まず言い切ります。そして説明をくわえます。アウトプットの英語が重要です。
今月の「NHK ラジオ英会話」では関係詞節による修飾を練習します。


Lesson 181:関係代名詞節による修飾はジグソーパズル

The guy you were talking to is my boyfriend.

2019-01-09 10.25.08 

この修飾は、後ろにおいた節で名詞を説明する形であり、修飾される名詞を「先行詞」とよびます。この文では、先行詞 the guy のうしろに you were talking to という節がおかれ、「あなたが話していた男性」と修飾がおこなわれています。これは「説明ルール」の形です。 関係代名詞節による修飾がほかの修飾と異なるのは、説明の節に「空所」がある点です。「The guy you were talking to □ is ...」




Lesson 182:組み合わせ感覚を鍛えよう

The car I want to get is user-friendly.

関係代名詞節による修飾は、先行詞と空所の「組み合わせ修飾」です。組み合わせ感覚に慣れることが何よりも大切です。「The car I want to get □ is user-friendly.」




Lesson 183:関係代名詞 that ①「that の感覚」

This is everything that I have.

先行詞 everything と、I have の目的語にある空所が組み合わされ「僕が持っている全部」です。「This is everything that I have □.」that(あれ)は、聞き手の注意をはなれたモノに「導く」単語です。このイメージが、リポート文などで相手を導く「つなぎ言葉」の使い方につながっています。




Lesson 184:関係代名詞 that ②「省略ができないケース」

The woman that lives next door is an English teacher.

that 以下の節には、 lives next door(隣に住んでいる)の主語がなく、ここが空所です。「The woman that □ lives next door is an English teacher.」先行詞 the woman と「~が隣に住んでいる」が組み合わされ「隣に住んでいる女性」となっています。主語が空所になったこのパターンでは、関係代名詞 that(や、あとで説明する who、 which)をかならずおかなくてはなりません。




Lesson 186:関係代名詞 who「who のガッチリとした接続」

I know a girl who wants to become an astronaut.

wh 疑問文で who は、空所が「人」であることを指定していました。関係代名詞としてつかわれる who も働きはおなじであり、後続する節の空所が「人」であることを指定します。そしてそれにより組み合わされる先行詞が「人」である a girl であることが同時にしめされることになります。「I know a girl who □ wants to become an astronaut.」つまり who を介して a girl と空所がガッチリとむすばれます。 who は先行詞が「人」である場合につかわれる関係代名詞です。




Lesson 187:関係代名詞 whose「所有格を結ぶ」

I have a friend whose father is a good lawyer.

この文は a friend を、その所有する人で説明しています。先行詞 whose と my father、John’s father など「 誰の father なのか」をしめす単語が空所になった節を結びます。「I have a friend whose □ father is a good lawyer.」ここでは a friend と「~の父親」が組み合わされ、「その父親がいい弁護士である友達」となります。「whose +名詞」はつねにまとまって、先行詞のうしろにおかれます。




Lesson 188:関係代名詞 who・whom「目的語位置の空所に使おう」

That’s the man who I met on the bullet train.

目的語位置に空所がある場合、 who だけでなく whom もえらぶことができます。「That’s the man who I met □ on the bullet train.」ただ whom は、関係代名詞としても、フォーマルな文体をのぞき急速に退場しつつあります。とくに口語では、耳にすることはなくなってきました。




Lesson 189:空所を使いこなそう

That’s the girl who helped Akane.

helped の主語位置が空所です。「That’s the girl who □ helped Akane. the girl」 the girl とこの空所が組み合わされ「アカネを助けた少女」という意味になります。




Lesson 191:関係代名詞 which「人以外を先行詞」

The engagement ring which I want is too expensive.

which は「人以外:モノ・出来事・動物など」を先行詞とする関係代名詞です。この文では I want の後ろ、 want の目的語に空所があります。「The engagement ring which I want □ is too expensive.」the engagement ring と空所が組み合わされ「私の欲しい婚約指輪」となっています。




Lesson 192:前置詞を前に出してフォーマル

This is the hospital in which we were both born.

in which というように関係代名詞の前に前置詞が置かれていることに注意してください。




Lesson 193:that を使えば怖くない

Humans are the only animals that use fire.

the only animals that use fire は、先行詞 the only animals と use fire の主語の空所を組み合わせて「火を使う唯一の動物」ということです。that は、who や which に優先してつかわれるケースがあります。先行詞が「唯一」であることを感じさせる the only、the first、the last をふくむ場合と、最上級である場合、または all、any、no、every をともなう「全・無」を意味する場合です。




Lesson 194:関係副詞 where

Yokohama is the city where I was born.

この文は関係副詞 where をつかった文です。 where は先行詞 the city が、後続の節で I was born in the city. と場所をあらす 副詞のはたらきをすることを指定しています。where は関係代名詞のように先行詞と場所をあらわす空所をしっかり組み合わせています。「Yokohama is the city where I was born □.」




Lesson 196  関係副詞 when、why

New Year’s Day is the day when the whole family gets together.

関係副詞のマスターは、先行詞を後続の節で「副詞」として意識できるかどうかにかかっています。前回の where と同様に、関係副詞 when は、先行詞 the day が、後続の節で、 the whole family gets together on the day.( その日に 家族全員が集まる)と副詞のはたらきをすることを指定しています。




Lesson 197  複雑な関係詞節による修飾

The keys that my mother thought I lost were in her bag.

関係代名詞・関係副詞による修飾のポイントは「空所」を操作する能力です。この文の空所は thought の内容を示す I lost の後ろ、lost の目的語です。「The keys that my mother thought I lost □ were in her bag.」




Lesson 198  非制限用法(コンマで情報を追加する)

Barbara Chang, who is the hotel manager, greeted us personally.

この文では、関係代名詞節が発音上の休止(書き言葉ではコンマ)によって区切られています。「エクストラな情報をねじ込む」のがこの形の気分です。先行詞に「ところでね、ちなみに~だけど」と追加情報を盛り込むときにつかいます。名詞を並べて説明する「同格」と同じ呼吸です。




Lesson 199  非制限用法のバリエーション

My dad is cooking dinner, which doesn’t happen very often.

「, which(コンマつきの which)」は非常に多用されます。この形は「人以外」の先行詞(名詞)だけではなく、文や先行表現を受けることもできるからです。この文で which が受けているのは前の文の内容全体です。my dad is cooking dinner を which でしっかりまずつかんでください。それを主語位置にほうりこんで文をつづけるのがこの文を支配する感覚です。




たとえば「The car I want to get is user-friendly.」の場合、「the car とまず言い切ってください」と講師の大西先生は指導しています。まず言い切る。ちょっとした思い切りがいります。これがアウトプットの英語です。英文和訳のための英語ではありません。「the car」と言い切ってから、説明をあとにつけます。「説明ルール」です。

今月のテーマ「関係詞節による修飾」は、学校の英語教育では英文和訳で理解し記憶してきました。だから会話ではつかえなかったのです。

声にだして、まず言い切りそして説明する練習をします。なるべくテキストはみないで。あなたのメッセージをアウトプットによって相手につたえます。アウトプット訓練がこれからの時代には必要です。


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▼ 参考文献
『NHK ラジオ英会話 2019年1月号』(テキスト)NHK出版、2018年

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