クラウドが急速に普及しています。パソコンの時代がおわり、クラウド・コンピューティングの時代にはいりました。
パソコンを買いかえたときには、あたらしいパソコンにデータを移行しなければなりません。Mac の場合はつぎのサイトが参考になります。

新しい MacBook または Late 2016 モデルの MacBook Pro にコンテンツを移動する(Apple)

移行方法はいろいろありますが「バックアップから」が一番確実で安全です。そのためには、移行元の Mac の「Time Machine」バックアップを、外付けハードディスク(USB ドライブ)にあらかじめ作成しておかなければなりません。面倒なようですがバックアップをつくっておけば、あたらしい Mac にデータを移行したあともバックアップがのこるので安心です。エラーが万が一おこっても復旧できます。

Time Machine で Mac をバックアップまたは復元する方法(Apple)

外付けハードディスク(USB ドライブ)をあたらしい Mac に接続します。USB-C アダプタが必要です(注1)。あとは、「設定アシスタント」の画面の案内にそってすすめます。

ただしわたしは、データの大部分を「iCloud Drive」においてあるので、これまでにくらべてデータ移行は短時間ですみました。以前は時間がかかり、データ移行はひと仕事になっていました。

iCloud(Apple)

データを iCloud Drive に保存しておけば、Mac, iPhone, iPad のいずれからでもデータにアクセスでき、すべてのファイルがすべてのデバイス上でつねに最新の状態でつかえます。





■ Mac の iCloud の設定

iCloud の設定を「システム環境設定」でおこないます(最新の macOS High Sierra の場合)。

「システム環境設定」→「iCloud」→ 「iCloud Drive」にチェック →「オプション」

iCloud Drive に自動的に保存したいデータとアプリにチェックをいれます。たとえば Mac 上の「デスクトップ」フォルダと「書類」フォルダにチェックすれば、自動的に iCloud にも保存されます。一度チェックをいれて、あとではずすと、iCloud にはのこりますが、Mac 上からは消えますので注意してください。

最下部の「Mac ストレージを最適化」については、一般的にはチェックをします。すると、iCloud Drive に保存したデータは、Mac に十分な空き領域がある場合は Mac にも保存されます。Mac でデータ更新をすれば、iCloud Drive のデータも自動的に更新されます。しかし Mac の空き領域がたりなくなると、ふるい書類は Mac からは削除され、 iCloud Drive のみにのこります。


■ iCloud のインジケーター

iCloud Drive には Finder からアクセスできます。iCloud Drive のなかにフォルダをつくったりすることも Finder でできます。ブラウザからでもアクセスできますが、いちいちブラウザをたちあげなくてすむのでとても便利です。

Finder で iCloud Drive の状況を確認できます。

「Finder」→「表示」→「表示オプションを表示」→「表示する項目」→「iCloudの状況」にチェック

するとファイル名の右に「雲マーク」が表示され、iCloud に保存されていることがわかります。保存されていない場合はマークがつかないか、「iCloudの状況」にチェックができません。また iCloud には保存されているが、Mac 上には保存されていない場合は、「雲に下向きの矢印がついたマーク」が表示され、クリックすればダウンロードできます。

iCloud を使用するときの注意点は、iCloud から消去すると、あらゆるデバイスからそのデータにはアクセスできなくなるということです。たとえば Mac から消去したとおもっていたら、 iCloud から消去していてとりかえしのつかないことになったということがおこりえます。そこでつぎのようにします。

「Finder」→「環境設定」→「詳細」→「iCloud Driveから削除する前に警告を表示」にチェック

すると iCloud から削除しようとするときに警告を表示してくれるのでファイルの消失ミスをふせげます。

もっとも iCloud には「ファイルの復元」機能があり、削除してから 30 日以内でしたら復元ができます(注2)。




クラウドをつかうときには、Mac などのデバイスを中心にするのではなく、あくまでもクラウドを中心にかんがえなければなりません。ここにちょっとした発想の転換が必要です。

クラウドサービスは同業他社でもおこなっており、最近、一気に普及してきました。いよいよクラウド・コンピューティングが本格化してきました。いいかえるとパソコンも、スマホやタブレットと同様のデバイスのひとつでしかなくなったということであり、パソコン中心の時代がおわったということです(注3)。

パソコンは 1990 年代に急激に普及し、情報革命を一気におしすすめましたが、クラウドの開発と普及はそれをうわまわる大きな技術革新といってよいでしょう。


▼ 注1
USB-C にポートが統一される - MacBook Pro -

▼ 注2
iCloud.com の新機能「ファイルの復元」をつかう

▼ 注3
今日では、たいていの場所で Wi-Fi がつかえるのでクラウドをつかうと便利です。Wi-Fi がつかえないところではスマホをつかうか、テザリングでパソコンもつかえます。最近は、格安スマホ・サービスも普及しています。
格安スマホにのりかえる

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