現地調査で多様な情報を収集し、それらを統合してアウトプットします。
「平山郁夫シルクロードコレクション」展がそごう美術館で開催されています(注)。シルクロードについて理解をふかめることができます。
玄奘三蔵求法の旅をたどる『大唐西域壁画』の下図(原寸大)はとくに印象にのこりました。『大唐西域壁画』は、薬師寺・玄奘三蔵院伽藍の玄奘塔の北側にある大唐西域壁画殿にまつられています。中央に位置する第4画面「西方浄土須弥山」は、この世とはおもえない、天空にひろがる広大な空間をえがいており、じつに見事でした。実際にはこれは、ネパール・ヒマラヤの、アンナプルナ〜ニルギリ〜ダウラギリという 8000 m 級の山群を、プーンヒル(3210 m)から正確にえがいたものですが、そのような現実をこえて、ここから世界がうごいていくかのような、生命力の中心が超然と表現されていました。
また今回の展覧会では、平山郁夫のスケッチや作品だけでなく、現地で撮影した写真や取材ノートなども展示されていて、平山郁夫の創作過程が手にとるようにわかるようになっています。
平山郁夫は現地では、スケッチをするだけでなく、写真も撮影し、言葉による記録もとり、そして帰国してから、これらの多様な情報を統合して絵に表現するという創作スタイルをとっていました。こうして、膨大なスケッチとともに多数の取材ノートがのこされたのです。このような現地活動は、文化人類学者 顔負けのフィールドワークといってもよいでしょう。徹底した現地調査をしていたのです。
現場の情報は非常に多様です。しかし絵をえがくときにはそれらを一本に統合しなければなりません。多様性の統合です。絵をえがくとは、情報用語をつかえば、作品をアウトプットするということです。アウトプットの本質は情報の統合にあります。
アウトプットや創作は、よりすすんだレベルでは技術の問題ではなくなりますが、初歩的・基本的には技術(技法)が必要でしょう。たとえばスケッチをし、下図をかき・・・。なるべくわかいときに、基本的な技術をまずは習得しなければなりません。たとえばKJ法も、多様な情報を統合して文章化していくアウトプット技術のひとつです。アウトプットの技術として何を習得すればよいか? 人それぞれちがいます。あちこちをつまみ食いにするのではなく、ひとつの分野を体系的にまなぶことがもとめられます。
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シルクロード特別企画展「素心伝心 -クローン文化財 失われた刻の再生-」(東京藝術大学美術館)(まとめ)
▼ 注1
平山郁夫シルクロードコレクション展
▼ 注2
情報の統合のもっとも基本的な方法は要点を書きだすことです。つぎに基本的な方法は情報を要約することです。
▼ 参考サイト
薬師寺・玄奘三蔵院伽藍
大唐西域壁画
平山郁夫シルクロード美術館
玄奘三蔵求法の旅をたどる『大唐西域壁画』の下図(原寸大)はとくに印象にのこりました。『大唐西域壁画』は、薬師寺・玄奘三蔵院伽藍の玄奘塔の北側にある大唐西域壁画殿にまつられています。中央に位置する第4画面「西方浄土須弥山」は、この世とはおもえない、天空にひろがる広大な空間をえがいており、じつに見事でした。実際にはこれは、ネパール・ヒマラヤの、アンナプルナ〜ニルギリ〜ダウラギリという 8000 m 級の山群を、プーンヒル(3210 m)から正確にえがいたものですが、そのような現実をこえて、ここから世界がうごいていくかのような、生命力の中心が超然と表現されていました。
そのほか、バーミヤンの大石仏破壊前後の絵画など、シルクロード各地の絵画をとおして、平山郁夫の旅の足跡がたどれました。各地に点在する遺跡の数々が、あらためて魂をふきこまれて現代によみがえってくるような、そんな錯覚をおぼえます。それにくわえて、中国・インドだけでなく、中東やヨーロッパの影響がシルクロードをとおして日本にもつたわってきたことがわかりました。
また今回の展覧会では、平山郁夫のスケッチや作品だけでなく、現地で撮影した写真や取材ノートなども展示されていて、平山郁夫の創作過程が手にとるようにわかるようになっています。
平山郁夫は現地では、スケッチをするだけでなく、写真も撮影し、言葉による記録もとり、そして帰国してから、これらの多様な情報を統合して絵に表現するという創作スタイルをとっていました。こうして、膨大なスケッチとともに多数の取材ノートがのこされたのです。このような現地活動は、文化人類学者 顔負けのフィールドワークといってもよいでしょう。徹底した現地調査をしていたのです。
現場の情報は非常に多様です。しかし絵をえがくときにはそれらを一本に統合しなければなりません。多様性の統合です。絵をえがくとは、情報用語をつかえば、作品をアウトプットするということです。アウトプットの本質は情報の統合にあります。
アウトプットや創作は、よりすすんだレベルでは技術の問題ではなくなりますが、初歩的・基本的には技術(技法)が必要でしょう。たとえばスケッチをし、下図をかき・・・。なるべくわかいときに、基本的な技術をまずは習得しなければなりません。たとえばKJ法も、多様な情報を統合して文章化していくアウトプット技術のひとつです。アウトプットの技術として何を習得すればよいか? 人それぞれちがいます。あちこちをつまみ食いにするのではなく、ひとつの分野を体系的にまなぶことがもとめられます。
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▼ 注1
平山郁夫シルクロードコレクション展
会期:2017年10月27日〜12月3日
会場:そごう美術館
▼ 注2
情報の統合のもっとも基本的な方法は要点を書きだすことです。つぎに基本的な方法は情報を要約することです。
▼ 参考サイト
薬師寺・玄奘三蔵院伽藍
大唐西域壁画
平山郁夫シルクロード美術館