イメージをうごかします。想像します。類推します。
NHK ラジオ英会話、6月は、文作りの要である基本動詞にとりくんでいます。基本動詞のイメージがわかれば表現の幅がひろがります。基本動詞の選択のしかたで文の意味がおおきくかわることを確認し、イメージ訓練の重要性を再認識してください。




Lesson 41 動詞の繊細な使い分けとイメージ: have、make、get、take

I already had lunch.

have は「手に持つ」という動きをあらわす動詞ではなく、「(近くに)ある」ことを示す単語です。have とそのイメージが直接つながっていれば日本語にいちいち訳すことなく楽に会話ができるようになります。




Lesson 42 イメージを広げる練習: turn

Any relationship can turn sour quite quickly.

turn は「(クルッと)向きを変える」というイメージです。想像力をつかってこのイメージを「変化」につなげればこの文が理解できます。




Lesson 43 基本動詞の持つ意味の広がり: go

It looks like it’s about to go.

この文の go は「壊れる」ということです。go のイメージは「元の場所から出ていき、進んでいく」です。




Lesson 44 移動の方向性: come と go

I’m coming.

「話題になっている場所を中心に go/come の選択をする」クセが英語にはあります。そこに「やって来る」場合は come となります。しかし「I’m going.」なら、その場からはなれるうごきをしめし、「これから出ていきます」となります。




Lesson 46 変化の傾向: come と go

I hope your prediction comes true.

「やって来る」が、「ある状態から別の状態へやって来る(変化)」につながります。類推してください。come にはこのましい変化、go にはこのましくない変化をあらわすつよい傾向があります。go の、元の場所からはなれるうごきは事態が手を離れてコントロールができない状況を想起させます。come はその逆です。




Lesson 47 文型とイメージが紡ぐ意味: run

He runs an Italian restaurant.

run のイメージは「走る」です。run がここで「経営する」となるのは、この文が「動詞+目的語」の他動型であるためです。他動型は、「動詞の力が対象物に直接及ぶ」ことをおもいだしてください。「レストランを走らせる」が、「レストランを経営・運営する」という日本語になるにすぎません。




Lesson 48 「運ぶ」を表す動詞の方向性: bring、take、carry

He has brought lots of happiness into my life.

何かをともなって移動することをあらわす代表的な動詞には、bring、 take、carry がありますが、移動の方向性がこれらはことなります。bring は「持ってくる・連れてくる」という come のうごきです。「幸せを自分のところに持ってくる」となります。逆に go の動きとなるのが take(持っていく・連れていく)です。こうした移動の方向性を含まないのが carryです。carry は「支える」イメージです。




Lesson 49 視点の相違: leave

You left your keys on the table.

leave は「場所」をつよく感じさせる動詞です。leave の動作は、はなれていくモノ(主体)に注目すると「(A)去る・出発する・出ていく・辞める」といった意味をうみだします。

① Why did you leave your job?

一方、はなれた結果「残されたモノ」に注目すると「(B)残す・置き忘れる・置き去りにする」といったニュアンスとなります。
② May I leave a message?




Lesson 51 意外な素顔: drive

My boyfriend is driving me crazy.

drive という動詞のイメージは「力を加えて動かす」です。「me = crazy」と、目的語のうしろに説明語句がおかれた「目的語説明型」であることも確認してください。




Lesson 52 さまざまな「到着」: arrive と reach

Most of the guests have already arrived.

動詞がつかわれる文の型には動詞のイメージが反映されます。arrive が目的語をとらない「自動型」でつかわれていることに注意しましょう。この型は「単なる動作」をあらわします。「~に到着する」とのべたい場合には前置詞が必要となります。




Lesson 53 さまざまな「やめる・終える」: stop、finish、quit、give up

Everyone stopped chatting when the author arrived.

stop は、それまでおこなわれてきた動作・活動を「継続しない」ことをあらわすもっともひろくつかわれる単語です。finish には「完了・完遂(completion)」が常に感じられます。quit には、「(やめて)自由になる」という感触があり、「パン」と歯切れのよいくだけた表現でつかわれます。give up は、「やめる・あきらめる」をあらわします。




Lesson 54 こそこそ動詞: sneak、creep、stalk

I managed to sneak out.

manage to は「何とか~する」、 manage は目的を達成する・成功するための工夫・努力を意味する単語であるため、「これから」が感じられる to 不定詞とくみあわされます。sneak は「こっそり」「こそこそ」がイメージです。(ゴム底でしずかにあるける)スニーカーはこの単語から生まれた靴の名前です。




Lesson 56 さまざまな変化: change

My friend Kumiko has changed a lot.

この文は「(何かが)変わる」ことをあらわします。「自動型」でつかわれています。




Lesson 57 変化の仕方: develop

I need to develop the idea.

develop には、「発達・発展・開発する」などの日本語訳があたりますが、そのイメージの中心には「時間をかけて」があります。急激な変化ではありません。ゆっくり形づくられていきます。




Lesson 58 基本動詞の持つ自由: put

Could you please fill out this card and put your signature here?

put は単に「置く」ではありません。「何かをどこかにポン」という感じなら何にでもつかえます。「置く」よりもはるかにひろい守備範囲をもつ動詞です。基本動詞の自由さを味わってください。




Lesson 59 レベル2動詞: place、locate

Place your hand into the mouth slowly.

このキーセンテンスで place は動詞ですが、名詞で使われると「場所」であり、動詞としてつかわれても「正確な場所にちゃんと・慎重に」ということが色濃く感じられます。単においたのではなく、何らかの「意図」があり心をくばっておいています。

こまやかなニュアンスをあらわすためには基本動詞をこえる「レベル2」の動詞が必要です。






基本動詞には膨大な表現力があります。その表現を手にいれるために必要なのがイメージです。基本動詞をマスターするためには日本語訳ではなくイメージをつかうことが大事です。

テキストには、さまざまなイメージ(絵)がでています。これらは静止画ですが、心のなかでイメージをうごかし、動画をイメージしてください。このような訓練により、物事の背後やみえていないところが想像できます。類推もできます。イメージをうごかすことにより想像力がつよくなります。

イメージがひろがり、想像力がつよまれば会話はぐっと楽になります。基本動詞の練習ではとくに想像力が重要です。ちょっとした想像力をはたらかせるだけで基本動詞はとてもゆたかにつかうことができます。

また文の意味は、イメージと文型が支配しています。イメージと文型(配置)で意味がきまるのであり、基本動詞の理解に日本語訳は不要です。動詞のイメージは文型(配置)と連動していることにも気がついてください。




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▼ 参考文献:テキスト
『NHK ラジオ英会話 2019年6月号』NHK出版、2019年


▼ CD:放送内容をコンパクトにまとめており、復習のために最適です。

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本書は、NHK ラジオ英会話の2018年度の内容を再構成してまとめたものです。音声は、NHK ラジオ英会話の CD の2018年度のものを再編集してまとめたもので、NHK 出版サイトからダウンロードできます。コンパクトに録音されているので効率的に学習できます。