひとつの問題解決のプロセスなのであるが、それはまた私が強調してきた創造のプロセスでもある。

今日の最大の災厄は、自然と人間の間に断層が深まり、同時に伝統と近代化の間に断層の深まりつつあることなのである。これを乗りこえ、調和の道へと逆転させるしか活路はない。そうしてその鍵は「創造性」を踏まえた「参画」に存すると確信する。


以上を踏まえ、以下に、わたしの考察をくわえたいとおもいます。

1.生態系とは〔人間-文化-環境〕系のことである
著者は、文化の発展段階をとらえるために生態史的アプローチを採用しています。生態史の基盤となるのは生態系であり、それは、主体である人間と、人間をとりまく自然環境とからなっているシステムのことです(図1)。

140713 人間-文化-自然環境系

図1 人間-自然環境系


このシステムにおいて、人間と自然環境とは、やりとりをしながら相互に影響しあい、両者の相互作用のなかから文化(生活様式)を生みだします。この文化には、人間と自然環境とを媒介する役割が基本的にあり、文化は、自然環境と人間の境界領域に発達し、その結果、人間-文化-自然環境系が生まれます(図2)。

140713b 人間-文化-自然環境系

図2 人間-文化-自然環境系




2.文化には構造がある
この 人間-文化-自然環境系における文化をこまかくみていくと、文化には、技術的側面、産業的側面、制度的側面、精神的側面が存在し、これらが文化の構造をつくりあげます(図3)。

140713 文化の構造
図3 文化の構造


図3において、技術的な文化は自然環境に直接し、精神的な文化は人間に直接しています。自然環境にちかいほどハードな文化であり、人間にちかいほどソフトな文化ともいえます。

文化のそれぞれの側面が発達するにつれて、たとえばつぎのような専門家が生まれてきます。

 技術的側面:技術者など
 産業的側面:経営者など
 制度的側面:政治家など
 精神的側面:宗教者など



3.現代の文化は、グローバル社会をめざして発展している
著者が発想した「文化発展の三段階二コース」説とはつぎのとおりでした。

〔素朴文化〕→〔亜文明あるいは重層文化〕→〔前近代的文明→近代化〕


この説において、「亜文明」とはいいかえれば都市国家の時代のことであり、「前近代的文明」とは領土国家の時代のことです。したがってつぎのように整理することもできます。

〔素朴社会〕→〔都市国家の時代〕→〔領土国家の時代〕


そして、現在進行している「近代化」とはいいかえればグローバル化のことであり、領土国家の時代からグローバル社会の時代へと移行しつつある過程のことです。

〔素朴社会〕→〔都市国家〕→〔領土国家〕→〔グローバル社会〕


つまり現代は、領土国家の時代からグローバル社会の時代へ移行する過渡期にあたっているわけです。

なお、都市国家の時代から領土国家の時代へ移行したことにより都市が消滅したわけではなく、領土国家は都市を内包しています。それと同様に、グローバル社会に移行しても領土国家が消滅するということではなく、グローバル社会は領土国家を内包します。ただし国境は、今よりもはるかに弱い存在になります。

以上を総合すると、次の世界史モデルをイメージすることができます。

140716c 世界史モデル
図4 世界史モデル



4.文化は、ハードからソフトへむかって変革する
上記の発展段階(文化史)において、前の段階から次の段階へ移行するとき、大局的にみると、まず「技術革命」がおこり、つづいて産業の変革、そして社会制度の変革、精神文化の変革へとすすみます。つまり文化は、ハードからソフトへむかって順次変革していきます(図3)

たとえば、都市国家の時代から領土国家の時代に移行したときは、鉄器革命という技術革命からはじまり、産業の変革、社会制度の変革へとすすみ、最終的に、精神文化の変革により いわゆる高等宗教が出現・発達しました。

この「ハードからソフトへ文化は変革する」という仮説を採用した場合、グローバル社会へとむかう現代の変革(グローバル化)の道筋はどのように類推できるでしょうか。

それはまず工業化が先行しました。その後、いま現在は情報化がすすんでいて、情報技術がいちじるしく発達、つまり情報技術革命が伸展しています。それにともなって産業の変革・再編がおこっています。しかし、法整備などの社会制度の変革はそれにまだおいついておらず、これから急速に整備されていくものとかんがえられます。

そして、変革の最後にはあらたな精神文化の構築がおこると予想されます。グローバル社会の精神文化は、領土国家の時代の いわゆる高等宗教の応用で対応できるといったものではなく、人類がはじめて経験するグローバル文明に適応する、あたらしい精神文化がもとめられてくるでしょう



5.生きがいをもとめて - 創造と参画 -
あたらしい精神文化の構築において「創造」と「参画」が鍵になると著者はのべています。

グローバル化の重要な柱が高度情報化であることを踏まえると、創造とは、すぐれた情報処理ができるようになることであり、よくできたアウトプットがだせるようになることです。そのためには、人間は情報処理をする存在であるととらえなおし、人間そのものの情報処理能力を開発することがもとめられます。

また、参画とは社会に参画することであり、社会の役にたつこと、社会のニーズにこたえる存在になることです。具体的には、お金をもらうことを目的としないボランティア活動などがこれにあたります。

情報処理能力の開発とボランティア活動は、近年急速に人々のあいだにひろまりつつある現象です。

したがって、第一に、みずからの情報処理能力を高め、第二に、自分の得意分野で社会の役にたつことが重要であり、これらによって、生きがいも得られるということになります。そこには、解き放たれた ありのままの自分になりたいという願望がふくまれています。

このように、来たるグローバル社会では、精神文化としては生きがいがもとめられるようになり、「生きがいの文化」ともいえる文化が成立してくるでしょうこれは価値観の転換を意味します

領土国家の時代は、領土あるいは領域の拡大を目的にしていたので、そこでは、戦いに勝つ、勝つことを目的にする、生き残りをかけるといったことを基軸にした「戦いの文化」がありました。たとえば、国境紛争、経済戦争、受験戦争、自分との戦い、コンクールで勝つ、戦略が重要だ、成功体験・・・

しかし、来たるグローバル社会の文化は、領土国家の時代のそれとはちがい、原理が根本的にことなります。

情報処理能力を高めるためには、まず、自分の本当にすきな分野、心底興味のある分野の学習からはじめることが重要です。すると、すきな分野はおのずと得意分野になります。そして、その得意分野で社会の役にたつ、ニーズにこたえることをかんがえていくのがよいでしょう。


文献:川喜田二郎著『素朴と文明』(講談社学術文庫)講談社、1989年4月10日

本書第二部では、第一部で発想された仮説「 文化発展の三段階二コース」説を日本史のデータをつかって検証しています。

第二部の目次はつぎのとおりです。

第二部 日本誕生 - 生態史的考察 -
 序 総合的デッサンの試み
 1 北方からの道
 2 水界民のなぞ
 3 農業への道と日本
 4 倭人の日本渡来
 5 渡来倭人の東進北進
 6 騎馬民族倭人連合南方渡来説
 7 日本到来後の古墳人
 8 中国文明とは何か
 9 朝鮮半島の古代文化地図
 10 白村江の意味するもの
 11 日本の知識人は島国的
 12 水軍と騎馬軍との結合で中世へ
 13 重層文化の日本
 14 半熟に終わった日本文明

要点を書きだすとつぎのようになります。

旧石器時代の後期から少なくとも縄文前期ぐらいにかけては、圧倒的に北の文化が南下する流れが優勢だったのである。

一気に素朴から文明へと飛躍したのではなかった。その中間段階へと、白村江の敗戦を境に踏み切ったのである。その中間段階を、私は「重層文化」の段階と呼んだ。それは具体的には次のような平明な事柄である。すなわち、素朴な土着文化的伝統と、お隣の外来の中国文明との、折衷から融合へという道を選んだわけである。

日本の文化の発展段階は、聖徳太子から大化の改新を経て天武天皇に至るあたりを境にして、素朴文化の段階から重層文化の段階に移ったのである。

地縁=血縁的な素朴な日本の伝統社会のゆき方がある。他方では律令制と官僚群による中国から導入された法治主義がある。この両方のゆき方の並立からしだいにその融合に進んだとき、ここに封建制が出現したのである。

戦国期以来ようやく前近代的文明への文化変化を推し進めたきた。


「文化発展の三段階二コース」説によれば、日本は、次の発展段階をたどったことになります。

〔素朴文化〕→〔重層文化〕→〔前近代的文明 → 近代化〕

本書第二部では、日本史のデータをつかってこれを検証しています。具体的にはつぎのようになります。

 素朴文化:旧石器時代から白村江の敗戦のころまで
 重層文化:白村江の敗戦のころから戦国期まで
 前近代的文明:戦国期から江戸時代末期まで
 近代化:江戸時代末期から

上記のひとつの段階から次の段階へ移行するときには、「技術革命」がまずおこり、つづいて産業、そして社会の変革にいたり、最後には、人々の世界観・価値観が変容し、あらたな精神文化が確立するとしています。つまり、ハードからソフトへと変革が順次進行します。

ある仮説にもとづいてさまざまなデータを検証し、その結果をアウトプットするということは、その課題に関する多種多量な情報を体系化することでもあります。著者は、本書第二部で、「文化発展」という仮説から日本の歴史を再体系化しました。検証と体系化の実例として参考になります。


文献:川喜田二郎著『素朴と文明』(講談社学術文庫)講談社、1989年4月10日

人類の文明史の本質を総合的にとらえることをおしえてくれる好著です。

本書前半の目次はつぎのとおりです。

問題の始まり
 1 文明をとらえる地図が必要だ
 2 仮説の発想も学問のうちなのだ

第一部 素朴と文明 - 文化発展の三段階二コース説 -
 1 重病にかかった現代の科学観
 2 文化には発展段階がある
 3 文化発展の三段階二コース説
 4 生態史的アプローチ
 5 文明も流転する大地の子供である
 6 パイオニア・フリンジ
 7 チベット文明への歩み
 8 大型組織化に伴う集団の変質
 9 管理社会化と人間疎外
 10 なぜ三段階二コースか
 11 文明の挑戦と素朴の応戦
 12 亜文明から文明へのドラマ
 13 重層文化から文明へのドラマ

本書前半の要点はつぎのとおりです。

世界像→世界観→価値観という一連の深い結びつきを指摘せざるを得ない。

仮説の発想も、仮説の証明と同じ重みで扱うべきである。仮説の発想も学問のうちなのだ。

「文化」とはほとんど人類の「生活様式」と同義語に近いのである。

分析的・定量的・法則追求的というアプローチも、科学的ということの一面ではある。しかし、総合的・定性的・個性把握的というアプローチも、もうひとつの、れっきとした科学的アプローチなのだ。そうして、この両アプローチを総合ないし併用する中にこそ、本当の「科学的」という道があるのである。

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図 文化発展の3段階2コース説

現存するアジアの前近代的文明のパターンには、中国文明・ヒンズー文明・イスラム文明・チベット文明、この四つしかない。ヨーロッパを含めても、西欧文明・南欧文明・東欧文明(ギリシア正教文明)が加わるだけであり、この三つは一括してヨーロッパ文明もしくはキリスト教文明として扱う立場も成立するかもしれない。

人間社会とその文化とを、さらにその環境をまで含めた、「生態系」として捉えることを重視したい。

創造というダイナミックな営為と相俟って、はじめてひとつの生態史的パターンは誕生してゆくのである。

素朴文化もしくは中間段階の文化から文明へと推移するには、〔技術革命→産業革命→社会革命→人間革命〕という大まかな変革を順次累積的に経験したということになる。


著者がいう「生態史的アプローチ」とは、そこでくらす人々と、彼らをとりまく自然環境とが相互にやりとりをしながら発展し歴史をつくってきた様子を解明する手法のことです。これは、環境決定論ではありません。

ややむずかしいですが、このアプローチはフィールドワークの方法としてとても重要です。

そこでくらす人々を主体、とりまく自然環境を単に環境とよぶことにすると、この方法は、主体と環境がつくる〔主体-環境系〕の発展・成長のダイナミズムをとらえる方法であるといえます。

また、著者がいう「亜文明」の段階とは、わかりやすくいえば都市国家の時代のことであり、「前近代的文明」とは領土国家の時代のことです。

素朴文化 → 都市国家の時代 → 領土国家の時代 → 近代化

ととらえるとわかりやすいです。

このように、文明あるいは人類の歴史のようなきわめて複雑な事象は、仮説をたて、それを図にあらわすことによって視覚的に理解することができます。このような模式図はモデルといってもよいです。これは、情報の要約・圧縮によってその本質をつかむという方法です


文献:川喜田二郎著『素朴と文明』(講談社学術文庫)講談社、1989年4月10日

 

心のなかを整理しようとおもったら、これまでに自分で撮影してきた数々の写真を活用するとよいです。具体的にはつぎの手順をふみます。

 1.写真を見なおす
 2.印象的な写真を厳選する
 3.フェイスブックなどにアップロードする
 4.写真を見なおし体験をとらえなおす


1.写真を見なおす(インプット)
これまでに自分で撮影した写真はたくさんあるとおもいます。これらを、あまり時間をかけずに一通り見なおします。


2.印象的な写真を厳選する(プロセシング)
写真のなかから、特に思い出にのこっている写真や特に印象的な写真を厳選します。あれもこれもというのではなくて特別重要な写真のみを選択することが大切です。


3.フェイスブックなどにアップロードする(アウトプット)
厳選した写真を、簡単な見出し(言葉)をつけてフェイスブックなどにアップロードします。フィルム写真の場合はスキャニング、デジタル化してアップロードします。なんでもかんでもアップロードするのではなく、印象的な思い出の写真のみをアウトプットするようにします。(注:フェイスブックは公開・非公開の設定ができます。)
 

4.写真を見なおし体験をとらえなおす
アウトプットした写真は折にふれて見なおし、写真を撮影したときの空間・出来事・体験などをしっかり想起します。

そのときの出来事に、空間的・時間的なひろがりをさらにくわえて印象を強化します。また、よい感情をこめてこの作業をおこない、感情の味つけをして思い出をさらにみがきます。記憶をチェックして未整理な点があれば整理しなおします。

こうして、たのしかった思い出を再利用していけば気分がよくなり、過去にさかのぼって心の内面を快適に整理することができます。


■ 写真をアイコンとして活用する
アップロードした写真は、それを撮影したときの空間や体験の標識(目印)であり、アイコンの役割をはたします。

140704 写真 体験

図1 写真は体験のアイコン(標識)である


 140704 アイコン 情報

図2 アイコンは情報の表面構造である



写真はアイコン(標識)であり、情報の本体は体験であり記憶です。アイコンは表面構造、体験や記憶は情報の本体です。情報は、記憶として心のなかに保持されています。

この作業は、コンピュータにたとえてみれば、ストレージ(記憶装置)にデータバンクを構築していくのと似ています。写真(アイコン)を見て記憶を想起することは、コンピュータでいうと情報の検索に相当します。

写真をアイコンとして活用すれば、体験の情報ファイルを心のなかに再構築することができます。これは、写真そのものを分類整理する作業ではなく、心のなかの整理です。よくできたファイルをつくり、 心の中にしっかりファイルしなおせば、心はととのい、情報の活用もできるようになります。


■ 体験を俯瞰し、未来を展望する
上記の手順1〜4をくりかえしていると、これまでの体験を一瞬で俯瞰し、過去の記憶を心の内面世界で一望できるようになり、自分の人生を風景のようにながめられるようになります

過去の意味を再発見できれば、未来に対するアイデアがでやすくなり、展望が生じてきます。


▼ 参考ブログ
ラベル法により心の中を整理する

わたしたちは、いやな音や人工音ばかりを聞きつづけていると気分がわるくなりストレスがたまります。

こんなときに自然の音を聞くと心がリセットされストレスから解放され、心がかるくなります

自然の音をただ聞くだけでも効果はありますが、もし余裕があったら、音を聞きながら、かつておとずれた所のなかで、そういう音を聞いた場所をおもいだしイメージしてみてください。このとき、爽快で心地よい感情とともにその風景をイメージするのです。自然の音とイメージと感情とをしっかり共鳴させます

音は、感情に直接はたらきかけるので、潜在意識にもよい影響をあたえます。

過去の体験記憶を想起して、ここちよい感情でそれに味つけをし、そしてそれを、もう一度記憶の倉庫にもどすようにすれば、心をととのえることができ気分がよくなります。


▼関連サイト
amazon:自然の音


本書は、ヒマラヤ山村でおこなった国際技術協力の経緯や方法についてのべています。

目次はつぎのとおりです。

序章 資源と人口の均衡
I章 開発の哲学
Ⅱ章 土地と人との対話的発展
Ⅲ章 ヒマラヤ・プロジェクトの実践
終章 海外協力はいかにあるべきか

方法論の観点から見て重要であるとかんがえられるポイントをピックアップしてみます。

「自然の一体性」を認識する。ここでいう自然は、その地域の人間をも含んだ自然である。自然の中から人間を抜き去った部分を「自然」と考えるのではない。人文科学と区別して自然科学という場合の「自然」ではない。

総合的把握と分析的把握、個性認識的方法と法則追求的方法を併用する。

1963年の夏から翌年の3月にかけ、私はネパールへ三度目の旅に出た。その時は、アンナプルナ山群の南斜面にあるシーカ村に7ヵ月滞在した。

まずシーカ谷の自然環境と農牧を中心に、村のいわゆるエコロジカルな調査をした。それを基盤にしつつ、次に社会組織や風習その他の文化面に調査の重点をうつした。こして生活の基盤と構造を踏まえた中から、小さな開発ヒントをいくつか抱いたのである。それから炉端談義式に村人たちの世論調査をやり、開発ヒントへの反応を調査したのだった。

技術協力の話題で村人たちにとってハッとする関心がもえあがると、今まで伝統的な人類学者のやり方では目立たぬオブザーバーでいたときにはとうてい気づかなかったような、村々の文化の、ある断面がわかってきたのである

夢こそ人々を動かしている重大要因であった。その夢がどんな夢であるかによってこの現実の姿は維持もされ変化もとげていく。まさに、夢こそ現実なのだ。

その地域のいっさいの個性的なポテンシャルを、ある開発テーマのもとに、創造的な営みへと統合し、活用すること。そのためには矛盾葛藤をも創意工夫で逆用すること。

いちばんむずかしいのは、真のニーズを掴むことです。技術的問題はどうにでもなりますよ

本書は、国際技術協力においては、現場のニーズがつかむことがもっとも重要であると説いており、このことは、現場での問題解決一般にも通じることです。

真のニーズをつかむためには、フィールドワーク(取材活動)と、おのれを空しくして現場を見る目がもとめられます。

そして、取材(情報収集)には2種類の方法があることを解説しています。

第一の方法は、 外からの目で静観的に対象を観察するやり方です。一般に、取材とかフィールドワークとかいう場合はこの方法をさします。

第二の方法は、仕事や事業をすすめながら、あるいは行動をしながら同時に取材もし調査もする方法です。特別な時間をとって取材や調査をおこなうのではなく、仕事と取材、行動と調査を一体的にとりおこなうやり方です。

この方法を「アクション・リサーチ」とよびます

これは、静観的な調査でなく、現場にはたらきかけることによっておこなう調査であり、仕事をしながら、あるいは仕事そのものからさまざまな情報を取得していく方法です。

ここでは、対象に心をくばり、対象と一体になる、あるいは対象になりきるといった姿勢が大切です。

第一の方法にくらべると、第二の「アクション・リサーチ」は系統性や幅の広さには欠けるかもしれませんが、みずからの体験に根差した情報がえられ、ふかみのある情報を蓄積していくことができます

この「アクション・リサーチ」は実践家や実務家にむいた方法であり、日々いそがしくはたらいている人がとりくむべき重要な方法です。


文献:川喜田二郎著『海外協力の哲学』(中公新書)中央公論社、1974年3月25日

本書で著者は、文明の発展史をふまえ、「無の哲学」にもとづく「野外科学」の方法によって現代社会の問題を解決する道をしめし、危機にたつ人類の可能性について探究しています。

目次はつぎのとおりです。

第一部
1 激増期人口をどうするか
2 移民制限こそ最大の壁
3 真の文化大革命

第二部
1 宗教はどうなるか
2 技術革命と人間革命
3 組織と人間
4 いかにして人をつくるか
5 野外科学の方法
6 世界文化への道
7 おわりに - 全人類の前途はその創造性に -

著者は、人類の文明史について大局的に、素朴社会から都市国家に移行し、都市国家が崩壊して領土国家が生まれたととらえています。つまり、素朴社会の時代から都市国家の時代をへて領土国家の時代へと移行したと見ています。

素朴社会 → 都市国家 → 領土国家

このなかで、都市国家が崩壊して領土国家へ移行したときには、まず「技術革命」がおこり、つぎに「社会革命」がおこり、最後に「人間革命」がおこったとかんがえています。つまり、ハードからソフトへむかって変革がおきたと見ています。そして、ここでの「人間革命」にともなっていわゆる高等宗教が生まれてきたと指摘しています。

技術革命 → 社会革命 → 人間革命

さらに、人類の前途は、人類が創造性を発揮できるかどうかにかかっていると予想し、そのためには、「無の哲学」にもとづいた「野外科学」の方法が必要だと主張しています。「野外科学」(フィールドサイエンス/場の科学)とは、希望的観測や固定観念にとらわれずに、おのれを空しくして現場の情報を処理する科学のことです。

このように、文明の発展史のなかに位置づけて方法論を提示していのが本書の特色です。

本書を、現代の(今日の)高度情報化の観点からとらえなおして考察してみると、現代は、領土国家の時代からグローバル社会の時代への移行期であるとかんがえられます。つまり、つぎのような歴史になります。

素朴社会 → 都市国家 → 領土国家 → グローバル社会

そして、人類の大きな移行期には、「技術革命→社会革命→人間革命」(ハードからソフトへ)という順序で変革がおこるという仮説を採用すると、領土国家の時代からグローバル社会の時代への移行期である現代は、まだ、「技術革命」がおこっている段階であり、インフラ整備や情報技術開発をおこなっている段階ということになります。

したがって、社会制度の本格的な改革などの「社会革命」はこれからであり「人間革命」はさらに先になることが予想されます。上記の仮説がもしただしいとするならば、現代の移行期における「人間革命」は、既存の宗教では対応しきれないということになり、あらたな精神的バックボーンがもとめられてくるということになります。

たとえば、現代の高度情報化社会では、人を、情報処理をする存在であるととらえなおし、人生は情報の流れであるとする あたらしい考え方が出現してきています。これが「野外科学」とむすびついてきます。そして、人間の主体的な情報処理力を強化し、人類と地球の能力を開発しようする行為は上記の方向を示唆しているとおもわれます。

本書は47年も前の論考ですが、副題が「地球学の構想」となっているのは、グローバル化へむかう未来予測を反映したものであり、人類と地球の未来を予想するために、川喜田がのこしたメッセージは大いに参考になるとおもいます


川喜田二郎著『可能性の探検 -地球学の構想-』(講談社現代新書)講談社、1967年4月16日

本書で著者は、「人生のポジティブで素晴らしいものを得るパワーとは愛なのです」と説明し、自分自身について知ること、感情をこめた想像(イメージング)の大切さをおしえています。

むずかしいことは何も書いておらず、とてもわかりやすい本です。

目次はつぎの通りです。

序文
感謝の言葉
はじめに
ザ・パワーとは何なのでしょう?
感情のパワー
感情の周波数
ザ・パワーと創造
感情こそが創造
人生はあなたに従います
ザ・パワーへの鍵
ザ・パワーと人間関係
ザ・パワーと健康
ザ・パワーとあなた
ザ・パワーと人生

ポイントをピックアップしてみます。
 
人生のポジティブで素晴らしいものを得るパワーとは愛なのです!

引き寄せが人間をお互いに結びつけている力です。一般的な言い方では、引き寄せの法則を「類は友を呼ぶ」と言います。

良い感情を持つことで愛のパワー、つまり、人生の素晴らしいもの全てを得るパワーを使うことが出来ます。そのためには、まず良い気分を放射しなければなりません

幸せになるためには、まず最初に自分が幸せになり、次に幸せを人に与えてください。

多くの人は感情を自動操縦任せにしています。しかし、彼らは自分たちに起きたことの原因が自分の感情であることに気付きません。

あなたの感情が周囲に地場を形成し、あなたを完全にとり囲みます。

あなたの周波数の正体は実はあなたの気持ちなのです! どんな事であろうと、あなたの感じている事は全て、それと同じ周波数を持つ物を全てあなたにもたらします。

あなたが否定的なものを出せば出す程、否定的なものが返ってきます。

愛するものを想起することによって、良い感情を増幅しましょう。感謝は偉大な増幅器なのです。

素敵な人生を送っている人たちは、好きなことについてよく話します。

心地よい感情のボリュームを上げることによって、その感情の力を最大限まで利用することができます。わくわくした気持ちを強めるには、その感覚に浸りきり、その感覚に集中することによって、できる限りその感情を引き出して下さい。

良い気分になるための時間をとることの方がずっと簡単です。人は気持ちを変えることによって、日々の生活を変えることが出来ます。

その日一日を想像します。私は、その日が素晴らしいものとなるようにイメージし愛を感じます。その日の事柄を想像し、それぞれがうまくゆくように愛を感じます。何かをする前には、自分の内側でできる限り多くの愛を感じるのです。気分が良くなってからでないと、Eメールや小包を開、重要な電話に出る、あるいは大事なことをするといったことをしません。

小道具を活用しましょう。あなたの周りを衣服、絵画、写真などの関連する物で囲みましょう。そうするとあなたが欲しい物をすでに手に入れた時の姿をイメージでき、その感覚を感じることができるでしょう。

笑わせてくれる映画を見て、気持ちを明るくしましょう。

人生で出会う人々を自分の個人トレーナーだと見なせば、どんなに難しい人間関係においても、それはあなたの役にたつでしょう。

人生の全てのものは、あなたが愛するものを選ぶために差し出されています! 人生はカタログなのです。あなたこそ、その中から自分が欲しいものを選ぶ責任者です!

あなたの欲しいものに意識(マインド)を集中し、それを想像して下さい。その望みを実現した自分を想像して下さい


このように、わたしたちの生活や人生のなかで感情はとても重要な役割をになっています。感情には、イメージ(心象)に味付けをしそれをを大きく増幅するという役割があります。感情は、人間の比較的原始的な領域での働きであり、潜在意識にも大きくひびきます。

1.インプット
感情をよくするもの、感情を改善するものを心の中に日々インプットするのがよいです。音楽、美術、風景、写真、映画、ペットなど、自分のすきなものにかこまれて生活してください。芸術は感情に直接作用するので効果的です。また、自分が心底すきな分野、本当に興味のある分野の勉強をはじめてみましょう。自分がどう感じるか(どうインプットするか)はとても大事なことです。表情をかえるだけでも感情を改善できることがあります。

2.感動
よい感情で人が動くところには「感動」があります。感動がある風景に接し、感動がある映像を見て、感動がある音声を聞いて、感動体験をふやしていきましょう。感動することを通して価値をみいだしてください。

3.アウトプット
 外界でおこったことに対して感情が生じたという、受け身の姿勢だけではなく、もっと主体的・積極的に感情をつくりだすことが大切です。感情をつかうのです。感情は道具です。

イメージ訓練(心象法)をおこなうときに、イメージによい感情をこめるようにします。 そして、感情を形にしてアウトプットします。 文章、写真、 美術、 音楽、その他、 自分にあった方法で感情をこめて表現します。 感動の素材を発見し情報処理に役立ててください。 感情は主体的にうごかすものです。


本書は、とてもわかりやすく書かれています。折にふれてくりかえし読んでいけば感情を改善することができるでしょう。


文献:ロンダ=バーン著『ザ・パワー』角川書店、2011年4月27日


「法隆寺は、聖徳太子一族を虐殺した者達によって建てられた鎮魂のための寺である」という仮説を提唱した本です。

「法隆寺・鎮魂寺」説。このおどろくべき仮説がどのような過程で形成されたのか以下に見ていきたいとおもいます。

本書の目次は次の通りです。

第一部 謎の提起

第二部 解決への手掛かり
 第一章 なぜ法隆寺は再建されたか
 第二章 だけが法隆寺を建てたか
 第三章 法隆寺再建の政治的背景

第三部 真実の開示
 第一章 第一の答(『日本書紀』『続日本紀』について)
 第二章 第二の答(『法隆寺資財調』について)
 第三章 法隆寺の再建年代
 第四章 第三の答(中門について)
 第五章 第四の答(金堂について)
 第六章 第五の答(五重塔について)
 第七章 第六の答(夢殿について)
 第八章 第七の答(聖霊会について)


1.法隆寺に関する「謎」まず著者は、法隆寺に関する「謎」を以下のように整理・提起しています。


一 『日本書紀』に関する疑問
法隆寺建造に関して『日本書紀』に一言も書かれていない。なぜか。

二 『法隆寺資財帳』に関する疑問
『資財帳』とは、寺院が政府に差出した財産目録である。これに、法隆寺焼失の記事も再建の記事もない。なぜか。

三 中門の謎
法隆寺の中門の真中に柱があるのは全くおかしい。

四 金堂の謎
中門を入った右側に金堂がある。なぜ金堂に三体もの如来がいるのであろうか。『日本書紀』にいうように法隆寺は全焼し、現在の法隆寺が再建であるとすれば、いったいこの仏像は、どこにあったのだろうか。中にある仏像は古いはずなのに、壁画が新しいのはどういうわけであろう。

五 五重塔の謎
塔の北隅の舎利、舎利のない舎利器、柱の間にくいこんだ石、それはいったい何を意味するのか。外側にある四個の塑像と内側にあったという地獄の像は、いったい何を意味するのか。『資財帳』には、塔の高さを十六丈と報告しているが、実は十六丈はないのである。ミステリーである。

六 夢殿の謎
夢殿を中心の建物とする寺院、それを法隆寺では東院と名付けている。西院に加えてもう一つ大きな伽藍をなぜ必要とするのか。なぜ夢殿は八角堂なのか。なぜ、救世観音は、厳重に秘仏にされねばならなかったのであろうか。厳重に閉じられた厨子、何十にも巻かれた木綿、寺院崩壊の恐怖を与える伝説、それは執拗なる隠蔽への意志を示す。

七 祭り(聖霊会)の謎
聖霊会(しょうりょうえ)というのは聖徳太子の霊をなぐさめる祭りである。大聖霊会では、太子七歳像と舎利が、それぞれ東院夢殿の北側にある絵殿と舎利殿からとり出され、それが西院の講堂の前に運び出されて、そこで祭りがおこなわれる。法隆寺は、舎利を太子と関係させて、一緒に供養しなければならない理由があるのであろうか。太子はなぜ舎利とそんなに深い関係をもっているのであろう。


これらの「謎の提起」は、法隆寺に関するこれまでの多数の観察事実にもとづいて疑問点や問題点を整理し、調査・研究の課題を明確にしたものです。つまり、課題設定をしたわけです

2.『資財帳』を読む -あらたな事実を発見する-
著者はつぎのようにのべています。

1970年の4月のある日であった。私は何げなく天平19年(747)に書かれた法隆寺の『資財帳』を読んでいた。

そこで私は巨勢徳太(こせのとこた)が孝徳天皇に頼んで、法隆寺へ食封(へひと)三百戸を給わっているのを見た。巨勢徳太というのは、かつて法隆寺をとりかこみ、山背大兄皇子(やましろのおおえのおうじ)はじめ、聖徳太子一族二十五人を虐殺した当の本人ではないか。

その男が、どうして法隆寺に食封を寄付する必要があるのか。


こうして、あらたな事実を発見しました。

3.あたらしい仮説に気がつく
そして、つぎの仮説に気がつきました。

法隆寺は、太子一族の虐殺者たちによって立てられた鎮魂の寺ではないか。

私はその仮説に到達したときの魂の興奮を忘れることが出来ない。法隆寺が聖徳太子一族の鎮魂のための寺であるとしたら。この仮説をとるとき、今まで長い間謎とされてきた、私にとっても長い間謎であった法隆寺の秘密が一気にとける思いであった。


4.仮説を検証する
その後、あたらしい仮説を検証する作業に入りました。

私がその仮説に到達した日から、私は改めて法隆寺にかんする多くの文献をよみあさり、何度か現場へ行って、自分の眼でそれをたしかめたのである。不思議なことは、ちょうど、磁石に金属が向こうからひっついてくるように、法隆寺にかんする多くの事実が向こうから私の仮説のまわりにひっついてきたのである。法隆寺に関するすべての謎が、私の仮説によって、一つ一つ明瞭に説明されてくるのであった。


仮説検証の結果は、第三部「真実の開示」にくわしく記述されています。

■ 問題解決の過程
以上の過程をまとめると次のようになります。
1. 課題設定 → 2. 情報収集 → 3. 仮説形成 → 4. 仮説検証


これは、問題を解決するときの基本的な過程です。

■ 課題設定が重要である
本書は、問題解決のためには、課題設定がいかに重要かをおしえてくれています。最初が肝心です。課題設定をしっかりしないで成果をいそぐと失敗します。

課題設定は、これまでの経験・体験にもとづいて主題(テーマ)を決め、疑問・問題・調査項目を書きだし、問題意識をとぎすますステップです。ここでは、事実に根差した思考をし、体験をともなった情報をとりあつかい処理します。
  • 主題を決める
  • 疑問・問題を書きだす
  • 調査項目を書きだす


この作業は簡単なように見えますが、問題解決をすすめるうえでもっとも重要な最初のステップであり、課題設定をしっかりしておかないと、情報のジャングルでまようことになります。

課題設定のためには、まずは、自分が心底すきな分野、本当に興味のある分野の勉強からはじめるのがよいです。ほかの人にいわれたことや必要にせまられたとことからではなくて。

■ もっとも多くの事実を説明する仮説
また、仮説について著者は次のようにのべています。

真理とは何であるかを、一言説明しておく必要があろう。

それはもっとも簡単で、もっとも明晰な前提でもって、もっとも多くの事実を説明する仮説と考えて差支えないであろう。


ここで注意することは、著者の梅原さんは、まず、事実(データ)をおさえて、そして仮説をたてたのであり、最初に仮説があって、その既存仮説にデータをあわせたり、仮説にあうデータだけをさがしたのではない点です。

ひらめきや発想が生まれてくる一例がここに見られます。
 

文献:梅原猛著『隠された十字架 -法隆寺論-』新潮文庫、1981年4月26日

本書のねらいは、当時(1960年代)の時代の根本問題に挑戦することにあると著者はのべています。

その根本問題とは、「人はいかにして、生きがいを感じ得るか」「人と人の心はいかにすれば通じあうか」「人の創造性はいかにすれば開発できるか」という三問であります。

これは、いいかえれば、人々は生きがいが見いだせず、人と人との心が断絶し、人間らしさがうしなわれているということであり、このような状況が、 大きな組織の成長とともにすすんだ管理社会化のもとで当時すでにあったということをしめしています。

本書は次の7つの章から構成され、上記の問いにこたえてます。

第一章 人間革命
第二章 創造愛
第三章 発想法
第四章 グループ・イメージの発想
第五章 ヴィジョンづくり
第六章 くみたて民主主義
第七章 チームワーク

これらの論考は、のちに、川喜田の「文明学」「創造論」「移動大学」「参画社会論」などに発展していきました。

そして、 自身の思想と技術を「KJ法」として体系化し、「文化成長の三段階」と「伝統体」の仮説を発表、最終的には「没我の文明」を提唱するにいたりました。

50年前の論考を今こうしてふりかえってみると、1964年の時点で、重要な仮説はすべて立てられていたことがわかります。川喜田のその後の人生は、その仮説を検証し証明する過程であったわけです。

なお、1990年代にわたしが川喜田研究所に在職していたときに川喜田から聞いた話では、上記の三問のなかでは「生きがい」がもっとも多くの人々の関心をひいたということでした。「生きがい」をいかにして見いだすかは、今日の人々にとっても大きな課題になっているのではないでしょうか。


文献:川喜田二郎著『パーティー学 -人の創造性を開発する法-』(現代教養文庫)社会思想社、1964年11月30日



世界中で空前の大ヒットになっている『アナと雪の女王』を見ました。

何と言っても “Let It Go” がとても印象的でした。この曲も大ヒットしいて世界中でうたわれているそうです。

解きはなたれた ありのままの自分でいいんだ。完璧な “いい子” をもう演じなくていい。

ありのままの自分を肯定する「レット・イット・ゴー」がヒットする背景には今の時代があらわれてるとおもいます。精神的に抑圧された人々がいかに多いか。人々は物質的欲求ではなく、みずからの心の変化をもとめはじめました。世界中で吹きはじめたスピリチュアルの「風」とも共鳴しているでしょう。

自分を好きになってもいいのです。


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想起訓練からビジョン形成へ 〜DVD『ザ・シークレット』〜
人生のビジョンをえがく 〜『「引き寄せの法則」を生かす鍵』〜

「指回し体操」の効果と方法について解説した本です。

わたしも長年とりくんでいます。いつてもどこでも気軽にできるので、どんなにいそがしくても毎日つづけることができます。

本書、第1章〜第3章には「指を再発見するための内容」第4章には具体的な訓練方法第5章〜第6章では「能力開発のルール」(能力開発に役立つ原理)について解説されています。

ポイントをピックアップします。

本書の最大の特色は、見識とパワーをもつ二十本の手足の指のシステムを作り上げることです

指の訓練には、次のようなさまざまな利点があります
第一は健康増進に役立ちます。
第二は頭脳を刺激して、その発達を促し、老化を防ぎます。
第三に情緒を安定させます。
第四に仕事の効率を上げます。
第5に美容に役立ちます。

基本回旋法
両手の指先をふっくらと合わせて五本の指で半球を形づくった状態を「フィンガー・ドーム」と呼ぶことにしましょう。「基本回旋法」とは、フィンガー・ドームの形を崩さないように注意しながら、左右一本ずつの指を回転させるものです。このとき「指同士が接触しない」ことを基本ルールとします。

背部回旋法
両手を背中に回し、フィンガー・ドームを腰の後ろでつくります。その姿勢で、基本回旋法を行います。肩と背すじを伸ばすのに有用です。胸郭を開いて、息を大きく吸い、心身ともにのびのびと行ってください。仕事の合間に気分転換をしたり、休憩するときに行うのが最適です。また目で見ないで回すことになるので、指の空間感覚を養うのにも最適であり、これは脳のほどよい刺激にもなります。

指運動による瞑想法と整心効果
指回旋をしながら瞑想を行います。言霊(ことだま)を心のなかで唱え、言霊の響きに心の波長を合わせます。

親指回旋:右回し「さやか」、左回し「さわやか」
人差し指回旋: 右回し「まどか」、 左回し「まろやか」
中指回旋: 右回し「のどか」 、左回し「のびやか」
薬指回旋: 右回し「はるか」 、左回し「はれやか」
小指回旋:「ほのか」「ほのぼの」

指の瞑想法は、音楽のリズムと合わせて瞑想をしても素晴らしい効果があります。自分の回せる速度に合った音楽を選んで、一緒にやってみましょう。不思議な世界に入りこむような体験ができるでしょう。

指回旋に心の働きを重ねることによって、健康の水準をどこまでも高め、理想的な健康を創造していく。

指に人生を改善する法則とパワーを
能力開発に役立つかんがえかたを原理(ルール)として各指に結びつけて覚え、日常、折に触れ、それを思い出して活用するものです。仕事や生活の場での発想に役立ててください。そのような役立つ指を、本書ではパワー・フィンガーと呼びます。いかなる状況でも、指の暗示から事態を改善するためのヒントが生まれ、形勢を好転させるパワーも湧いてくるでしょう。

左手
 親指:調和のパワー
 人差し指:出力のパワー
 中指:波動のパワー
 薬指:玉造のパワー
 小指:表情のパワー

右手
 親指:整列のパワー
 人差し指:巻込のパワー
 中指:同調のパワー
 薬指:内外のパワー
 小指:類型のパワー

足指に秘められた画期的な能力開発
左足
 親指:姿勢のパワー
 人差し指:照明のパワー
 中指:制御のパワー
 薬指:成長のパワー
 小指:徳望のパワー

右足
 親指:目標設定のパワー
 人差し指:回転のパワー
 中指:飛翔のパワー
 薬指:拡大のパワー
 小指:簡潔のパワー

手と指は心とからだの「ハンドル」です

いつでもどこでも手軽にできるのが「指回し体操」であり、これは、もっとも基本的な健康法ですが、健康法にとどまらず能力開発の一環になっているのが特色です。指回しをしながら、上記のパワー・フィンガーをつくっていくのはとてもユニークで効果的な訓練でしょう。能力開発のルール(原理)を指に結びつけて記憶するという記憶法の一種にもなっていて興味ぶかいです。

「指回し体操」については今ではひろく知られており、すでに知っている方も多いとおもいますが、本書を読んでしっかり基本を身につけた方がよいとおもいます。まずは、基本回旋法を毎日つづけてみるのがよいでしょう。


文献:栗田昌裕著『指回し体操が頭と体に奇跡をよぶ』廣済堂出版、1992年

数々のエピソードから、問題解決のヒントをえることができるおもしろい本です。

著者らの言葉です。

ストーリーから学んだことをいかに日々の生活に生かせるかを考えてみます。

そのストーリーは心に何を呼び覚ましてくれるか、どんな示唆を与えてくれるか、読んだ後にどんな気持ちになり、どんなことがしたくなったか、自分に問いかけてみましょう。

あなたにインスピレーションを与え、何かをしたい気持ちにさせることこそ、この本の意図するところです

チキンスープが身体をいやすように、この本のストーリーが読む人の心や魂をいやすことができればいいという願いを込めて、こうしたタイトルをつけました。

本文からいくつかピックアップしてみます。

できない理由を探し出すのではなく、どうやったらできるかを考え全力で取り組めば、どんなことでも可能になる。

チャンスが、いつ来るかなんて誰にも予想できない。だけど前もって準備しておけば、いざという時にあわてないですむだろう。

危険を避けて大きくなろうとしない人は、かえって運命にのみこまれてしまう。

情報を仕入れ、別の攻め方を考えてみる。

ものごととをまだ種のうちに見抜けるなら、それを天才という。

他人は、自分を映す鏡。他人の好きな部分も嫌いな部分も、すべて自分の内に持っている。他人を見るとき、そこには自分が映し出されてくるのだ。

今までにしたことを後悔する人より、むしろそれまでにしなかったことを悔やむ人の方が多かった。

すべての答えは、自分の内にある。人生で生じる疑問への答えは、自分の中にある。大切なのは自分を見つめ、内なる声に耳を傾け、それを信じることだ。

決して、自分の夢を人に奪われてはならない。心に描いたものが何であれ、自分の心に素直に従って生きてほしい

すべての出来事は「学び」のチャンスです。チキンスープを味わうように、まずはじっくり本書を味わってみてください。 あせってはいけません。そして、本書にでているストーリー(エピソード)をよんで、自分の体験や経験をおもいうかべてみれば、問題解決のための何らかのヒントがえられるとおもいます。


文献:ジャック・キャンフィールド&マーク・ビクターハンセン著『こころのチキンスープ』ダイヤモンド社、1995年7月20日

第I部では「チームワークの原理」として、仕事、チーム、チームワークについて論じ、第Ⅱ部では「チームワークの実践」として、チームワークをすすめるときの注意点について論じています。

ポイントをピックアップします。

つぎの三カ条をできるだけ高度に満たしているほど、創造的だ。
(一)自発的であればあるほど、その行為は創造的である。
(二)モデルとかきまった道筋の示されてないほど、その行為は創造的である。
(三)自分にとって切実な意味を持つ行為。

作業ではなく仕事を。仕事とは、一連の作業の組みあわせから成る、ひとまとまりの物ごとである。そして作業は、仕事のなかのひとこまの手続きにすぎない。

仕事というものを首尾一貫してなしとげる体験が非常に重要だと思う

仮説をたてる発想法の段階と、仮説検証の段階とをはっきり区別する。

「考える」過程は、発想・演繹・機能を、おびただしくくり返して行うものだ。

「組織か個人か」という問題のたて方は、「組織とチームと個人」という視点に切り替えた方がよいであろう。

チームは、組織レベルの問題にも、逆に個人レベルの問題にも、いずれにも属しきらない、第三の問題の焦点である。組織の中に「顔と顔」の関係を生かせるチームの利点を、いかに採りいれるかの問題である

仕事がチームを育てる。

チームは仕事の目標を明確化せよ。

チームワークでは、議会的機能と内閣的機能との区別を、はっきり使い分けよ。

決断力のない隊長は、誤った決断をする隊長よりも劣る。

チームの中で、自分はいったいどういう点で協力しているのか。これが的確に理解されるためには、チームワークの仕事の構造がわかっていなければならない。また、どういう手順でそれを解きほぐしたらよいのか。その手順をおたがいに知っている必要がある

チームの教師は仕事である。

よい因縁を創れ

本書は、チームワークのノウハウや具体的な技法について解説するというよりも、かんがえかたや思想について論じています。

本書で論じた「チームワークの原理」については、その後、「W型問題解決モデル」、「KJ法」へと発展し、その「KJ法」は、個人でおこなう「KJ法個人作業」と、チームワークとしておこなう「KJ法グループ作業」へと展開しました。

「チームワークの実践」については、その後、「パルス討論」とよばれる会議討論法が技術化され、「衆議一決と独断専行」についてモデル化されました。

これらのノウハウ(技術)のすべては「累積KJ法」として統合され、これは、「移動大学」とよばれる野外セッションやKJ法研修会においてくりかえし実践されました。

これらをつらぬく重要な注意点としては、仮説を発想する場面において、データがまず先にあって、仮説をたてるという点があります。これは、仮説が先にあって、それにデータをあわせるのではない点に注意してください。順序が逆です。ここに発想法の極意があり、上記のすべてをつらぬく要になっています。


川喜田二郎著『チームワーク 組織の中で自己を実現する』光文社、1966年3月30日

世界を変えた本を10冊えらんでわかりやすく解説しています。いずれも現代を読み解くうえで要となる著作です。

それぞれの著作をとりだして独立に解説しているのではなく、全体として本書一冊がストーリーになっていて、グローバルな現代社会がかかえる問題について理解をふかめることができます。

以下の著作について解説しています。

第1章 アンネの日記
第2章 聖書
第3章 コーラン
第4章 プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
第5章 資本論
第6章 イスラーム原理主義の「道しるべ」
第7章 沈黙の春
第8章 種の起源
第9章 雇用、利子および貨幣の一般理論
第10章 資本主義と自由

著者の池上さんは次のようにのべています。

本には、とてつもない強さがあることも事実です。一冊の本の存在が、世界を動かし、世界史を作り上げたことが、たびたびあるからです。

たとえば、 第6章 イスラーム原理主義の「道しるべ」では次のようにのべています。『イスラーム原理主義の「道しるべ」』についてはわたしは読んだことがなかったので勉強になりました。

かつてマルクスが書いた『資本論』や『共産党宣言』によって、世界で共産主義運動の旋風が起きたように、『道標』によって、イスラム原理主義の嵐が巻き起こる。書籍の持つ力というべきか、恐ろしさというべきが。この書も、明らかに世界を変えた本のひとつなのです。


複雑な現代社会を理解するためには、ものごとを大局からとらえる能力、つまり大観力が必要です

大観ができると、次に、どこをくわしく見ればよいかがおのずとあきらかになります。

大観により見通しがよくなるので、関連事項の理解がしやすくなり、ものわかりがよくなり、その結果、決断がしやすくなり、行動もしやすくなって仕事の効率もあがります。大局がとらえられると最適な判断ができ、行動の道筋も見えてくるというわけです。

また大観することにより、グローバルで複雑な現代と、自分自身の局所的で独自な人生とをどうつなげていけばよいかのヒントもえられます。

このような大観の方法は、あまり時間をかけずに、全体的な状況のすべてを一気にインプットするのがよく、 そのためには、みずからの心のうつわを大きくひろげておくことがのぞまれます。

本書は、世界を読み解き、現代を大観するための第一歩として役にたつでしょう。


文献:池上彰著『世界を変えた10冊の本』文藝春秋、2011年8月10日

本書は、「脱パソコン時代」をきりひらくクラウドについて解説しています。

今まさに、「パソコンの時代」がおわり、「クラウドの時代」がはじまりました情報革命は今後はクラウドを中心にすすんでいきます。クラウドについてはやめに理解をすすめておくことは重要なことです。

本書から要点をピックアップします。

パソコンの次に、モバイル端末時代が来る。

クラウド・コンピューティングの定義は、「遠くにあるデータ・センターのアプリケーションを、インターネットなどの広域データ・ネットワークで様々な端末から利用するIT(情報処理技術)利用法」です。

ディバイスもクラウドをより使いやすくするために進化します。脱パソコン・ビジネスの本命はモバイル・ディバイスです。

クラウドは、イノベーション(革新)です。つまり、既存のサービスや商品、制度や価値観を破壊するとということです。ほとんどの商業メディアは生き残ることができないでしょう。マス・メディアに限らず、あらゆる場面においてイノベーター(破壊者)としてのクラウドは強敵です。

クラウドのための高度な放送通信インフラ(ブロードバンド)は急速に構築されつつあります。

アプリケーションとビッグ・データは、クラウド・データ・センターに集中していきます。

ユーザーは、クラウドにつながったクラウド・ディバイスをつかって、クラウド・サービスを利用するようになります。

現在の iPhone や iPad や アンドロイド携帯は、 アプリケーションが基本的にネイティブ・プログラムになっていて、クラウド・アプリケーション(ウェブ・アプリケーション)になっていないため、クラウド・ディバイスではありません。

クラウドに最適化されたクラウド・ディバイスは、これから出現することに気がついておかなければなりません。

クラウド・アプリケーション(ウェブ・アプリケーション)がつかえるのがクラウド・ディバイスです。HTML5という最新のウェブ規格を採用したウェブ・アプリケーションに注目しなければなりません。

そのクラウド・ディバイスはクラウド・サービスを利用しやすいように、ディバイスとサービスとの融合設計の結果として出現してくるはずです。どのようなクラウド・サービスがこらから提供されてくるのか注目されます。

情報洪水におぼれるのではなく、多種多様で大量の情報を処理しながらゆたかな生活をおくるために、クラウド利用の準備を順次すすめておくのがよいでしょう。


「引き寄せの法則」について解説したDVDです。自分自身の明確なビジョンをもつことの大切さをおしえてくれます。未来を引き寄せるのも自分自身です。

情報処理(イメージ訓練)の観点からは次のようなつかい方をするとよいです。

1.想起する訓練
(1)DVDを普通に視聴する。
(2)映像を消して、音声だけをきき、映像(イメージ)を連続的におもいだす。
(3)音声を消して、映像だけを見て、音声を連続的におもいだす。字幕はオフにしておく。

2.ビジョンをえがく
(1)何をしたいのか、課題(テーマ)を書きだす。
(2)関連情報を収集、参考にして、何をするか決断する。
(3)自分自身の未来の姿を想像する。


1.想起する訓練
(1)DVDを普通に視聴して、映像と音声を心のなかにしっかりインプットします

(2)映像を消して、音声だけをきき、 映像(イメージ)を連続的におもいだします。イメージングに集中するためにはアイマスクをつかうとよいです。どこまで正確に映像が想起できるでしょうか。 どんな風景が見られたでしょうか。 登場人物の顔はおもいだせるでしょうか。

(3)今度は逆に、音声を消して、映像だけを見て、音声を連続的におもいだします。想起訓練のために字幕はオフにしておきます。登場人物はどんなを話をしていたでしょうか。どんなサウンドがながれていたでしょうか。

不確かな部分については、DVDを再度視聴して確認します。

こうして、〔(1)→(2)→(3)〕を1サイクルとし、このサイクルをくりかえします。これは、イメージング(心象法)と記憶法の訓練になり、普通に視聴をくりかえすよりも効果があがります。普通に視聴しているだけだと心象法と記憶法の練習にはなりません。


2.ビジョンをえがく
(1)想起訓練がおわったら、次に、自分は何をしたいのか、課題(テーマ)を書きだします。このとき、自分が本当にやりたいこと、真の願望をすべて正直に書きだせばよいです。困難にみえる課題であっても、それをのぞんでいるならば書きだします。たとえば、「・・・したい」というように書きだしてみます。

(2)課題(テーマ)に関して、必要があれば、インターネットや書籍などで関連情報をあつめます。あまり時間をかける必要はありません。その上で、今後あるいは将来、何をするのかを決めます。つまり決断をします

(3) そして、自分自身の未来の姿を想像します。つまりビジョンをえがきます。具体的で明確な映像(イメージ)をえがいてください。決断ができているとビジョンもえがきやすいです。

先の想起訓練では、インプットされた既存のイメージをおもいだせばよかったのですが、今度はさらに一歩ふみこんで、あたらしいイメージをみずからつくりだすことになります。単なるイメージ想起ではなくイマジネーションになります。

自分自身の未来の姿について理想的なイメージを心のなかにつくりあげてください。


■ 想起から想像へ
以上のように、まず、想起する訓練をし、次に、自分の未来の姿を想像する(つまりビジョンをえがく)訓練へすすむのが自然なやり方です。

自分の問題意識(興味・関心)がはっきりしているとビジョンもえがきやすいでしょう。問題意識のないところにはビジョンもありません。また、問題意識がシャープであると明確なビジョンがえがけます。

問題意識をとぎすますためには、課題(テーマ)がまず明確でなければなりません。

課題(テーマ)を明確にして生きていると、「これをやろう!」という決断ができ、おのずとビジョンがえがけるものです。何をするのか自分自身で主体的に決める「決断」は決定的なポイントになります。


■ イメージは能力を増幅させる
イメージは、第1には、心のなかにインプットされた映像を記憶したり、想起しアウトプットするときにつかわれ、第2には想像するときにつかわれます。第2の想像(イマジネーション)の段階では、すでにインプットされている情報(素材)を変化・発展させて自由に形・姿・色彩などをつくりあげてよいのです。

このように、イメージは情報を発展・成長させ、能力を増幅させる装置として機能します

『ザ・シークレット』のようなDVDをうまくつかって、できるだけ明るいイメージ(ビジョン)をえがけるように訓練をつんでいくのがよいでしょう。


DVD:『ザ・シークレット』(日本語版)出演:ロンダ・バーン他、発売日:2008年06月12日、発売元:インディーズ レーベル、時間:91分


▼ おすすめアイマスクはこちらです 


iMac、iPod、iPhone、iPadなど、数々の革新的な商品で世界を魅了しつづけたアップル社の天才スティーブ=ジョブズの名語録です。

無名だった20代前半から、アップル追放の挫折をへて、あらたな成功にいたるまでの発言を厳選し、それぞれについて解説がくわえられています。

スティーブ=ジョブズの発明の流れを、彼の言葉を通して理解することができます

ジョブス小史をおさえてから本文を読むと理解しやすいです。

1955 誕生
1976 アップルを創業。「アップルI」発売
1985 アップルを追放される
1996 アップルに復帰
1998 「iMac」発売
2001 「iPod」発売
2003 「iTunes Music Store」開始
2007 「iPhone」発売
2010 「iPad」発売

本書は、右ページにジョブズの言葉、左ページにその解説がのっていて、見開き2ページで完結する非常にわかりやすレイアウトになっています。速読法や記憶法の訓練教材としてつかってもおもしろいです。

印象にのこるいくつか言葉をピックアップします。

次にどんな夢を描けるか、それがいつも重要だ。(p.38)

歳をとればとるほど、動機こそが大切だという確信が深まる。 (p.52)

お金が目当てで会社を始めて、成功させた人は見たことがない。 (p.54)

すぐれた人材には、束ねる重力のようなものが必要だ。 (p.72)

研究費の多寡など、改革とは関係はない。 (p.82)

この地上で過ごせる時間には限りがあります。本当に大事なことを本当に一生懸命できる機会は、二つか三つくらいしかないのです。 (p.88)

点が将来結びつくと信じなくてはいけない。信じるものを持たなければいけないのだ。 (p.122)

創造とは結びつけること。 (p.124)

大事なのは自分の心に素直になることだ。 (p.128)

IBMはパソコンを知性の道具ではなく、データ処理の機械として売っている。 (p.146)

自分の居場所を自分でつくるんだ。 (p.184)

よけいなことをしなければ、ものごとはひとりでに進んでいく。(p.204)

君たちは技術と文化を融合させるアーティストだ。芸術家は作品にサインするものだ。(p.214)

わたしは1990年代から首尾一貫してアップルをつかっていて、アップルとともにあゆんできました。1990年代の中ごろには、「いつつぶれるかわからない会社の機械をつかっていてもダメだ」と情報科学のある専門家から わらわれたこともありましたが、今こうしてスティーブ=ジョブズの言葉をかみしめてみると、スティーブがビジョンをもって発明をつづけていたということがわかります


文献:桑原晃弥著『スティーブ・ジョブズ名語録 人生に革命を起こす96の言葉』(PHP文庫)PHP研究所、2010年8月18日

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どのページでもパッとひらいてみると、そのときの自分に役立つメッセージやヒントがえられる不思議な本です。最初から順番に読む必要はありません。本書には目次はありません。

著者の言葉です。

この本にあるメッセージは、あなた自身の内なる旅に光をあてるようにデザインしてあります。

あなたの記憶に火をつけ、同じような思考を引き寄せ、眠っている内なる神性を呼びさますためです。

さあ、やってみて下さい。試してみて下さい。この本を自由にパッと開いてみて、そこに何が書いてあるか、読んでみて下さい

必要なときに必要なメッセージがえられます。なやみごとや問題が生じたらすぐに、本書のどこかのページを自由にひらいてみてください。問題解決のためのヒントがえられます

このへん、とおもいながらパッとひらくのはゲーム感覚でやれておもしろいです。たまたまひらいたそのページは偶然ひらかれたのでしょうか? それとも必然でしょうか?

偶然や確率をこえた世界への入り口がここにあるとおもうとたのしいです。


マイク=ドゥーリー 著『宇宙からの手紙』(山川紘矢・山川亜希子訳)角川書店 (角川文庫)、2012年11月22日
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