カシミール紛争がつづいています。数多くの悲劇がうまれています。
『ナショナルジオグラフィック』2018年7月号の「ニュースの現場」ではカシミールをとりあげています。




カシミール地方は、インドとパキスタンと中国のあいだで領有権争いの舞台となっている。イスラム教徒が多数を占め、多くのカシミール人が数十年にわたって独立を模索している。しかし住民のなかには、パキスタンあるいはインドに帰属したいとおもっている人々もいる。

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1989 年以降、カシミール分離独立運動の過激派が事態をさらに加熱させ、インド政府は、彼らをテロリストとみなし、軍隊と中央警察予備軍などを投入しています。衝突による死者は、インド政府の発表で4万に、分離独立派の発表で9万 5000 人ちかくとされます。

カシミール地方は典型的な国境紛争地域であり、数多くの悲劇がうまれている地域のひとつです。




世界史を大局的にみると、国家の歴史は都市国家からはじまり、その後、都市国家間で戦争がおこり、領土国家(領域国家)がしだいに成立してきました。

都市国家の時代→領土国家の時代

都市国家の時代には、隣国とのあいだに適当な距離があったため国境はありませんでした。しかし領土国家になると国境を正確にきめなければなりません。おのずと国境紛争がはじまります。大規模な戦争になります。

カシミール紛争は、領土国家の時代における国際社会と紛争の縮図とみることができるでしょう。

それではどうすればよいのか?

領土国家(領域国家)の時代がつづくかぎり問題の解決はむずかしいでしょう。領土国家(領域国家)には基本的な構造・仕組みがあるのであり、隣国との国境を正確にさだめざるをえません。

しかしもし、国境がよわくなったグローバル社会が実現できれば? 地球上、国は別でも自由に行き来できれば? それぞれの国の歴史と伝統を尊重しながらも、地球全体としてひとつの大きな社会がなりたちます。多様性の統合です。これは空想でしょうか。

1.都市国家の時代→2.領土国家の時代→3.グローバル社会?


▼ 参考文献
『ナショナルジオグラフィック日本語版』(2018年7月号)日経ナショナルジオグラフィック社、2018年