通常とはタイプのことなる大地震が発生しました。どこにいても大地震がいつおそってくるかわかりません。そなえておく必要があります。
2018年9月6日、北海道・胆振(いぶり)地方東部でマグニチュード6.7の地震が発生しました。これにより、大規模な土砂災害が発生するとともに、北海道全域での停電(ブラックアウト)もひきおこされました。グラフィックサイエンスマガジン『Newton』2018年12月号の FOCUS で報告しています。



またもや大規模な災害がおきた。2018年9月6日に「北海道胆振東部地震」が発生し、北海道南部に位置する厚真町では震度7を記録。大規模な土砂災害が引きおこされ、36人の犠牲者が出る事態となったのだ。

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今回の「北海道胆振東部地震」により北海道ではじめて震度7が記録されました。震源が石狩低地帯とよばれる平野部だったので、地震のゆれが平野の端で何度も反射してとじこめられて大きなゆれがながい時間つづく結果となりました。

また厚真町周辺は、火山灰などがふりつもってできた土地であり、地盤の表層はこまかい砂の粒(シルト)の層でできていて脆弱であったため土砂災害が発生しました。

今回の地震は、海溝型や活断層型といった通常の地震とはことなり、震源は地下約 37km と非常にふかかったのが大きな特徴です。内陸でおこる通常の地震の震源は地下約 15km 程度までであることがおおく、これは、それよりふかい場所では温度が高く地盤がやわらかいので歪みがたまりにくいためであるとされてきました。

しかし常識はくつがえされました。海溝や活断層以外の場所でも大地震がおこることがしめされました。地震学者のいう常識は当てになりません。今では、地震予知ができないことを地震学者自身も公式にみとめています。活断層がないからといって安心はできません。日本全国どこにいても大地震がいつおそってくるかわかりません。今からそなえておく必要があります。




「北海道胆振東部地震」にともない、北海道全域が停電になるいわゆるブラックアウトも発生しました。


地震発生当時、苫東厚真火力発電所は、北海道内の総電力需要のおよそ半分を供給していた。苫東厚真火力発電所の一部が故障したことで、膨大な発電量が一気に失われたのだ。(中略)供給量が足りず、周波数が低下してしまった。周波数の低下は発電機の故障につながるため、ほかの発電所も次々と自動的に停止して、ブラックアウトが起こってしまったのだ。


ブラックアウトにより、北海道全域で普通の生活ができなくなり、酪農産業など、北海道経済も大打撃をうけました。

ブラックアウトをふせぐためには、ひとつの発電所に発電量を集中させないようにしなければなりません。また緊急時に、本州の発電所から電力量の応援をえられるようにします。現在、北海道と本州をむすぶ連携設備の増設工事がすすめられています。

発電所は、タービンを水蒸気で回転させることで交流の電流をつくりだします。交流とは、電気のながれるむきがすばやく交互にいれかわるようなながれ方で、電圧や電流のグラフは波の形であらわせます。その周波数(1秒あたりの波の振動回数)は北海道をふくむ東日本では50ヘルツに調整されており、そのためにタービンは1秒間に50回転しています。

もし、北海道各地におくられる電気の周波数がかわってしまうと電動の機械などが故障してしまうので、また発電所の発電機自体もこわれるので、周波数が50ヘルツにたもてなくなった時点で自動的に発電を停止するしくみになっています。


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▼ 参考文献
『Newton』(2018年12月号)ニュートンプレス、2018年