to は矢印のイメージ、-ing は生き生きとしたリアルなイメージです。
今月の「NHK ラジオ英会話」は to 不定詞 と 動詞 -ing 形 をとりあげています。
Lesson 121:to 不定詞 ①「主語位置に置かれた to 不定詞」
この文で to 不定詞は be 動詞の前、主語の位置にあるため、主語「新しい友達を作ることは」となります。to のイメージは矢印(→)です。
Lesson 122:to 不定詞 ②「目的語位置に置かれた to 不定詞」
to 不定詞「to become fluent in English」が want のうしろ、目的語の位置におかれています。通常の目的語「I want a camera.」とおなじ意識で to 不定詞がつかわれます。
Lesson 123:to 不定詞 ③「説明型・説明語句位置の to 不定詞」
be 動詞文で、説明語句として to 不定詞がつかわれています。したがって主語の説明、「私の目標= to find a cure for cancer」ということです。「We are happy.」の happy と同じ意識でつかえばいいだけの形です。
Lesson 124:to 不定詞 ④「名詞の説明」
名詞を説明する位置に to 不定詞がおかれ、「説明ルール」(説明は後ろにおく)がはたらいています。「. . . need someone」といいきってから someone の説明をしています。
Lesson 126 :to 不定詞 ⑤「動詞句の説明『目的』『結果』 」
「説明ルール」(説明は後ろにおく)により to 不定詞は動詞句の説明となります。
Lesson 127:to 不定詞 ⑥「動詞句の説明『判断の根拠』『感情の原因』」
まず、「お金持ちにちがいない」という彼女に関する判断をしています。こんなふうに自信たっぷりにいわれたらその根拠が知りたくなります。それが to 以下の説明です。「あんな高級車を持っているなんて」と判断の根拠をあらわすつかい方です。
Lesson 128:to 不定詞 ⑦「形容詞とのコンビネーション」
She is hard.(彼女はむずかしい)だけでは意味をなしません。何がむずかしいのかを説明しているのが to 不定詞です。fool(だます・あざむく)は、fool me など、目的語をとる動詞ですがこの文では目的語がありません。この形は、目的語を空所にすることによって、主語 she が fool の 目的語であるという意味関係をしめしています。空所を意識しながら何度も音読して慣れてください。
Lesson 129:to 不定詞 ⑧「そのほかのコンビネーション」
wh 語(疑問詞) what と to 不定詞がコンビネーションでつかわれています。「(×)I don’t know what.」 では意味を成しません。どんな what(何)なのかを to 不定詞で説明します。
Lesson 131:動詞 -ing 形 ①「主語位置に置かれた動詞 -ing 形」
動詞 -ing 形は、文中におかれる位置によって 主語や目的語・修飾語にもなります。この文では、動詞 -ing 形は主語の位置にあります。「riding a bike without a helmet」(ヘルメットなしで自転車に乗る)が主語です。
動詞 -ing 形がつくるパッケージのニュアンスはリアリティーです。具体的な出来事が実際におこっている感触です。リアルな状況があるとき、あるいは生き生きとした場面が想像されるときには動詞 -ing 形をつかいます。
Lesson 132:動詞 -ing 形 ②「目的語位置に置かれた動詞 -ing 形」
動詞 -ing 形を目的語の位置におきました。この文では、動詞 -ing 形「playing golf with my son」が like の後ろ、目的語の位置におかれ「息子とゴルフをするの(こと)が好き」となっています。「I like dogs.」とおなじ意識で気軽に動詞 -ing 形をならべればよいのです。この文からうける感触は動詞 -ing 形ならではのリアリティーです。話し手は、息子とゴルフをやっている様子を具体的に生き生きと想像しながらはなしています。
Lesson 133:動詞 -ing 形 ③「動詞 -ing 形しか目的語として選べない動詞」
この文では、動詞 -ing 形「doing my homework」が finish の目的語となり「宿題をするのを終えた」となっています。finish(終える)は、動詞 -ing 形しかえらぶことができない代表的な動詞です。何かを終えるためには具体的でリアルな状況がなくてはなりません。そのため、具体的でリアルな状況をおもいおこさせる動詞 -ing 形が要求されます。
Lesson 134:動詞 -ing 形 ④「説明型・説明語句位置の動詞 -ing 形」
動詞 -ing 形が説明語句の位置においてあります。この文は「目的語説明型」、目的語の後ろに説明語句がくる形です。「 her = playing the piano」となります。動詞 -ing 形によって、具体的で躍動的なリアルな様子がつたわってきます。
Lesson 136:動詞 -ing 形 ⑤「動詞句・名詞を説明する動詞 -ing 形」
この文では、動詞句「spent all morning」の後ろに「cleaning up my room」がおかれています。動詞句の説明、「説明は後ろにおく」の説明ルールの形です。「spent all morning」を「部屋を掃除しながら、ね」と生き生きとした行為で説明しています。
「the person」の後ろに「wearing the witch’s costume」がならび、「the person」 の説明となっています。まず、もっとも大切な語句「the person」を言い切ってしまい、そしてどのような人かを「wearing the witch’s costume」と説明しています。
Lesson 137:動詞 -ing 形 「 文を説明する動詞 -ing 形」(分詞構文の基本)
「彼女は賞を受け取った」という状況がどういった状況とともにおこったのかを、動詞 -ing 形が「うれしそうにほほ笑みながら、だよ」と説明しています。文全体を動詞 -ing 形などで説明するこの形は「分詞構文」とよばれ、出来事がほぼ同時に一連の出来事としておこっていることをしめします。
この形は、日常会話というよりも書き言葉よりであり、ネイティブスピーカーにとっても無意識に口からでるタイプの文ではなく、文を切れ味するどくテンポよく、小気味よく物語調に話を展開する印象の文です。
Lesson 138:動詞 -ing 形 ⑦「文を説明する動詞 -ing 形」(発展的分詞構文)
「having visited」以下は「理由」をあらわし、「ニューヨークを以前おとずれていた→いいレストランを知っていた」という時の順序が「Having visited . . . → she knew」を自然なものに感じさせています。
完了形を -ing 形にし、完了形は「そのときまでに」をあらわす形です。つまり「she knew」の時点「以前」にニューヨークをおとずれていることになります。前置きと having の2つのテクニックがつまった文です。
Lesson 139:動詞 -ing 形 ⑧「文を説明する動詞 -ing 形」(ドラマチックな使い方)
動詞 -ing 形を前にだした形には「ドラマチック効果」があります。話し手は、「when I got out of the taxi」などと接続詞をつかった悠長ないいまわしをしていません。「getting out of the taxi」(タクシーからおりていたんですよ)と、動詞 -ing 形による生き生きとした状況描写から文をはじめています。臨場感があります。聞き手からすれば、おりたときに何がおこったのだろうと聞き耳をたてることになります。これがこの形のもつドラマチック効果です。
「to...」というときには、矢印(→)をイメージします。「これから」といった意味がそこにやどります。
一方、「...ing」をいうときには、具体的な出来事が生き生きと実際におこっていることをイメージします。そこには、リアリティーや躍動感がやどります。たとえば
be 動詞の後ろの説明語句の位置に動詞 -ing 形をおくことによって、具体的で生き生きと躍動する様子をしめすことができます。この形は従来は「進行形」とよばれていました。
このように、「to...」か「...ing」かは、どのようなメッセージをあなたが相手につたえたいのか(アウトプットしたいのか)によって選択することになります。どちらか一方しかつかえない動詞がある理由もわかります。
こんな簡単なことだったのか! ラジオ英会話の大西泰斗先生の説明は単純明快で大変わかりやすいです。
いわゆる学校英語や受験英語は複雑でとてもわかりにくかったです。それをおしえている方もその複雑さに圧倒されてよくわかっていなかったり、本来は簡単なことをむずかしくおしえたりしていました。
英語にかぎらず何かをまなぶときは、わかりやすい教材を選択することがとても大事です。
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▼ 参考文献
『NHK ラジオ英会話 2018年10月号』(NHKテキスト)NHK出版、2018年
▼ CD
Lesson 121:to 不定詞 ①「主語位置に置かれた to 不定詞」
To make new friends is not so easy.
この文で to 不定詞は be 動詞の前、主語の位置にあるため、主語「新しい友達を作ることは」となります。to のイメージは矢印(→)です。
Lesson 122:to 不定詞 ②「目的語位置に置かれた to 不定詞」
I want to become fluent in English.
to 不定詞「to become fluent in English」が want のうしろ、目的語の位置におかれています。通常の目的語「I want a camera.」とおなじ意識で to 不定詞がつかわれます。
Lesson 123:to 不定詞 ③「説明型・説明語句位置の to 不定詞」
My goal is to find a cure for cancer.
be 動詞文で、説明語句として to 不定詞がつかわれています。したがって主語の説明、「私の目標= to find a cure for cancer」ということです。「We are happy.」の happy と同じ意識でつかえばいいだけの形です。
Lesson 124:to 不定詞 ④「名詞の説明」
Do you need someone to give you a ride?
名詞を説明する位置に to 不定詞がおかれ、「説明ルール」(説明は後ろにおく)がはたらいています。「. . . need someone」といいきってから someone の説明をしています。
Lesson 126 :to 不定詞 ⑤「動詞句の説明『目的』『結果』 」
I’m going to Egypt to do some scuba diving.
「説明ルール」(説明は後ろにおく)により to 不定詞は動詞句の説明となります。
Lesson 127:to 不定詞 ⑥「動詞句の説明『判断の根拠』『感情の原因』」
She must be rich to own such an expensive car.
まず、「お金持ちにちがいない」という彼女に関する判断をしています。こんなふうに自信たっぷりにいわれたらその根拠が知りたくなります。それが to 以下の説明です。「あんな高級車を持っているなんて」と判断の根拠をあらわすつかい方です。
Lesson 128:to 不定詞 ⑦「形容詞とのコンビネーション」
She is hard to fool.
She is hard.(彼女はむずかしい)だけでは意味をなしません。何がむずかしいのかを説明しているのが to 不定詞です。fool(だます・あざむく)は、fool me など、目的語をとる動詞ですがこの文では目的語がありません。この形は、目的語を空所にすることによって、主語 she が fool の 目的語であるという意味関係をしめしています。空所を意識しながら何度も音読して慣れてください。
Lesson 129:to 不定詞 ⑧「そのほかのコンビネーション」
I don’t know what to say.
wh 語(疑問詞) what と to 不定詞がコンビネーションでつかわれています。「(×)I don’t know what.」 では意味を成しません。どんな what(何)なのかを to 不定詞で説明します。
*
Lesson 131:動詞 -ing 形 ①「主語位置に置かれた動詞 -ing 形」
Riding a bike without a helmet is dangerous.
動詞 -ing 形は、文中におかれる位置によって 主語や目的語・修飾語にもなります。この文では、動詞 -ing 形は主語の位置にあります。「riding a bike without a helmet」(ヘルメットなしで自転車に乗る)が主語です。
動詞 -ing 形がつくるパッケージのニュアンスはリアリティーです。具体的な出来事が実際におこっている感触です。リアルな状況があるとき、あるいは生き生きとした場面が想像されるときには動詞 -ing 形をつかいます。
Lesson 132:動詞 -ing 形 ②「目的語位置に置かれた動詞 -ing 形」
I like playing golf with my son.
動詞 -ing 形を目的語の位置におきました。この文では、動詞 -ing 形「playing golf with my son」が like の後ろ、目的語の位置におかれ「息子とゴルフをするの(こと)が好き」となっています。「I like dogs.」とおなじ意識で気軽に動詞 -ing 形をならべればよいのです。この文からうける感触は動詞 -ing 形ならではのリアリティーです。話し手は、息子とゴルフをやっている様子を具体的に生き生きと想像しながらはなしています。
Lesson 133:動詞 -ing 形 ③「動詞 -ing 形しか目的語として選べない動詞」
I’ve finished doing my homework.
この文では、動詞 -ing 形「doing my homework」が finish の目的語となり「宿題をするのを終えた」となっています。finish(終える)は、動詞 -ing 形しかえらぶことができない代表的な動詞です。何かを終えるためには具体的でリアルな状況がなくてはなりません。そのため、具体的でリアルな状況をおもいおこさせる動詞 -ing 形が要求されます。
Lesson 134:動詞 -ing 形 ④「説明型・説明語句位置の動詞 -ing 形」
I saw her playing the piano in a piano store last Saturday.
動詞 -ing 形が説明語句の位置においてあります。この文は「目的語説明型」、目的語の後ろに説明語句がくる形です。「 her = playing the piano」となります。動詞 -ing 形によって、具体的で躍動的なリアルな様子がつたわってきます。
Lesson 136:動詞 -ing 形 ⑤「動詞句・名詞を説明する動詞 -ing 形」
I spent all morning cleaning up my room.
この文では、動詞句「spent all morning」の後ろに「cleaning up my room」がおかれています。動詞句の説明、「説明は後ろにおく」の説明ルールの形です。「spent all morning」を「部屋を掃除しながら、ね」と生き生きとした行為で説明しています。
The person wearing the witch’s costume will be . . . me!
「the person」の後ろに「wearing the witch’s costume」がならび、「the person」 の説明となっています。まず、もっとも大切な語句「the person」を言い切ってしまい、そしてどのような人かを「wearing the witch’s costume」と説明しています。
Lesson 137:動詞 -ing 形 「 文を説明する動詞 -ing 形」(分詞構文の基本)
She accepted the prize, smiling happily.
「彼女は賞を受け取った」という状況がどういった状況とともにおこったのかを、動詞 -ing 形が「うれしそうにほほ笑みながら、だよ」と説明しています。文全体を動詞 -ing 形などで説明するこの形は「分詞構文」とよばれ、出来事がほぼ同時に一連の出来事としておこっていることをしめします。
この形は、日常会話というよりも書き言葉よりであり、ネイティブスピーカーにとっても無意識に口からでるタイプの文ではなく、文を切れ味するどくテンポよく、小気味よく物語調に話を展開する印象の文です。
Lesson 138:動詞 -ing 形 ⑦「文を説明する動詞 -ing 形」(発展的分詞構文)
Having visited New York before, she knew some really good restaurants.
「having visited」以下は「理由」をあらわし、「ニューヨークを以前おとずれていた→いいレストランを知っていた」という時の順序が「Having visited . . . → she knew」を自然なものに感じさせています。
完了形を -ing 形にし、完了形は「そのときまでに」をあらわす形です。つまり「she knew」の時点「以前」にニューヨークをおとずれていることになります。前置きと having の2つのテクニックがつまった文です。
Lesson 139:動詞 -ing 形 ⑧「文を説明する動詞 -ing 形」(ドラマチックな使い方)
Getting out of the taxi, I heard a woman screaming.
動詞 -ing 形を前にだした形には「ドラマチック効果」があります。話し手は、「when I got out of the taxi」などと接続詞をつかった悠長ないいまわしをしていません。「getting out of the taxi」(タクシーからおりていたんですよ)と、動詞 -ing 形による生き生きとした状況描写から文をはじめています。臨場感があります。聞き手からすれば、おりたときに何がおこったのだろうと聞き耳をたてることになります。これがこの形のもつドラマチック効果です。
*
「to...」というときには、矢印(→)をイメージします。「これから」といった意味がそこにやどります。
一方、「...ing」をいうときには、具体的な出来事が生き生きと実際におこっていることをイメージします。そこには、リアリティーや躍動感がやどります。たとえば
She was definitely playing the piano.
be 動詞の後ろの説明語句の位置に動詞 -ing 形をおくことによって、具体的で生き生きと躍動する様子をしめすことができます。この形は従来は「進行形」とよばれていました。
このように、「to...」か「...ing」かは、どのようなメッセージをあなたが相手につたえたいのか(アウトプットしたいのか)によって選択することになります。どちらか一方しかつかえない動詞がある理由もわかります。
こんな簡単なことだったのか! ラジオ英会話の大西泰斗先生の説明は単純明快で大変わかりやすいです。
いわゆる学校英語や受験英語は複雑でとてもわかりにくかったです。それをおしえている方もその複雑さに圧倒されてよくわかっていなかったり、本来は簡単なことをむずかしくおしえたりしていました。
英語にかぎらず何かをまなぶときは、わかりやすい教材を選択することがとても大事です。
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「ハートでつかめ! 英語の極意」(NHK ラジオ英会話)
状況をおもいうかべて言う - NHK ラジオ英会話 -
英語の基本文型と語順ルール - NHK ラジオ英会話(4-5月)-
時表現を完成させる - NHK ラジオ英会話(6月)-
助動詞をつかいこなす - NHK ラジオ英会話(7月)-
修飾の語順を身につける - NHK ラジオ英会話(8月)-
否定と比較 - NHK ラジオ英会話(9月)-
to 不定詞 と 動詞 -ing 形 - NHK ラジオ英会話(10月)-
過去分詞・受動態・節 - NHK ラジオ英会話(11月)-
倒置・疑問文 - NHK ラジオ英会話(12月)-
関係詞節による修飾 - NHK ラジオ英会話(1月)-
英語のリズムを身につけよう -「文法力と語順の成熟」(NHK ラジオ英会話 3月)-
心にしみわたるコミュニケーション -「大きな『単語』:定型表現 ②」(NHK ラジオ英会話, 2020.03)-
▼ 参考文献
『NHK ラジオ英会話 2018年10月号』(NHKテキスト)NHK出版、2018年
▼ CD