「指回し体操」の効果と方法について解説した本です。
わたしも長年とりくんでいます。いつてもどこでも気軽にできるので、どんなにいそがしくても毎日つづけることができます。
本書、第1章〜第3章には「指を再発見するための内容」、第4章には具体的な訓練方法、第5章〜第6章では「能力開発のルール」(能力開発に役立つ原理)について解説されています。
ポイントをピックアップします。
本書の最大の特色は、見識とパワーをもつ二十本の手足の指のシステムを作り上げることです。指の訓練には、次のようなさまざまな利点があります。第一は健康増進に役立ちます。第二は頭脳を刺激して、その発達を促し、老化を防ぎます。第三に情緒を安定させます。第四に仕事の効率を上げます。第5に美容に役立ちます。基本回旋法両手の指先をふっくらと合わせて五本の指で半球を形づくった状態を「フィンガー・ドーム」と呼ぶことにしましょう。「基本回旋法」とは、フィンガー・ドームの形を崩さないように注意しながら、左右一本ずつの指を回転させるものです。このとき「指同士が接触しない」ことを基本ルールとします。背部回旋法両手を背中に回し、フィンガー・ドームを腰の後ろでつくります。その姿勢で、基本回旋法を行います。肩と背すじを伸ばすのに有用です。胸郭を開いて、息を大きく吸い、心身ともにのびのびと行ってください。仕事の合間に気分転換をしたり、休憩するときに行うのが最適です。また目で見ないで回すことになるので、指の空間感覚を養うのにも最適であり、これは脳のほどよい刺激にもなります。指運動による瞑想法と整心効果指回旋をしながら瞑想を行います。言霊(ことだま)を心のなかで唱え、言霊の響きに心の波長を合わせます。親指回旋:右回し「さやか」、左回し「さわやか」人差し指回旋: 右回し「まどか」、 左回し「まろやか」中指回旋: 右回し「のどか」 、左回し「のびやか」薬指回旋: 右回し「はるか」 、左回し「はれやか」小指回旋:「ほのか」「ほのぼの」指の瞑想法は、音楽のリズムと合わせて瞑想をしても素晴らしい効果があります。自分の回せる速度に合った音楽を選んで、一緒にやってみましょう。不思議な世界に入りこむような体験ができるでしょう。指回旋に心の働きを重ねることによって、健康の水準をどこまでも高め、理想的な健康を創造していく。指に人生を改善する法則とパワーを能力開発に役立つかんがえかたを原理(ルール)として各指に結びつけて覚え、日常、折に触れ、それを思い出して活用するものです。仕事や生活の場での発想に役立ててください。そのような役立つ指を、本書ではパワー・フィンガーと呼びます。いかなる状況でも、指の暗示から事態を改善するためのヒントが生まれ、形勢を好転させるパワーも湧いてくるでしょう。左手親指:調和のパワー人差し指:出力のパワー中指:波動のパワー薬指:玉造のパワー小指:表情のパワー右手親指:整列のパワー人差し指:巻込のパワー中指:同調のパワー薬指:内外のパワー小指:類型のパワー足指に秘められた画期的な能力開発左足親指:姿勢のパワー人差し指:照明のパワー中指:制御のパワー薬指:成長のパワー小指:徳望のパワー右足親指:目標設定のパワー人差し指:回転のパワー中指:飛翔のパワー薬指:拡大のパワー小指:簡潔のパワー手と指は心とからだの「ハンドル」です。
いつでもどこでも手軽にできるのが「指回し体操」であり、これは、もっとも基本的な健康法ですが、健康法にとどまらず能力開発の一環になっているのが特色です。指回しをしながら、上記のパワー・フィンガーをつくっていくのはとてもユニークで効果的な訓練でしょう。能力開発のルール(原理)を指に結びつけて記憶するという記憶法の一種にもなっていて興味ぶかいです。
「指回し体操」については今ではひろく知られており、すでに知っている方も多いとおもいますが、本書を読んでしっかり基本を身につけた方がよいとおもいます。まずは、基本回旋法を毎日つづけてみるのがよいでしょう。
文献:栗田昌裕著『指回し体操が頭と体に奇跡をよぶ』廣済堂出版、1992年