not をおいて、うしろを否定します。いつもの形容詞・副詞の形をかえれば比較表現ができます。
NHK ラジオ英会話の9月のテーマは「否定と比較」です。




Lesson 101「否定の基礎」

Most kids don’t like green peppers.

not が "like green peppers" の前におかれるのは、「否定的な内容ですよ」と後続を指定するはたらきをもっているからです。「指定ルール」(前におかれた修飾要素は後ろを指定する)をおもいだしてください。ガツンとまず "not" をおいて指定し、そのあと否定される内容をつづけるのが否定文のリズムです。元になる肯定文をつくってから "don’t" を挿入するという練習をつづけているといつまでたっても英会話はできません。



Lesson 102 「not の 位置:常に後ろを否定する」

He told me off for not being punctual.

not は、否定したい語句の直前におかれ、「否定的内容ですよ」とその後ろを指定します。この文で not は後ろにある "being punctual" を否定します。not は、文全体をつねに否定するわけではなく、否定したい要素の前において、一部の内容だけを否定することがよくあります。



Lesson 103 「not と強い表現のコンビネーション(1)部分 否定」

I don’t really like your new car.

not は really 以下を否定するため「本当に好きというわけではない」つまり「それほど好きではない」という意味となります。こうした「本当に、いつも、まったく~というわけではない」とつよい表現の意味を減じる否定は「部分否定」とよばれています。



Lesson 104 「not と強い表現のコンビネーション(2)婉曲表現」

That’s not exactly true.

"exactly true"(正確に・まさしく正しい)とつよく表現し、それを not で否定します。「それほどただしくはない(ちょっとちがう)」という意味ができあがります。not とつよい表現とのコンビネーションの例です。相手にやわらかく接することができます。



Lesson 106「not のクセ(1)not を前倒しにする」

I don’t think his decision was right.

"I think his decision wasn’t right." よりも上記のキーセンテンスが優先されます。従属節の not が「前倒し」になるわけです。こうした前倒しができるのは、 believe、suppose、expect、seem といった、「思う」に類した意味のうすい動詞です。 hope、be afraid といった実質的な意味をもつ場合にはおこりません。「望みません」「恐れません」と意味がかわってしまうからです。



Lesson 107「not のクセ(2)文脈の否定はカウントしない」

Don’t you like our school uniform? — Yes, I do.

文脈の否定はカウント(考慮)しません。日本語では、「気に入らないの?」という質問の「ない」を勘定にいれるため、「 いや、気に入っているよ」となりますが、英語では、質問の not をカウントせず、"Do you like our school uniform?" とたずねられたときとまったくおなじ答え方 "Yes" にななります。





Lesson 108「比較表現の基礎」

She speaks as naturally as a native speaker.
She has the most natural pronunciation of all the students.
It’s easier to acquire good pronunciation when you are young.

「いつもの形容詞・副詞、形を変えれば比較表現のできあがり」というわけです。



Lesson 109「 as 〜 as... (1)基礎」

I practice the piano as hard as him.

この文は、"I practice the piano hard." とおなじ形です。動詞を説明する普通の副詞が "as ~ as" の形になっているにすぎません。as のイメージは「=(イコール)」であり、最初の as は「おなじレベルの hard ですよ」と hard を指定しています。後ろの as は、"as him"(彼とね)と説明しています。「おなじくらい hard なのさ、彼とね」という意識のながれをつかみましょう。



Lesson 111「as 〜 as ... (2)指定表現を加える」

He’s almost as tall as his dad.

almost が "as tall as" の前におかれています。単に "as tall as his dad" ではなく、「ほとんどおなじくらいの背丈」と指定しています。



Lesson 112「as 〜 as ... (3)自由にくくる・比較のバランスをとる」

Tom is just as good a player as Ken.

「ケンとちょうど同じくらいいい選手だよ」となっています。"a good player" ではないことに注意してください。"as good a player as . . ." と、形容詞を目立つ位置においています。比較の焦点は「ケンと同じくらいいいんだよ」にあるからです。



Lesson 113「比較級(1)基礎」

One way is tougher but quicker than the other.

"One way is tough but quick." とおなじ形です。"tough but quick" のかわりに比較級がつかわれ、「一方は他方より、より大変だけどよりはやい」となっています。than のイメージは「距離・コントラスト」であり、比較級でつかわれるのは「レベルが離れている」ことをあらわすためです。



Lesson 114「比較級(2)指定表現を加える」

Mangos are much cheaper in my country than in Japan.

ここでは、very、really など単純な強調語句をつかうことはできません。比較級は、比較対象とのレベル差に着目する表現であるためです。「どの程度の差があるのか」を指定する表現をつかう必要があります。much はたくさんレベル差があることをしめします。




元になる肯定文に don't を挿入して否定文をつくるのではなく、ガツンとまず not をおいてしまいます。あるいは as と as でくくるというのではなく、イコールをイメージして、「おなじくらい〜なのさ、〜とね」という英語のながれを意識します。

このためには、まずは、テキストをみないで番組の音声をきくだけにして、そして英語を声にだしていってみる練習をするとよいでしょう。テキストをみてしまうと、英文を目でみて視覚的に理解するクセがでてしまい、あとから don"t  を挿入したり、as 〜 as でくくったりして音声のながれが習得できません。学校英語や受験英語の英文読解のクセがでてしまいます。

まずは音声をきいて、そのあとで確認のためにテキストを参照するという順序がよいです。こうして、英語をいう(アウトプットする)練習をしたほうが英会話が上達するとおもいます。


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