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日本列島球体模型(交差法で立体視ができます)
日本列島球体模型のうえをあるくことによって地球の丸みを体感できます。3次元的認識が重要です。
茨城県つくば市にある国土地理院・地図と測量の科学館は、地図や測量に関する歴史や仕組み、あたらしい技術などを展示・解説している科学館です。入場無料、地図や地球を誰でも気軽にたのしむことができます。

なかでもおもしろいのが「地球ひろば」にある「日本列島球体模型」です。これは、巨大な地球儀から日本付近を部分的に切りとった模型であり、この上をあるくことによって、高度約 300 km から地球を見下ろす疑似体験をしながら、地球の丸みを体感することができます。

ステレオ写真はいずれも交差法で立体視ができます。
立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 -



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実際にあるいてみると、想像していた以上に丸みがあることがよくわかります。地球の表面は球面なのですから日本列島にも丸みがあるのは当然です。

しかしわたしたちが普段みなれている地図は、球面を平面に投影して表現しているので丸みを感じることができません。このことが、地球や世界に関する認識不足あるいは誤解をうみだす原因のひとつになっています。




地球の表面(球面)を切りとると、どんなに小さく切りとっても平面にはならず、かならずういてしまいます。まがっている面はどんなに工夫してもそのまま平面にすることはできないので、地球の表面を切りとって平らな展開図をつくることはできません。したがって地球上での図形(地形)の形を正確にたもったまま平らな地図をつくることは不可能です。

しかしそれでは、地球儀をつねに必要とすることになり、とても不便なので平面の地図が開発されてきました。地図をつくるときには、地球上の場所に応じて、縮尺などを調整して球面を平面にする工夫をしています。この調整方法のちがいによってさまざまな図法の地図がつくられています。

たとえばよくつかわれるメルカトル図法では、地球の表面を格子状に分割して長方形として切りだし、横幅が一致するように長方形の縮尺を調整しています。この図法は、方位はただしく表現されますが、赤道からはなれるほど拡大率が大きくなり、形が大きくゆがみます。

このように立体を平面に表現するとゆがみがかならず生じ、つまりそれは事実ではないということになります。しかし本やノートのページもディスプレーも平面なので、あらゆる分野で立体を平面に表現することがさかんにおこなわれています。

そこで平面に表現された情報から本来の立体を再現(想像)することがのぞまれます。そのような練習のためにも「日本列島球体模型」が役立ちます。地図と測量の科学館まで行く暇がない人は、上のステレオ写真をぜひ立体視してみてください。

このような訓練をつづけることにより、2次元的認識から3次元的認識へと情報処理の次元をあげることができます。次元をあげることによってどれだけ情報量がふえ、情報処理がすすむことか。 




地図と測量の科学館に展示されている「日本列島球体模型」は、高さは約2m、直径は約 22 m もあり、20 万分の1の日本列島を体感できます。ひろい敷地がある つくばでこそ可能になった施設です。日本の東西南北の端まで正確にしめされているので、日本国の領域のひろさをあらためて認識することもできます。理屈ではなく体験することが重要です。


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▼ 注
国土地理院 地図と測量の科学館
ご利用案内



■ バス利用の場合
つくば駅(つくばセンター)バス乗り場:5番から
「下妻駅」行き(関鉄パープルバス)あるいは「建築研究所」行き(関鉄バス)で国土地理院下車
バス時刻表(平成29年11月1日 現在)
※ 時刻表は予告なく変更になることがあります。

▼ 参考文献
「曲がった世界の数学」Newton, 2018年5月号, ニュートンプレス, 2018年5月7日発行