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高句麗古墳群江西大墓・四神図の復元
(交差法で立体視ができます)
作品だけでなく、空間も再現されているので臨場感をたのしむことができます。シルクロードがいっそう身近に感じられてきます。
シルクロード特別企画展「素心伝心 -クローン文化財 失われた刻の再生-」が東京藝術大学美術館で開催されています(注1)。「クローン文化財」というあたらしい方法を提示したおもしろい美術展です。

ステレオ写真はいずれも交差法で立体視ができます。
立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 -

高句麗古墳群江西大墓・四神図(青龍、朱雀、白虎、玄武)は高句麗壁画の最高傑作とされ、高松塚古墳やキトラ古墳にえがかれた四神図の源流とも称されます。古墳の内部空間が復元されていて、なかにはいって観賞することができます。写真は『玄武』です。



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敦煌莫高窟第57窟の再現



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敦煌莫高窟第57窟の再現



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敦煌莫高窟第57窟の再現

敦煌莫高窟第57窟は「東洋のヴィーナス」と称され、莫高窟のなかでもとくに注目されています。原寸大でみごとに内部が再現されていて、四方を壁画にかこまれた空間を体験できます。敦煌莫高窟は、鳴沙山(めいささん)の断崖に千年にわたってつくられた多数の洞窟であり、内部には仏塑像が安置され、また壁画がえがかれています。




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今回の美術展でとりあげられた地点(注2)


今回の美術展では、法隆寺からはじまり、高句麗古墳群江西大墓四神図、敦煌莫高窟第57窟、新疆ウイグル自治区キジル石窟第212窟、タジキスタン・ペンジケント遺跡、アフガニスタン・バーミヤン東⼤仏天井壁画、ミャンマー・バガン遺跡ミンカバー・グビャウクジー寺院壁画を順にたどっていきます。

普通の美術展・展覧会では、作品を順番にみていくだけですが、今回は、空間も再現されているのが特徴です。空間があるのとないのとではかなり印象がことなることは会場にいってみればあきらかです。アタマで理解するのではなく、体全体で感じとるといった体験ができます。臨場感あふれる美術展といってよいでしょう。


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▼ 注1
会期:2017年9月23日〜10月26日
※ 一部をのぞき写真撮影が許可されていました。

▼ 注2:参考文献
『シルクロード特別企画展「素心伝心」』(解説書)東京藝術大学、2017年9月13日