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白馬五竜高山植物園の高山植物(ジオラマ)
(平行法で立体視ができます)
白馬五竜高山植物園の高山植物がみられます。植物をみればその環境が想像できます。
企画展「高山植物  ~かけがえのない高嶺の花たち~」が茨城県つくば市にある国立科学博物館・筑波実験植物園で開催されています(注1)。白馬五竜高山植物園(長野県、注2)からもうつくしい花々がとどいています。

ステレオ写真は平行法で立体視ができます。
立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 -



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プリムラ・ロゼアPrimula rosea, サクラソウ科)



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タテヤマリンドウGentiana thunbergii var. minor, リンドウ科)



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イワナシEpigaea asiatica, ツツジ科)



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マイズルソウMaianthemum dilatatum, キジカクシ科) 



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ショウジョウバカマHeloniopsis orientalis, メランチウム科)




高山植物とは狭義には、森林限界をこえた高山帯に生育する植物をさします。森林限界とは、高木が森林を形成できる限界のラインであり、本州中部では標高 2500 m 付近です。そのあたりでは、ハイマツがはいつくばるように生育し、そこをとおりぬけると高山植物の世界が一気にひろがります。

北海道や周北極地域などの寒冷な場所では低い標高でも高山植物をみることができます。日本でも礼文島などでは海岸付近にまで分布することがあります。 

ただし亜高山帯に生育する植物もふくめて高山植物とよぶことも多いため、本展でも、高山帯〜亜高山帯の植物を高山植物として紹介しています。

高山植物の多くは寒冷な北方地域に起源をもちます。このような植物が現在の日本の山でみられるということは、かつて氷河時代の氷期だったころには日本列島も寒冷な気候だったのであり、しかも大陸と日本列島は陸つづきだったと想像されます。氷河期の氷期に北方から移動してきた植物は、気候が温暖化に転じると気温のひくい高山においやられました。

高山帯には、地形や方角などに応じてさまざまな環境が生じます。たとえば雪田(せつでん)や風衝地(ふうしょうち)などです。風上側の尾根沿いなどは典型的な風衝地になります。風下側の斜面や窪地には雪がたまりやすく雪田群落や高茎草本群落(こうけいそうほんぐんらく)が形成されます。また岩の隙間や岩の上などの乾燥したところに生える植物もあります。イワベンケイなどの多肉質な植物は岩の上でみられます。植物をみたらその環境(周辺)を想像してみるとよいでしょう。植物は環境の指標でもあります。植物園入り口でくれるパンフレットや会場の展示・解説も参考になります。


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▼ 注
企画展「高山植物  ~かけがえのない高嶺の花たち~」
会場:国立科学博物館 筑波実験植物園
会期:2018年5月19日〜5月27

▼ 注1
国立科学博物館 筑波実験植物園
利用案内



■ バス利用の場合
つくば駅(つくばセンター)バス乗り場
5番から「テクノパーク大穂」行、「筑波実験植物園前」下車すぐ
6番から「筑波大学循環左回り」、「天久保二丁目」下車 徒歩8分
時刻表(2017.11.1および2017.9.16 現在)
※ 時刻は予告なく変更になることがあります。

▼ 注2
白馬五竜高山植物園