日本語訳ではなくイメージをつかって英語をまなびます。at, in, among, between, by, until, during, over, on, into をイメージします。しっくりくるまで練習します。
2019年度の NHK ラジオ英会話「ハートでつかめ!英語の極意」が開講しました。講師は、昨年度にひきつづき大西泰斗先生です。

2年目となる今年度のテーマは「単語」です。前置詞や動詞など、単語のイメージをえがいてもっと自在に英語がつかえるようになることを目指します。

今月はまず、前置詞をイメージします。





Lesson 1 英語表現は日本語訳では語れない ① at と in

I changed trains at Shinjuku Station.

路線図上にしめされた新宿駅の「点」をイメージしてください。前置詞に属する単語は基本的に「位置関係」をあらわします。 at の位置関係のイメージは「点」です。時刻でも at がつかわれるのは時刻が「点」 と感じられるからです。価格なども「点」と感じられるため at がつかわれます。




Lesson 2 英語表現は日本語訳では語れない ② among と between

It’s tough to find someone among all these people.

among のイメージは「雑多な集合体(ごちゃごちゃ)」 です。between も「~の間に」と訳される前置詞ですが、こちらは、ひとつひとつがハッキリとみえているときにつかいます。




Lesson 3 英語表現は日本語訳では語れない ③ by と until

I need to finish this report by 11:00.

by のイメージは「近く・そば」です。この単純な位置関係から比喩的にさまざまなつかい方がうまれます。「期限」もそのひとつです。一方、until/till の「~まで」は期限ではなく、ある状態がその時点までつづくことを意味しています。




Lesson 4 英語表現は日本語訳では語れない ④ during

I had a part-time job during the holidays.

during の「~の間」は、ある状況が「いつ」おこったのかをしめします。キーセンテンスは「バイトをしたのは休みの間です」という意味です。一方、for は「長さ」に焦点があり、「どれくらいの長さ、ある状況が続いたか」ということをしめします。現在完了継続用法でもよくつかわれます。




Lesson 6 about の意味の広がり

He gave a talk about cats.

about のイメージは「~の周り」です。(a)round(~の周り)のようにしっかりクッキリ周りを囲むというよりも、その周りをほんわかとりかこむイメージです。




Lesson 7 over の意味の広がり

She got over the disappointment of losing the game.

get over は「乗り越える」という意味です。こうした意味になぜなるのかといえば、 over のイメージが「上に 円弧」だからです。動詞 get のあらわす動きと相まって、ハードルを越えていくような円弧の軌跡が感じられる表現です。一方、above はおなじ「上」でも「高さが上」ということです。





Lesson 8 over, about, on の「~について」

There’s no point crying over spilt milk.

over のイメージは「上に円弧」です。

He gave a talk about/on cats.

about は「周り」のイメージです。ここの前置詞を on に変えると雰囲気はガラッとかわります。この場合は、おそらく彼は専門家です。on は「接触」をあらわすことから「ネコそのものについて」話をしたとなり、そこから「専門的」という印象がうまれます。




Lesson 9 on の基本イメージ

I don’t have enough cash on me.

on には「接触」のつかい方がうまれます。壁に掛かっている状態も on、天井に蚊がくっついているのも on、さらに比喩的に「~するとすぐ」も on です。2つの出来事が接触しているからです。




Lesson 11 on の広がり ①

He went to Vietnam on business.

on のイメージ「テーブルの上にボール」は、比喩的にさまざまなニュアンスにつながります。そのひとつが「ステージ」です。テーブルを、「出来事がその上で起こる舞台のようなもの」とみなしてください。




Lesson 12 on の広がり ②

You can always count on me.

「テーブルの上にボール」の on のイメージは「支える」につながっています。このイメージはテーブルがボールを支えているようにもみえます。




Lesson 13 into のイメージ

He crashed into the fence.

into は「中へ」の動き、そこから「中にめり込む」つまり衝突の衝撃につながっています。




Lesson 14 by のイメージ

There’s a great bookshop by my school.

by のイメージは「近く・そば」です。




Lesson 16 by のイメージ:how に対応する使い方

Don’t judge a book by its cover.

「手段・方法」は、目標を達成するためにつかわれる手だてのことですから、「身近に」感じられる by をつかいます。




Lesson 17 at のイメージ

She’s really fantastic at stand-up comedy.

at が使われているのは「点」が意識されているからです。at は、その「~の点では」に対応しています。日本語でも、「あの人はこういうところがよい、この点では落第だな」といいます。人・モノのさまざまな側面に光をあてて評価するいい回しです。




Lesson 17 in のイメージ

I’m really interested in physics.

in のイメージは「容器の中」です。つつまれていという 3D の感覚です。比喩的に「入っている」こともあらわします。




Lesson 19 at, on, in ── 使い分けはイメージから

Applicants should come to my office at 9:00 a.m. on Monday.

時刻は、時間幅のない「点」として理解されるため at。日は、ステージ状の時間幅があり「その上」にいる感覚があるので on。「中に」が意識される in the afternoon(午後に)など、1日の中の時間帯や週・月・年などには in がつかわれます。






今月は、つぎの前置詞をイメージします。イメージをつかってまなぶのが外国語学習のポイントです。


at, in, among, between, by, until, during, over, on, into


テキストをみると、それぞれの前置詞についてイメージ(絵)がでていますので、たとえば「at」について、まず絵をみます。つぎに、目をとじてその絵をイメージします。さらに、テキストの絵をみないでそのイメージをかきだしてみます。うまくかきだせればイメージがおぼえられたことになり、かきだせない場合はテキストの絵をもう一度みなおします。

テキストの絵をみるのはインプット、イメージするのはプロセシング、かきだすのはアウトプットととらえるとわかりやすいでしょう。つまり、〈インプット→プロセシング→アウトプット〉という情報処理の過程をやってみるのです。ただし時間はかけずに高速でおこないます。インプット(絵をみる)は2秒、イメージは1秒でできます。

  1. インプット :絵をみる(2秒)
  2. プロセシング:目をとじてイメージする(1秒)
  3. アウトプット:テキストをみないでイメージをかきだす。 

外国語の表現には、日本語訳ではまなぶことのできないものがたくさんあります。またあたらしい用例にであったときには、基本となるイメージからその意味を類推することができます。基本イメージがえがけていればあらたな意味もすぐにわかります。イメージ訓練をつづけていると「しっくりくる」という体の感覚が生じ、反射的に言葉がでてくるようになります。日本語訳ではない単語のイメージがあなたの言語力をそだてます。



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▼ テキスト
NHK ラジオ英会話 2019年4月号


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▼ 注:NHK ラジオ英会話はインターネットでもきくことができます。
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▼ 年間学習予定表
2019-04-16 20.13.13


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2018年度の復習をしたい人、2018年度の番組をきけなかった人のために!
大西泰斗先生が講師をつとめる NHK ラジオ英会話の全講義を収載しています。

本書は、NHK ラジオ英会話の2018年度の内容を再構成してまとめたものです。音声は、NHK ラジオ英会話の CD の2018年度のものを再編集してまとめたもので、NHK 出版サイトからダウンロードできます。コンパクトに録音されているので効率的に学習できます。