都市周辺の農耕の規模が大きくなるにつれて豊作への祈願の儀礼もさかんになりました。
古代アンデス文明展が国立科学博物館で開催されています(注)。

第2展示室では、チャビン文化(紀元前1300年頃〜前500年頃)について展示・解説しています。ステレオ写真はいずれも平行法で立体視ができます。
立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 -



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幾何学紋様のある石製すり鉢
(前900年〜前500年、チャビン文化形成期後期)
チャビン・デ・ワンタル遺跡の広場で発見されました。神殿での饗宴の際に、酒食の原料のトウモロコシやイモ類などの加工につかわれたと想像されています。



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テノンヘッド
(前900年〜前500年、チャビン文化形成期後期)
神殿の壁面に多数の頭像が配置されました。神殿で儀礼に参加した人々が幻覚剤を摂取し、ネコ科動物にしだいに変容する感覚を体験する様子をあらわしているとされます。




紀元前1300年頃〜前500年頃になるとチャビン文化が発達しました。アンデスでそれまでにつづいてきた宗教伝統が統合され、多様な祭祀センターのあいだの交流によってチャビン文化ができあがったとかんがえられています。

チャビン・デ・ワンタル遺跡(前900年〜前500年)は、アンデス山脈の標高 3200 mにつくられた大規模な神殿であり、水と豊作への祈願の儀式がおこなわれていたと想像されています。地下通路や聖像のレイアウト、音響と神殿内をながれる水の効果などによって、おとずれた巡礼者の五感のすべてにうったえ、肉体と精神をゆさぶるように設計されています。多様な様式の供物も発見されています。

都市周辺の農耕の規模が大きくなるにつれて、豊作への祈願の儀礼もおのずと発達したことがわかります。


古代アンデス文明展
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