東京・新宿にある公園、新宿御苑の撮影・散策ガイドです。 地図上にしめされた花や樹木の撮影ポイントとともに、多数の写真が園内を案内してくれます。
本書をたよりに、新宿御苑で「知的散歩術」を実践するとよいでしょう。
▼ 新宿御苑のウェブサイト
春夏秋冬の季節ごとに見ごろの花や風景を説明していることも本書の特色です。
春:ウメ、 サクラ、ハナモクレン、コブシ、ツツジ、ヤマブキ、フジ、その他
夏:バラ、サツキ、アジサイ、オニユリ、スイレン、その他
秋:ヒガンバナ、バラ(遅咲きものバラもある)、ジュウガツザクラ、ツワブキ、ツルボ、その他、(紅葉もうつくしい)
冬:ロウバイ、ビワ、ハクモクレン、スイセン、フクジュソウ、ツバキ、その他
巻末についている、とじこみ付録「四季の撮影ポイントMAP」は、の四季別の4種の地図になっていてとても役にたちます。
このMAPを片手に、ループをえがくように植物を撮影しながらあるけば、 現場で各植物を確認でき、その場所と地図にその植物名をむすびつけて記憶することができます。つまり「空間記憶法」の練習になります。撮影した写真は目印イメージとして記憶の想起・確認のために活用できます。
心のなかに情報をインプットするときは、その対象と最初に遭遇した場所をあわせて記憶するとよいです。その場所を印象にとりこみ、場所体験を場所記憶にします。
本書では、四季折々の花々が四季別に紹介されていますので、一年をとおして新宿御苑に何回か行けば季節変化を体験することができ、四季のうつくしさが記憶にも反映されるようになります。
植物をとらえるにあたってはまず花に注目するのがよいです。花は目印の典型です。四季折々の花を撮影していけば、同じ場所であっても季節のちがいにより記憶の内容を区別することができます。場所記憶(空間記憶)に時間的な区別をあたえることになり、記憶の幅がひろがります。
このようなことをくりかえしていけば、記憶は単なる記憶や学習をこえて、心のなかの見通しをよくし、心を活性化させ、アイデアや発想も生まれやすくなります。
新宿御苑はかなりひろい公園なので、あらかじめ本書を見てからでかけると密度のたかい「知的散歩」ができるでしょう。
文献:小田巻美穂子編(写真・文:木村正博)『新宿御苑 撮影・散策ガイド -季節の花と風景を訪ねる』三栄書房、2010年4月18日
▼ 関連記事
植物を撮影しながら知的散歩をする 〜『新宿御苑 撮影・散策ガイド』〜季節を意識して情報をインプットする - 新宿御苑(1)-
立体視で植物をみて目のつかれをとる - 新宿御苑(2)-