地球温暖化をふせごうとしています。技術革新、産業・制度の変革、意識改革とすすみます。生活様式を、浪費型から循環型へ転換する必要があります。
『Newton』2021年3月号の FOCUS Plus で温室効果ガスの排出について説明しています(注)。
産業革命前にくらべて、地球の平均気温は1℃ほど上昇しました。すでに、いくつかの国や地域ではおおきな支障が生活にでており、生態系にも悪影響が生じています。気候変動によって強力な台風が発生しやすくなるともいわれています。
日本政府は、2030年までに2013年比で、温室効果ガス排出量を26%削減するという目標を2015年にかかげましたが、諸外国にくらべて目標設定がひくいと批判をあびました。そこでようやく、他国がすでにかかげていた目標と同等の目標をかかげました。
温室効果ガスとは、地球温暖化をもたらす原因となる気体であり、二酸化炭素・メタン・一酸化窒素・フロンガスがあり、なかでも、二酸化炭素は影響がおおきいとされます。
「排出量実質ゼロ」とは、人間の活動によって排出される量と植物に吸収される量をひとしくする(差し引きゼロにする)ということです。
したがって吸収よりも排出が圧倒的におおく、はたして目標は達成できるでしょうか?
現在、太陽光・風力などの再生エネルギー、電気・水素自動車、二酸化炭素回収貯蔵、建物の断熱など、化石燃料の使用をへらすための技術開発が急速にすすんでいます。今後、産業・制度の変革、人々の意識改革が順次すすんでいくと予想されますが、万人の生活様式が、浪費型から循環型へ転換しなかぎり目標達成は困難であるとおもわれます。
歴史的にみると、技術革新は比較的はやくすすみますが、人々の意識改革はおくれる傾向にあります。
しかし時間がかかるとしても、地球環境を保全しなければ生き物は生存できないのですから変革をせざるをえません。日本人は、明治維新以降は、欧米人のまねをして浪費型の生活様式を採用してきましたが、江戸時代までは、循環型の生活様式をもっていました。そのしくみをあらためてみなおすことも必要でしょう。
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▼ 注:参考文献
『Newton』(2021年3月号)ニュートンプレス、2021年
パリ協定は、2015年にフランスのパリで行われた「第21回国連気候変動枠組条約締約国会議(COP21)」において採択された。世界全体で平均気温の上昇を2℃より十分低く、できれば1.5℃におさえる目標をかかげている。
産業革命前にくらべて、地球の平均気温は1℃ほど上昇しました。すでに、いくつかの国や地域ではおおきな支障が生活にでており、生態系にも悪影響が生じています。気候変動によって強力な台風が発生しやすくなるともいわれています。
日本政府は、2030年までに2013年比で、温室効果ガス排出量を26%削減するという目標を2015年にかかげましたが、諸外国にくらべて目標設定がひくいと批判をあびました。そこでようやく、他国がすでにかかげていた目標と同等の目標をかかげました。
2020年10月26日、菅義偉首相は所信表明演説において、「2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする」と発表した。
温室効果ガスとは、地球温暖化をもたらす原因となる気体であり、二酸化炭素・メタン・一酸化窒素・フロンガスがあり、なかでも、二酸化炭素は影響がおおきいとされます。
「排出量実質ゼロ」とは、人間の活動によって排出される量と植物に吸収される量をひとしくする(差し引きゼロにする)ということです。
2018年度の日本の排出量は12億4000万トンで、吸収量は5590万トンだった(いずれも二酸化炭素に換算した量)。
したがって吸収よりも排出が圧倒的におおく、はたして目標は達成できるでしょうか?
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現在、太陽光・風力などの再生エネルギー、電気・水素自動車、二酸化炭素回収貯蔵、建物の断熱など、化石燃料の使用をへらすための技術開発が急速にすすんでいます。今後、産業・制度の変革、人々の意識改革が順次すすんでいくと予想されますが、万人の生活様式が、浪費型から循環型へ転換しなかぎり目標達成は困難であるとおもわれます。
歴史的にみると、技術革新は比較的はやくすすみますが、人々の意識改革はおくれる傾向にあります。
しかし時間がかかるとしても、地球環境を保全しなければ生き物は生存できないのですから変革をせざるをえません。日本人は、明治維新以降は、欧米人のまねをして浪費型の生活様式を採用してきましたが、江戸時代までは、循環型の生活様式をもっていました。そのしくみをあらためてみなおすことも必要でしょう。
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▼ 注:参考文献
『Newton』(2021年3月号)ニュートンプレス、2021年