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ネペンテス・ラフレシアナ(ウツボカズラ科)
(交差法で立体視ができます)
昆虫などの小動物から栄養をとります。ユニークな生態があります。生物多様性の一端をしることができます。
ステレオ写真はいずれも交差法で立体視ができます。
立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 -



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ムシトリスミレの仲間



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サラセニアの仲間



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ハエトリソウ



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モウセンゴケの仲間



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ヘリアンフォラの仲間(サラセニア科)



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ムジナモ(モウセンゴケ科)






昆虫やネズミなどの小動物をとらえて消化し、栄養をえる植物を食虫植物(肉食植物)とよびます。

ネペンテス(ウツボカズラ)は、カップのような袋のフタの裏側に虫をさそう物質をだす蜜腺をもち、これで虫をひきよせます。袋の内側は、つるつるしたロウ状になっており、一度おちるとはいあがれません。虫は、袋のなかにたまっている消化液で消化されます。地生または着生で、おおくはつる性です。捕虫袋は葉が変化したものです。

ムシトリスミレは、ロゼット状にひろがった葉の全体が、粘液をだすこまかい毛でおおわれていて、ちいさな虫がさわるとネバネバでうごけなくなります。粘液は消化液の役割もはたし、虫を消化、吸収します。

サラセニアは、葉全体が筒状の捕虫袋になっており、筒の内側は、下むきになったこまかい毛(逆毛)でおおわれており、おちた虫ははいあがることはできず、もがくと底におちていきます。捕虫能力は非常にたかいですが、消化液はほとんど分泌されず、雨水がたまったときに繁殖するバクテリアが虫を分解するといわれています。 

ハエトリソウは、二枚貝のような葉のなかに「感覚毛」というセンサーを3本もち、そこに虫が2回ふれるとパクッとはさみこみます。とじた葉は、1〜2週間かけてゆっくり栄養を吸収します。その後ふたたびひらきますが、この動きによって大量のエネルギーを消費するため、2〜3回開閉をくりかえすと葉はかれてしまいます。

モウセンゴケは、葉の表面に「腺毛」という毛がびっしりはえており、腺毛の先から、ネバネバした粘液をだして虫をつかまえます。葉は、粘液をたくさんだし、葉を内側にまきこんで虫がにげられないようにします。粘液には、虫を消化する役割もあり、消化された虫は腺毛から吸収された栄養になります。

ムジナモは、葉は袋状ではなく、ハエトリソウのような二枚貝に似た形をしており、40本もの感覚毛を内側にもち、そこに虫が一度ふれると、1/50という植物界最速で虫をとじこめます。そして消化酵素をだすと虫は6時間でとけはじめ、24時間で分解し吸収されます。ムジナモは、1890年、植物学者 牧野富太郎によって江戸川の土手にあったちいさな池で発見されました。現在では、天然の自生地はすでになく、埼玉県羽生市宝蔵時沼にのこった自生地で国定天然記念物として保護されながら生息しています。

神代植物公園・大温室では、熱帯花木室でネペンテスがみらます。また大温室の出口付近で小規模ながら、ネペンテスその他の食虫植物を栽培・展示しています。


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