前においた修飾語句は後ろを指定します。2つのルールが英語にはあります。ルールがわかるとすすんでいけます。
NHK ラジオ英会話テキスト「よくわかる中学英文法」の第11回は「修飾表現の配置③:指定ルール」です。「指定ルール」は、「説明ルール(説明は後ろに置く)」とならぶ英語修飾の大原則です。


指定ルール
前に置いた修飾語句は後ろを指定する。

Bring me the red tie.
He is very tall.
I always get up at six.
I don't speak Spanish.
I really don't like your car.
I don't really like your car.


たとえば not をつかいこなすためには、常に、語順どおり not を意識する必要があります。肯定文をつくってから not を動詞の前におく(挿入する)とはかんがえません。例文「I don't speak Spanish.」では「私→そうじゃない→スペイン語を話す」という順序です。

指定ルールは、特定の品詞にかぎられない、一般的な語順則です。「限定詞―名詞」のペアであっても「副詞―形容詞」であっても、指定の意図があるなら前におくのが英語語順の一貫したルールです。

けっきょく、英語の修飾方向には、「前置き」「後ろ置き」の2方向があるのみであり、指定ルールと説明ルールだけですべてが理解でき、2つルールになれることが英語をマスターするための基本です。日本語に訳して理解しようとするのではなく、これらのルールをつかって英語にとりくみます。

英語とはかぎらず何事も、ルールがわかると全体が見通せます。心のなかがすっきりします。するとすすんでいけます。ルールとはつかっていくものです。役立つものです。




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▼ 参考文献
『NHK ラジオ英会話』(2021年2月号テキスト)NHK 出版、2021年
2021-02-27 21.05.55


▼ CD

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