目にはみえない現象についても知っておくと自然環境の理解がふかまります。
グラフィックサイエンスマガジン『Newton』2018年7月号の「Newton Special」では地磁気の逆転について解説しています。
地球の内部構造は、地表にちかい方から「地殻」「マントル」「核」とおおきく3層にわかれています。これらのうち核は、ほぼ純粋な個体の鉄でできた「内核」と、かるい元素をふくんだ液体の鉄からなる「外核」の2層にわかれています。これらのうち外核では対流がおこっており、これにより電流が生じ、地磁気がうみだされています。つまり地球は「電磁石」であるというわけです。
そしてこの地磁気は、向き(S極/N極)が過去に何度も逆転していたことが岩石の研究からあきらかになっています。地磁気が逆転する際には、地磁気の強度が 10 分の1程度にまでよわまります。
地球には、電気をおびた高エネルギーの粒子が太陽などからむかってきていますが地磁気があるおかげで地球はまもられています。地磁気は「バリア」としての役割をはたしています。
このバリアがよわまると、人工衛星がこわれるなどの被害が生じます。実際、現在でも、ほかの地域にくらべて地磁気がよわいブラジル上空では、人工衛星の故障率が非常にたかいことが知られています。
このように地磁気の変化は、自然環境(地球環境)変動のファクターとして重要です。地磁気の逆転は、数千年から数万年程度の時間がかかるので、ただちに人類に影響がでるわけではありませんが、自然環境を理解するうえで、このような目にはみえない現象についても知っておくとよいでしょう。
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宇宙天気予報をみる -「太陽に異変がおきている?」(Newton 2018.5号)-
環境変動に適応する -「全球凍結」(Newton 2017.6号)-
多様性が統一された地球 -「宇宙飛行士が見つめた私たちの星」(ナショナルジオグラフィック 2018.3号)-
▼ 参考文献
『Newton』(2018年7月号)、ニュートンプレス、2018年7月7日
地球は巨大な磁石とみなすことができますが、実際に地球の内部に永久磁石が入っているわけではありません。実は、地磁気は、地球の内部に流れる巨大な電流によって生じています。
地球の内部構造は、地表にちかい方から「地殻」「マントル」「核」とおおきく3層にわかれています。これらのうち核は、ほぼ純粋な個体の鉄でできた「内核」と、かるい元素をふくんだ液体の鉄からなる「外核」の2層にわかれています。これらのうち外核では対流がおこっており、これにより電流が生じ、地磁気がうみだされています。つまり地球は「電磁石」であるというわけです。
そしてこの地磁気は、向き(S極/N極)が過去に何度も逆転していたことが岩石の研究からあきらかになっています。地磁気が逆転する際には、地磁気の強度が 10 分の1程度にまでよわまります。
地球には、電気をおびた高エネルギーの粒子が太陽などからむかってきていますが地磁気があるおかげで地球はまもられています。地磁気は「バリア」としての役割をはたしています。
このバリアがよわまると、人工衛星がこわれるなどの被害が生じます。実際、現在でも、ほかの地域にくらべて地磁気がよわいブラジル上空では、人工衛星の故障率が非常にたかいことが知られています。
このように地磁気の変化は、自然環境(地球環境)変動のファクターとして重要です。地磁気の逆転は、数千年から数万年程度の時間がかかるので、ただちに人類に影響がでるわけではありませんが、自然環境を理解するうえで、このような目にはみえない現象についても知っておくとよいでしょう。
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▼ 参考文献
『Newton』(2018年7月号)、ニュートンプレス、2018年7月7日