地球温暖化の影響でつよい台風ができやすくなっています。将来的に、スーパー台風が日本を直撃することがありえます。
グラフィックサイエンスマガジン『Newton』2017.11号の Topic では「スーパー台風」について解説しています。台風のなかでもっとも勢力がつよい「スーパー台風」が日本にも将来上陸する可能性があります。



最近発生したスーパー台風の典型例といえば、2013年11月にフィリピンを直撃した台風30号ハイエンであろう。この台風では、最大瞬間風速が毎秒90メートル以上を記録し、6メートル近くの高潮も発生したため、死者・行方不明者を合わせて8000人近くにのぼった。


スーパー台風による甚大な災害をさけるためには精度のよい予報が必要です。予報のおもな内容は台風の進路と強度ですが、とくに強度の予報は、精度を今後あげていかなければならない状況にあります。

テレビなどで台風予報をみるときに注意する点は以下のとおりです。

  • 「予報円」:台風の中心がこの円のなかにはいる確率が70%です。
  • 予報円の中心をむすんだ白い破線は台風がすすむコース予報です。あくまでも予報であってかならずしもこのコースをたどるとはかぎりません。
  • 「暴風域」:最大風速が毎秒約25メートル以上の風がふいているか、ふく可能性が高い範囲です。
  • 「強風域」:最大風速が毎秒約15メートル以上の風がふいているか、ふく可能性が高い範囲です。
  • 予報円と暴風域を混同しないように注意してください。予報円は、台風の中心位置を予報しているのであって、暴風域はその外側にひろがっています。予報円のなかに自分の家がはいっていないから安心だということではありません。

予報円が暴風域だと誤解している人々がけっこういます。また予報は確率であって、確率は当たることもあるし、はずれることもあります。したがって台風が発生したら、つねに現況をチェックする必要があります。

また海岸付近では高潮も警戒しなければなりません。高潮とは、気圧低下によって海面がすいあげられ、岸にむかってふく風により海水がすいよせられることで生じる潮位の上昇です。スーパー台風が東京湾にきた場合、湾の奥で約6メートルの高潮が発生するというシミュレーション結果もあります。




そもそも「台風」とは、熱帯低気圧のうちで、中心付近の最大風速が毎秒17.2メートル以上になったものをさします。「スーパー台風」とは、アメリカ軍合同台風警報センター(JTWC)がもちいる台風の階級区分であり、中心付近の地上での最大風速が毎秒59メートル(時速212キロメートル)以上のものをさします。なにしろ新幹線の速度なみかそれ以上ですから建物が倒壊します。フィリピンを直撃した「ハイエン」は毎秒90メートル以上でしたから、いかに強力であったかが想像できます。

現在、地球温暖化の影響で海面水温が上昇傾向にあるため、海面付近の水蒸気量が多くなり、つよい台風が発生しやすくなっています。日本付近でも海面水温が上昇しているため、つよい勢力をたもったままスーパー台風が日本を直撃することがありえます。


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▼ 参考文献 
『Newton』(2017年11月号)ニュートンプレス、2017年9月26日 

▼ 参考サイト
台風の予想進路の見方(tenki,jp)

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