ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャは “仏教徒” からの弾圧にくるしんでいます。
『ナショナルジオグラフィック』(2017年11月号)では「故郷を追われたロヒンギャ」と題して、ミャンマーのイスラム系少数民族ロヒンギャの悲劇について報告しています。




軍はもちろん、真の民間人として半世紀ぶりにこの国の指導者になったアウン・サン・スー・チーも、この主張に耳を貸そうとしない。ノーベル平和賞受賞者のスー・チーが、加害者に法の裁きを下さないどころか、暴虐を批判すらしないことに、人権活動家たちは落胆している。6月には、新しい国連調査団に対するビザの発給が拒否された。


この主張とは、「ミャンマー軍によるロヒンギャ攻撃が人権犯罪に当たる可能性が極めて高い」(ミャンマーの人権問題を担当する国連特別報告者のイ=ヤンヒ)という指摘です。

ロヒンギャはミャンマーのイスラム系少数民族です。ミャンマーでは5年前、仏教徒とイスラム教徒が衝突し、ロヒンギャを中心に数百人の死者がでて、12万人のロヒンギャが国内キャンプに強制収容されました。そして2016年10月、ロヒンギャの武装グループが国境警備施設を襲撃、9人の警官をころしたとしてミャンマー軍がロヒンギャ一掃作戦を開始、このときには約7万4000人が、2017年8月にはさらに数十万人が隣国バングラデシュの難民キャンプにのがれました。ミャンマー軍に村々が焼かれ、数百人がころされたと難民たちは証言しています。

あらためて、ミャンマーは仏教徒が支配する国であり、バングラデシュはイスラム教徒が支配する国であることがわかります。

バングラデシュにいっても希望はありません。バングラデシュも貧困と人口過密でなやんでいる状態であり、たよりになるのは国連世界食糧計画からの配給だけです。バングラデシュにのがれてきたロヒンギャは、現在、50万人をこえています。

日本政府は、ロヒンギャ難民への1500万ドル(約16億5000万円)の緊急の無償資金協力を決め、国連世界食糧計画を通じて食料や生活物資・道路補修などの支援を実施します。

寄付サイトはこちらです。
ロヒンギャ難民緊急募金 - ユニセフ公式サイト -
ロヒンギャ難民へ緊急のご支援を - 国連UNHCR協会/公式サイト‎


▼ 注:参考文献
『ナショナルジオグラフィック』日経ナショナルジオグラフィック社、2017年10月30日