鳥たちの世界は多様性にみちあふれています。また鳥類は、恐竜の一部の種が進化してうまれました。
『ナショナルジオグラフィック 日本語版』 では、2018年1月号から、シリーズ「鳥たちの地球」の連載をはじめましました。生態系に欠かせないだけでなく、人の心にとっても大切な鳥たちの驚異の世界と、鳥なしでは人間がいきていけない理由をさぐっていくという企画です。




つぎの鳥たちが、うつくしい写真とともに紹介されています。


オオサイチョウ、ミカヅキインコ、ベニイロフラミンゴ、ココノエインコ、クビワコガモ、コリーカンムリサンジャック、アフリカオオコノハズク、コトドリ、カートランドアメリカムシクイ、ゴシキノジコ、オウゴンアマリカムシクイ、ヘビクイワシ、カオジロオタテガモ、キングペンギン、アメリカダイシャクシギ、エボシコクジャク、ヒオウギインコ、カンムリバト、クルマサカオウム、ヤシオウム、カンムリズル、ミナミショウジョウコウカンチョウ、ケープハゲワシ


このようなさまざまな鳥たちをみるだけで、鳥の世界が多様性にみちあふれていることがすぐにわかります。

このような鳥たちは、どのようにして地球上に出現してきたのでしょうか。


鳥類が出現するはるか以前にいち早く羽毛を獲得したのは、恐竜だ。(中略)恐竜の子孫として唯一現存する鳥類は、より複雑な羽毛を獲得したおかげで飛べるようになった。


すなわち恐竜のなかの一部の種が鳥に進化したのです。恐竜は全滅したわけではありません。これは、恐竜学の近年の大きな研究成果です。

したがって鳥類は、恐竜のさまざまな性質・特徴をうけついでいます。ティラノサウルスの初期の種にさえ原始的な羽毛があったことがわかっています。恐竜の羽毛は体温調節や求愛行動に役立ったと想像されます。頭頂部にみられる飾りも恐竜にすでにありました。

地球上の生物は、海で誕生し、そのご陸へ進出、そして鳥になって空に進出しました。進化は、地球上の空白領域をうめるようにすすみました。

そして鳥たちは多様性をましながらさまざまな地球環境に適応し、途方もない広大な領域にひろがりました。こうして鳥たちは「空の王者」になりました。

鳥たちは、木から木へ、大陸から大陸へ、上昇気流にのって、大空を飛びます。とくに渡り鳥をみてください。たとえばヨーロッパアマツバメは、繁殖後、一度も着地せずに1年ちかく飛びつづけるそうです。

このように鳥たちは、人間とはことなる領域で、わたしたちとはまったくことなる生き方をしています。そこには、わたしたちの知らない世界がひろがっています。興味がつきません。



 
米議会は1918年、カナダと締結した条約にもとづいて渡り鳥保護条約法を承認しました。この法律の制定100周年を記念して、ナショナルジオグラフィックは、全米オーデュボン協会、バードライフ・インターナショナル、コーネル大学鳥類学研究所の強力のもと、本年を「鳥の年」と宣言し、鳥をテーマにした記事を1年を通じて連載するそうです。

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▼ 参考文献
『ナショナルジオグラフィック 日本語版』 日経ナショナルジオグラフィック社、2017年12月30日