ネペンテス・インターメディア(ウツボカズラ科)
(平行法で立体視ができます)
食虫植物は、さまざまな方式で虫をおびきよせてつかまえます。植物の世界は不可思議であり多様です。
ステレオ写真はいずれも平行法で立体視ができます。姫路市手柄山温室植物園(注)で撮影しました。
立体視のやり方 - ステレオグラムとステレオ写真 - >>
ウツボカズラ科(Nepenthaceae)ウツボカズラ属(Nepenthes)は捕虫袋をもつ食虫植物です。野生で約80種が知られており、園芸品種もたくさんつくられています。分布の中心は東南アジアです。
多年生のつる性植物であり、茎は、高さ数cm〜数mにもなり、葉の中央の葉脈が蔓状にながくのびてほかの植物につかまりながら成長し、つるの先に捕虫袋(袋状の捕虫葉)を形成します。
つぼのような捕虫袋は葉が変形したもので、その上部にはフタがあり、袋の入り口はなめらかになっているので、虫が足をすべらせてなかにおちるとでられない仕組みになっています。なかには水がたまっており、虫がおちると消化液を分泌し、袋の内側から消化吸収します。ちいさな虫だけでなくハエやハチ・ゴキブリなどもつかまえることができ、大きな袋の種類だとカエルやネズミをつかまえることもあります。
サラセニア(Sarracenia)は、葉が筒状になった食虫植物であり、筒状の葉のなかに虫をおとしてとらえます。筒の内面には下向きに毛が生えていて、虫はもがくと下へ下へとおちていきます。北アメリカ東岸の亜熱帯域からカナダにかけて分布します。
それはともかく食虫植物とは、昆虫などの小動物をつかまえて消化吸収し、自分の栄養素にすることのできる植物です。光合成もしますが、生えている土壌に窒素分がすくないため、それをおぎなうためにいろいろな形に葉が変化して(進化して)虫をつかまえる構造となり、分泌する消化酵素や共生するバクテリアなどのはたらきをかりて虫の体を分解し、おもに窒素やリンをとりこみます。つまり、動物の胃腸のような機能をもった植物です。全世界に、約500種が自生しているといわれています。
▼ 注
手柄山温室植物園(姫路市)
▼ 関連書籍:ネペンテスとその仲間たち
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ネペンテス・ナカッチョ(左端、ウツボカズラ科)
ネペンテス・サンヨー(中央、ウツボカズラ科)
ネペンテス・フィリピネンシス(右端、ウツボカズラ科)
ネペンテス・カーシアナ(ウツボカズラ科)
ネペンテス・トランカータ(ウツボカズラ科)
(最長約50cmの巨大ウツボカズラ)
ネペンテス・トランカータ(ウツボカズラ科)
(巨大ウツボカズラ)
ウツボカズラ科(Nepenthaceae)ウツボカズラ属(Nepenthes)は捕虫袋をもつ食虫植物です。野生で約80種が知られており、園芸品種もたくさんつくられています。分布の中心は東南アジアです。
多年生のつる性植物であり、茎は、高さ数cm〜数mにもなり、葉の中央の葉脈が蔓状にながくのびてほかの植物につかまりながら成長し、つるの先に捕虫袋(袋状の捕虫葉)を形成します。
つぼのような捕虫袋は葉が変形したもので、その上部にはフタがあり、袋の入り口はなめらかになっているので、虫が足をすべらせてなかにおちるとでられない仕組みになっています。なかには水がたまっており、虫がおちると消化液を分泌し、袋の内側から消化吸収します。ちいさな虫だけでなくハエやハチ・ゴキブリなどもつかまえることができ、大きな袋の種類だとカエルやネズミをつかまえることもあります。
サラセニア・ビッグホワイト(サラセニア科)
サラセニア(Sarracenia)は、葉が筒状になった食虫植物であり、筒状の葉のなかに虫をおとしてとらえます。筒の内面には下向きに毛が生えていて、虫はもがくと下へ下へとおちていきます。北アメリカ東岸の亜熱帯域からカナダにかけて分布します。
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最近では、ホームセンターや園芸店に食虫植物がならぶことも多くなり、そのフォルムに感動したり、その機能に衝撃をうけたりする人もいるとおもいます。
食虫植物のあるものは「魅惑の落とし穴」方式で、またあるものは「不気味なハンター」あるいは「妖艶の罠」方式で虫をとらえます。何だか、おなじようなことが人間界にもあるような?
食虫植物のあるものは「魅惑の落とし穴」方式で、またあるものは「不気味なハンター」あるいは「妖艶の罠」方式で虫をとらえます。何だか、おなじようなことが人間界にもあるような?
それはともかく食虫植物とは、昆虫などの小動物をつかまえて消化吸収し、自分の栄養素にすることのできる植物です。光合成もしますが、生えている土壌に窒素分がすくないため、それをおぎなうためにいろいろな形に葉が変化して(進化して)虫をつかまえる構造となり、分泌する消化酵素や共生するバクテリアなどのはたらきをかりて虫の体を分解し、おもに窒素やリンをとりこみます。つまり、動物の胃腸のような機能をもった植物です。全世界に、約500種が自生しているといわれています。
ずばぬけたこの個性がどのように進化してきたのか、今でも謎にみちており、わたしたちが想像する以上に植物の世界は不可思議です。またこれらの植物をみていると、生物の世界が実に多様であることも再認識できます。
3D 神代植物公園 -「食虫植物」展(2022)-▼ 注
手柄山温室植物園(姫路市)
▼ 関連書籍:ネペンテスとその仲間たち