IMG_5532_1
太陽の塔
(交差法で立体視ができます)
現代の縄文土偶です。生物の歴史を体験し、深層の世界にアプローチします。生命力がよみがえります。
ステレオ写真はいずれも交差法で立体視ができます。
立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 -



DSCF0747ba
万博記念公園駅


DSCF0745ba
太陽の塔


DSCF0768ba
「黒い太陽」(背面)



太陽の塔の内部

IMG_5692_1



IMG_5696_5



IMG_5704_5c



IMG_2980_79



DSCF0789ba



IMG_2984_3



IMG_2972_1






太陽の塔は、芸術家の岡本太郎がデザインし、1970年に開催された日本万国博覧会のシンボルゾーンの中心にたてられました。万博閉会後は、地下部分の限定公開をのぞき、内部は一般公開されていませんでしたが、大阪府は、「太陽の塔内部再生」事業を2016年よりおこない、2018年3月、48年ぶりに内部公開を再開しました。

塔の外面は、金色にかがやいて未来を象徴する頂部の「黄金の顔」、現在を象徴する正面の「太陽の顔」、過去を象徴する背面の「黒い太陽」という3つの顔をもち、また地下展示室には、「地底の太陽」という太古の顔があり、全体として、過去・現在・未来をつらぬいて生成する万物のエネルギーを象徴します。

塔の背面・地下から中にはいると、そこは内面の世界です。「地底の太陽」がでむかえ、心の根源をてらします。そして「生命の樹」へむかいます。

その根元には、アメーバ・ウミユリ・べん毛虫・ポリプなど、原始的な生物がみられ、深層の世界がひろがります。そして階段をのぼっていくと、原生生物から、爬虫類、恐竜、哺乳類、霊長類、そして人類へと生命が進化していく過程がみられます。「生命の樹」は、種の進化をくりかえしながらしだいに成長していくひとつの巨大な生命体です。地球を現在 支配する人間たちもこの生命体の一部でしかありません。

けっきょく、わたしたち人間は進化の結果としてうまれてきたのであり、進化の過程がそこには反映されています。人間の潜在意識には生命の歴史が蓄積されています。生命の進化とは生命の歴史であり、歴史をしることは深層をとらえることであり、あらためてこうして深層をとらえなおすことによって生命力が再生されるのではないでしょうか。

岡本太郎は縄文文化に共鳴していたことがしられます。太陽の塔は縄文土偶がモデルになっていたという仮説がたてられ、太陽の塔は現代の「土偶」であるとかんがえられます。そしてこのたび、その内部にはいってみたら「生命の樹」がのびていました。土偶は深層に根をはって、いまでも成長しています。土偶は、外面的・物理的にみるだけでなく、その内面世界も理解しなけれなりません。

太陽の塔が48年ぶりに再生されたことにより、岡本太郎の本当のメッセージがようやく理解できるようになりました。時代が、岡本太郎においつきました。




▼ 関連記事
いのちを再生する - 企画展「太陽の塔 1967 - 2018 - 岡本太郎が問いかけたもの -」(岡本太郎記念館)-
生命力を再生させる - 太陽の塔 -
特別展「縄文―1万年の美の鼓動」(東京国立博物館)(まとめ)
さまざまな角度から土偶をみる - 譽田亜紀子『土偶界へようこそ』-
梅原猛『日本の深層』をよむ(その1. 東北の旅)
いのちのシステム - 企画展「いのちの交歓 -残酷なロマンティスム-」(國學院大學博物館)-


▼ 注
太陽の塔
※ 写真撮影は、塔内部1階(地下)でのみ許可されています。





▼ 関連書籍



▼ モデル(海洋堂 1/350スケール)