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琉球 美の宝庫」(会場入口)
(平行法で立体視ができます)
琉球王国の至宝を展示しています。「国宝 琉球国王尚家関係資料」は必見です。琉球・沖縄の歴史と文化をみなおすことができます。
展覧会「琉球 美の宝庫」が、東京・六本木にあるサントリー美術館で開催されています(注1)。琉球王国の歴史と文化をしる貴重な機会になっています。とくに、首里王府をおさめた尚家に継承された「国宝 琉球国王尚家関係資料」は必見です。


フロアマップ1
フロアマップ(1)

フロアマップ2
フロアマップ(2)


第1章 琉球の染織
琉球の染物には、鳳凰・龍・牡丹などの大陸由来のモチーフと、松・桜・梅といった日本的な意匠が混在してみられます。型紙をもちいて模様をそめだす型染めが代表的な技法です。

第2章 琉球絵画の世界
国際的なネットワークを通じて、中国や日本絵画のすぐれたコレクションがあつめられました。琉球の絵師は、中国や薩摩藩の絵画から刺激をうけながら独自の作品をうみだしました。

第3章 琉球国王尚家の美
琉球王国について理解するための貴重な作品・資料が展示されています。2006年、琉球国王・尚家に継承されていた美術工芸 85 点と文書・記録類 1166 点が「琉球国王尚家関係資料」として国宝に指定されました。これらのなかから、珠玉のコレクションをみることができます。

第4章 琉球漆芸の煌き
漆芸品は、琉球王国の重要な輸出品でした。琉球の漆芸は、中国をはじめとする周辺諸国との交流をとおて発展し、王国を代表する美として花ひらきました。国際交易でさかえた琉球王国の片鱗をみることができます。

エピローグ 琉球王国の記憶
沖縄文化研究の第一人者・鎌倉芳太郎(1898-1983)がのこした貴重な写真と緻密な調査ノートが展示されています。

琉球王国は、海上交易によって独自の文化を発展させた海上王国でした。東アジアを舞台に「万国津梁」(世界の架け橋)として繁栄しました。




1429年:第一尚氏王統の尚巴志王による三山統一によって琉球王国が成立したとされます。
 
1469年:尚泰久王の重臣であった金丸(尚円王)が王位を継承し、第二尚氏王統が成立しました。クーデターによる即位であったとかんがえられています。その後、尚真王の時代に、地方の諸按司を首里に移住・集住させ、中央集権化に成功しました。

1500年:石垣島にて、オヤケアカハチの乱を平定しました。
 
1522年:与那国島を制圧して、先島諸島の統治権を確立しました。

1571年:奄美群島北部まで進軍して勢力下におさめました。

16世紀後半:豊臣秀吉が、明とその進路にある李氏朝鮮を征服しようとして琉球王国に助勢を命じ、琉球は一旦は拒否しましたが、日本軍に食料を提供し、日本軍の兵站の一部をにないました。

1609年:薩摩藩の島津氏が 3000 名の兵をひきいて奄美大島に進軍、その後、沖縄本島に上陸、4月5日、尚寧王が和睦をもうしいれ、首里城は開城しました。琉球王国は、薩摩藩の付庸国になりました。
 
1879年:明治政府は、琉球藩を廃止し、沖縄県を設置しました(琉球処分)。
 
1945年:4月1日、アメリカ軍が、沖縄本島中部の読谷村から上陸、7月4日、実質的な戦闘が終了しました。
 
1952年:アメリカ政府は、琉球政府を創設して軍政下におきました。
 
1972年:琉球政府は沖縄県となり、日本へ復帰しました。
 
しかしその後、46年たった今日でも、沖縄の基地問題はまったく解決されていません。


 

沖縄は、日本領土内に現在は位置しますが歴史的にみれば独立国であり、日本国内にあっても「異国」とかんがえたほうがわかりやすいでしょう。そもそもは別の国であって文化も気質もちがったため、日本列島本土の人々にとってはもともと関心がうすく、なんだか「よそごと」のように感じられてきたのではないでしょうか。

本展をみればあきらかなように、琉球王国は、海上交易の拠点として大いにさかえましたが、一方で、大国にはさまれた小国でもありました。ここに、琉球の輝きと苦悩の両面をみることができます。

本展をとおして、琉球・沖縄の歴史と文化の片鱗にふれ、沖縄にまで関心領域をひろげ、あらためて問題意識をふかめてみてはいかがでしょうか。


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▼ 注1
展覧会「琉球 美の宝庫」
会場:サントリー美術館
会期:2018年7月18日~9月2日