日本語訳を頭からおいだします。英語の意識の流れに集中します。単純さに気がつくと学習が加速します。
NHK ラジオ英会話、今月のテーマは「『説明ルール』で英語を英語として使いこなす」です。説明ルールは、「説明は後ろに置く」という単純なルールであり、修飾の語順を決定します。






LESSON 61 文の説明 ①:時を示す

My next-door neighbor was making noise until 3 a.m.

まずは、「My next-door neighbor was making noise」といいきります。そして、その出来事がおこった時を説明する意識で「until 3 a.m.」とつけくわえます。日本語訳を頭からおいだして、英語の意識の流れに集中します。




LESSON 62 文の説明 ②:場所を示す

I bumped into Ryan in the shopping mall on Sunday.

「I bumped into Ryan」を説明しようという意識で「in the shopping mall on Sunday」とつづけます。




LESSON 63 文の説明 ③:付帯状況の with

I fell asleep on the beach with my face exposed to the sun.

with は「同時性」をあらわし、ある出来事に付随する状況をしめします。




LESSON 64 文の説明 ④:動詞 -ing 形

He was walking in the park, talking to himself.

「動詞-ing」形を後ろにならべて説明する形です(「分詞構文」とよばれることもあります)。「動詞-ing」形のイメージは「生き生きした行動の描写(~している)」です。文の説明を後ろに気楽にならべていきましょう。




LESSON 66 動詞句の説明 ①:基礎

I can tighten the screw with my penknife.

意識するのは「動詞句の説明ならその後ろ」だけです。




LESSON 67 動詞句の説明 ②:way、as を説明に使う

I feel exactly the same way.

「feel」を、「exactly the same way」が説明します。




LESSON 68 動詞句の説明 ③:動詞 -ing 形・過去分詞

I spent the whole morning doing military-style exercises.

何をしながらついやしたのかを説明するのが「doing military-style exercises」です。




LESSON 69 動詞句の説明 ④:目的を表す to 不定詞

They’re here to film a new movie.

説明したければ後ろに気軽においていきます。それだけです。




LESSON 71 動詞句の説明 ⑤:原因を表す to 不定詞

I was delighted to see you.

まず、「I was delighted」と感情をのべ、そして、その原因を「to 不定詞」で説明します。




LESSON 72 動詞句の説明 ⑥:判断の根拠・結果を表す to 不定詞

They must have been busy to say such a thing.

まず、「ちがいない」を意識しながら「They must have been busy」といい、そして、「ちがいない」の根拠を「to say such a thing」といいます。




LESSON 73 形容詞+ to 不定詞 ①:形容詞と「これから」の to 不定詞

I’ll be happy to take you there.

「happy」は、「これから」をあらわす「to 不定詞」としばしばむすびつきます。




LESSON 74 形容詞 + to 不定詞 ②:難易を表す形容詞

He’s easy to please .

まず、「He’s easy」といいきります。そして、何が「easy」なのかを「to please」と説明します(please him と目的語をうめてはいけません)。




LESSON 76 名詞の説明 ①:基礎

The baseball on the table was signed by BabeRuth.

「The baseball」と大切な名詞をまずだします。そして、どういったボールなのかを「on the table」と説明します。




LESSON 77 名詞の説明 ②:to 不定詞

I have a lot of things to do .

まず、「I have a lot of things」といいきって、そして、「to do」と説明します。




LESSON 78 名詞の説明 ③:動詞 -ing 形

There’s a man waiting for you at the entrance.

「a man を説明したい」という意識が大事です。あとにつづけます。




LESSON 79 wh 語の説明

Can you tell me how to use it?

「how」の内容を説明する意識で「to use it」とつづけます。










英語は、きまった場所に表現をおいていくだけの単純な言語であることが今月のレッスンからもよくわかります。

たとえばつぎの例文では、「公園を彼はあるいていました」という文を「独り言をいいながらね」と「説明ルール」で説明しています。「動詞-ing」形は、いきいきとした行動をイメージさせ、同時におこっている出来事をしめします。


He was walking in the park, talking to himself.


ただし「強調の形」では「動詞-ing」形を文頭にもってきます。「動詞-ing」形のフレーズを本来の文末から文頭に移動し、「〜しているときなんだよ」として文をはじめれば聞き手の興味をひく効果がうまれます。おもに書き言葉での工夫です。


Turning around slowly, he saw a huge lioness coming toward him.


ところが、これらの文は「分詞構文」と従来はよばれ、学校や塾(受験英語)ではつぎのように説明されてきました。


分詞構文は、接続詞+主語が省略される表現なんだ。「いきなり分詞ではじまる」、「カンマで途切れて、SV」が分詞構文の基本形なんだね。

  1. When you turn to the left, you will see the station.
  2. Turning to the left, you will see the station.[分詞構文]

分詞構文を訳す時には、「〜すると/〜するので」などと補おう。例えば、Turning to the left, 〜「右に曲がると」のようにするんだ。どんな接続詞が省略されているのかを想像して訳そう。分詞のカタマリがメインの文にかるく意味を付け加えているんだね。

訳すとこんな感じになります。

  1. あなたが左に曲がったとき、その場合、駅が見えるでしょう。よろしいですね。
  2. 左に曲がるじゃん、すと見えっから。

1 は、誰にもはばかることのない真面目な完璧な硬い文です。2 は、めんどくさいから接続詞や主語を省略して、おもに文章のなかで楽しんで読む文です。好きなように訳せます。
(注)


しかし、上記の例文2「Turning to the left, you will see the station.」においては、「Turning to the left」は本来は後ろに配置されていたフレーズであり、「駅が見えるでしょう」ということを、「動詞-ing」形のフレーズ(左に曲がりながら)で説明しています(説明ルール)。いきいきとした行動を「動詞-ing」形はイメージさせます。同時におこっている出来事では「動詞-ing形」がつかえます。そしてこの例文では、「turning to the left」を強調するために前にもってきており、これは単なる配置がえにすぎず、倒置(逆順)であることをしめすために「left」のあとにカンマをうっています。めんどくさいから接続詞や主語を省略したということではありません。

一方の例文1は、「When」は単なる接続詞(〜するとき)であり、それ以上の意味はありません。

したがって上記の日本語訳(1 と 2)と説明はまちがっています。そもそも日本語に訳して理解し暗記しようとする勉強法がよくありません。説明だから後ろにおくということ(説明ルール)と強調のための倒置(逆順)を理解することが必要です。

「動詞-ing」形のつかい方はとても簡単であり、むずかしいことはかんがえなくてよいです。(A)主語位置におけば主語、(B)目的語位置におけば目的語、(C, D)文や動詞句の後ろにおけば説明となり、文中の位置によって機能がきまります。このことは、「to 不定詞」でも「節」でもおなじです。


(A) Singing can’t be that powerful.
(B) It’s stopped raining.
(C) He was walking in the park, talking to himself.
(D) I spent the whole morning doing military-style exercises.


学校や塾の先生は簡単なことをむずかしくおしえていました。生徒たちがどれだけ苦労させられてきたことか。

英語は「配置の言葉」であり、きまった場所にポンポンとおいていくだけです。この単純さ・うつくしさに気がつくだけで学習が急に加速します。





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▼ 参考文献
『NHK ラジオ英会話』(2021年7月号テキスト)NHK 出版、2021年
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▼ 注:受験英語の参考例
高校英文 5分でわかる!「分詞構文」とは? (www.try-it.jp)