タツノオトシゴを観察すると魚の常識がくつがえされます。
グラフィックサイエンスマガジン『Newton』(2017年10月号)の Nature View ではタツノオトシゴについて写真をつかって解説しています(注)。



水族館で、タツノオトシゴをみたことがあるという人は多いとおもいます。奇妙なその姿からつよい印象がのこります。これはいったい何なのか? 実は、トゲウオ目ヨウジウオ科に分類される、れっきとした魚類です。

以下のタツノオトシゴの仲間を写真とともに解説しています。


リーフィーシードラゴン
ピグミーシーホース
ハナタツ
ラインドシーホース
イシヨウジ
オイランヨウジ
タツウミヤッコ
リボンドシーゴラゴン
ポットベリードシーホース
ウィーディーシードラゴン

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タツノオトシゴの仲間が属するヨウジウオ科は、タツノオトシゴ亜科とヨウジウオ亜科の2つのグループにわけられます。

姿も奇抜ですが、育児法もユニークです。タツノオトシゴの仲間たち(ヨウジウオ科)は、オスの体にメスが卵をうみつけて、オスが卵をそだてて "出産" します。タツノオトシゴ亜科では、よく発達した袋状の育児嚢をもちます。ヨウジウオ亜科では育児嚢はもちませんが、皮膚が肥大化するなど、卵を保護するはたらきをもちます。

熱帯・温帯域の沿岸浅海の岩礁域・藻場・サンゴ礁などにおもに生息しますが、ながれ藻について外洋をただようものもいます。普通の魚のようにすばやくはおよげないためか、周囲の環境に擬態することで身をまもっていることが多いようです。

水族館に今度いったら、魚の概念からかけはなれたその形態と生態をじっくり観察してみるとよいでしょう。魚の常識がくつがえされます。常識がやぶられます。


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▼ 注
「奇抜な姿のタツノオトシゴたち」Newton(2017年10月号)ニュートンプレス、2017年10月7日