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《ミラノ国際博覧会2015 日本館 木組インフィニティ》
(平行法で立体視ができます)
日本の建築の歴史を、多数の模型や資料をとおして概観します。3D空間認知訓練ができます。空間に心をくばるようにします。
六本木ヒルズ・森美術館15周年記念展「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」が開催されています(注1)。縄文時代の住居から、現在進行中のものや未来の計画案をふくむ最新の現代建築までの 100 プロジェクトを総数 400 点をこえる展示資料で紹介しています。


1. 可能性としての木造
2. 超越する美学
3. 安らかなる屋根
4. 建築としての工芸
5. 連なる空間
6. 開かれた折衷
7. 集まって生きる形
8. 発見された日本
9. 共生する自然


ごく一部でしたが写真撮影が許可されていましたので以下に紹介します。ステレオ写真はいずれも平行法で立体視ができます。
立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 -



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《ミラノ国際博覧会2015 日本館 木組インフィニティ》
《ミラノ国際博覧会 2015 日本館》のために制作された「立体木格子」と称する木組みです。単純な相欠き加工をしたわずか4種類の基本部材で組みあげられ、構造をささえるための金物は一切使用せず、木材特有のねばりづよさを最大限にいかしています。かたむけて組みあげられているために見る角度によって表情が変化します。



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千利休作の茶室、国宝《待庵》を原寸で再現
千利休の作とつたえられ、現存する茶室建築としては日本最古の国宝《待庵》(京都府・妙喜庵)を原寸スケールで再現しています。「わび」の思想を空間化したもので、日本文化をかたるうえで欠くことのできない建築のひとつです。



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《待庵》の内部
にじり口(出入口)からなかにはいり、二畳たらずの茶席の空間を体感することができます。 幅・奥行き・高さともに人間の身長からわりだされた極小の空間です。壁や天井などを見ただけで満足せず、壁や天井でしきられた空間に心をくばることが大切です。部屋の実質とは、壁と天井でしきられた空間であり、壁や天井のことではありません。極小空間の非日常を時間がゆるすかぎりおたのしみください。



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モダニズムの名作家具で構成されたブックラウンジ
今なお現役でつかわれているオリジナルの名作家具をあつめ、実際にすわることができるラウンジがもうけられています。建築関連の書籍をみながらひと息いれてください。



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丹下健三の自邸を 1/3 スケールで再現した巨大模型
丹下健三(1913 - 2005年)は日本を代表する世界的な建築家・都市計画家です。広島平和記念公園(1954年)、東京オリンピック(1964年)、大阪万博(1970年)など、戦後の国家的プロジェクトにもとりくみました。《自邸》(現存せず)では、「美しいもののみ機能的である」ととなえ、桂離宮などの日本の古建築を再解釈し、建築のあらたな可能性をひらきました。




これら以外にも、古代出雲大社本殿、伊勢神宮、鈴木大拙館、国立代々木競技場、日本武道館、荘銀タクト鶴岡、東芝IHI館、同潤会アパート、高過庵、祇園閣、閑谷学校、帝国ホテル、ラコリーナ近江八幡など、多数の建築物が模型や資料によって展示・解説されています。

ただ見るだけでなく、3D空間をイメージしてみると認識がふかまります。

180802 建築
図 3D空間認知の仕組み


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▼ 注1
六本木ヒルズ・森美術館15周年記念展「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」
会場:森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
会期:2018年4月25日~ 9月17日