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ショクダイオオコンニャク
(平行法で立体視ができます)
世界で一番おおきな花です。スマトラ島に自生する絶滅危惧種です。記憶の目印になります。

ステレオ写真は平行法で立体視ができます。
立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 -



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ショクダイオオコンニャクは、インドネシア・スマトラ島の熱帯雨林に自生するサトイモ科の希少植物(絶滅危惧種)であり、たかさ3m、直径1m以上にもなるおおきな花をさかせることから「世界で一番大きな花(正確には花序)」といわれ、くさった肉のような強烈な悪臭をはなつことでもしられます。

おおきな芋(球茎)が地下にあり、1枚のおおきな葉をそこから毎年だして栄養をたくわえます。このサイクルを数年へて、球茎が十分におおきくなるとその年には葉をださず、花芽をのばして花をさかせます。開花時間はわずか2日ときわめてみじかく、昆虫が媒介して受粉をおこなう虫媒花であるため、開花初日には、花序先端の「付属体」(ほそながく上にのびた部分)から発する腐臭で昆虫をあつめます。

7年に1度さくともいわれますが、かならずしもそうではなく、十数年かかった例もあり、開花からつぎの開花まで2年だった例もあります。神代植物公園のショクダイオオコンニャクはおおむね4年に1度さいていましたが、今回は2年で花芽をつけました。この個体は、1996年に葉挿しされたものを小石川植物園から2007年にゆずりうけて栽培してきたものであり、これまでに、2011年11月、2015年9月、2019年7月の3度開花しています。





ショクダイオオコンニャクのような非常にめずらしい植物をみることは特別な体験であり、一生の思い出になります。めずらしいものは記憶の目印になり、このような「目印記憶」は、その日と日常を区別するおおきな役割をはたし、マンネリを打破するだけでなく、その日にみたりきいたりしたほかのあらゆることを想起するためのきっかけにもなります。その日の出来事は何年たってもありありとおもいだせます。

旅行をしたときにはこのような体験を誰もがよくするとおもいますが、日々の生活のなかでも目印記憶を工夫してつくりだしていけば、いちじるしく記憶がすすむとともに情報処理も進展します。



▼ 注
撮影日:2021年6月25日


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▼ 参考文献
「2021 ショクダイオオコンニャク解体新書」神代植物公園サービスセンター発行、2021年