睡眠によって記憶が定着し整理されます。情報をインプットしたら十分な睡眠をとることが大事です。
グラフィックサイエンスマガジン『Newton』(2018年5月号)の「FOCUS」では睡眠と記憶に関する研究について紹介しています。
わたしたちは何かを経験すると、脳内の「海馬」という場所でそれが記憶されます。海馬では、たくさんの神経細胞(ニューロン)どうしがつながり、複雑なネットワークをつくっています。ニューロンの結合部は「シナプス」とよばれ、ここでは「神経伝達物質」が一方向におくられます。シナプスのつながりがつよくなり、すくなくとも数時間程度それがつづく現象は「長期増強」とよばれます。
長期増強がくりかえされると記憶はしっかり定着します。睡眠中には、長期増強がくりかえしおこり、シナプスのつながりが強化され、記憶の定着がうながされます。
睡眠中には一方で、「リップル」という高周波の脳波が発生することがしられており、これが、記憶の消去に関係することがわかりました。記憶の消去がおこることによって、あらたな別の記憶が可能になります。
このように睡眠中のニューロンの活動は、記憶の定着をひきおこしながら、選択的な記憶の消去もおこなっており、これらによって脳内の記憶が整理されることがあきらかになりました。
人間主体の情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)の観点から記憶をとらえなおすと、記憶はプロセシングにあたります。
経験する(見たり聞いたり嗅いだり味わったり・・・)ことにより情報の内面へのインプットがおこります。インプットされた情報は睡眠をとることによって記憶として定着しまた整理されます。そして記憶情報にもとづいて文章や絵を書いたり、行動したりします(アウトプット)(図)。

記憶を定着させ、整理するためには十分な睡眠が必要です。睡眠不足ではプロセシングはすすまず、ひいては情報処理全般に悪影響をもたらします。
情報処理の観点から睡眠と記憶をとらえなおして記憶力を強化すれば、インプット能力とアウトプット能力も活性化されます。このような情報処理を自覚し意識するだけでも日々の生活はこれまでとはちがってくるでしょう。
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▼ 参考文献
グラフィックサイエンスマガジン『Newton』(2018年5月号)ニュートンプレス、2018年5月7日発行
東京大学大学院薬学系研究科の池谷裕二教授らは、睡眠中の脳で測定される特定の脳波が、記憶の定着のみならず記憶の消去にも関係していることを明らかにした。このしくみによって、新たな経験を記憶するための容量を確保できるよう、記憶を整理しているという。(Science, 2018.2.9)
わたしたちは何かを経験すると、脳内の「海馬」という場所でそれが記憶されます。海馬では、たくさんの神経細胞(ニューロン)どうしがつながり、複雑なネットワークをつくっています。ニューロンの結合部は「シナプス」とよばれ、ここでは「神経伝達物質」が一方向におくられます。シナプスのつながりがつよくなり、すくなくとも数時間程度それがつづく現象は「長期増強」とよばれます。
長期増強がくりかえされると記憶はしっかり定着します。睡眠中には、長期増強がくりかえしおこり、シナプスのつながりが強化され、記憶の定着がうながされます。
睡眠中には一方で、「リップル」という高周波の脳波が発生することがしられており、これが、記憶の消去に関係することがわかりました。記憶の消去がおこることによって、あらたな別の記憶が可能になります。
このように睡眠中のニューロンの活動は、記憶の定着をひきおこしながら、選択的な記憶の消去もおこなっており、これらによって脳内の記憶が整理されることがあきらかになりました。
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人間主体の情報処理(インプット→プロセシング→アウトプット)の観点から記憶をとらえなおすと、記憶はプロセシングにあたります。
経験する(見たり聞いたり嗅いだり味わったり・・・)ことにより情報の内面へのインプットがおこります。インプットされた情報は睡眠をとることによって記憶として定着しまた整理されます。そして記憶情報にもとづいて文章や絵を書いたり、行動したりします(アウトプット)(図)。

図 情報処理と記憶
記憶を定着させ、整理するためには十分な睡眠が必要です。睡眠不足ではプロセシングはすすまず、ひいては情報処理全般に悪影響をもたらします。
情報処理の観点から睡眠と記憶をとらえなおして記憶力を強化すれば、インプット能力とアウトプット能力も活性化されます。このような情報処理を自覚し意識するだけでも日々の生活はこれまでとはちがってくるでしょう。
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▼ 参考文献
グラフィックサイエンスマガジン『Newton』(2018年5月号)ニュートンプレス、2018年5月7日発行