書籍をよんだら旅行にでかけます。現地・現場をみることが重要です。
生誕 150 年記念企画展「南方熊楠 -100年早かった智の人-」が国立科学博物館で開催されています(注)。

ステレオ写真はいずれも平行法で立体視ができます。
立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 -



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野冊
採集した植物を押し葉標本に現地でするための道具です。



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微細藻類プレパラート入れ
水田・池・川などに生息する藻類を多数あつめてプレパラート標本をつくりました。



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携帯顕微鏡



日本へもどった熊楠は、フィールドワークに没頭していくことになります。膨大な書籍をよみあさったことは、フィールドワークのためにあったといってもよいでしょう。帰国直後には、「変形菌 10、キノコ 450、地衣類 250、藻類 200、車軸藻類 5、苔類 50、蘚類 100」という採集目標をたてましたが、たった9ヵ月でこの目標をこえてしまいました。

フィールドワークは植物採集にとどまらず、説話や民俗などの調査にもおよび、非常に広範囲な知識を収集、知の財産を蓄積していきました。

フィールドワークとは現地調査あるいは現場観察といってもよく、大げさなことをかんがえなくても、旅行をするということでよいでしょう。書籍などをよんだら、現地・現場に行って実際に見ることがとても大事です。

ただし情報処理の観点からは、現地でメモをとったり、帰宅後に旅行記を書いたりすることがもとめられます。また行き先とともに、見るべきおもな分野をきめる、課題をしぼりこんでおくことも大事です。


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▼ 注
南方熊楠生誕150周年記念企画展「南方熊楠-100年早かった智の人-」
場所:国立科学博物館・企画展示室(日本館1階)
会期:2017年12月19日~2018年3月4日