栄養バランスのとれた食事をとり、ストレスを発散し、規則的な生活をして、免疫力をさげないようにします。
グラフィックサイエンスマガジン『Newton』2018年4月号の連載「徹底解剖 免疫システム」第3回(終)では「がん免疫療法とは何か」について解説しています。

体内をくまなくパトロールする免疫系をたくみに活用することで、日本人最大の死因である がん を治療しようというのが「がん免疫療法」です。



がんとは、私たちの体を構成している細胞が、まわりの細胞との協調性をなくして、無秩序に増殖するようになる病気です。

がん細胞が無秩序に分裂するのは、タバコや紫外線、ウイルス、活性酸素などによって DNA に傷が入ったり、DNA の複製エラーがおきたりすることで、細胞分裂を制御することができなくなってしまったためです。


がん細胞が大きくならないようにする防御システムとしてつぎの3つがあります。これらにより、がん細胞が日々排除されています。

  • DNA の修復
  • アポトーシス(異常細胞の「自殺」)
  • 免疫系

免疫療法は、免疫系の“アクセル”を踏み、免疫細胞を活性化する治療法である「免疫賦活療法」「養子免疫療法」「がんワクチン療法」と、免疫系の“ブレーキ”を解除し、免疫細胞を活性化する治療法である「免疫チェックポイント阻害療法」の二つに分けられます。


今後のがん治療は、免疫療法と従来の標準治療とをあわせた「複合がん免疫療法」が主流になるといいます。




わたしたちの体を異物からまもってくれるのが免疫系です。免疫力をさげないためには、栄養バランスのとれた食事をとり、ストレスを定期的に発散し、規則的な生活をすることが不可欠です。病気は予防が第一、健康なときにこそ免疫系のはたらきに意識をくばるようにします。

  • 栄養バランス
  • ストレス発散
  • 規則的な生活


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ストレスをへらす -「免疫力を科学する」(Newton 2018.2号)-
花粉症対策 -「アレルギーの正体」(Newton 2018.3号)-

▼ 参考文献
『Newton』(2018年4月号)ニュートンプレス、2018年4月7日発行