地球温暖化により南極の生態系がこわれはじめました。
『ナショナルジオグラフィック』 2018年11月号で南極大陸の現状を報告しています。南極大陸の気温が上昇するにつれて生命をささえてきた氷がとけています。生態系のバランスがくずれはじめています。
南極半島西部の冬の気温は1950年代から5℃ 以上も上昇しました。
地球温暖化の影響で、北から循環してくる深層水があたたかくなり、海面のつめたい水が風でおしながされるとあたたかい水が上昇してきて氷が解けます。1979年から2017年のあいだに、海氷の出現が2ヵ月おそくなり、解けるのが1ヵ月はやまりました。気候の自然変動では説明できない現象です。
海氷がへると、海水から大気に熱が放出されて温暖化に拍車がかかります。南極でも雨がよくふるようになり、ペンギンの巣の水没やひなの凍死がおこっています。
また南極の生態系をささえるオキアミが減少します。オキアミは、全長5センチほどの栄養豊富な甲殻類であり、クジラ・オットセイ・魚・ペンギンなどの海鳥が大量にたべます。南極圏の捕食者の99%がオキアミを主食か補助的な食物にしています。オキアミが減少すれば生態系のバランスがくずれます。
海氷が減少したので秋になっても(人間の)漁ができるようになりました。今後、人間と野生動物がオキアミをうばいあう事態も想定されます。
こうして、氷やオキアミに依存する生物は死んでいきます。一方で、これまでにはみられなかった外来種がふえてきます。
このように南極は、地球温暖化の影響をもっともうけやすい地域のひとつであり、温暖化の指標(目印)になっています。特定の生物だけに影響がでるのではなく、生態系がバランスをこわして崩壊していきます。生態系というシステムの変化をみることが重要です。今後とも南極に注目していきます。
▼ 参考文献
『ナショナルジオグラフィック日本版』日経ナショナルジオグラフィック社、2018年
南極半島の西部は、1950年代に観測が始まって以来、冬の気温上昇のペースが地球上でも特に速い地域の一つだ。氷河が後退して岩だらけの地面が露出したことで、一部の固有種のみならず、外来種の分布域も拡大した。
南極半島西部の冬の気温は1950年代から5℃ 以上も上昇しました。
地球温暖化の影響で、北から循環してくる深層水があたたかくなり、海面のつめたい水が風でおしながされるとあたたかい水が上昇してきて氷が解けます。1979年から2017年のあいだに、海氷の出現が2ヵ月おそくなり、解けるのが1ヵ月はやまりました。気候の自然変動では説明できない現象です。
海氷がへると、海水から大気に熱が放出されて温暖化に拍車がかかります。南極でも雨がよくふるようになり、ペンギンの巣の水没やひなの凍死がおこっています。
また南極の生態系をささえるオキアミが減少します。オキアミは、全長5センチほどの栄養豊富な甲殻類であり、クジラ・オットセイ・魚・ペンギンなどの海鳥が大量にたべます。南極圏の捕食者の99%がオキアミを主食か補助的な食物にしています。オキアミが減少すれば生態系のバランスがくずれます。
海氷が減少したので秋になっても(人間の)漁ができるようになりました。今後、人間と野生動物がオキアミをうばいあう事態も想定されます。
こうして、氷やオキアミに依存する生物は死んでいきます。一方で、これまでにはみられなかった外来種がふえてきます。
このように南極は、地球温暖化の影響をもっともうけやすい地域のひとつであり、温暖化の指標(目印)になっています。特定の生物だけに影響がでるのではなく、生態系がバランスをこわして崩壊していきます。生態系というシステムの変化をみることが重要です。今後とも南極に注目していきます。
▼ 参考文献
『ナショナルジオグラフィック日本版』日経ナショナルジオグラフィック社、2018年