形容詞は名詞を修飾する要素であり、印象をあらわす単語です。イメージ(絵)をみたときの印象を大切にします。印象をつかって効果的に学習をすすめます。
NHK ラジオ英会話、今月は、形容詞にとりくんでいます。
Lesson 141 fine のイメージ
fine のイメージは「スッキリしている」、「不純物がない」ということです。
Lesson 142 大きい:big、large
big は、単なる大きさを表す単語ではありません。「大きいよ!・すごいよ・デカいよ~」といったゆたかな感情的奥行きにその焦点があります。
Lesson 143 小さい: little、small
big と large のちがいは、ゆたかな感情的奥行きがあるのか、それとも単なるサイズの描写なのかでした。little は big の「小さい」バージョンです。「ちっちゃい・取るに足らない・ちっぽけな」など、感情とつよくむすびついた「小さい」をあらわします。
Lesson 144 近い: close と near
close は「近い」。キューッと体に迫ってくるような「近さ」、皮膚感覚にもとづく近さを感じとってください。
Lesson 146 カタい:hard、tough、firm、solid
hard は「カキン!」としたカタさをあらわします。
Lesson 147 頭がいい: smart、clever、wise、bright、intelligent
smart の知性がビジネスパーソン的 だとするなら、clever は機知・頓知にとんだ人、頭の回転と発想のゆたかさがイメージです。誰もが首をひねるような問題に、まったくあたしい角度からアイデアをだします。
Lesson 148 きれい・かわいい: gorgeous、cute、pretty、beautiful、attractive
この文の gorgeous(すてき・すばらしい・美しい)は Wow!(大きな感動)に焦点があります。
Lesson 149 重要な: essential、vital、key、crucial
「重要な」を意味するグループで最も頻繁に用いられ、特殊なニュアンスのない語は important ですがこのグループにはほかにも数おおくの形容詞があつまっています。essence(本質・核心)は何かをなりたたせる必須の成分であり、そこから essential は「絶対に必要な・必要不可欠な」というニュアンスになります。vitalは、「生命に関わる」というイメージをもちます。
Lesson 151 よくわからない: mysterious、ambiguous、vague
mysterious(不可解な・謎めいた)には「わからない」と「知りたい」が同居しています。
Lesson 152 理解しやすい・明瞭な: obvious、clear、evident
obvious は、単なる「明らかな・明瞭な」ではありません。「簡単にわかるさ・わかりきったことだよ・誰にだって当然わかるよ」という意識をともなう単語です。
Lesson 153 「同じ」仲間: same、similar、identical
same は、「同じ」を意味するもっとも一般的な単語です。まったく同一のモノから同種のモノまで 幅ひろくつかえます。
Lesson 154 「違う」仲間:different、unique、distinct
「違う」を表すもっとも一般的な単語は different です。特殊なニュアンスは何もありません「~と違う」というときには from、アメリカ英語では than ももちいられます。
Lesson 156 動詞から派生した形容詞
感情を表す動詞の過去分詞形・動詞 -ing 形は頻繁に形容詞としてもちいられます。ここでは disappoint(がっかりさせる)の過去分詞形 disappointed が「がっかりして」という形容詞としてつかわれています。過去分詞形は「~される」という意味です。
次に動詞の -ing 形の例です。
disappointed は「がっかりして」という人がいだく感情についてつかわれましたが、こちらの動詞 -ing 形は「期待外れ(がっかりさせるような)」つまり感情をいだかせる原因 についてのべています。「過去分詞形──感情」「動詞 -ing 形──その原因」のちがいはとても一般的で、また間違いやすいところです。
Lesson 157 難易度を表す形容詞のとる形
please は「~を喜ばせる」という意味です。
Lesson 158 可能性を表す形容詞と to 不定詞
形容詞と to 不定詞のコンビネーションです。可能性を表す形容詞は頻繁に to 不定詞とむすびつきます to 不定詞は「指し示す」つまり「矢印(→)」をイメージします。
Lesson 159 「これから指向」の形容詞
ready は、「これから何かをする」準備ができたという「これから形容詞」(「これから」をつよく指向する形容詞)であり、「矢印(→)」をイメージとする to 不定詞とナチュラルに・強力につながります。
形容詞とは、名詞を修飾する要素のことであり、対象に対する印象をあらわす単語です。日本語訳をこえた繊細なニュアンスがあるため、簡単にみえてもつかうのはむずかしです。たとえば「重要な」というときに important ばかりをつかっているかもしれませんが、essential、vital、key、crucial などもつかえたほうがよいです。
印象は理屈ではありません。頭でかんがえるものではなく、心にひびくものです。過去にどんな印象体験があったかおもいだしてみるとよいでしょう。
ネイティブスピーカーはどんな印象でその単語をつかっているのか、それがわかればハートで会話ができます。そのためには、単語のメージをつかむことがまず大切です。
さらに単語がつかわれている文の形もあわせて理解すれば英語が自然にながれでてきます。たとえば to をつかった表現のコンビネーションが理解できれば、丸暗記をただするのとはまったくちがい、そのくみあわせを心からつくり、つかえるようになります。
印象とはとてもおもしろい現象であり、おぼえようおぼえようとしてもなかなかおぼえられない、すぐにわすれてしまうことがおおくてこまる一方で、印象ぶかかったことは一度みただけで、一回きいただけで記憶できることがよくあります。まさに印象にのこります。
これは印象が、心のなかのふかいところで生じるからではないでしょうか。たとえば美術や音楽などの芸術に接したときによくおこる現象です。
したがって印象をうまくつかえれば理解や記憶や学習がすすみます。そのためには具体的には、番組テキストに掲載されているイメージ(絵)をつかって、それをみたときのあなた自身の印象を大切にします。わかりやすいイメージ(絵)がそれぞれの単語について掲載されているので、たとえば「かわいい!」とか「するどい!」とか「やさしい!」とかいう印象をもったら、その印象を大切にします。
他方で、印象とは主観であり、もしかしらた現実とは ずれていることがあるかもしれません。そこで対象のとらえなおし、検証がいります。とらえなおし、検証とは、テキストをくりかえしみなおすことであり、CD などをつかって、スキットその他をくりかえしききなおすことです。
客観的に印象をとらえなおすことは、記憶をみがくことになり、英語をはなすいろいろな外国人とのコミュニケーションに役立ちます。
▼ 関連記事
前置詞をイメージする -「英単語は日本語訳では語れない」(NHK ラジオ英会話, 2019.04)-
言葉とイメージ -「前置詞のイメージの完成」(NHK ラジオ英会話, 2019.05)-
イメージをうごかす -「基本動詞の征服 ①」(NHK ラジオ英会話, 2019.06)-
イメージと文型のシンクロナイズ -「基本動詞の征服 ②」(NHK ラジオ英会話, 2019.07)-
プログラムにしたがって練習する -「基本動詞の征服 ③」(NHK ラジオ英会話, 2019.08)-
類語をおぼえる -「基本動詞の征服 ④」(NHK ラジオ英会話, 2019.09)-
スキットを想像する -「基本動詞の征服 ⑤」(NHK ラジオ英会話, 2019.10)-
▼ 参考文献
『NHK ラジオ英会話 2019年11月号』NHK出版、2019年
▼ CD:放送内容をコンパクトにまとめており、復習のために最適です。
▼ NHK ラジオ英会話はインターネットでもきくことができます。
NHK らじる★らじる
ラジオ英会話ストリーミング
▼ 今月のメッセージ
大西先生と番組パートナーのクリス&ろーざからのメッセージ動画をお楽しみください。
▼ 年間学習予定表
▼ 関連教材
2018年度の復習をしたい人、2018年度の番組をきけなかった人のために!
大西泰斗先生が講師をつとめる NHK ラジオ英会話の全講義を収載しています。
本書は、NHK ラジオ英会話の2018年度の内容を再構成してまとめたものです。音声は、NHK ラジオ英会話の CD の2018年度のものを再編集してまとめたもので、NHK 出版サイトからダウンロードできます。コンパクトに録音されているので効率的に学習できます。
Lesson 141 fine のイメージ
Don’t worry. Everything is fine.
fine のイメージは「スッキリしている」、「不純物がない」ということです。
Lesson 142 大きい:big、large
The interviewer looked at me with a big smile on her face.
big は、単なる大きさを表す単語ではありません。「大きいよ!・すごいよ・デカいよ~」といったゆたかな感情的奥行きにその焦点があります。
Lesson 143 小さい: little、small
I learned that the Earth is no more than a little planet.
big と large のちがいは、ゆたかな感情的奥行きがあるのか、それとも単なるサイズの描写なのかでした。little は big の「小さい」バージョンです。「ちっちゃい・取るに足らない・ちっぽけな」など、感情とつよくむすびついた「小さい」をあらわします。
Lesson 144 近い: close と near
That was close!
close は「近い」。キューッと体に迫ってくるような「近さ」、皮膚感覚にもとづく近さを感じとってください。
Lesson 146 カタい:hard、tough、firm、solid
Sorry, but the carrots are still a bit hard.
hard は「カキン!」としたカタさをあらわします。
Lesson 147 頭がいい: smart、clever、wise、bright、intelligent
You are so smart.
smart の知性がビジネスパーソン的 だとするなら、clever は機知・頓知にとんだ人、頭の回転と発想のゆたかさがイメージです。誰もが首をひねるような問題に、まったくあたしい角度からアイデアをだします。
Lesson 148 きれい・かわいい: gorgeous、cute、pretty、beautiful、attractive
Look at the gorgeous girl over there.
この文の gorgeous(すてき・すばらしい・美しい)は Wow!(大きな感動)に焦点があります。
Lesson 149 重要な: essential、vital、key、crucial
Advance booking is essential.
「重要な」を意味するグループで最も頻繁に用いられ、特殊なニュアンスのない語は important ですがこのグループにはほかにも数おおくの形容詞があつまっています。essence(本質・核心)は何かをなりたたせる必須の成分であり、そこから essential は「絶対に必要な・必要不可欠な」というニュアンスになります。vitalは、「生命に関わる」というイメージをもちます。
Lesson 151 よくわからない: mysterious、ambiguous、vague
There’s something mysterious about him.
mysterious(不可解な・謎めいた)には「わからない」と「知りたい」が同居しています。
Lesson 152 理解しやすい・明瞭な: obvious、clear、evident
It’s obvious.
obvious は、単なる「明らかな・明瞭な」ではありません。「簡単にわかるさ・わかりきったことだよ・誰にだって当然わかるよ」という意識をともなう単語です。
Lesson 153 「同じ」仲間: same、similar、identical
She hardly ever makes the same mistake twice.
same は、「同じ」を意味するもっとも一般的な単語です。まったく同一のモノから同種のモノまで 幅ひろくつかえます。
Lesson 154 「違う」仲間:different、unique、distinct
Many things are different here.
「違う」を表すもっとも一般的な単語は different です。特殊なニュアンスは何もありません「~と違う」というときには from、アメリカ英語では than ももちいられます。
Lesson 156 動詞から派生した形容詞
I’m very disappointed.
感情を表す動詞の過去分詞形・動詞 -ing 形は頻繁に形容詞としてもちいられます。ここでは disappoint(がっかりさせる)の過去分詞形 disappointed が「がっかりして」という形容詞としてつかわれています。過去分詞形は「~される」という意味です。
次に動詞の -ing 形の例です。
He has been disappointing as a coach.
disappointed は「がっかりして」という人がいだく感情についてつかわれましたが、こちらの動詞 -ing 形は「期待外れ(がっかりさせるような)」つまり感情をいだかせる原因 についてのべています。「過去分詞形──感情」「動詞 -ing 形──その原因」のちがいはとても一般的で、また間違いやすいところです。
Lesson 157 難易度を表す形容詞のとる形
Your father is really hard to please.
please は「~を喜ばせる」という意味です。
Lesson 158 可能性を表す形容詞と to 不定詞
She is sure to win.
形容詞と to 不定詞のコンビネーションです。可能性を表す形容詞は頻繁に to 不定詞とむすびつきます to 不定詞は「指し示す」つまり「矢印(→)」をイメージします。
Lesson 159 「これから指向」の形容詞
OK, I’m ready to go!
ready は、「これから何かをする」準備ができたという「これから形容詞」(「これから」をつよく指向する形容詞)であり、「矢印(→)」をイメージとする to 不定詞とナチュラルに・強力につながります。
*
形容詞とは、名詞を修飾する要素のことであり、対象に対する印象をあらわす単語です。日本語訳をこえた繊細なニュアンスがあるため、簡単にみえてもつかうのはむずかしです。たとえば「重要な」というときに important ばかりをつかっているかもしれませんが、essential、vital、key、crucial などもつかえたほうがよいです。
印象は理屈ではありません。頭でかんがえるものではなく、心にひびくものです。過去にどんな印象体験があったかおもいだしてみるとよいでしょう。
ネイティブスピーカーはどんな印象でその単語をつかっているのか、それがわかればハートで会話ができます。そのためには、単語のメージをつかむことがまず大切です。
さらに単語がつかわれている文の形もあわせて理解すれば英語が自然にながれでてきます。たとえば to をつかった表現のコンビネーションが理解できれば、丸暗記をただするのとはまったくちがい、そのくみあわせを心からつくり、つかえるようになります。
印象とはとてもおもしろい現象であり、おぼえようおぼえようとしてもなかなかおぼえられない、すぐにわすれてしまうことがおおくてこまる一方で、印象ぶかかったことは一度みただけで、一回きいただけで記憶できることがよくあります。まさに印象にのこります。
これは印象が、心のなかのふかいところで生じるからではないでしょうか。たとえば美術や音楽などの芸術に接したときによくおこる現象です。
したがって印象をうまくつかえれば理解や記憶や学習がすすみます。そのためには具体的には、番組テキストに掲載されているイメージ(絵)をつかって、それをみたときのあなた自身の印象を大切にします。わかりやすいイメージ(絵)がそれぞれの単語について掲載されているので、たとえば「かわいい!」とか「するどい!」とか「やさしい!」とかいう印象をもったら、その印象を大切にします。
他方で、印象とは主観であり、もしかしらた現実とは ずれていることがあるかもしれません。そこで対象のとらえなおし、検証がいります。とらえなおし、検証とは、テキストをくりかえしみなおすことであり、CD などをつかって、スキットその他をくりかえしききなおすことです。
客観的に印象をとらえなおすことは、記憶をみがくことになり、英語をはなすいろいろな外国人とのコミュニケーションに役立ちます。
▼ 関連記事
前置詞をイメージする -「英単語は日本語訳では語れない」(NHK ラジオ英会話, 2019.04)-
言葉とイメージ -「前置詞のイメージの完成」(NHK ラジオ英会話, 2019.05)-
イメージをうごかす -「基本動詞の征服 ①」(NHK ラジオ英会話, 2019.06)-
イメージと文型のシンクロナイズ -「基本動詞の征服 ②」(NHK ラジオ英会話, 2019.07)-
プログラムにしたがって練習する -「基本動詞の征服 ③」(NHK ラジオ英会話, 2019.08)-
類語をおぼえる -「基本動詞の征服 ④」(NHK ラジオ英会話, 2019.09)-
スキットを想像する -「基本動詞の征服 ⑤」(NHK ラジオ英会話, 2019.10)-
▼ 参考文献
『NHK ラジオ英会話 2019年11月号』NHK出版、2019年
▼ CD:放送内容をコンパクトにまとめており、復習のために最適です。
▼ NHK ラジオ英会話はインターネットでもきくことができます。
NHK らじる★らじる
ラジオ英会話ストリーミング
▼ 今月のメッセージ
大西先生と番組パートナーのクリス&ろーざからのメッセージ動画をお楽しみください。
▼ 年間学習予定表
▼ 関連教材
2018年度の復習をしたい人、2018年度の番組をきけなかった人のために!
大西泰斗先生が講師をつとめる NHK ラジオ英会話の全講義を収載しています。
本書は、NHK ラジオ英会話の2018年度の内容を再構成してまとめたものです。音声は、NHK ラジオ英会話の CD の2018年度のものを再編集してまとめたもので、NHK 出版サイトからダウンロードできます。コンパクトに録音されているので効率的に学習できます。