梅雨前線が停滞しています。積乱雲の群れ(線状降水帯)が豪雨をもたらします。地球温暖化も影響しています。
2020年7月9日、気象庁は、熊本・鹿児島・福岡・佐賀・長崎・岐阜・長野の7県に大雨特別警報を発表した、7月3日から継続している豪雨について「令和2年7月豪雨」と命名しました。

気象庁は、台風をのぞいた気象現象について名称をさだめる基準を、「顕著な被害(損壊家屋等1,000棟程度以上または浸水家屋10,000棟程度以上の家屋被害、相当の人的被害、特異な気象現象による被害など)が発生した場合 」としています。名称をさだめることにより、復旧活動の円滑化や経験や教訓が後世につたわることを期待しています。

7月10日から7月16日までの週間天気予報は気象庁によるとつぎのとおりです。
週間天気予報(気象庁)


東日本と西日本は、前線や湿った空気の影響で曇りや雨の日が多い見込みです。

北日本から西日本にかけては、12日にかけて前線の活動が活発となり、大雨となる所があるでしょう。その後、西日本では、14日頃にかけて前線の活動の程度によっては大雨となるおそれがあります。

200709 気象庁
(出典:気象庁) 


今回の豪雨のおおきな原因のひとつは、本州上における梅雨前線の停滞の異例ともいえる長期化であり、気象庁は、「どこでも災害がおきてもおかしくない状況」として警戒をよびかけています。これは、南側の太平洋高気圧と北側の高気圧のあいだに梅雨前線がはさまれて、梅雨前線がうごけない状況になっているからだとかんがえらます。

そして梅雨前線にむかって、南あるいは南西から大量の水蒸気がながれこみ、「線状降水帯」が発生します。前線にむかってながれこんできたしめった空気が山などにさえぎられて上昇すると積乱雲が発達し、ひとつの積乱雲が風でながされると、あらたな積乱雲がおなじ場所でつぎつぎに発生し、「積乱雲の群れ」ができて線状降水帯となり豪雨をもたらします。

このような梅雨前線は来週にかけても日本列島に停滞すると予測されています。したがって大雨は来週も継続します。


梅雨前線の予測
200709 梅雨前線
(出典:ウェザーニュース)


梅雨前線の停滞にくわえて地球温暖化の影響を指摘する気象学者もいます。インド洋の海水温が上昇しており、しめった空気が以前よりも大量に日本列島までながれこんできているため、降水量が増加しているのではないかという仮説がたてられています。グローバルな温暖化が影響しているという仮説を支持する専門家はおおく、もしこれがただしいとすると、今後とも、毎年のように豪雨がおそってくることになります。大変な時代になりました。



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