インドの仏たちをみながら、仏教史を概観することができます。
特別展「コルカタ・インド博物館所蔵 インドの仏 仏教美術の源流」が東京国立博物館・表慶館で開催されています(注)。
今回の特別展では、仏像以前、釈迦の仏教、大乗仏教のはじまり、密教の成立という仏教の歴史の大きなながれをみることができます。
注目点は、「十六大国」は古代の都市国家、その後のマウリア朝はより大規模な領土国家(帝国)であり、都市国家の時代から領土国家の時代へと戦争により転換していく時期に釈迦が生きていたということです。
わたしは会場の展示を見たあと、地図そして年表をみて理解をふかめました。ここには理解をふかめる3つの場面がありました。
展示 → 地図 → 年表
歴史をまなぶときには主人公に注目しがちですが、時代の大きな潮流はむしろ背景の方にあらわれています。仏教史の大局的な潮流とその変化を理解しようとおもったら、展示室全体(展示品の背景)に意識をもっていくとよいです。
物語は時系列的な流れですから言語をつかった方が細部まで表現しやすいかもしれませんが、1枚のイメージとして空間的にあらわすこともできます。空間をつかうことによって視覚的に全体を瞬時にとらえることが可能になります。
また地図上で場所を確認して地名と位置をおぼえるとよいです。地図がおもしろいのは、各作品の位置をひとつひとつおさえながらも、地図全体ではすべての情報が一望できるわけで、仏教史の歴史的段階には関係なく空間的・並列的に情報がとらえられるところにあります。
地図上(地球上)の特定の場所に特定の情報をむすびつけて記憶したり処理する方法はプロセシングの方法としてとくに有用です。
物語とイメージと場所をむすびつける - 東京国立博物館・特別展「インドの仏」(7)「四相図」-
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東京国立博物館 − 歴史をフィールドワークする − (記事リンク集)
▼ 注1
東京国立博物館・特別展「コルカタ・インド博物館所蔵 インドの仏 仏教美術の源流」
▼ 記事リンク
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展示室に意識をくばって仏教史の大きな流れをつかむ - 東京国立博物館・特別展「インドの仏」(2) -
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各作品の制作年代を年表でみる - 東京国立博物館・特別展「インドの仏」(4) -
情報処理の3場面「大観→並列→統合」を実践する - 東京国立博物館・特別展「インドの仏」(5) -
1枚のイメージで物語をあらわす - 東京国立博物館・特別展「インドの仏」(6)「ムーガパッカ本生」-インド仏教美術をみる - 東京国立博物館・特別展「インドの仏」(1) -
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