英語が話せるようになるためには英語の基本文型と語順ルールを習得しなければなりません。くりかえし声にだして練習します。
NHK ラジオ英会話は、今年度から、文法と“気持ち”をむすびつける達人としてしられる大西泰斗さんが講師を担当されています。英語の語順を中心に「話すための英語文法」を解説していて、とてもわかりやすいです。大学受験や資格試験にも対応できるようにカリキュラムがくまれています。



文の基本構造
 主語+述語(I can speak English.)

動詞句で分類する5つの基本文型
  1. 自動型:主語+動詞(I jog. )
  2. 説明型:主語+動詞+説明語句(John is a student. )
  3. 他動型:主語+動詞+目的語(I like Mary. )
  4. 授与型:主語+動詞+目的語+目的語(I gave Mary a present. )
  5. 目的語説明型:主語+動詞+目的語+説明語句(We call him Jimmy.) 

修飾の語順ルール

  • 指定ルール:前に置いた修飾語句は後ろを指定する
  • 説明ルール:後ろに置いた修飾語句は前を説明する


動詞の後ろに名詞を直接とらない(名詞が直後にならばない)形を「 自動型」とよびます。この型のあらわす意味は「単なる動作」です。

動詞の後ろに名詞(この位置の名詞を「目的語」とよびます)が配される「 他動型」は、動詞の働きかけが、対象物(目的語)に直接およぶことを意味する形です。

be 動詞は、文の形をととのえる要素であり「=」とかんがえておけば十分です。be 動詞をつよく意識しないこと、とくに重要な意味はありません。be 動詞につよい意味がないため、発音は、「弱く・いいかげんに・素早く」が基本になります。よく聞こえなくても意味がとおるからこそ短縮形が存在するのです。意味のある動詞にこうした短縮形はありません。

目的格のイメージは「指し示す」です。

My parents love me.

自分を指しているイメージです。他動型は、目的語に行為がおよぶ型であるので、動詞のあとのどこに行為がおよぶのかを指し示しています。

動詞 -ing 形は「~しているところ」と、今おこなわれていることを生き生きと描写する形です。

I saw her heading for the coffee machine…

この文は、「彼女が向かっている ところを、その瞬間を」となって、写真で切りとったような質感となります。

「目的語説明型」の文の説明語句として to 不定詞( to +動詞原形)がつかわれることがあります。

I’ll ask my dad to give me a ride.

to(~へ)は矢印(→)のイメージをもちます。「目的語が to 以下の状況に向かう」ことをしめすのがこの型の意識であり、それにマッチするさまざまな動詞をつかうことができます。

There はその名詞を話題に「引っ張り込む」ための前置きとして意識されます。

There is a squirrel in the garden.

there + be は単に「ある・いる」ではありません。今まで話題に登場していないものを話題に引っ張り込むためにつかわれます。


2018-07-05 11.46.18


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英文をみたときに、その文がどの文型なのかを一瞬で理解できるようになるまで、くりかえし声にだして練習します。

文型学習がことのほか大切なのは、文の意味を文型が支配しているからです。学校でならった英文法は英文を訳すことに特化した文法でしかありませんでした。英語を話すために(アウトプットするために)必要な多くの要素が欠けていました。したがって英会話ができるようにはなれませんでした。

すでに英語がかなりできる人であっても本講座を受講することによってあらたな光がさしこみ、英語の知識のつかい方がわかり、能力をさらに開花させてアウトプットをいちじるしく改善することができます。

とくに、学校の英語の先生に本講座を受講していただき、指導法を改善していただければとおもいます。本講座の内容をマスターすれば、「どうして?」という生徒の質問に簡単にこたえられるようになります。「理由はかんがえずに、まるごと暗記しておけ」といわないですむようになります。学校の英語は実用的でないだけでなく、たいへんわかりにくいです。物事は、わかりやすい方がよいです。

なお語順は、実は、日本語でも重要です。ただし日本語の文法と英語の文法はことなります。前世紀までは、英語の文法を日本語に無理やりあてはめようとして失敗したインテリがたくさんいました。日本語には、日本語の語順ルール、日本語文法があります。この点は注意してください。


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