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会場の入り口(平行法で立体視ができます)
およそ 3 万 7000 年前に、南方系の人々が、海を舟でわたって琉球列島にやってきたようです。最初の日本列島人です。
ステレオ写真はいずれも平行法で立体視ができます。
立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 -

企画展「沖縄の旧石器時代が熱い!」が東京・上野の国立科学博物館で開催されています(注)。近年、沖縄の発掘調査がいちじるしくすすんでいます。大発見もありました。

沖縄の旧石器時代(縄文時代の前の時代)の調査・研究は日本人の起源をしるために重要です。

地質学・動物学・気候学などのデータから、ヒト(旧石器人)が海をわたって琉球列島にやってきたという仮説がたてられます。遺跡の調査と年代測定により、それは、およそ 3 万 7000 年前だったとかんがえられます。

また DNA 分析によってえられたデータなどから、東南アジアや南中国でもともとはくらしていた人々が琉球列島にやってきたのではないかという仮説がたてられます。

沖縄本島南部のサキタリ洞遺跡からは、世界最古の釣り針が発見されました。旧石器時代人は釣りをやっていました。旧石器人たちの暮らしぶりが想像できます。




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新石垣空港の発掘現場



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展示会場内部


「洞窟の奥はどうなっているのだろうか?」
「どんな人がねむっているのだろう?」
「何がみつかるか?」

展示会場は、洞窟をイメージしたレイアウトになっていて来館者の好奇心をかきたます。企画者の工夫のあとがわかります。

旧石器時代の調査・研究にはフィールドワークの方法がつかわれます。フィールドワークでは事実(データ)をみて仮説をたてることが重要です。仮説とは想像といってもよいです。会場にいってみたら、洞窟のなかにいる気分になって、当時の様子を想像してみる、旧石器人の生活をイメージしてみるとおもしろいです。


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沖縄旅行の調査項目 - 行田稔彦著『いまこそ、沖縄 沖縄に親しむ50問50答』-

▼ 注
企画展「沖縄の旧石器時代が熱い!」
会場:国立科学博物館・日本館1階・企画展示室
会期:2018年4月20日~6月17日

▼ 参考動画(会場でも上映中)
サキタリ洞むかしばなし 第1話
サキタリ洞むかしばなし 第2話
サキタリ洞むかしばなし エピローグ