地球史上第6回目の生物大量絶滅がすすんでいます。生態系が崩壊します。今回は、ヒトという特定の種による人工的な絶滅です。
生物の大量絶滅がすすんでいます(注1)。たとえばアジアゾウは、過去3世代で個体数が 50 %以上減少し、国際自然保護連合(IUCN)により絶滅危惧種(Endangered)に指定されています(注2)。
地球史上第5回目の大量絶滅は 6600 万年前におこりました。現在のカリブ海に小天体が衝突し、海底の破片と小天体の派遣が水蒸気とともにまきあげられ、大気圏に厚い層をつくりました。地表にとどく太陽光線の量はいちじるしく減少し、地表の気温は低下し、植物の光合成量も激減しました。これらの結果、動物と植物の大量絶滅がひきおこされたとかんがえられています。
このときに恐竜も絶滅しました。恐竜の生態系の大部分をしめていた植物食恐竜の多様性がそれまでに減っていため、小天体衝突による影響を生態系全体がうけやすい状況になっていたことも指摘されています。
この大量絶滅以外でも、桁外れの火山噴火による環境変動がおこるなどして大量絶滅がひきおこされたという仮説が提唱されています。
これらに対して今回の第6回目の大量絶滅は、ヒト(ホモ・サピエンス)という特定の生物種によってひきおこされている点がことなります。すなわち今回は自然の現象ではなく、ヒトの 「手」 による人工的な現象であり、地球史上はじめての出来事です。
現状がつづくかぎり大量絶滅は確実にすすんでいきます。ペンギンもいなくなります。ゴリラ・チンパンジー・オランウータンもいなくなります。アジアのゾウ・トラ・ライオン・サイもいなくなります。
ヒトは、ほかの生物はほろんでも自分たちだけは生きのこればよいともっていますが、実際にはそうはいかず、生態系の崩壊がかならずおこります。すると今までのように安定して食料がえられなくなります。病原菌が地球上に蔓延するかもしれません。
今、わたしたちに必要なのは、生態系さらに地球システムをとらえる大きな観点をもつことです。システムとは、多くの要素がたがいに関連をもちながら、全体としてひとつの方向にすすんでいく集合体です。要素や局所だけをみるのではなく、要素と全体、局所と大局、これらの相互関係を把握しなければなりません。
システムの内部で相互干渉がふえ、矛盾が解消できなくなってくるとシステムはバランスをくずしておのずと崩壊していきます(注3)。
▼ 注1:参考文献
真鍋真編『よみがえる恐竜』(別冊日経サイエンス)日経サイエンス社、2017年6月15日
▼ 注2
「インドの茶畑で野性のゾウ突進 追い払うのは命がけ」(ナショナルジオグラフィック動画)
▼ 注3
進化論的にみると、ある(時代の)システムが崩壊すると、つぎのシステムの構築があらたにはじまります。ヒトはほろんでも、あたらしい環境に適応できる生物はやはりでてくる(進化してくる)とかんがえられます。これが、生物と地球の歴史がおしえるところです。
現在、地球は第6回目の大量絶滅期に突入しているとされている。1500 年以降に 320 種以上の陸生脊椎動物がすでに絶滅している。約 6000 万年にわたって進化を続けてきたペンギンも絶滅に瀕している。海の脊椎動物と無脊椎動物では特に大型種の絶滅種が多いことから、過去5回の大量絶滅に比べても、生態系への影響が特に大きいのではないかと考えられている(注1)。
地球史上第5回目の大量絶滅は 6600 万年前におこりました。現在のカリブ海に小天体が衝突し、海底の破片と小天体の派遣が水蒸気とともにまきあげられ、大気圏に厚い層をつくりました。地表にとどく太陽光線の量はいちじるしく減少し、地表の気温は低下し、植物の光合成量も激減しました。これらの結果、動物と植物の大量絶滅がひきおこされたとかんがえられています。
このときに恐竜も絶滅しました。恐竜の生態系の大部分をしめていた植物食恐竜の多様性がそれまでに減っていため、小天体衝突による影響を生態系全体がうけやすい状況になっていたことも指摘されています。
この大量絶滅以外でも、桁外れの火山噴火による環境変動がおこるなどして大量絶滅がひきおこされたという仮説が提唱されています。
これらに対して今回の第6回目の大量絶滅は、ヒト(ホモ・サピエンス)という特定の生物種によってひきおこされている点がことなります。すなわち今回は自然の現象ではなく、ヒトの 「手」 による人工的な現象であり、地球史上はじめての出来事です。
現状がつづくかぎり大量絶滅は確実にすすんでいきます。ペンギンもいなくなります。ゴリラ・チンパンジー・オランウータンもいなくなります。アジアのゾウ・トラ・ライオン・サイもいなくなります。
ヒトは、ほかの生物はほろんでも自分たちだけは生きのこればよいともっていますが、実際にはそうはいかず、生態系の崩壊がかならずおこります。すると今までのように安定して食料がえられなくなります。病原菌が地球上に蔓延するかもしれません。
今、わたしたちに必要なのは、生態系さらに地球システムをとらえる大きな観点をもつことです。システムとは、多くの要素がたがいに関連をもちながら、全体としてひとつの方向にすすんでいく集合体です。要素や局所だけをみるのではなく、要素と全体、局所と大局、これらの相互関係を把握しなければなりません。
システムの内部で相互干渉がふえ、矛盾が解消できなくなってくるとシステムはバランスをくずしておのずと崩壊していきます(注3)。
▼ 注1:参考文献
真鍋真編『よみがえる恐竜』(別冊日経サイエンス)日経サイエンス社、2017年6月15日
▼ 注2
「インドの茶畑で野性のゾウ突進 追い払うのは命がけ」(ナショナルジオグラフィック動画)
▼ 注3
進化論的にみると、ある(時代の)システムが崩壊すると、つぎのシステムの構築があらたにはじまります。ヒトはほろんでも、あたらしい環境に適応できる生物はやはりでてくる(進化してくる)とかんがえられます。これが、生物と地球の歴史がおしえるところです。