to は矢印のイメージです。動詞-ing形はリアルな状況をあらわします。イメージして、言葉で表現します。
NHK ラジオ英会話テキスト「よくわかる中学英文法」の第8回は「to 不定詞」と「動詞 -ing形」です。


I want to take a break.


「to」は、「〜へ」というように、「(到達点を)指し示す」矢印(→)のイメージであり、「これから」を想起させます。この例文では、「〜したい」をあらわす「want」と、「これからひと休みする」の「to take a break」がベスト・コンビネーションをつくり、「これから〜したい」となっています。

want は、「動詞 -ing形」はとることができず、同様な動詞はほかに、hope、plan、promise、decide などがあり、どれも、「これから」がつよく意識されるため「to 不定詞」となります。


They enjoyed playing soccer.


「動詞 -ing形」は、行為をいきいきと描写する躍動感あふれる形であり、「出来事が起こっている」感触をつよくつたえ、リアルな状況を表現します。この例文では、リアルな状況をおもいうかべて、「動詞 -ing形」が「enjoy」とむすびついています。

enjoy は、「to 不定詞」を目的語にとることはできず、「動詞 -ing形」しかとれません。このような動詞はほかに、finish、stop、consider などがあり、どれも、リアルな状況を前提とするため「動詞 -ing形」しかとれません。






このように、イメージすることはとても重要です。たとえば「これから休憩室へいって一休みする自分」をイメージしたら「I want to take a break」といい、「彼らが、サッカーをしながらたのしんでいたリアルな状況」をイメージしたら「They enjoyed playing soccer」といいます。

そうではなく、イメージをつかわずに、「to 不定詞」をとる動詞はこれこれ、「動詞 -ing形」をとる動詞はこれこれというように機械的に暗記したり、理屈をつかっておぼえようとしたりすると時間と労力がかかり、外国人を前にしても実際に会話はできないということになります。

しかしイメージをつかえば簡単であり、記憶にものこり、会話もできます。

先にイメージして、そして言葉でいう練習をしたほうがよいしょう。情報処理用語でいえば、イメージはプロセシング、言葉はアウトプットです。



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▼ 参考文献
『NHK ラジオ英会話』(2020年11月号テキスト)NHK 出版、2020年
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本書は、NHK ラジオ英会話の2018年度の内容を再構成してまとめたものです。音声は、NHK ラジオ英会話の CD の2018年度のものを再編集してまとめたもので、NHK 出版サイトからダウンロードできます。コンパクトに録音されているので効率的に学習できます。


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