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法隆寺釈迦三尊像の再現
(交差法で立体視ができます)
特許技術「クローン文化財」によりシルクロード美術がよみがえります。
シルクロード特別企画展「素心伝心 -クローン文化財 失われた刻の再生-」が東京藝術大学美術館で開催されています(注)。「クローン文化財」というあたらしい方法を提示したおもしろい美術展です。

ステレオ写真はいずれも交差法で立体視ができます。
立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 -



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法隆寺釈迦三尊像の再現
法隆寺の本尊・国宝釈迦三尊像を 3D 計測や 3D プリンターの技術をもちいて金銅仏として再現し、さらに、金堂の天井につるされた天蓋や欠失した螺髪や白毫、大光背の飛天を復元して展示しています。



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法隆寺釈迦三尊像の釈迦如来坐像の再現



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法隆寺金堂壁画の復元
1949年に焼損した金堂外陣壁画12面を復元し、原寸大の金堂空間を再現しています。




法隆寺釈迦三尊像と金堂壁画は本物そっくりに再現されており「だまし絵」ではありません。仏像は、360度の角度から観賞でき、法隆寺でみるよりもはるかにじっくり観賞できます。また壁画もみごとです。12面の壁画がつくりだす空間に一歩はいれば、その神秘的な空気に心がいやされます。

東京藝術大学は、劣化が進行しつつある あるいは永遠にうしなわれてしまった文化財の姿を現代によみがえらせて未来に継承していくために、「クローン」として文化財を復元する特許技術を開発しました。

会場では、古代シルクロードの各地で花開いた文化遺産が「クローン文化財」としてみごとによみがえっていて、シルクロードの「小旅行」を体験することができます。立体的な(3次元の)再現空間のなかをあるきながら、シルクロード美術の躍動を感じることができます。この機会に、シルクロードをあらためてとらえなおしてみてはいかがでしょうか。


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会期:2017年9月23日〜10月26日
※ 一部をのぞき写真撮影が許可されていました。