ストラディヴァリウスの展示会場
(平行法で立体視ができます)
楽器は、人間主体におけるアウトプットの道具のひとつです。音楽をアウトプットする人々もいます。
「ストラディヴァリウス300年目のキセキ」展が、東京・六本木の森アーツセンターギャラリーで開催されています(注1)。世界最高峰のバイオリンの代名詞「ストラディヴァリウス」の弦楽器がかつてない規模であつまり、生演奏やトークなどもたのしめるめずらしいイベントです。
ステレオ写真はいずれも平行法で立体視ができます。
立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 -
出展された楽器は、バイオリン18丁、ビオラ・チェロ・ギターが各1丁、計21丁、総額210億円(推定)にのぼります。たとえばビオラが約35億円、チェロが約30億円、バイオリンでもっとも高価なものはうつくしい装飾のある通称「ロード」約20億円という驚異的なものばかりです。
これらはすべて、イタリアの楽器製作者アントニオ=ストラディヴァリ(1644-1737)が製作したものであり、現存する「ストラディヴァリウス」は全世界で500~600丁とされ、これだけの数が一堂に会するのはアジアでははじめてです。
なぜ、ストラディヴァリウスは至高の響きといわれるのか? これまでに幾人もが仮説をたて、数多くの検証をしてきました。
▼ 注1
ストラディヴァリウス300年目のキセキ展
会場:森アーツセンターギャラリー
会期:2018年10月9日~15日
▼ 関連サイト
ストラディヴァリウス300年目のキセキ展
ステレオ写真はいずれも平行法で立体視ができます。
立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 -
出展された楽器は、バイオリン18丁、ビオラ・チェロ・ギターが各1丁、計21丁、総額210億円(推定)にのぼります。たとえばビオラが約35億円、チェロが約30億円、バイオリンでもっとも高価なものはうつくしい装飾のある通称「ロード」約20億円という驚異的なものばかりです。
これらはすべて、イタリアの楽器製作者アントニオ=ストラディヴァリ(1644-1737)が製作したものであり、現存する「ストラディヴァリウス」は全世界で500~600丁とされ、これだけの数が一堂に会するのはアジアでははじめてです。
ストラディヴァリウス・ヴァイオリン
(「サン・ロレンツォ」1718年製)
ストラディヴァリウスにはニックネームがそれぞれにつけられており、これは「サン・ロレンツォ」といいます。ストラディヴァリがちょうど300年前に製作したヴァイオリンであり、横板に、「栄光と富は、その家にあり」という本人の手書き文字がみられ、現存するストラディヴァリウスのなかで本人の直筆がはいったものはこの一丁のみです。フランス王妃、マリー=アントワネットの専属ヴァイオリニストであったジョヴァンニ=バッティスタ=ヴィオッティがかつて所有していたため、アントワネットがこの楽器の音色を日々きいていたと想像されます。とても貴重な名器です。
なぜ、ストラディヴァリウスは至高の響きといわれるのか? これまでに幾人もが仮説をたて、数多くの検証をしてきました。
- 通称f字孔とよばれるヴァイオリンの表面にあるサウンドホールに秘密がある。
- 特別な音をうみだすニスがつかわれている。
- 木の経年や傷が独特のサウンドをうみだす。
- 内部の響きに秘密がある。
このようないくつかの仮説がありますが、ヴァイオリンの筐体内部の響きに秘密があるという説に説得力があります。しかし当時は、コンピューターもなく、数学的に計算したわけでもなく、経験と直観だけでつくっていたのですから、ストラディヴァリという天才の職人技があったといえるでしょう。
ヴァイオリンを演奏するということは、人間主体の情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)におけるアウトプットにあたります。アウトプットは、言葉を話したり書いたりすることだけではありません。音楽という方法もあり、楽器を演奏するというやり方もあります。この場合、楽器はアウトプットの道具といってよいでしょう。ストラディヴァリウスに接してみて、器楽においては、楽器という道具の役割が大きいことがあらためてわかりました。
ヴァイオリン製作の実演
ライブ会場
ストラディヴァリウス・チェロ
(「ボナミー・ドブレ、スッジア」1717年製)
ストラディヴァリはチェロも製作していました。1707年ごろに開発されたあたらしいモデル「フォルム B」は、音色の力強さ、表現の幅、音のたちあがりの速さにおいてこれ以上のものはないとされ、弦楽器界への最高のおくりものといわれ、その中でも完璧とされているのがこの名器です。
ストラディヴァリウス・ギター
(「サビオナーリ」1679年製)
ストラディヴァリはギターもつくっていました。ただし世界に5〜6丁ほどしか現存せず、しかもいまでも演奏できるのはこの1丁のみです。15世紀終盤ごろから、ヨーロッパではギターが人気を博すようになり、ヴァイオリン製作の聖地、イタリアのクレモナでもおおくのギターがつくられました。 ▼ 注1
ストラディヴァリウス300年目のキセキ展
会場:森アーツセンターギャラリー
会期:2018年10月9日~15日
▼ 関連サイト
ストラディヴァリウス300年目のキセキ展