乾燥地への適応がみられます。自然の造形美におどろかされます。極限の環境をしり、地球の理解がふかまります。
咲くやこの花館の第3室は「乾燥地植物室」です。ステレオ写真はいずれも平行法で立体視ができます。
立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真
乾燥地とは、年間の降水量がすくない地域であり、ケッペンの気候区分でいうと、乾燥帯と熱帯サバナ気候の地帯に存在します。
ドイツの気候学者・ケッペンは、樹木の有無に着目して、樹木がみられない気候と樹木がみられる気候に気候を大別し、樹木がみられない気候は乾燥帯と寒帯に、樹木がみられる気候は、熱帯と温帯・冷帯(亜寒帯)に区分しました。植物の生育には、適度な温度と水が必要ですから、樹木の有無や植物の種類は気温や降水量とふかく関係し、植生は気候の指標になります。
無樹木気候
・乾燥帯
・寒帯
樹木気候
・熱帯
・温帯
・冷帯(亜寒帯)
乾燥帯は降水量がすくなく、蒸発量を下まわり、乾燥の度合いによって砂漠気候とステップ気候に区分されます。
砂漠気候は降水量が極端にすくなく、年中乾燥しています。年間をとおして亜熱帯高圧帯の影響をうける南北回帰線〜緯度30度付近、山脈の風下側、沖合を寒流がながれる低緯度の大陸西岸、海洋からはなれた大陸内部などに分布します。日中は気温があがり50℃以上になることがある一方、夜間になると氷点下まで気温がさがることがあり、気温の日較差が非常におおきいです。ほとんど植生はみられず、砂や岩石の砂漠がひろがり、蒸発がさかんなため土壌は塩類をおおくふくむ砂漠土が分布しています。
ステップ気候は、砂漠気候の周辺に分布し、みじかい雨季にはまとまった降水があり、雨季のあいだだけ、草丈のひくい短草草原(ステップ)が生育します。土壌は、栗色土がひろく分布し、比較的降水量がおおいところでは腐植にとんだ肥沃な黒色土が分布します。
年中少雨の乾燥帯と年中多雨の熱帯雨林気候のあいだに分布するのが熱帯サバナ気候です。熱帯は、年中高温多雨の熱帯雨林気候と年中高温で雨季と乾季があるサバナ気候とに区分されます。サバナ気候の植生は、乾季でも生育できるバオバブやアカシアなどの樹木がまばらにまじった長草草原です。乾季になると長草草原は枯れ、樹木も落葉し、このような長草草原を「サバナ(サバンナ)」とアフリカではいいます。雨季と乾季がサバナ気候でみられるのは、太陽回帰にともなって赤道低圧帯や亜熱帯高圧帯が移動するためです。
このように、植生は気候の指標となり、環境をしるために重要です。植物をみれば、植物の多様性とともに、より高次元な環境(気候)の多様性もわかるのであり、咲くやこの花館にくれば、全球的な観点から環境をとらえなおすことができます。
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▼ 注1
咲くやこの花館
咲くやこの花館【公式】動画チャンネル
▼ 注2
撮影日:2020年10月7日
▼ 参考文献
『咲くやこの花館ガイドブック』財団法人大阪市公園協会発行、1990年
村瀬哲史著『村瀬のゼロからわかる地理B 系統地理編』学研プラス、2018年

立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真
デザートガーデン
(外部庭園)
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乾燥地とは、年間の降水量がすくない地域であり、ケッペンの気候区分でいうと、乾燥帯と熱帯サバナ気候の地帯に存在します。
ドイツの気候学者・ケッペンは、樹木の有無に着目して、樹木がみられない気候と樹木がみられる気候に気候を大別し、樹木がみられない気候は乾燥帯と寒帯に、樹木がみられる気候は、熱帯と温帯・冷帯(亜寒帯)に区分しました。植物の生育には、適度な温度と水が必要ですから、樹木の有無や植物の種類は気温や降水量とふかく関係し、植生は気候の指標になります。
無樹木気候
・乾燥帯
・寒帯
樹木気候
・熱帯
・温帯
・冷帯(亜寒帯)
乾燥帯は降水量がすくなく、蒸発量を下まわり、乾燥の度合いによって砂漠気候とステップ気候に区分されます。
砂漠気候は降水量が極端にすくなく、年中乾燥しています。年間をとおして亜熱帯高圧帯の影響をうける南北回帰線〜緯度30度付近、山脈の風下側、沖合を寒流がながれる低緯度の大陸西岸、海洋からはなれた大陸内部などに分布します。日中は気温があがり50℃以上になることがある一方、夜間になると氷点下まで気温がさがることがあり、気温の日較差が非常におおきいです。ほとんど植生はみられず、砂や岩石の砂漠がひろがり、蒸発がさかんなため土壌は塩類をおおくふくむ砂漠土が分布しています。
ステップ気候は、砂漠気候の周辺に分布し、みじかい雨季にはまとまった降水があり、雨季のあいだだけ、草丈のひくい短草草原(ステップ)が生育します。土壌は、栗色土がひろく分布し、比較的降水量がおおいところでは腐植にとんだ肥沃な黒色土が分布します。
年中少雨の乾燥帯と年中多雨の熱帯雨林気候のあいだに分布するのが熱帯サバナ気候です。熱帯は、年中高温多雨の熱帯雨林気候と年中高温で雨季と乾季があるサバナ気候とに区分されます。サバナ気候の植生は、乾季でも生育できるバオバブやアカシアなどの樹木がまばらにまじった長草草原です。乾季になると長草草原は枯れ、樹木も落葉し、このような長草草原を「サバナ(サバンナ)」とアフリカではいいます。雨季と乾季がサバナ気候でみられるのは、太陽回帰にともなって赤道低圧帯や亜熱帯高圧帯が移動するためです。
このように、植生は気候の指標となり、環境をしるために重要です。植物をみれば、植物の多様性とともに、より高次元な環境(気候)の多様性もわかるのであり、咲くやこの花館にくれば、全球的な観点から環境をとらえなおすことができます。
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▼ 注1
咲くやこの花館
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▼ 注2
撮影日:2020年10月7日
▼ 参考文献
『咲くやこの花館ガイドブック』財団法人大阪市公園協会発行、1990年
村瀬哲史著『村瀬のゼロからわかる地理B 系統地理編』学研プラス、2018年